ドラクエ3リプレイ   作:蛍蛍

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敵と味方と

 

 

 回想終わり。場面は砂船の上に戻る。

 今後の王様稼業についての不安や、そもそも革命が成功するのかという疑問もあるが。

 俺としては、やはり死者蘇生が失敗したことが心のしこりとなっていた。

 

「エイダちゃんの復活はできないのか? あれだけ準備していたファラオでさえ失敗した。素人作業の俺たちには無理なのか?」

 

 ミイラにしてもエイダちゃんにしても、やっていることは同じだ。

 復活に備えて、肉体を保存している。

 ミイラは死体を乾燥させることで。エイダちゃんの死体は、肉体に無理やり回復魔法をかけることで。

 

「はーっ」

 

 最近ため息ばっかりだ。

 エイダちゃんを毎日回復させるのは、正直いって負担には違いない。

 これをやる前にルナリアに覚悟を問われた。それが今、本当に問い直されている。

 どうせ復活できないのなら、もう死体の復元はやめるか。

 

「はーっ」

 

 ため息いっちょ追加。

 この根気のなさ、嫌になるぜ。

 やるよ。やりますとも。

 まだ諦めてなんてやるものか。エイダちゃんには、色々と言いたいことがある。

 

「なんだ、センチメンタルにため息なんてつきやがって」

 

 船の甲板縁より砂漠を眺めていたら、男が声をかけてきた。

 ガゼルだ。

 

「ああ、お前もいたな」

 

「いたよ。なんだよ忘れてたのかよ」

 

「忘れてた」

 

「ひでえやつだな。……そのなんだ。エイダって子のことは、なんていうか残念だったな」

 

 気を使ってくれているのが伝わってくる。

 こういうところ、ガゼルはいいやつだ。なんだかんだ俺達より大人ってことなんだろう。

 俺は彼の横顔を眺める。

 

「ガゼルは村に呪いをかけたエルフが憎いと思うか?」

 

「なんだよいきなり。……あー、そりゃ思うだろ。でもなあ……」

 

 ガゼルはため息をつく。

 

「エルフの全会一致で呪いをかけたってわけでもないだろうし。エルフの女子供まで全部嫌いかって言われると、そんなことはねえよ」

 

「そうか。ま、そうだよな」

 

 ガゼルの言うように、エルフにも悪いやつがいればいいやつもいる。

 世の中はバランスだ。いい奴もいれば悪い奴もいる。きっと魔族にだって。

 アッサラームを滅ぼしたキューレは多くの民間人を殺した悪人だが、直接会った俺には彼女が狂人だとも思えない。

 俺はガゼルの横顔を盗み見る。

 コイツに関しても、ちょっと考えなきゃいけないと思ったのだ。

 

「なあガゼル。お前、王様達の話を聞いただろ」

 

「ああ聞いたな。政治なんてわかんねーけど、勇者が王様になるってやつだろ?」

 

「それだけじゃなくて、国を二分して魔族と貿易しようぜって部分も」

 

 これを聞かれたのは、あとになって考えるとよくなかったな。

 

「ガゼル、お前はこれからどうするんだ?」

 

「どうするって? 前にも言った通り、ノアニールの呪いを解く方向で考えてるが」

 

 俺は首を横に振る。そうじゃなくて。

 

「お前、魔王軍のスパイだろ? これからの身の振り方を考えなきゃな」

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