Archive of Coral   作:コーラルの色彩

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0章 ープロローグー 二人の来訪者(ビジター)
強化人間 C4-621 夢、叶えたり


COM

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メインシステム 非戦闘モード起動

 

MAIN SYSTEM

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NON-COMBAT MODE ACTIVE

 

EYE LATENCY...///■■NOAM

BODY STATE...//■■■■ IDLE

ARM CS...//■■iii■■■NOAM

AC SYSTEM...//■■■■■ ON

 

 『意識が覚醒してきたみたいだ…聞こえるか?621』

 

 『ボス、ビジターのメインシステムの起動を確認。問題は無さそうだ』

 

 『今、意識が戻ったみたいだから直ぐには反応出来ないさ』

 

 少しずつ耳から入ってくる情報がハッキリとしてきた。誰かが私の周辺で会話をしていたのが徐々に理解できて来た。

 

 「…具合はどうだ、621。………反応が遅いが問題はないんだな?カーラ」

 

 「アンタは心配のし過ぎだよ。まだ意識の混濁はあるが観測しているデータの数値も安定しているから問題ないよ。どうだいビジター、『新しい身体は』?」

 

 目を開けるとそこには杖を手に車椅子に座っている年老いた男性と煙草を片手に反対の手に持つ機械からデータを読み取っている年若い女性が目に映った。

 

 「…うぉ…るたー…かーら…」

 

 「……なんだ、621」

 

 「なんだい?」

 

 まだ上手く動かない口で二人の名前を呼ぶと暖かい眼差しで私の事を見詰めてくれる。ルビコンに居た時ではほぼACに繋がれた状態での会話しか行わなかった為か、こうして二人と同じような目線で話すのがとても新鮮だった。

 

 「からだ…みたい…」

 

 「カーラ姿見を持ってきてやってくれ」

 

 「はいはい、全く老人使いが荒いねぇ…チャティ!」

 

 『そういうボスこそ、AI使いが荒いのではないか?』

 

 カーラがチャティの名を呼ぶとロボットが大きな鏡を私の前へ持ってきた。そこには手術椅子のような物に座っている『私』の姿。

 

 髪色は黒とも白とも言えない灰のようなグレー、頭には犬のような獣耳が生え、腰には鴉のような艶やかな黒の翼が一対ある。

 

 後は正面からの鏡では見えにくいが尾てい骨から尻尾のように伸びている機械もあるようだ。カーラがいうには姿勢制御装置らしい歩くということを脚で歩くということを忘れている私に配慮して装着されたようだ。

 

 そんな人と幾つかの動物を組み合わせたキメラのような少女が鏡には映っている。私は改造手術を施される前の過去の自分と比較して今の身体をマジマジと眺めてみる。

 

 鏡に映る少女の姿は幼く感じ、本当にこれが自分なのかという思いも湧くが私が動くと鏡の中の少女も連動して動くのだから紛れもなく私なのだろう。

 

 「…このような少女がルビコンでの災厄を引き起こした『レイヴン』だとは誰も思わないだろうな」

 

 「随分と可愛らしくなったものだね、ビジター。この都市で生きていく為とはいえ性別すら変わったんだ。色々と不便なことも出てくるだろうし、何かあったら言うんだよ」

 

 「……今更だが本当に良かったのか、621。お前は私の過去を清算し、お前自身を縛るものもないというのに…私についてくるなど」

 

 「本当に今更だね、ウォルター。ビジターが自分の今後の人生を掛けてまでもアンタを守りたいって言っているんだから素直に受け止めな」

 

 ここでウォルターに拒否されてしまうと私としても困ってしまう。私が抗議の視線で彼を見詰めると深く溜息を吐いて私の頭を撫でる。

 

 彼のゴツゴツとした、しかし暖かみのある掌は私の頭を何回か撫でる。前の身体ではこんなことを体験することなんてなかった。そもそも、人に撫でられるという経験が私には無かった。

 

 そんな初体験の気持ちよさに身を委ねて目を細めていると掌が離れていった。『あっ…』小さな声が口から洩れてしまったが残念な気持ちを抑えて彼に視線を合わせる。

 

 「分かった。それがお前の選択だというなら私は拒否するつもりはない」

 

 「そうと決まったら…ビジター、これから数日はリハビリや歩行訓練だね。幾らその身体の身体機能が優れていてもマトモに動かせない様じゃ、宝の持ち腐れさ」

 

 「………そうだな、ACと同じくどれだけ高価なパーツ、武装を揃えようと己の技量に追いついていなければ高価な棺桶だ。621、今日はゆっくりと感覚を馴染ませながら休め。それがお前の仕事だ」

 

 『ビジター、車椅子を持ってきた』

 

 チャティは手術椅子から私を持ち上げると車椅子に乗せた。ウォルターとお揃いの様でで少し嬉しい。

 

 私は車椅子に乗せられ運ばれた先の部屋のベッドに横たわると目を閉じる。先程まで寝ていたようなものなのに眠気が襲ってきた。

 

 明日からこの身体に馴染むためにどの様な訓練をしようか等と考えていると徐々に意識は暗闇へ沈むように落ちていくのだった。

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 『どうですかレイヴン、身体の調子は?』

 

 懐かしい声が聞こえた気がした。もう、数年聞いていない声だ。

 

 当時は毎日のようにというより毎日聞いていた声だ。感情の起伏が無い私に色々と語りかけてくれる彼女との時間は私に少しづつ変化を齎したのだろうか。

 

 『レイヴン、さようならとは言いません。きっと私たちはまた何処かで出会えます』

 

 オールマインドとイグアスのコーラルリリース計画を阻止し、ザイレムがバスキュラープラントに追突する間際にエアはそう言ってコーラルの爆発へ飲まれていった。

 

 星は燃え盛り、周辺惑星系へも巻き込んだ『レイヴンの火』と呼ばれる災厄に飲まれて。ルビコニアンしてとしか生きていけない彼女にとってあの選択は自死にも等しかったのだろう。しかし、彼女は私の選択を尊重してくれた。

 

 最後の別れ、彼女は最後まで何故か【嬉しそう】に話しているのとは対照的に私は確かに【悲しさ】を感じたのだった。

 

 

 

COM

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秘匿回線(Secret Line):新着メッセージ一件

 

NOTIFICATION

 

惑星封鎖機構(Planetary Closure Administration)

 

SOUND ONLY

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 このメッセージを受け取っているという事は『レイヴン』、若しくはレイヴンに準ずる人物がこれを受け取ったと仮定する。これはお前たちにしか頼めない依頼だ。

 

 独立傭兵レイヴン。貴様を頼るのは業腹だが現在我々、惑星封鎖機構はルビコン3で起こった災厄の影響で副次的に起こった騒動の対処に追われている。

 

 多くのものが『レイヴンの火』を起こした貴様を大犯罪者として捉えているが上層部やかつてルビコン3で活動し生き残った者達は違う。

 

 あの災厄は必要なものだったと私もそう認識している。そこで一つの惑星と周辺惑星系に甚大な被害を出しながらも宇宙を救った貴様に依頼がある。

 

 『キヴォトス』…そう呼ばれる都市にて微量ながらコーラルの集積反応が確認された。我々が反応を検知した時には既に時すでに遅し。

 

 数年前から反応を検知していた一部企業がその証拠を隠匿していたのだ。観測されていた反応も隠匿され、反応も誤検知だったのではないかという企業に毒された狸どもが我々の動きを妨害している。

 

 レイヴン、貴様には現地にてコーラル技術を隠匿している企業の調査。そして、彼の地にてコーラルがどの程度の影響を齎しているのかを調査してほしい。

 

 我々、封鎖機構はキヴォトスの実質的支配者である連邦生徒会生徒会長から一部権限を委任されている。現地での貴様の身分は我々が保証しよう。

 

 ………レイヴン、もしキヴォトスでの集積コーラルが異常な増殖を見せているのであれば、貴様には酷なことなのかもしれないが頼むことになるだろう。

 

 

 

 

 『レイヴンの火』、その再来を

 

 

 

 

■621くんちゃん

 一応、ルビコン3で活動時の性別は男性だったけど幼い頃に貧困を理由に強化人間手術を受けていた為、自分でもそこまで性差を意識はしていなかった。

 

 キヴォトスで活動を開始するにあたって旧身体は不便であり調査に向かない為、傭兵時代に稼いだお金(ウォルターが密かに貯めていた物も含む)でキヴォトス人を模した強化人間の身体を調達した。

 

 キヴォトス人の頑丈さやヘイローも再現されており、確かにその身体には『神秘』が宿っている。後、微量ながらコーラル技術での強化人間手術も施されている。

 

 最近の楽しみは車椅子のウォルターを押しながら近くの公園まで散歩することとカーラの作成するヘンテコな玩具で遊ぶこと。

 

■ウォルター・ハンドラー

 ルビコン3で使命を果たしたと思っていたが既にルビコン星外でもコーラル技術を使用したものは流出していた為、残りの人生が続く限りは各地のコーラルを監視する考えだった。

 

 621に関してはルビコン3で役目を果たしたので新たな人生を送らせるつもりだったが本人が着いていくという意思を曲げなかった為に渋々了承。

 

 621が少女の身体になった為、ルビコン3で接していたようにしていいのかと苦心している。

 

 取り敢えず、621の教養が足りない為キヴォトスで使用されているBDというものを併用しながら授業をしている。

 

■カーラ

 ルビコン3が燃えたので行き場所が無いなと考えていたらウォルターに誘われた為に共にしている。

 

 最近はあまり活動的に開発を行っていなかったがキヴォトスに渡って『神秘』というものに興味を持ってからは621の身体を解析し、何かに使えないかと考えている。

 

研究者気質だけならゲマトリアに一番感性は近いが彼らの行いは笑えないという一点で壊滅的に方向性が合わない。

 

 最近、621の為に小型ヘリアンサスを作成したところ目をキラキラして喜ばれたがウォルターにはこっぴどく怒られた。

 

■チャティ

 最近、ボスはよく笑うようになったので満足している。それはそうとボスが621の身体を解析してから自分の身体も造ると気合を入れていたが人体を模した機体に無理な変形機構を組み込むのは無茶なのではないかと思う。

 

■エア

 コーラルの放出やコーラルリリースではなく己がルビコンを燃やす火種となることを選んだ621最大の理解者。人間という種族と621に対しての理解度が深まっているので本編のような人外的思考はそこまでない。

 

 バディとしてはウォルター以上に621に信頼を置かれていた為、621を利用しようとしているであろうオールマインドに対して警戒を強めていた。結果的に彼女の助言で621は土壇場でオールマインドを裏切る事を決意した。

 

 最期は621にとって大切な人達を危険に晒さない為に自身を起爆剤としてコーラルの爆発を引き起こして消えていった。





もっとAC6の二次創作やクロスオーバー流行れ…流行れ…。


励みになるので良ければ感想や評価をお願いします。
好評でしたら高濃度コーラルを摂取して頻度も高められるよう努力します。
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