アンケートの結果はホシノが一位だったんですけど、バレンタインといえばどうしてもワカモの小説が描きたかったので、ワカモを優先させていただきました!
あと、今回ワカモの喋り方がほんとに不安で、こんな感じだったか怪しいので、雰囲気が違ってたら申し訳ございません。
あっ、ちゃんと次回はホシノの小説を出します!シチュや展開に意見があれば感想に書いてください!
ただいまの時刻、2月13日23時59分。
そうです、明日…と言ってもあと1分で2月14日つまりバレンタインデー。
一応すでに放課後スイーツ部や一部生徒たちからはチョコを渡すと宣言されているので、チョコを一個ももらえないなんて悲劇にはならないことが確定しているため、安心してる。
とか言ってるうちにあと5秒で2月14日になる。
5…4…3…2…1…0
瞬間、シャーレ執務室の窓が爆散した。
アロナが反応して守ろうとしてくれたが、私に被害は一切なかった。
それもそのはず、後ろには見慣れた狐面と銃剣のついたライフルを片手にこちらを眺めている生徒がいたから私に被害が来るなんてありえない。
「今日というこの日を待ちきれず来てしまいました♡」
「うん、とりあえずこれからは普通に入ってきてね」
大胆すぎる登場をしたワカモに飛び散ったガラス片を踏まないように言ってから、休憩室に連れて行った。
朝が来たら修理をまた頼まなきゃいけなくなりそうだ。
そう思いながら、ワカモに何か温かい飲み物でも作ると言って一旦休憩室を出る。
とりあえず温かいココア作って休憩室に連れて行ったワカモに持っていく。
休憩室に入るとお面を取り、尻尾をゆらゆらと嬉しそうに揺らしながらワカモは綺麗な正座をしていた。
持ってきたココアを手渡すと、きょとんとした顔でワカモがこちらをみてくる。
ワカモに一度近くの机にココアを置いてもらい、あいたワカモの手をそっと取り握ってみる。
「ほら、手が真っ赤だし、こんなに冷たい。外寒かったでしょ?だからほら、あったかいココアでも飲んであったまって」
今は耳まで真っ赤になっているので、きっと相当寒かったのだろう。
まぁ2月の深夜だから寒くて当然だろう。
私も少し寒かったので暖房の温度を少し上げ、ワカモの様子を見てみる。
じっと見つめていると、さっきも赤かった耳がより赤くなり、ワカモの頬まで真っ赤になっている。
それに気づいたと同時に、さっきまでずっと静かだったワカモがようやく口を開いた。
「その…あなた様。その…あまり見つめられると私もす、少々恥ずかしいといいますか…///」
そういうとさらに顔を赤くし、俯いてしまった。
そしてすぐ、どこかぎこちない動きでワカモは私の用意したココアをちびちびと飲み始めた。
まぁ確かに、見つめられると私だって恥ずかしいこともあるので、見つめすぎるのはよくないかな。
そう思い、私も自分用にも用意したココアを一口飲んだ。
それからはしばらく沈黙が続き、私が耐えられなくなり沈黙を破りに行った。
「寒くないワカモ?膝掛けとかならあるよ?」
「お気遣いありがとうございます。ですが、私はもう十分温まれました」
そう言ってワカモはうっすら笑みを浮かべて、飲みかけのココアを見てから、私に視線を移し微笑んだ。
そして、シャーレに突撃してきた時からずっと持っていた紙袋を机の上に置き、こちらに渡してくれた。
「あなた様、このワカモ、あなた様のことを心の底からお慕いしております。その気持ちのほんの一部でもお伝えしたくて、その、このチョコレートを作ってまいりました。受け取ってくださいますか?」
紙袋を私の前まで持ってきてからこちらを見上げるようにしながら少し緊張しているような強張った声でワカモが言った。
まっすぐな気持ちを正面から向けられて、少々照れてしまう。
それでも、嬉しさが心の中で勝り、自然と私の顔には笑みが溢れていた。
「ありがとう、ワカモ。すごく嬉しいよ。それに手作りだなんて…本当にありがとう」
「いえ♡喜んでもらえてなによりです♡それでは」
そういうとワカモはココアを飲みきり、スッと立ち上がり、休憩室を出ようとする。
私は咄嗟に立ち去ろうとするワカモの腕を掴み、引き止める。
「もう少し、ゆっくりしていかない?ほら、せっかくもらったチョコ、感想も言いたいし、聞いて欲しいから…ね?」
「なるほど、そういうことならば私はあなた様が帰ってと言うまで、ずっとそばにいますわ♡」
そう言ったワカモはもうすでにお面はつけてしまっていたが、何となく、その絵面の下で嬉しそうに笑ってくれた気がする。
そのままストンと元いた場所にまた礼儀正しく座って今度はいつのまにかお面を外したワカモがこちらを見つめてくる。
私はワカモにみつめられながらワカモから貰った紙袋から丁寧にラッピングされた箱を一つ取り出した。
取り出した瞬間、少しびっくりした。意外と箱が小さかったのだ。
ワカモのことだからそこそこ大きいチョコを渡してくれると思っていた。
「あなた様はきっと色々な人にたくさんのチョコを貰うと思ったので小さめのものにしておきました。大きい方がいいのなら、来年からはとびきり大きいチョコレートを作ってまいりますよ?」
「ううん、私のことを考えてくれてて嬉しいし、実際いろんな人からもらうと食べ切るの大変だから、これくらいのサイズでちょうどいいかな?」
「それならよかったです。さぁ、召し上がってくださいまし♡」
ワカモなりに私のことを考えて作ってくれたことを嬉しく思いつつ、ラッピングを丁寧に剥がし、中の箱を開ける。
すると甘い香りがふわっと部屋に広がった。
中のチョコも綺麗に仕上がっていて、お店のものだと言われても気が付かないレベルの完成度だ。
その中から一つチョコを手に取り、口に入れる。
瞬間控えめな甘さと、ほろ苦さが口の中に広がった。
ゆっくり口の中でチョコを溶かし、味わいながら食べる。
「すごく美味しいよ。しつこくない甘さがまさに私好みだよ」
「そう言ってもらえてとても嬉しいです♡」
素直な感想を伝えるとワカモは嬉しそうな満面の笑みをうかべ、こちらを見つめてくる。
いざ見つめられてると意識するとなかなかに恥ずかしい。さっきのワカモが言っていたことがわかった気がする。
ちょっと恥ずかしいので一旦話を逸らしてみることにしよう。
「そういえばワカモはなんで14日になった瞬間来たの?」
「それはただ、誰よりも早くあなた様にこの気持ちと、手作りのチョコレートを渡したくて仕方がなかったのです」
「そっか、ちゃんと気持ちも伝わったし、チョコも美味しいし、ワカモが1番に来てくれて嬉しいよ」
笑顔でワカモにそういうと、ワカモは幸せの絶頂とでもいうような顔をしながら頬に手を当てて黙ってしまった。
そんな顔を見ているとワカモの幸せそうな顔を少し独り占めしたいと思ってしまった。
「ワカモ、一緒に映画でもみない?」
「映画…ですか?」
「そう、せっかくワカモとこうして会えてるんだから、ただ仕事をするよりも何かした方が楽しいでしょ?それに、スマホで観れるから」
「わかりました♡でも、私はあまり映画に詳しくないので、あなた様が決めてくださいます?」
「わかった。あと、チョコは映画を見ながらいただくね」
そう言って私はワカモの隣に移動し、私たちの前にスマホを置き私のお気に入りの映画を再生し出した。
ワカモはそっと私の方に近づき、結局私たちは肩が触れ合うような距離で、寝落ちしてしまうまで2人の時間を満喫した。