ウチの庭にダンジョンがあります   作:ShilonkS

166 / 267
161『狂気』

 1月の最終日。

 深夜にジムでトレーニングをみっちり行い、一度セーフエリアで寝る。

 起きたら学校に行き、授業を受けて、ダンジョンに帰り、一度セーフエリアで寝る。

 そして起きたらやはり、秋水はダンジョンに潜っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、と無理っぽいか!?」

 

 棒術のごとく構えた巨大バールで、振り下ろされる棍棒をまず防ぐ。

 胸狙い、もしくはギリギリ届くだろう顔面狙いとは珍しい。わき腹や腰、太もも辺りを横振りで狙われることがほとんどなので、防御が一瞬遅れてしまった。

 いつもならば巨大バールで棍棒を受け止めたら、そこから巨大バールでくるりと円を描くように回し、受けた力をいなして流すのだが、タイミングがずれた。

 角ウサギの角突きタックルのように、同じ攻撃一辺倒ではないと頭では理解しているハズなのに、同じような攻撃パターンが続くとついつい次の攻撃も同じ感じだと勝手に思ってしまう。これは悪い癖だ。

 受けた棍棒を押し返してから、秋水はすぐにバックステップで後ろへ跳ぶ。

 ヒット&アウェイ。

 上手くいったり、いかなかったり。

 

「仕切り直しといくかね」

 

 まだまだ試し中の戦法は、コツを掴むのに難儀しそうな予感に秋水はにやりと笑いつつ、唇を軽く舐めた。

 距離をとっても、コボルトはがむしゃらに突っ込んでくる。

 ある程度距離が離れていれば警戒しながら位置調整を挟んでくるコボルトであるが、数歩分、くらいの距離であればとにかく距離を詰めて棍棒で殴りかかってくる印象がある。

 

「気が合いそうで嬉しいこった!」

 

 秋水もすぐに構え直して、今度は右に跳ぶ。

 距離を調整。

 跳んだ秋水を追うように、コボルトの犬面がぐるっと左を向く。

 棍棒は、左手だ。

 着地。

 コボルトの体が秋水の方を向こうと、体を捻るように右足が前に出る。

 

「らっしゃい!」

 

 そのタイミングで、着地したばかりの地面を蹴って、コボルトに突っ込む。

 コボルトの左側から。棍棒を持っている左側から。

 体勢的にも、棍棒は構えられていない。

 

「もらって! あれ?」

 

 突っ込んだ勢いを乗せるようにして踏み込んで、巨大バールをコンパクトに振るう。遠心力は小さいが、速度重視の一撃だ。

 その一撃が、コボルトの鼻を掠めた。

 スカした。

 いや、避けられた。

 咄嗟にコボルトが上体を後ろに引いたせいで、バールの先端が犬面の鼻を、ぢっと僅かに擦っただけで、盛大に空振りだ。

 やるじゃないか。

 

「んの雑種犬っ!」

 

 だが、巨大バールの振り方はコンパクト。端を持っての全力スイングのように、遠心力で体が持っていかれることはない。

 振り下ろして空振りした先端を、むしろ地面に叩きつけ、同時にその先端側近くを握っていた右手の握力を少し抜く。

 岩肌の床に叩きつけられたバールが、跳ね返る。

 大丈夫。バールの動きは、コントロールできている。

 放しかけていた右手で即座に再び巨大バールを握る。少しタイミングがずれ、叩きつけた衝撃が右手に多少伝わってきているが、痺れてない。問題ない。

 ボクシングのスウェーのように避けたコボルトの上体が、前に戻る。

 ついでに、棍棒が横に構えられている。

 引くか?

 いや、こちらが速い。

 

「ひとつっ」

 

 地面に叩きつけた反動を上乗せして、今度はバールを下から振り上げる。

 平側の先端が、コボルトの顎下を捉えた。

 

『ギャッ!?』

 

「ふたつっ」

 

『ガッ』

 

 打ち付け、即座に右手を支点に巨大バールをぐるりと回し、続いて左手側、バールのL字側の先端でコボルトの腹を殴った。

 全力スイングの一撃に比べれば威力はあまりに小さいが、コンパクトに回して連撃を叩き込めるのがなんちゃってバール棒術の良いところ。巨大バールから右手を離し、おまけにコボルトの顔面をぶん殴っておく。

 

「みっつっ、それじゃ!」

 

 拳を叩き込んでから、秋水は再び後ろへ跳んで距離を取る。

 ヒット&アウェイ。

 攻撃と後退。

 1歩、2歩、3歩。

 しっかり距離を離してから、再び巨大バールを油断なく構える。

 

 コボルトを複数体相手取るとしたとき、最も注意すべき点は、囲まれる、ということである。

 

 いや、囲まれるのがマズい状況というのは、角ウサギの段階ですでにそうだった。

 人間、後ろには目が付いていないのである。

 後ろは見れないのだ。

 背後を取られたらマズい。正面を相手にしている隙に、後ろからドスリ、なんてオチが待っている。

 しかしながら、角ウサギはその攻撃の特性上、囲まれてもある程度は何とかなった。奴らは角突きタックルしかしてこないからだ。

 だが、コボルトは違う。

 角ウサギよりもタフなせいで、殺し切るまでに時間がかかる。その間に囲まれるリスクが高い。

 そして、袋叩きにされる可能性も高い。

 飛び掛かられるならまだしも、前後や3方向からボコボコに叩かれるのは、流石にマズい。

 一撃の威力は角突きタックルよりも弱いが、連続で叩き込まれる攻撃の方が厄介だというのは、なんちゃってバール棒術を使い始めてから直感的に理解している。

 今のところはライディングジャケットやプロテクターである程度ダメージをカットできているものの、これが袋叩きの末に転ばされたら、頭を狙われるのは火を見るよりも明らかだ。

 いや、棍棒で殴られるだけなら、まだ対処しやすいかもしれない。

 最悪の可能性で言えば、人間と同じその両腕を使って、組み付かれる、というケースも想定できる。

 直接的に動きを封じ込めにくる。

 最悪である。

 

 よって現状、ヒット&アウェイの戦法を自分なりに習得する必要があるのだ。

 

「ほい残念賞」

 

 地面を蹴って一気に距離を詰め、踏み込むようにして急ブレーキ。

 ぶおん、と秋水の胸の前をコボルトの棍棒が勢いよく通過した。

 空振りである。やり返してやってぜ。ざまぁ。

 迎撃するようにタイミングよく振るってきた棍棒を、そのタイミングをずらすことによって秋水は回避しつつ、両手首のスナップをきかせて巨大バールの持ち方を即座に変更する。

 中央辺りの持ち方から、平側の先端を握る持ち方に移行。

 そして棍棒を空振りして体勢が崩れてしまっているコボルトの顔面に向かって、一切の遠慮をすることなく殺意マシマシの全力でぶっ放す。

 

「を、フォーでユーだこの馬鹿犬がっ!」

 

『ギャンッ!』

 

 野球のバットのごとくフルスイングされた巨大バールのL字先が、コボルトの顔面に炸裂した。

 コンパクトに殴るのも良いが、いけそうならば最大火力をお見舞いする。気持ちがいいぜ。

 その一撃で、コボルトの体が仰け反った。

 魔素が吐き出されている。

 追撃。

 と、反射的に次の攻撃を仕掛けようとしてから、秋水は思い出したように後ろへ跳び退いて距離を離す。

 

 こうやって追撃する間に、囲まれる。

 

 複数体を相手取るとした場合、こうやって小まめに相手と距離をとり、背後を取られないようにするべき、なんだろう。たぶん。

 角ウサギの場合は向こうが血気盛んに率先して突っ込んでくるものだから、待ち構えていれば十分だったが、コボルトの場合なら秋水自身が意識して動き回る必要がある。

 囲まれないように。

 気を付けながら。

 ちょっと面倒だなと思う反面、確かに覚王山やミッチに教えてもらったボクシングの試合だと、距離を離したり詰めたりとボクサーは積極的に足を使って位置取りをしていることを思い出す。

 前に出るだけが戦いじゃない。

 ひたすら攻めるだけが戦いじゃない。

 

「そんで、トドメ!!」

 

 再び大きく踏み込み、巨大バールを思いっきり振るう。

 しかも今度は鞭の如く、頭上で巨大バールを一回転させて遠心力をさらに上乗せした。

 拳の殴り合いができるくらいの超至近距離では繰り出せない一撃だ。

 それが、コボルトの頭へと、突き刺さる。

 

『ッ!?』

 

 悲鳴すらも打ち消すように、その一撃でコボルトを地面へ張り倒す。

 背中から勢いよく倒れ、後頭部を打ち付けた瞬間に、コボルトの口から魔素が噴出した。

 よし。

 死亡演出を見た秋水は、ぶおん、とパフォーマンスのように巨大バールを1回転させてから地面に突き立てる。

 

「ふいぃ、決まったぜおい」

 

 そしてヘルメットのバイザーを上げ、ため息を1つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休憩して、すぐに次のコボルトと戦う。

 攻撃。

 後退。

 距離を調整して、位置を調整して、タイミングを見計らう。

 そして攻撃。

 繰り返す。

 足を使う分、当然ながら疲れる。

 動き回って戦うのも、これはこれで楽しい。

 一気に攻め切らない分、戦う時間も当然ながら長くなる。

 引くか攻めるか考えながらじっくり殴り合うのも、これはこれでオツなもの。

 攻撃をして、後退する。

 コボルトからの攻撃は防いで流す。

 次の部屋も、その次の部屋も。

 なんとなくタイミングのはかり方のコツを掴んできたのかもしれない。

 コボルトから一撃ももらうことなく、秋水は5部屋目へと突入した。

 してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 順調。

 その二文字だった。

 5部屋目の4回戦。

 秋水が構えているのは巨大バールではなく、手斧と通常のバールであった。

 斧は右手に、バールは左手に。

 昨日も試したスタイルだ。

 手斧も、使ってみれば案外悪い武器ではないのである。

 いや、それは前から分かっていた。悪くはないが、巨大バールと装備が択一になるという欠点が問題なだけで。

 

「よいしょいっ!」

 

 斧の刃をコボルトの胸元に叩き付ける。

 どっ、と刃が当たり、少しめり込むようにコボルトの肌が裂けた。

 バールは何処で殴っても一定のダメージが期待できるが、手斧は刃の部分を叩きつけねばいけないので、有効な攻撃となる範囲はバールよりもぐっと小さい。

 しかし逆を言えば、刃の部分を叩きつければ、その一撃はバールよりも強く鋭いものになる。

 なんだ、結構いいじゃないか。

 それが昨日の感想だ。

 

『ガウワッ!』

 

「おおっと、残念無念また来年っと」

 

 胸に食らった斧の一撃に怯むことなく、コボルトは吠え、右手に持った棍棒で殴りかかる。

 手斧の刃があまり食い込まなかったことは、手応えですぐに分かっていた秋水は深追いすることなく即座に後ろへと飛び退いて、その棍棒を回避する。

 ひらり、と華麗な躱し方とはお世辞にも言えないバックステップである。要練習だ。

 そして、手斧の方も上手く斬りつけられなかった。こういう刃は押して斬るんだったか引いて斬るんだったかと聞いたことがあるが、そういう関係なんだろうか。斬れたり斬れなかったりと、意外と斧の一撃はダメージが安定しないのだ。要練習だ。

 練習したいことが多過ぎる。

 楽しいねぇ、と秋水は笑った。

 

「さ、次だ次だ」

 

 続けて左へと回りこむように走れば、させるかとばかりにコボルトが詰めてくる。

 もっと後ろに下がってからにするべきだったか。上手く。

 コボルトの棍棒が構えられる。

 右手。

 右後方、横側に構え。

 横薙ぎの振り回しだ。

 コボルトの動きをしっかり見て、秋水は即座に判断する。

 身体強化による視力の強化と、思考速度の強化がなければ、とてもできる読み合いではない。

 踏み込んできた。

 タイミングは。

 

『グゥッ!!』

 

「ここっ―――あっぶね! 紙一重!?」

 

 予想通りに横薙ぎで振り抜かれた棍棒を、軽くバックステップで避けようとしたが、思ったよりもコボルトが腕を伸ばしてリーチいっぱいに棍棒を振るってきたせいで、ぢっ、と棍棒の先端がライディングジャケットを掠めた。

 危ない、普通に当たるところだった。

 こういう攻撃読むことも、要練習ということか。成長のし甲斐があるってものだ。

 思いっきり振り抜いたことでコボルトの体勢が崩れたが、攻撃が掠めてしまって秋水は踏み込むタイミングを逃してしまう。

 強引に攻めるか。

 いや、攻めまくれば普通に勝てるだろうが、それでは意味がない。

 

「やっぱ難しいなこれっ」

 

 悪態をつきながらも楽しそうに秋水は再び後ろへ下がる。

 1歩。

 次はバールで殴る。

 斧は棍棒を防ぐために使って。

 2歩。

 コボルトが棍棒を両手で構えた。

 左に回り込む意味がなくなったじゃないか。

 3歩。

 今度は距離を十分に開けて、コボルトが突っ込んでくるのに半歩遅れて入るか。

 下がりながら、次の攻撃を頭の中で組み立てる。

 

 そして、4歩目。

 

 左手に持ったバールを、軽く構えるように、握る。

 

 

 

 ぺちょ、と、何か、張り付いた。

 

 

 

 次の瞬間、秋水の左腕が、強烈な力で引っ張られた。

 

 

 

「っ!?」

 

 まったく意識していなかった方向から腕を引かれ、秋水は思わず転ぶように体勢を崩しかけたものの、反射的に踏み止まった。

 なんだ。

 新手か。

 トラップか。

 突然左腕を引っ張られ、秋水は軽く混乱した。

 だが、混乱している場合ではない。

 

 引っ張られている。

 

 現在進行形だ。

 

「なんっ!? だ、ちょっ!?」

 

 左腕。

 いいや、左手だ。

 バールを握っている左の拳に、何か張り付いて、強引に引っ張ってきている。

 いきなりなんだ。

 何事だ。

 混乱しながらも、ここで転んだり引きずられるわけにはいかないと、即座に両足を開いて腰を落とす。

 踏ん張る。

 ケーブルマシンで筋トレをするときの踏ん張り方だ。息をするように咄嗟にできる。

 踏ん張りながら、秋水はすぐに左を向く。

 何が起きているか、確認。

 

 

 

 秋水の左手に、スライムから伸び出た触手が、張り付いて、いた。

 

 

 

 畜生!

 思わず心の中で悪態をついた。

 しまった。

 しまった。しまった。

 マズい。

 やらかした。

 新手じゃない、最初からいた。

 正真正銘の、トラップだ。

 今の秋水では決定打を与えることもできないモンスター、スライムだ。

 ダンジョンの地下3階、その一番最初の部屋からすでにいた、スライムだ。

 コボルトと戦うようになってからも、部屋の中には普通に点在していた、スライムだ。

 ああ、なんてこった。

 畜生。

 

 

 

 存在を、忘れていた。

 

 

 

「くっ、に、ふっ!」

 

 左手が捕らえられ、しかも引きずり込まれそうになっている。

 マズい。

 最悪だ。

 その場で踏ん張って左手を引き抜こうとするも、抜けない。

 それ以上の力で引き摺り込もうとしてくる。

 パワーが足りない。

 鍛え方が足りないのかと冗談を言っている暇もない。

 ライディンググローブから手を引き抜く。駄目だ。バールを握っているその上から捉えられている。指を開かなければグローブから手は引き抜けない。

 身体強化を100%に引き上げて力ずくで引き抜く。無理だ。多少は強化倍率が上がっているとは言え、全力でも引き抜けなかったのは以前に実証済みだ。

 では部分強化を併用する身体強化の重ね掛けで。どこをだ。踏ん張って堪えているこの現状、全身に力を入れている。どの部分を強化するというのか。

 いや。

 いいや。

 そんな悠長なことを考えている場合ではない。

 

『ガウワッ!!』

 

「だ、よなクソがっ!」

 

 左腕を引き、腰を落として両足で踏ん張り、全力でスライムの引き摺り込みに拮抗しながらも、秋水は残った右手の手斧を握りなおす。

 スライムから視線を外す。

 

 そして見るのは、コボルト。

 

 棍棒を上段に振り上げて、襲い掛かってくる犬の頭をした化け物人間。

 腰を落として踏ん張っているこの体勢であれば、頭をぶん殴れるという判断なのだろう。正解だよ畜生が。

 コボルトはすぐ近くに迫ってきている。

 チャンスは今だとばかりに突っ込んでくる。

 複数のコボルトに囲まれたら厄介だと思っていたが、コボルトとスライムに囲まれてやがるじゃないか。

 笑えない状況だ。

 笑えない。

 いや。

 

『ギャウッ!!』

 

「ずんだっ!!」

 

 振り下ろされるコボルトの棍棒を迎え撃つように、秋水は残された右腕だけで手斧を振るう。

 ガンッ、と鈍い音が響く。

 棍棒を、斧が捉えた。

 ヤバい。

 ヤバいヤバいヤバい。

 振るった斧で棍棒を無理やり弾く。

 弾いた反動で、体がずりっとスライムの方へとわずかに引き寄せられた。

 マズい。

 マズいマズいマズい。

 

「ブーストッ!!」

 

 棍棒を弾くと同時に残りの魔力を右腕に集め、急いで部分強化の魔法を発動させる。

 右腕へ身体強化の重ね掛け。

 棍棒を弾いた手斧の刃を、コボルトへと向ける。

 

「もちっ!!」

 

 そして、手斧を全力で投げつけた。

 片腕だけの筋力とはいえ、4倍を優に超える強化を施されたその膂力から繰り出された斧は、凄まじい勢いで空を飛び、コボルトの右肩に叩きつけられた。

 顔面とはいかなかった。

 刃が刺さりもしなかった。

 だが、コボルトが一瞬たじろぐように怯んだ。

 だが十分。

 状況は変わらず最悪。

 スライムに引き摺り込まれそう。

 コボルトは棍棒の射程範囲内。

 ヤバい。

 マズい。

 最悪だ。

 

 秋水の顔に、獰猛なる笑みが、自然と浮かんでしまう。

 

 スライムに取り込まれそうな状況がヤバい。

 なおかつコボルトが目の前にいるのもマズい。

 最悪である。

 ずんだ餅とか言っている場合じゃない。

 

 しかし、最高に、ヒリヒリする。

 

 とにかくコボルトを押し返さないと、と秋水はすぐにバールを引き抜こうと腰ベルトに右手をかける。

 指先に、「それ」 が当たった。

 

「……っ」

 

 ほぼ反射的。

 バールではなく、「それ」 を秋水は引き抜いた。

 怯んだコボルトの体勢が戻る。

 手にした得物を構えつつ、右手でライディングジャケットの左袖を、思いっきり引っ張り上げた。

 みちっ、と嫌な音。

 コボルトが棍棒を振り上げる。

 それより早く、秋水も右腕を振り上げた。

 躊躇う必要などない。

 

 秋水は、即座に右腕を振り下ろす。

 

 

 

 手にした鉈で、自分の左手首を、斬り落とす。

 

 

 





 次回は秋水くんの感情がアレな感じになるので、たぶん文章ぐっちゃぐちゃで読みづらくなるかもしれません(;´・ω・)

 ところで美寧ちゃん、キミが距離を縮めたい人、こんな奴だけど大丈夫(。´・ω・)?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。