「たっだいま~!」
「おや、おか……いや、随分買ってきたな……」
山積みのレジ袋を抱えて帰ってきたミカ達。彼女らを出迎えたセイアは「本当に食べられるのかい?」と苦言を呈するが、ミカは「大丈夫大丈夫!」と適当に流す。
「っていうかさ、セイアちゃんこそもっと食べないと!このままだと痩せすぎて消えてなくなっちゃいそう!」
「はぁ……そう言っていつも食べ過ぎてひぃひぃ言いながらダイエットしてるのはどこのミカだい?」
「セイアちゃん声ちっちゃくて聞こえなーい!っていうかそれナギちゃんがロールケーキばっか持ってくるせいだし!」
「聞こえてるじゃないか」
「まあそこらへんにしましょうお二人共……」
苦笑いしながら大型のクーラーボックスに買ってきた肉やら魚やらを詰めていくナギサ。それを手伝っていたサクラコが「皆さん仲がよろしいんですね」と小さく微笑むと、ナギサは「まあ、そうとも言えるかもしれませんね」と微笑み返した。
そしてひとまず冷やすべきものをクーラーボックスに入れ終えると、ナギサはミネがいないことに気がついた。セイアに問いかけると、彼女はどうやら薪を取りに製材所へ向かったらしい。いささか興味の湧いたミカとナギサは製材所へ行ってみることにした。
「どうする?サクラコちゃんも行く?」
「いえ、時間も時間ですし、私はお昼ごはんを作って待ってますから」
「了解!んじゃ行こうよナギちゃん!」
「そうしましょうか。では、行ってきます!」
「ああ、気をつけていってきたまえ」
「……ふぅ、あと何本か、でしょうか……」
「おーい!ミネちゃーん!」
「……!ミカ様、ナギサ様……!」
薪割り用の両手斧を下ろして額の汗を拭ったミネ。「何してるのさー?」とやってきたミカが首を傾げる。ミネはすでに幾つかまとめておいた薪の束を指し、「少々薪割りを」と答える。ミカは興味津々で近寄ってきて、「私もやりたーい!」とミネから斧を借りて台の上の薪にガッと振り下ろす。どうやらその感覚が気に入ったらしく、次々と置かれた薪を割っていくミカ。それを眺めていたナギサに「ナギサ様もいかがですか?」とミネはもう一本斧を差し出して勧めるが、ナギサは自信なさげに断った。
「しかし、丁度いいタイミングでした。そろそろ誰かを呼びに行こうと思っていましたから」
「そうなんですか?」
「はい。……実は、私も少し楽しくなってしまいまして、少々自分が持ち切れる量を越えてしまったというか……」
「なるほど」
「確かにこれくらいあれば十分そうですね」とナギサは相槌を打ち、ミカに「そろそろ戻りますよー!」と声をかける。ミカは「オッケー!」と手を振り、両手いっぱいかそれより多いくらいの薪を抱えてきた。ナギサは苦笑いした。
「……これまた随分と用意してきたな……」
「言われてみれば……確かにそうかも?でも焼かないといけないものもたくさんあるしさ!焚き火でマシュマロとかも出来るし!」
そんなことを話していると、タープの下でお昼を作っていたサクラコがミトンを嵌めてお鍋を抱えてやってくる。中に入っているのはクラムチャウダー。一同は「おお!」と歓声を上げた。