俺はイシス側が用意した高級宿にて、信頼出来る真の仲間達と顔を突き合わせていた。
「生きていて恥ずかしくはないのですか?」
「バーカバーカ! 俺勇者パーティー抜けるわ!」
「…………。」
どうしよう、真の仲間達が糾弾してくる。
ちょっと口が滑って死地に突入しなくちゃいけなくなった程度で、ここまで言わなくてもいいと思う。
裏技使ってないガゼルなんかはほぼ死亡確定レベルだけど、みんなちょっと言い過ぎじゃないだろうか。
「アミーラちゃんは俺の味方だよな! 違ったら違うって言えるもんな!」
「…………! …………!」
「ほらアミーラちゃんも無言で肯定してくれてる! 俺達はズッ友、いやズッ仲間だ!」
「顔見えねーけど、アミーラ嬢のこんな不服そうな顔初めて見たぞ……」
黒衣のアラビアンドレスに隠されて表情は伺えないが、確かに一見アミーラちゃんは不服そうに見える。
しかし俺には判っている。これは俺の言葉を信頼してくれている真の仲間の顔だ。
「はいこれで2対2。意見はイーブン、平行線だ。俺はわるくねえ」
「とんだ勇者だぜこいつは」
ガゼルは溜め息を吐いた。
勇者イコール善人って認識、この多様性の世の中では不適切だと思います。
「まあ冗談はさておいて」
「どこまでが冗談だったのですか?」
「全部だよ。なんで縁もゆかりもない国の為に、あぶねえアイテム回収せにゃならんのだ」
「とんだ勇者だぜこいつは」
ガゼルは再び溜め息を吐いた。
こいつ俺がなんて言っても呆れてるな。
「事前に伝えたが、俺達の目標は北部のピラミッド。欲しいのは魔法の鍵、いらないのは黄金の爪。でもちょっとした想定外で、俺達は黄金の爪を回収する流れになってしまったわけだ」
「想定外、ですか。自分の失態から必死に注意を逸らそうとしていますね」
冷静に分析するのやめてください聖女様。
「砂船をイシスが出すって言ってる以上、国の人間の目があることになる。ピラミッドから出てきたところで『ところで黄金の爪は?』って聞かれたら終わりだ」
「『回収出来ませんでしたごめんなさい』と謝ればいいのでは?」
ルナリアが天才的な意見を出した。
やはり天才か……。
「そうか、失敗したってことにすればいいのか。強さ的に魔物に負けましたって言っても信憑性がないから、謎解きを解けませんでしたってことにしよう」
「謎解きですか?」
「ピラミッドには謎解きがあってな、それを解かないと最後の扉が開かないんだ」
現実となったこの世界で謎解きってどういうことなんだろうな。古代エジプト的な技術力でボタンを押す扉の開閉システムなんて作れないぞ。
それとも魔法的なサムシングでなんとかしてるんだろうか。ビバ魔法。パネェ魔法。
「なるほどな。お前はその謎解きの答えを知ってるんだな?」
したり顔でガゼルが訊ねてくる。勿論、と俺は頷いた。
「まんまるボタンは不思議なボタン、上上下下左右左右BAだったかな」
たぶん違う。
正確に覚えてねえし、この世界だと違うコマンドかもしれない。
「とりあえず明日は城下町で情報収集しよう。各自、王家の墓の封印された扉の開けかたを聞いて回るんだ」
「それ知ってる奴いたらおかしいだろ」
ごもっとも。
「さっきのまんまるボタンは……みたいな歌があるはずだ。それを調べるってことで」
仲間達の了解を得て、俺達は今日は休むことにした。
……そういえば、結局この町に抱いた違和感はなんだったんだろう?
Amazonって2000円以上で送料無料じゃないですか
なんとか2000円以上にしようと頑張って、無駄にトイレットペーパーとか注文するじゃないですか
注文確定したあとで「そういえばアレ注文しようと思ってたんだった…」って思い出すじゃないですか
かなしい