TS願望持ちの転生者は理想のロリに成りきります   作:暇じゃない暇人

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 作者は感想と高評価を燃料にして走る機関車です。
 よろしければ感想と評価をください。それを燃料として走る(書く)ので
 




 

 「や、やったぞ……俺は、TSロリにとうとうなったぞー!」

 

 水面に映るのは平凡な容姿の青年ではなく、もちもち肌の可愛いロリだ。

 

 やったぞ、俺はようやく夢をかなえたのだ。長かった、ここまで来るのにものすごく長かった。

 

 神様に世界を救えと言われたから渋々戦いに身を投じることになったが、世界を救ったご褒美になんでも一つ夢を叶えてくれるというからここまで頑張れた。

 

 異世界転生してもTSロリにはなれず、普通に男だった時のガッカリ感も、チート転生者として無双できるかと思えば全然そんなことはなく、俺よりはるかに強いやつらがゴロゴロいることへのそーじゃねえだろ感も、この姿を手に入れられたら安いもんだ。いやー頑張った甲斐はあった。まあ、俺ほとんど何もしてねえし、むしろ主人公っぽいやつの後ろについてただけでもあるが、何とかなったんだ、それでいいだろ。

 

 勝ち目のない敵には化物(味方)をぶつけ、見境なく暴れる狂戦士を誘導して敵にぶつけ、不当な扱いを受けていた敵の強キャラを主人公(推定)をだしに使って味方に引き込み、もう俺が何しても無駄な場面になったら、主人公(推定)を唆して何とか奇跡の力的なものを引きずり出したりと、最適解(寄生プレイ)をし続けた苦労は、今、とうとう報われた。

 

 「おーいいねー。……うん、我ながらすごくかわいい!」

 

 「おい、そろそろ儂に気づけ馬鹿者!」

 

 「え?もしかして神様ですか?」

 

 「もしかしなくともそうじゃ。おぬしに言い忘れておったことがあったから慌てて地上に降りてきたのじゃぞ!?」

 

 水面に映る自分(ロリ)を眺めてたら、男なのか女なのか良く分からない声がしたので見てみれば、そこには別にかわいい子供の姿をした神様とかがいるわけでもなく、野球ボール程の大きさをした光球が浮かんでいた。

 

 「それで、まだ何か言うことがあるんですか」

 

 「そう嫌そうな顔をするな、おぬしにとっても重要なことじゃぞ」

 

 「まさかまた世界を救えとか?勘弁してください、もう俺は戦いたくないんですよ。痛い思いも死ぬような目に遭うのもうんざりなんですって!」

 

 「話を聞け!……もうおぬしは使命を果たした。儂が与えた世界を救うという使命をな。これ以上そなたに頼みごとをすることはない、安心せよ」

 

 「……はー、分かりました信じます。それで本当は何の用事です?」

 

 「信じられてる気がしないが、まあ良い。おぬしの体についてのことじゃ。よーく聞いておけよ」

 

 

 

 

 

 「つまりまとめると、この姿は俺の体を変化させたものではなく、普通に元の体は健在でいつでも戻ることが出来る。そういうことですね?」

 

 「それだけではなく、その姿はおぬしを転生させる際に与えた能力に近いものでな。一度体を再構成させる必要があったのじゃ」

 

 「は!?何それ聞いてない」

 

 「おぬしが急かしたのじゃろ!?儂の言うことを碌に聞かずにな!」

 

 確かに、念願のTSロリに成れるからと気が急いていたのも事実だが、しょうがないと思う。誰だって夢が叶う瞬間は俺みたいに焦るのではないか?

 

 「それで体を再構成したってのは分かりましたけど、それの一体何が問題なんですか?」

 

 「再構成した際、元々おぬしに掛けられていた契約や生体リンク等が完全に破壊されてしまったんじゃよ」

 

 「む?つまりどゆこと?」

 

 「おぬしの存在が消えていたため架け橋(コネクター)と結ばれていた契約が切れたんじゃよ」

 

 え、架け橋(コネクター)って確か主人公(推定)のことだよな?となると、俺はもうあいつ(主人公)との縁が切れたって事か!?

 

 じゃあ大問題……でもねえか。もう昔とは違って契約結んでるやつが俺一人ってわけでもねえし。俺より強い奴なんてギルド内探せばいくらでもいるし。

 う~ん、やっぱ考えても問題は出てこねえな。

 

 「なるほど、そうですか。……それで、ほかに問題は?」

 

 「おい、そんな簡単に流してよい問題か?…まあ、おぬしがそれで良いというなら何も言うまい。言うべきことはまだあるぞ」

 

 「何ですか、それって」

 

 「うむ、一言で言うとその少女の体に変わる前以前の力は引き継がれておらん。分かりやすく言うと裸一貫からやり直しじゃ」

 

 うわ、マジかよ。じゃあ要するにレベル1からやり直しって事か。めんどくせー。

 

 でもま、夢が叶ったんだ。これくらいの障害訳ねえぜ。レベル1からやり直し?上等だ。やってやるよ。理想のロリに成るためなら弱くてニューゲームくらいこなしてみせる。

 

 「一応言っておくが、あくまでその体だけの話であって、元の体に戻れば今まで通りの強さを発揮できるようになる。安心せい」

 

 そうなのか、元の体に戻れば問題なく戦えると。だがそうじゃない、俺は完全完璧のTSロリに成りたいのだ。そのためには二度と男の体に戻らないくらいの覚悟が必要になるはず。

 

 「なるほど、分かりました。ですがもう元の体に戻るつもりはありません。俺はこの体で生きていきます」

 

 「そ、そうか。おぬしの覚悟は伝わった。もう何も言わん」

 

 「ありがとうございます神様!」

 

 「改めてお礼を言われると少しだけ照れるのお。あ、ちなみに。その体は使えば使うほど馴染んでいき、前の体の力も引き出せるようになるから頑張れ」

 

 なんて良い神様なんだ。俺の夢であったロリにTSするだけではなく、男の時のスペックまで使えるようにしてくれるなんて。よし信仰しよう。

 

 「神様、神様の名前を教えてください」

 

 「急にどうした!?いきなり儂の名前を聞いてくるなんて、おぬし儂のことが嫌いだったのではないか?」

 

 「今は夢をかなえてくれたので大好きです」

 

 「チョロいなおぬし!そんなので大丈夫か!?」

 

 「プリーズユーアーネーム。御神体作るんで教えてください!」

 

 「いらんわ!ご神体を作るだと、儂はそんなこと許さんぞ!…それはそれとして信仰してくれるのは素直にありがたいな。いいか、よく聞け。儂の名前はバビル。この世界の創生期からいる神。それが儂じゃ!」

 

 どうやら神様は結構古い神様だったらしい。にしてもバビルなんて名前、聞いた記憶が全くないが、まあいいか。

 

 「久しぶりに出来た信者なのだからサービスしてやる。ほら、受け取れ」

 

 光球からさらに小さい闇色の光が飛び出し、俺の体の中に”スッ”と入っていった。

 

 「今のは儂からの加護じゃ。ついでに、その体の潜在能力を引き上げておこう」

 

 おおー。加護だけじゃなくてこの体の調整までしてくれるだとっ!いい神様すぎる。惚れてまうやろ。

 

 「……よし、終了じゃ。儂はもう戻る。達者でな、世界を救った勇者よ」

 

 「…やめてください、俺は勇者なんかじゃないし世界を救ったのは別のやつです。俺は何もしてませんよ」

 

 「そうか?形はどうあれ、世界が救われるように導いたのは間違いないはずじゃが……まあ良い。何はともあれ元気でな」

 

 そういって、光球は空気に溶けるように消えていった。

 

 

 

  そんなこんなで俺は夢を叶え、TSロリに成った。

 

 となればやることは一つ。理想のロリに成るため、いざ修行(キャラ作り)だ!

 

 俺が成りたいのはダウナー面倒くさがり系クーデレロリっ子。

 今の見た目は10歳かそこらのロリ。髪色は根元が黒で先端に近付くほどオレンジ色になっており、一房だけ銀色が混じっている。

 

 肌はぷにっぷにで水を弾き、日焼けの形跡のない新雪のような肌。目はルビーのような赤色。見事なまでに可愛いロリだ。

 

 服は何とかするとして、キャラ作りは練習あるのみ。他には名前も考えておかないとな。前世の名前はぱっとしないし、今世の名前のフェイルも微妙だな。新しい名前を考えておこう。あと戦闘力も何とかしないと。まあ、これは鍛えれば何とかなるか。

 

 この体でずっといれば元の体のスペックを取り戻していくし、それとは別にこの体にも伸びしろはあるはず。

 つまり、レベルカンストした元の体のステータス+レベル1のこの体のステータスといった感じで、何もしなくても今まで以上の強さは手に入りそうだが、もちろんそんなのじゃ駄目だ。

 

 おれの理想のロリは強いのだ。元の体はそこまで強くなかったから、如何にこのロリボディを鍛え上げるかで俺の強さは決まってくる。

 

 こんな化け物だらけの世界で上位に食らいつくのはめっちゃ大変だろうが、こっちは形はどうあれ世界を救ったんだぞ!やれねえはずがねえんだよ!

 

 

 よしそんなわけで、理想のロリに俺はなる!!!

 

 

 

 

△ ▼ △ ▼ △

 

 

 

 「ッ!?」

 

 「?お嬢様、如何なさいましたか」

 

 とある屋敷の一室にて。お嬢様と呼ばれた少女と体の所々が機械で出来たメイドがいた。

 

 少女の名前はシュバイエルといい、呼ぶときの愛称はスバル。メイドの方はヴィルムといい、機械人形(マギアドール)という種族の内が一機。

 

 「うそ。そ、そんなわけが……」

 

 「お嬢様、お嬢様!大丈夫ですか!?」

 

 明らかに様子がおかしい主人に気づき、咄嗟に駆け寄るヴィルム。

 

 「い、いやだ。やだヤダ、ヤダ!」

 

 スバルは執務中であった為に持っていたペンを落としてしまったが気づく様子はなく、頭を抱えながらそう叫んだ。

 

 「お嬢様、スバルお嬢様!お気を確かに!」

 

 ヴィルムは突如様子がおかしくなった主人を前に、どうするのが正解なのかわからなくなってしまった。

 誰かを呼ぶべきか、呼ぶとしたら誰が良いか。正解が分からないヴィルムの頭に一人の先輩(仲間)の顔が浮かんだ。

 

 彼なら何とかしてくれるのでは。と、そう思ったヴィルムは誰かを呼び、彼を探して連れてきてもらおうと考え、行動に移そうとしたが

 

 「フェイル!待って、いかないで!」

 

 「!フェイルを呼んでくればいいのですか」

 

 丁度考えていた人物を呼ぶ主人の声を聞き、早く探しに行こうと考えるヴィルム。だが、ふと考える。

 

 なぜ、今フェイルの名前を呼んでいるのか?どうしていきなり様子がおかしくなったのか。

 

 そのことを僅かでも考えると、言葉にできないような嫌な予感が湧いてくるのはどうしてなのか。

 

 ヴィルムはその嫌な予感に蓋をして、スバルのためにフェイルを連れてこようと考え、部屋を出ようとした。が

 

 (ダメ、今のお嬢様を一人にしてはいけない)

 

 そう考え、ヴィルムはスバルを振り返る。すると

 

 目から涙を流し、それを拭きもせずにネックレスを、いや、ネックレスについていた宝石を……()()()宝石を、光のない瞳で見ているスバルがいた。

 

 (え、あ、あの宝石は)

 

 ヴィルムは知っていた。あの砕けた宝石はフェイルがスバルに渡したお守りであることを。あれはフェイルの持つ精霊概念の一部を結晶化したものだということを

 

 そして、結晶化した精霊概念は……()()()()()()()()()()()()()()ということを、ヴィルムは……知っていた。

 

 あれが壊れた。それが意味することはつまり……

 

 ヴィルムが最悪な真実を予想して、たまらずに下を向いてしまった。だから、気づくのが一瞬遅れた。

 

 スバルはネックレスを握りしめたまま立ち上がり、そのまま走って執務室を出ていった。

 

 「お嬢様!」

 

 それに気づいたヴィルムは慌てて追いかけ、部屋を出る。

 

 しかし、部屋を出た時にはスバルの姿はなかった。

 

 (ま、まさか自殺を?…いえ、それはないですね)

 

 一瞬最悪の可能性が頭をよぎったが、瞬時にそれは否定する。なぜならスバルには、主にフェイル主導で無数の安全策となるものを仕組んでいるからだ。

 

 (お嬢様は今どこに)

 

 焦燥に駆られながらヴィルムはスバルの行方を推理する。

 

 彼女の探知能力は機械人形(マギアドール)の平均を大きく下回るものしか持っていない。その分ほかの機能は並ではない。が、今回ばかりはすぐに見つけることが出来ない自分を恨んだ。フェイルが”スバルの世話係として最もふさわしいのはヴィルム(自分)”だと任せてくれたのにだ。

 

 (お嬢様がいる場所は……91.46%の確率で一階『綬黎保管室』!)

 

 確かにヴィルムの持つ探知能力は低いが、演算能力は最高峰である。その証拠として、結論を出すのにかかった時間は0.3秒にも満たない。が、彼女の本音としては0.1秒たりとも一人にさせたくないのだろうが

 

 執務室があるのは二階。一階にある『綬黎保管室』までヴィルムの足なら6秒(走った風圧で物が壊れることを考慮しなければ2秒かからない)未満で着く。

 

 ヴィルムは走る。風を置き去りにするかのように走った。

 

 途中。「え、ヴィルム先輩!」と後輩にあたる妖精族の少女が声をかけてきたが無視する。今は緊急事態だ。

 

 (!お嬢様!)

 

 今まさに『綬黎保管室』の扉を開けて部屋に入るスバルを見つけた。

 

 スピードをある程度落とし、閉まり始めた扉を通る。

 

 部屋の中には様々な物が保管されているが、スバルの行先は部屋の最奥。『灯火の祭壇』だろう。

 

 ヴィルムはここでは流石に走るのをやめ、早歩きに切り替えた。

 

 『灯火の祭壇』に着いたが、スバルがいるとしたら最も奥。

 『灯火の祭壇』は架け橋(コネクター)であるスバルと契約を結び、このギルドに所属するものは全員ここで『命の灯火』に火をつける。

 

 『命の灯火』は特殊な種火に息を吹き込んだもので、息を吹き込んだものがこの世から完全に消失(死亡)するまで煌々と燃え続けるというものだ。

 

 ヴィルムはここの火が消えている所を見たことがないし、一つだけポツンと間があるなんてことも見たことがない。

 

 歩き続ける。横目に見てもやはり消えているものは一つとしてない。これが示すことは、今まで一人もギルドの仲間が死亡することがなかったということだ。

 

 火の乗っている台座には番号が書かれており、奥に進むほど数字は小さくなっていく。数字の小さい順に古参ということだ。

 

 そして、フェイルの番号は1。このギルドの最古参、いや、架け橋(コネクター)であるスバルと一番最初に契約を結んだ相手こそがフェイル。

 

 スバルの背中が見えた。ヴィルムの両隣にある台の番号は十番台だ。そのまま歩いていく。スバルの隣に向かって。

 

 いつの間にか手が震えていた。機械人形(マギアドール)は感情を理解する種族だ。だからこれは恐怖なのだと、彼女は悟ることが出来た。

 

 そして、彼の火が在るはずの台座に、火は……………

 

 (ああ)

 

 なかった。

 

 ヴィルムの隣で、スバルは涙を流しながら、でも一切の表情が見えない能面のような顔をしていた。

 視線は台座から離れない。01『フェイル』と書かれた台座から。その上のポツンと空いた何もない空間を無視するように。

 

 (ああ、どうして)

 

 もう何も、ヴィルムは考えたくなかった。

 一方スバルは、今まさに瞳を閉じ、意識を失う瞬間だった。

 

 ヴィルムは反射的にスバルを抱き留める。今の状況で彼女にできることはこれくらいだ。

 

 抱き留めたスバルの顔に苦しそうな表情は見えない。恐らく心を守るための自己防衛反応なのだろう。ほんの少しだけ、意識を失うことが出来るスバルを羨ましいと考えてしまったが即座に改める。

 

 ヴィルムでさえこれなのだ。だったら、さらに多くの時間を共にした彼女(スバル)なら?過ごした時間も、育んだ絆も……そして、募った思いも。

 

 スバルの受けた衝撃を考えれば間違っても羨ましいなどと思ってはいけない。 

 

 

 そしてしばらく経ったとき。ヴィルムの聴覚が誰かの接近を感知した。流石にこれだけ騒いだのだ。誰かが来るのは当然と言える。

 

 「ヴィルム先輩。一体どうしたんですか?」

 

 来たのは先ほどすれ違った妖精族の少女だった。

 

 「て、スバルさん!?大丈夫ですか!?」

 

 妖精の少女は駆け寄ってくる。二人の状態を見るので精一杯だからか、台座の火が消えてることには気づいていない。

 だが、じきに気づくだろう。そうなればもう、大パニックになるのは間違いない。

 

 ヴィルムは現実感がなく、ただ茫然としていた。心の中で、”もう彼の笑顔を見ることも、話を聞くこともできないのだな”とそう考えながら。

 





 ※続かない。高評価だったらワンチャン?
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