ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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砂漠の国へ

 

 

 

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町の状況をサイコロで決定します。

インフラ、発展度合           9

治安の良さ               1

教育レベル               1

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 1ヶ月の砂漠の旅。

 それは、想像以上に苛烈な魔物との戦いの旅だった。

 昼も夜もなく、絶え間なく襲いかかってくる強力な魔物の群れ。

 船員曰く、「以前はこれほど襲われはしなかった」とのこと。

 きっと、ここは文字通りの意味で人類の領域ではなくなったのだろう。

 砂漠の東のアッサラーム、砂漠の南のネクロゴンドが魔王軍に滅ぼされた。

 ならば、砂漠の中心にあるイシスが無事である道理はない。

 あまりに繰り返される襲撃に、これ以上の前進は危険だ、アッサラームに引き返そうという意見も出た。

 人が生きることを許されない魔物の領域と化した砂漠。

 そこを、砂の海と比べればあまりに小さな船で横断するのだ。

 本来は、本当に危ない命がけの旅路となるはずだったのだろう。

 けどここには、俺達勇者パーティーがいた。

 襲ってくる魔物のことごとくを俺達は殴り倒し、全てを討ち果たした。

 

「これもルナリアが強くなったお陰だな」

 

「いいえ、私などはまだまだです」

 

「いよっ。聖女様! 物理系僧侶! グラップラー!」

 

「なにか言いましたか?」

 

「なんでもないです」

 

 当初こそ力に振り回されている感じだったルナリアだが、次第に慣れてきたのか戦いに無駄がなくなってきた。

 彼女は、今や世界最強の戦士と言っても過言じゃないだろう。

 打撃武器と化している復活の杖の嘆きが聞こえてきそうだ。

 

「いやでもジャンヌ・ダルクとかだって、聖女(物理)だったしな……聖女って物理なのか?」

 

 そもそも歴史上の聖女ってあまりピンとこない。聖母マリアくらいしか知らない。

 他の聖女といえば……ナイチンゲールとか?

 いやナイチンゲールこそ医学と統計学の化身みたいな女だわ。

 やっぱ聖女は物理系。確信。

 

「神を信じず祈らず行動を起こした者こそ、奇跡を成し遂げて聖人に至るわけか」

 

「唐突に何を言っているのですか。いえ、仰っしゃりたいことは判りますが」

 

「やはり物理……暴力は全てを解決……ん? あれは……?」

 

 砂漠地帯を進む砂船の舳先で、俺は遠くに変化を見つけた。

 砂漠の中に忽然と現れた緑地地帯。ずっと砂色の大地が広がってきた中で、遂にオアシスを発見したのだ。

 

「イシスだ、砂漠の国イシスに辿り着いたぞ!」

 

 船の乗客の誰かが叫んだ。砂の中から姿を現した緑豊かなオアシス、その麓に築かれた水と緑の国家。

 ドラクエ3のメインとなる中世ヨーロピアンな雰囲気とも異なる、異国情緒溢れる国である。

 砂船はオアシスの側までは行かず、まばらに草の生える地帯で停止する。

 船で移動するのはここまでらしい。

 イシス国の軍人らしき見張りをしていた男達が、砂船に駆け寄ってきた。

 流石は砂漠の国と言うべきか。彼らの肌の色は褐色に焼けており、その上から白い布を巻き付けた衣装を着ている。

 筋肉ムキムキの男性が多めなのは軍人だからか、あるいは民族的な特徴か。

 こんな強力な魔物の生息地の国なんだ、兵士だって強力で当然かもしれない。

 

「客人か。よくぞ参られた。我らが国のしきたりに従う限り、我々は貴方がたの滞在することを許可しよう」

 

「承知しております。入国許可をいただけますか?」

 

 船員が慣れた様子で船の甲板から返事をする。

 船から降りると、イシス国の軍人さん達は何やら物珍しげに俺を見ていた。

 その疑問の答えはすぐに教えてくれた。

 

「貴方は異国の服装をしておられる。その髪色も、我が祖国では見ない特徴だ。もしや貴方がたは、聖女様御一行ですかな?」

 

「ああそうだ」

 

 俺は面倒になって首肯した。

 もうルナリアが主人公でいいや。

 

「俺達は魔王を倒すために旅をしている。心配していたが、イシスはまだ無事だったようだな」

 

「はい。しかしなんと、聖女様が我らの国を訪れてくださるとは!」

 

 イシス国の軍人は感極まったように膝をつき祈り始めた。

 ……なんかめんどくさい気配がする。

 滅んでいて欲しかったわけではないが、どうしてイシスはこうも平穏無事なのだろう。

 

「僭越ながら、我等が王のおわす王城へご案内いたします!」

 

 イシス国の軍人さんは俺に一礼した。

 俺は咄嗟に考える。

 王への謁見は俺さえいればいい。だが、こうも思うのだ。

 旅の仲間なら、面倒事も分かち合うべきだと。

 

「さあみんな! 一緒に行こうぜ!」

 

 俺はルナリア、アミーラ、ガゼルに声をかけた。

 3人は露骨に嫌そうな顔をしていた。

 俺はこの暑苦しい軍人さんに導かれ、砂漠の国イシスでの第一歩を踏み出すことになったのだった。




※主人公が勘違いしているだけで、ナイチンゲールは聖女ではありません。
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