信じがたいことに、この川の幅は数十キロあるらしい。
それを渡ろうというのだから、この船は一晩かけて川を横断する。感覚としては深夜バスに近い。
とはいえバスより巨大な船なので、俺達は個室を借りていた。
もしかしたらエイダちゃんが改造したテント小屋より狭いかもしれない。不謹慎な例えだが、奴隷船一歩手前だ。
「ルナリア……いいんだな?」
「はい……改めて確認なんて、しないでください」
誰もが寝静まった深夜。俺とルナリアは、そんな狭い部屋で、薄い布の服のみの姿で向かい合っていた。
冒険の装備どころか、下着すら着用していない―――本当に、最低限身体を隠す程度の薄布の服。
そんな姿で異性と個室にいる。それだけで、互いの強い信頼を感じせる。
「それじゃあ……始めよう」
「はい」
俺は手を伸ばし……魔法の袋の中身を全部出した。
「ひーふーみー、最後に薬草を入れて、これで30個だ」
袋に30個のアイテムを入れたことを確認。
そして、袋から取り出したキメラの翼を掲げる。
エロい展開だと思った? 残念、裏技の実験中です。
極端に薄着の理由? 暑いからですがなにか!
キメラの翼使用をキャンセルし、俺は服を脱ぐ。
目の前にルナリアがいるが、事前に打ち合わせていたのでルナリアは俺に背を向けている。
袋に最後に入れた薬草を取り出して、代わりに服を入れた。
「これで成功したのか……?」
いまいちピンとこないが、これで裏技の一連の作業は完了したはずだ。
袋を漁っているが、俺が着ていた服がない。
「あんまり使いたくないんだけどな、この裏技」
俺は部屋の隅に山積みになっていた荷物から適当な服を着る。
俺が行ったのは、経験値大量獲得のバグ技だ。
これ以上仲間を死なせたくない。その一心で、俺はこの禁断の技を使うことを決めた。
なぜ禁断なのかというと、バグ技なのでまあまあの確率で異常事態が起こるのである。
ノーリスクであれば、エイダちゃんが死ぬ前に普通に使っていた。
だがそうも言ってられない。どのみちリスクを背負うというのなら、やれることはやっておかねばならない。
俺は仲間達と話し合い、この裏技の使用に踏み切ったのだ。
「これでルナリアの能力が急上昇するはずだ。今度はルナリアが同じ手順でやってみてくれ」
「はい」
俺は布で目隠しをして、更に壁の方を向いてルナリアの作業を待つ。
いや覗きとかしないから。漫画じゃないんだから、同年代の同性の女の子の裸とか気軽に見れないから。
少年漫画では普通に女風呂を覗くけど、真っ当な倫理観であればやらないだろ。
ルナリアは俺に経験値大量獲得の裏技を使い、更に俺が退室してアミーラに対して同じ裏技を行う。
この裏技は即座に効果を発揮するわけではない。さて、どうなるかな。
少なくとも、ルナリアの名前がル○リアみたいにバグったりはしてなくて良かった。
……本当に壊れるリスクが高い裏技なのだ。出来ればもう使いたくない。
こんなことやって小説として成立するのかなとも思いましたが、世の中主人公最強で面白い小説なんてたくさんありますしこれでヨシッ!
追記
割烹でも報告しましたが、一応こっちでもお知らせしたほうがいいかなと思い追記しておきます。
現在作者が風邪で、執筆困難となっています。
趣味の小説で無理をしても本末転倒だと考えるので、快調してからゆっくり続きを書こうと思います。
上記のほど、よろしくおねがいします。