ウチの庭にダンジョンがあります   作:ShilonkS

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223『好きな相手からは拒否られがちな女』

 質屋 『栗形』 は、一応は質屋である。

 ただ、持ち込まれる物のほとんどは買い取りであり、悲しいかな実質はリサイクルショップと言って良い。

 買い取りの対象は特に定めていないものの、メインはアクセサリー系統で、あとはバッグや時計にカメラといった、そこそこに値の張るブランド品を中心に持ち込まれている。

 律歌を案内してきたはいいものの、メカニック大好きな律歌が興味を引くような商品は置いていない、と秋水は考えていた。

 実際にメインであるアクセサリーやジュエリーに関して律歌の反応は、ふーん、程度で芳しいものはなかった。

 その律歌は、現在。

 

「わっ、これってもしかしてジラールですか!? ジラール・ペルゴ!? ええっ!? スリー・ゴールド・ブリッジ!?」

 

「お、律歌ちゃんは見ただけで分かるタイプなんですねー」

 

「凄い……ムーブメントが裏も表もシンメトリー……ここのブリッジ、金の矢みたいですね! トゥールビヨンがすごく綺麗です!」

 

「おお。正直、私より詳しそう。でも綺麗ですよねこれ。ジラール・ペルゴの中でも最高級に変態ですし……こんな極小の建築芸術みたいなの、鑑定に出されたときはこっちがひっくり返りそうでしたよ」

 

「そうですよね、下手な車より高いですもんね。でも、見れば見るほど精度と美の両立がされてるのが分かります……」

 

「あ、律歌ちゃん、触ってみます?」

 

「ぅえ!? いいえいいえっ! 落としちゃったら弁償できないですよ!?」

 

「ふふ……実はケース持ってるだけで、私も手が震えてるんです」

 

「置いて下さいね!?」

 

 なんか、金色の腕時計を祈織に見せてもらい、きゃいきゃいと楽しそうにはしゃいでいた。

 祈織曰く、この店のとっておき、らしい。

 目をキラキラさせながら丁寧にクリアケースに飾られた腕時計を見ている祈織の反応から察するに、凄い腕時計なのだろう。高級品なんだろうか。

 白銀のネックレスは鎬に渡し終わったし、さっさと店を出ようかな、とは言い出しづらい雰囲気だ。

 

「でもこれ、よく買い取りしましたね。絶対に高かったでしょうし」

 

「あ、これ最終的に300万でした」

 

「ええっ!?」

 

「しかも、買い取りじゃなくて質入れだったんですよ。なんでも急にお金が必要だったらしくて、こんな辺鄙な店に泣きついてくるレベルで焦ってたんですよね」

 

「えーっと……もしかして、贋作じゃぁ……」

 

「私も最初にそれを疑っちゃいましたよ。まあ、だからこそ、どこの店にも疑われちゃったらしいんですけど」

 

「ですよね」

 

「でも調べたら本物っぽいですし、偽物だったとしても、これを再現できるのは逆に職人の魂を感じるレベルです。なので、とりあえず300で質預かりしたら、お金返しに来なかったんで質流れで私の手元にこんなヤバい商品が……」

 

「その人、絶対なにかありましたよねそれ!?」

 

「律歌ちゃんも、お金に困るような物事に首を突っ込んじゃいけませんよ。もしくは、首を突っ込むにしても貯金はちゃんとしましょうね」

 

 律歌と祈織は楽しそうに喋っている。

 今日初めて会ったばかりなのに、まるで以前から友好関係があったかのような雰囲気だ。

 妹の紗綾音とは相性が悪かったが、逆に律歌とは祈織と相性が良いのかもしれない。

 

「店長がお姉ちゃん風を凄い吹かせまくっているわ」

 

 その様子を若干呆れた感じで眺めていた鎬が、ぽつりと零す。

 カウンターにはマグカップが2つ。

 鎬と秋水のものである。

 140㎝組はカメラやら腕時計を見てきゃっきゃと話に花を咲かせ、棟区組はカウンターの椅子に腰を下ろして2人の様子をのんびりと眺めているという状況だ。

 年齢も関係もなにも知らない赤の他人が傍から見れば、娘2人を見守っている両親の図、である。

 なお、父親役の秋水は中学生で、娘役は両方秋水より年上かつ祈織に至っては成人している模様。

 

「鎬姉さんがいつもからかってるから、フラストレーションが溜まってるんじゃねぇか?」

 

「あら酷い、私なりの愛情表現よ、秋水」

 

「歪んでやがる……」

 

「これでもストレートな愛情表現だと思うわ」

 

「濃すぎて分かんねぇんじゃないか? せめて水割りにしようぜ、これからは」

 

「イヤよ。私は冬でもロックなのよ?」

 

「そいつぁ過激にロックだぜ……」

 

 溜息を漏らしつつ、秋水はマグカップに入れられたコーヒーを一口。

 コーヒーは嫌いではない。

 むしろ好きと言っていい。

 しかし、秋水はコーヒーの味の違いや善し悪しというのがよく分からない。

 本格的なドリップコーヒーと、安物のインスタントコーヒーを飲み比べたところで、たぶん区別ができないくらいだ。

 だが、コーヒーは好きである。

 コーヒーに含まれるポリフェノールが抗酸化作用を発揮して、筋肉の炎症を抑え、回復を早めてくれる。それに炭水化物とコーヒーを一緒に摂取すると、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの再合成を助けてくれるのだ。筋トレ前に飲めば、パフォーマンス向上だってする。

 筋トレとコーヒーは、切っても切り離せないのだ。

 もしかしたら、秋水のコーヒー好きは、少しジャンルが違うのかもしれない。

 

「そういや、今日はあいつら来てないのな」

 

 一口コーヒーを味わってから、秋水はふと気になって鎬に尋ねる。

 鎬もまた、マグカップを手に取ってコーヒーを飲んでいるところだった。

 

「あいつらって、お客様もどきの方々かしら?」

 

「そうそう。あの外国人たち……スパイとかなんとか」

 

「来てたわよ、午前中に。しかも今日はちゃんとお客様だったわ」

 

 しれっと鎬が答えた。

 ちらりと鎬の表情を確認したが、いつもの通りに真顔のままで、その内心はよく分からない。

 

「マジかよ」

 

「ええ。100円で買ってきたハンドクリームを、これ見よがしにカウンターに並べて200円で売ったら、全部売れちゃったわ。向こうも話を聞くだけ聞いて、手ぶらで帰るのは申し訳なかったんじゃないかしら?」

 

「利益率50%、だと?」

 

「そこだけ切り取ると、ヤバい商売みたいじゃないの。ハンドクリーム以外にも、普通にアクセサリーとか買ってくれた人もいたわよ」

 

 あくどい商売は顧客が離れるわ、と零しつつ、コーヒーを一口。

 困っているようには見えない。

 白銀のアンクレット、というか新しい元素を含んだ物質の出所を嗅ぎ回られているらしいが、鎬としては特に問題視をしていないのだろうか。秋水としては普通に困るのだが。

 それに、政府との交渉はまだまだ控えている。

 こうやってのんびりとしている暇など、あるのだろうか。

 

「うーわー……トゥールビヨンの動き、一生見てられそうです……」

 

「分かってくれますか律歌ちゃん。この手の話は鎬さん全然理解してくれないから嬉しいです。妹にほしい……」

 

 棚に置いたクリアケースに丁寧に飾られている腕時計をまじまじ見ている律歌を、祈織は後ろから嬉しそうにぎゅっと抱き締めている。凄く仲良くなったようだ。

 それは良いが、店の危機は未だ継続中である。

 もしかしたら、あれは祈織なりの現実逃避なのだろうか。

 2人の様子を見てから、秋水は再び鎬をちらりと見た。

 す、と鎬が目を逸らす。

 

「……いえ、価値の保存という意味で高級な腕時計があるのは理解しているわ。でも、それだったらゴールドで良くないかしら、とか言ったら、いつになく店長が拗ねちゃって、未だに根に持っているのよ」

 

「別に聞いちゃいねぇよ」

 

「いけないわね。秋水にまで言外で責められてると思っちゃったわ。ストレスかしら?」

 

「鎬姉さん、ストレス感じるのか?」

 

「酷いわ秋水。これでも私、ストレスには結構弱いのよ?」

 

「ほーん」

 

 真面目な顔でアホなことをほざいている鎬の言葉を、秋水はコーヒーを飲みつつ右から左に流す。

 やはり祈織は現実逃避気味だと思っても良いかもしれない。

 まあ、律歌と仲が良さそうなのは、いいことだろう。

 やはり、かなりの小柄、という類似点があるから、シンパシーを感じているのだろうか。

 互いに小学生低学年並み、という身長だ。それで色々苦労していることもあるだろう。

 いや、比べてみたら、律歌の方がわずかに祈織よりも身長が低いように見える。

 だから祈織は、律歌に対してお姉ちゃん風を吹かせているのかもしれない。

 祈織にとって、律歌は貴重な癒し枠になったようだ。

 ただ、祈織と律歌が並んでいても、祈織の方が幼く見えるのは何故だろうか。

 と、2人を眺めていたタイミングで、店の扉が開いた。

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

「いらっしゃいませ!」

 

 来客を知らせるベルの音に、真っ先に反応したのは店長の祈織。

 そして元気に続いたのは、何故か律歌であった。

 え、みたいな感じで扉へ向けられた顔を祈織は思いきり律歌へと引き戻す。

 少し遅れ、はっ、としたように律歌は顔を赤くした。

 

「……ご、ごめんなさい。バイトの癖で、つい」

 

 流石はコンビニアルバイト。

 仕事の癖でつられて挨拶をしてしまい、赤面して縮こまった律歌を、可愛いですねー、と祈織はむぎゅりと抱きついて可愛がる。接客しろ店長。

 そんな祈織の様子に、来店した客の方が驚いていた。

 びしっとしたスーツ姿の男女だ。

 

「あら、私よりもストレスに弱そうな人が来たわ。いらっしゃい、峰岸さん、鋒山さん」

 

「否定できないのが痛いですね。こんにちは、少し時間が早いですが、上がってもよろしいですか?」

 

 いつぞやに見た、弁護士の2人組である。

 峰岸と鋒山。

 確か、40過ぎくらいの優男が峰岸 鉄臣、20中頃といったキツそうな女性が鋒山 志穂、だったか。

 店に入ってきた鉄臣は、まず店主の祈織に頭を下げてから、苦笑を浮かべつつ鎬へ尋ねる。

 口振りからして、会う約束があったのだろう。そして、鎬の口振りで思い出した、鉄臣は胃が痛そうな人だ。

 鉄臣の一歩後ろで入ってきた志穂は、祈織に対してにこっと笑顔を向ける。

 そして、鎬に向けて急に冷たい目を向けた。

 温度差で風邪をひきそうである。

 

「……あなたに比べたら、ほとんどの人がストレスに弱そうですけどね」

 

「酷いわ鋒山さん。これでも私、ストレスには結構弱いのよ?」

 

「よく言いますよ。この前の会議でも、結局汗1つかいてなかったじゃないですか」

 

「そうね。冷房利きすぎだったんじゃないかしら、あの会議室」

 

「2月に冷房かけるわけないでしょう」

 

「不思議ね」

 

「あなたがね」

 

 ギスってる。

 いや、これはいっそ、仲が良いのだろうか。

 暖房の利いているはずの店内なのに、どこかひんやりした空気が流れた気がした。

 ああそうだ、思い出した。この志穂とかいう女性、鎬と思いきり口論していた人じゃないか。

 紗綾音と祈織も相性が悪そうだったが、鎬と志穂に比べたらなんとも可愛いものである。

 

「こら志穂さん……毎回申し訳ありません棟区さん。ご不快でしたら、彼女は席を外しますが……」

 

「面白いことを言うのね峰岸さん。鋒山さんほど見ていて愉快な人は、そういないと思うわ」

 

「あ?」

 

「抑えて志穂さん。棟区さんも煽らないでいただけませんか?」

 

「あら、そんなつもりはないのだけれど。煽っているように聞こえたらゴメンなさいね。私の愛情表現ってかなり濃いめのロック仕様らしいの」

 

「せめてこれからは水割りにしてくれませんかねこのやろう……」

 

 ギスってるギスってる。

 相変わらずの真顔で無表情であるにも拘わらず、ふふん、と鼻で笑うのが副音声で聞こえてきそうな鎬の煽り文句に、志穂が若干キレ気味である。

 身内で付き合いの長い秋水から見れば、鎬が楽しそうに志穂にじゃれているのが分かる。

 しかし、傍から見れば、無表情で淡々と冷たく煽っているようにしか見えない。

 秋水と同じツッコミを入れている志穂は、キレそうなのを必死に抑え込んでいるようだ。

 鎬の凍えそうな言葉と、志穂の怒りの熱気が可視化されそうな雰囲気。

 仲裁に割って入っている鉄臣が、そっと自身の腹を押さえている。痛いのかもしれない。相性がバチクソ悪いのは分かりきっていることなのに、なぜ連れて来たのだろうか。

 あわわ、と両者を交互に見て焦っている祈織に後ろから抱き締められていた律歌が、不安そうに、きゅ、と祈織の手を握る。

 律歌からしたら、鎬も志穂も、今日初めて会った人物だ。

 いきなりバチバチした雰囲気になって、不安になったのだろう。

 手を握られた祈織が、はっと律歌の様子に気がついた。

 

「え、え……営業妨害です! 喧嘩するなら外でお願いします!」

 

「喧嘩じゃないけど、店先で喧嘩した方がむしろ営業妨害じゃないかしら?」

 

「即座に冷静な指摘をありがとうなんだけど当事者の自覚を持ってくれないかな鎬さん! 喧嘩するならバックヤードに行って下さい!」

 

「はいはい」

 

「返事は1回!」

 

「はーい」

 

「伸ばさない!」

 

 勇気を出して割って入って注意をとばした祈織。少し震えているのが分かる。

 鎬は相変わらずの様子で、コントのような会話をしつつ椅子から立ち上がってバックヤードに続く入口の方を指さした。

 

「峰岸さん、鋒山さん、裏の方で話をしてもいいかしら?」

 

「はい。ですが、その、鋒山の方は控えた方がよろしいのでは……?」

 

「いいえ、どうぞご一緒に。鋒山さんは来週の交渉にも一緒に参加して下さるもの。仲間はずれにするなんて水くさいじゃない」

 

「そういう問題ではないのですが……」

 

 無表情を変えずに、ふふ、と小さく鎬に、鉄臣は苦笑しながら胃の辺りを擦っている。なるほど、ストレスに弱そうな人だ。

 そういう意味は決して含んでいないのに、まるで挑発するような冷笑を向けられた志穂は、む、と顔を顰めた。

 しかし、不安そうな祈織と、少し怯えた様子の律歌の視線に気がついてから、志穂はゆっくりと気持ちを落ち着かせるように細長い溜息を吐き、それから多少引き攣った笑みを2人に向ける。

 そして鎬に向き直り、ぎろりと睨む。

 

「臨むところです。あなたが妙な提案をしないか、きっちり見張らせていただきます」

 

「志穂さん、ご家族の前でなんて言い方を……」

 

「まあ頼もしい。あなたに見張られるとなると、やる気が出てきちゃうわ。一昨日も期待通りに会議を荒らしまくって大活躍だったものね」

 

「棟区さんも煽らないで……」

 

 上司であろう鉄臣の前に出て、志穂はバックヤードの方へとずかずか向かっていく。

 ふ、と鎬の口端がわずかに上がる。

 楽しそうだ。

 しかし、鉄臣の方は顔色が悪い。

 地味に鉄臣とも鎬は相性が悪そうである。

 

「それじゃあ店長、私は少し裏に行くけれど、なにかあったら呼んでちょうだい」

 

「あ、うん……鎬さんは大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫よ。来週の打ち合わせをちょっとやるだけよ」

 

 そして祈織に声を掛けてから、鎬も鉄臣を連れてバックヤードの方へと足を運んだ。

 来週の、というのは、十中八九、政府関係者との交渉会議のことだろう。

 互いの出した意見が真っ向対立したという、交渉会議。

 自分達が置かれている状況をいやでも思い出し、祈織の表情が思わず暗くなってしまった。

 

「……あの」

 

 秋水と祈織と律歌。

 3人が取り残された店内で、最初に声を上げたのは、律歌であった。

 

「だ、大丈夫、なんですか? その、随分と怖い雰囲気でしたけど……」

 

「えっと……」

 

「どうでしょうね」

 

「ちょ」

 

 心配そうな律歌の言葉に、祈織はなんと返したものかと言い淀んだものの、秋水はしれっと首を傾げた。

 

「鎬姉さんはあの女の人のこと、随分と気に入っているみたいですけど、女の人の方からはばっちり嫌われているようです。たぶんまた、食って掛かられるのでは?」

 

「え?」

 

「え?」

 

 マグカップに残ったコーヒーを飲んでから、秋水はゆっくりと椅子から立ち上がり、リュックサックを背負う。

 律歌と祈織からほぼ同時に同じ疑問の声が上がったが、色が違った。

 鎬とは初対面の律歌は、やはり心配そうにバックヤードの方をちらりと見てから秋水を見上げる。

 

「え、あの……秋水さんの叔母様の方も、かなり挑発的でしたけど……」

 

「ああ、叔母は気に入った相手をからかうタイプなんです」

 

「えぇー……」

 

 分かりづらい叔母で申し訳ない。

 鎬はあれはあれで、志穂のことは気に入っているのは間違いないのだ。

 ただ、志穂の方からは滅茶苦茶嫌われてしまっているみたいだが。

 まあ、きっと鎬がなにかしでかしたのだろう。もとより鎬は嫌われやすい女である。

 

「というわけで律歌さん、トラブルが起きる前に店を出ましょう」

 

 秋水は早く店から撤退をしようと律歌へ声を掛けた。

 志穂の方はどうにか怒りを抑え込んでいるようだったが、あれは爆発するまで時間の問題だろう。鉄臣には是非とも頑張って頂きたいが、どうにも期待できそうにない。

 ここは逃げるが勝ちである。

 

「ちょっ!? 秋水くんまさかこのタイミングで見捨てるんですか!?」

 

「申し訳ありません。律歌さんはこの後ご用事があるとのことで、私も送らなければならないのです」

 

 そして取り残される祈織が慌てて秋水を止めには行ったが、秋水はやんわりと、しかし明確に拒否の姿勢。

 誰が好き好んで修羅場に残るというのか。

 いや、きっと志穂が一方的に鎬に食って掛かるだけだろうけれど。

 秋水の断り文句に、く、と祈織が言葉に詰まる。

 なお、本来であれば、律歌とはここで別れる予定であった。

 え、送ってくれるの、と律歌が不思議そうに見てくるのを、秋水は涼しい顔で受け流す。

 

「く……律歌ちゃんの用事だったら、仕方がないかぁ……」

 

 初対面にも拘わらず、早々と友情を勝ち取った律歌を盾に取られ、祈織は渋々と折れざるを得なかった。

 

 

 





Q:鉄臣さんが面倒を見ているとは言え、なんで気性の荒いヤベェタイプの志穂が政府との交渉会議なんてのに駆り出されたの?

A:ご指名を入れた、さらにヤベェ女がいるから(;´д`)

 次回、ガードレールとかいう日常にありふれたものの凄いどうでもいい話(嘘ではない)
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