モンスターハンター 炎天の軌跡   作:片倉 陸翔

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 久しぶりの投稿です。
 よろしくお願いいたします。


始まりの空と陸の女王
始まり


 

 村が、燃えていた。

 

 

 逃げ惑う人、泣き叫ぶ人、そして現実が受け入れられず立ち尽くす人。

 

 

「お姉ちゃん!!」

 

 

 妹の声がする。

 泣き叫び、こちらにかけてきた。

 

 

「急いで逃げるんだ!!」

 

 

 誰かが叫ぶ、妹の手を引き、姉は走った。方向なんてどうでもいい。

 そのとき、

 

 

 グオオオオオオオオオオ!!

 

 

 遠くから叫び声が聞こえた。

 人の声ではない。

 

 

「な、なに!!」

 

 

 動かない、恐怖のあまり彼女は足が動かなくなってしまった。

 そして、その姿が見えた。

 

 赤い火を吐き、翼を広げて飛ぶ竜の姿を。

 

 

「あ、あああああああああああ」

 

 

 彼女は叫ぶことしかできなかった。

 恐怖と、憎しみが合わさった声が、搾り出るように出た。

 竜は雄たけびをもう一度上げると、遠くへと飛び去ってしまった。

 

 

「・・・・許せない」

 

 

 姉は妹に抱きかかえられながら、ぽつりとつぶやく。

 そして、きっと竜が去っていったほうを睨みつける。

 

「皆の仇は必ず、私が!!」

 

「ううん。違うよ。お姉ちゃん」

 

 

 妹は力強く姉の手を握って、

 

 

「私も、一緒だよ」

 

 

 妹の目にも涙があふれていた。

 

 この日、2人は誓ったのであった。

 

 必ず、復讐をやり遂げると。

 そして、時は流れ・・・・・

 

 

~~~~~~~~~~~

 

 

 ここはバルバレ、移動する集会場を中心に、多くのキャラバンが行き来する「動く市場」である。

 そこにアプトノスが引く荷車が到着する。

 

「ほい、着いたよ。気をつけてな」

「「ありがとうございます!!」」

 

 優しい老人にお礼をいい、駄賃を払い2人の少女が降り立った。

 

「やっとだね!!お姉ちゃん」

「うん」

 

 決意を胸に、2人は初めて訪れる場所の空気をいっぱいに吸い込む。

 ハンターになるために訓練所に通い、ようやく認められた。

 アロイシリーズに太刀―大骨を背負った少女が姉のマキナ。

 ハンターシリーズに弓―ハンターボウⅡを背負っているのが、妹のアイナである。

 2人とも、頭の防具は外し、素顔を見せている。

 姉のマキナはキリリとした青い目に、黒い髪を後ろに結んでいる。

 一方で妹のアイナは姉と同じ青い目は少し垂れており、優しい顔立ちをしている。髪はセミロングの茶髪である。

 

 荷車を降りると、彼女たちは真っ先に集会場へと向かっていった。

 速く。一秒たりとも、彼女たちには時間が無いのだ。

 

 階段を駆け上がり、ついに集会所へと足を運んだのだ。

 

「わぁ」

 

 初めての光景に驚きと、胸の高鳴りを覚えた。

 

 様々な装備を身に着けたハンターたちが集まり、話し合ったり、酒を飲んだりしていた。

 彼女たちはその胸の高鳴りそのまま、受付へと歩いていく。

 

「ようこそ。あら?初めての人?」

 

 受付嬢が気さくに話しかけてきた。

 

「はい、今日はついたばかりで!!」

「そう。私はパティ―よ。よろしくね」

 

 パティーと名乗った受付嬢は、彼女たちの装備を見て、

 

「ハンターになったばかりなの?」

「はい!!」

 

 マキナが元気よく言うと、パティーはくすりと笑い、

 

「元気がいいのね。じゃあ・・・・」

 

 彼女は棚のところに行き、依頼をいくつか見繕う。

 そして、戻ってきて、彼女たちにそれを見せた。

 

「こんな依頼はどうかしら?」

 

 彼女が見せたのは、本当に初歩的な以来だ。薬草などの採取系や、小型モンスターの討伐。

 しかし、それを見た姉妹は表情を曇らせた。

 

「違う」

「え?」

 

 彼女が聞き返すと、

 

「私たちが受けたいのは、こんな依頼じゃ。ないんです!!もっと、もっと大きいやつです!!」

 

 マキナがそう言うと、後ろから笑いが起きた。

 

「おい、馬鹿なことはするな!!」

「てめえら見てえな初心者が、大型のモンスターなんて狩れるかよ!!」

 

 といい、大声で笑った。

 

「なんだと!!」

「お姉ちゃん!!」

 

 マキナが男たちにつかみかかろうとしたところをアイナが止める。

 

「2人とも!!」

 

 パティーが呼び止めた。

 

「何か、事情があるの?」

 

 長年受付嬢をしていた彼女だが、いきり立って大型モンスターを狩りたいといった初心者はたくさんいる。しかし、彼女たちの表情は、それとは違ったように見えた。

 

「私たちは、あるモンスターを探しているんです」

 

 アイナが話始めた。

 

「5年前、私たちの村は一夜にして焼き払われました。そのときに見たんです。大きくて火を吐く、竜のようなモンスターを!!」

「私たちは村の人たちの仇をとらなくちゃいけないんです。何としても!!」

 

 彼女たちの思いはとても強いものだった。

 それを聞いて、パティーは、

 

「よくわかったわ。とても苦労したのね」

「なら!!」

「だけど、いえ、だからこそ。貴女たちに狩猟の許可を出すわけにはいきません!!」

「どうしてですか?」

 

 アイナが聞いた。

 

「貴女たち、モンスターの狩猟経験はどれくらい?」

「そ、それは・・・・」

 

 マキナが目を反らす。

 

「教官と一緒にウルクススの狩りにはいったことがあります」

 

 アイナが正直に話した。

 

「そう、つまり貴女たち自身ではまだ、狩りの経験はほとんど無いのね」

「・・・・はい」

 

 マキナが頷いた。

 

「気持ちはわかるわ。だけどね、そんな実力の貴女たちにモンスターの狩猟の許可は出せません」

 

 「さらに」と彼女が続けた。

 

「貴女たちが目指しているのは、おそらく飛竜種のモンスターよ。モンスターの中でも屈指の強敵。熟練のハンターでさえ命を落とす可能性があるわ」

 

 彼女は語気を強めて言った。それにはマキナも言い返すことができない。

 

「貴女たちはまだ若いわ。地道に、時間をかけて強くなって欲しいの」

 

 彼女はそう言うと、

 

「今日は移動で疲れたでしょ?宿でゆっくり休みなさい」

 

 「また来てね」と言って、彼女は2人を見送った。

 

「仕方ないよ」

 

 アイナがぽつりと言った。

 

「でも、私は」

 

 悔しそうに、マキナはこぶしを握る。血が滲むような努力をし、歴代最高の成績を出してハンターになったというのに。やっと手が届くと思った矢先、急に引き離された感覚に、彼女は悔しくてたまらなかった。

 すると、

 

「失礼」

 

 そう言うと、一人の男が集会所に入ってきた。

 すれ違いざまに、彼の装備を見る。

 それはモンスターの素材をふんだんに使った装備だった。

 ヘルムまでしていたので、顔が見えなかったが、彼がかなりの実力であることはわかった。

 しかし、それだけだ。マキナはそのまま集会場を後にした。アイナもそれを追いかける。

 男は何も気にしないで、依頼完了の受付をしに向かった。

 こうして、2人の少女が来た初日は終わっていったのである。

 

 




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