Archive of Coral 作:コーラルの色彩
今回で一旦区切りとして少し投稿スピードが落ちると思います。
先の構想自体はあるのでゆっくりと執筆を続けます。
もし、応援して下さるのでしたら評価、感想のほどお願いします。
感想も見ていますし可能な限りは軽くですが返信をさせて頂きます。
ハウンドちゃんと再会して二日後、とうとうアビドス出張の日がやってきた。私はD.U.地区から幾つかの交通機関を乗り継ぎ、アビドスではほぼ公共交通機関が死んでいる事に啞然としつつも歩いてアビドス高等学校を目指していた。
ハウンドちゃんとはID交換していたモモトークで何度か話して少し仲が深まった気がする。アビドス出張の事を話すと救援物資を私一人で運ぶのは難しいだろうと後日大量の救援物資の運搬することを依頼として受けてくれた。
そうして私は準備も万端だと意気揚々とアビドスの街を歩いていたのだが…。
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そんなこんなで出張一日目で遭難してしまった私はアビドスの廃墟街…といってもまだまだ綺麗な家が立ち並ぶ街で一夜を過ごした。
「さて…朝になったわけだけど…気温の低い内に移動しておかないと水と体力を消耗しちゃうよね…」
朝、日が昇りかけの時間から移動を開始する。昨日もそうだったが昼間のアビドスは異常に暑い。目的地が定かでない状況の移動であまり体力を使いたくない。
「何処か目印になる建物があればいいのだけど…そしたらハウンドちゃんに見つけて…」
私が水分を補給しながらトボトボと歩いている。『チリンチリン』と後方から音が聞こえた。
「あっ、すいません…」
私が道の端に寄ると自転車が後方から通り過ぎていく。自転車に乗っているのは灰色の髪色に獣耳のどこかハウンドちゃんを彷彿とさせる生徒だった。彼女は私に軽い会釈をすると通り過ぎていく、私はそんな彼女を見送k…。
「………いや、待ってぇぇ!!」
「!?ん…?」
自転車で去っていく彼女に私の声が聞こえたのか此方へ戻ってきてくれている。
「…どうかした?」
「引き留めてごめんね!私、土地勘が無くて遭難しちゃったんだ…。行き先も分からないんだけどアビドス高等学校の生徒さんだったりするかな?」
「…そう、アビドス高等学校二年の【砂狼シロコ】。そっか、久しぶりのお客さんだ。それじゃあ、案内するね」
「ありがとー、シロコちゃん!」
私は自転車を手押しして進む彼女の横に並ぶと共にアビドス高等学校へ歩みを進めた。
薄暗いガレージのソファで私はある調査の資料を読んでいる。そこへコツコツと杖をついたウォルターが歩いてきた。
「621。……大丈夫だったのか?シャーレの先生は」
「問題無く朝を迎えたみたい。さっき、モモトークで安否の連絡と道すがらアビドスの生徒を掴まえたらしいから到着出来るだろうし…」
ウォルターにスマホの先生との会話を見せる。昨日、遭難報告を聞いたときは焦ったが大丈夫そうだ。
「621、お前が見ているのは…アビドスのコーラル反応調査結果か」
「うん、惑星封鎖機構から最新の観測データが届いたから…。ただ、現地は【カイザーコーポレーション】が各地にPMCの基地を立ててるからあまり過度の干渉はキヴォトスとの関係に悪影響だってあまり進んでないみたい。それにアビドスには彼らも居るし…」
レイヴンの火で故郷であるルビコン3を失った彼らは各地に散らばった。その中でキヴォトスは難民の受け入れを表明した。人が少ない地域であったアビドスは彼らを受け入れる土地として最適だったのだがどうやら色々と問題があったというのを資料で見た。
「ルビコン3の難民たちか…確かにそこへ惑星封鎖機構が立ち入るのは難しいか…。ルビコン3でのルビコニアンに対する弾圧を各界隈から批難されている現状では彼らと関わるのは惑星封鎖機構としてリスクだろう」
「そんな中、出てきた調査結果がこれ…。集積コーラル反応はみられないけどアビドスの地下…かな?そこからキヴォトスの端の方にまで残留反応が検知されてる」
「地下にも巨大な穴を確認か…まるで巨大な生物が通った後の様だな」
「アイスワームみたいだね、まさかこのキヴォトスにC兵器があるとは思わないけど」
かつて戦った巨大なワーム状のC兵器を思い出す。アーキバス製の最新兵器とカーラ特製のレールキャノンが無ければACでさえ攻撃の通らない怪物。あいつが通った後も地下を掘り進む為に大穴が開いていた。
「キヴォトスは長い歴史を紐解くとキヴォトスと呼ばれる以前は科学技術の秀でていた場所だったそうだ。ルビコンでの技研の遺産どもの様に過去の産物が目を覚ました可能性は否定できん」
「そうだね、最悪を想定してそれに対処する。……でも、この対象は現在アビドスの自治区から既に離脱してるみたいだし今回は関係ないかな…」
資料には既に調査対象はアビドスから遠く離れていった事が記載されている。
「惑星封鎖機構には継続した追跡調査を通達しておく。621、お前には今やるべき事があるだろう。仕事の時間だ」
「そうだね…行ってきますウォルター」
「ああ…行ってこい」
今の私は【ハウンド・ウォルター】、シャーレの部長だ。何故、彼女が私にこの肩書を与えたのかはまだ分からない。だが、私はまた想いを託されたみたいだ。
「連邦捜査局シャーレ部長ハウンド・ウォルター。シャーレ顧問による要請:アビドス高等学校への救援物資運搬任務へ向かいます」
ガタンゴトンガタンゴトン…と赤く染まった空の下を線路に沿って電車が走る。行き先などあるのだろうか。あったとしてそこは望んだ終着なのだろか。
「おやおや…。こんにちは、此処に乗客とは珍しいですね」
ヘルメットを被った少女が声を掛けてきた。黒い制服にしっかりとしている印象だからかヘルメットが異様に違和感を醸し出す。
「少々不便ですがこれくらいしか交通の手段はありませんからねぇ。私は船が好きなのですが…」
何処かで会った気がするのだが頭に靄が掛かった様に思考がハッキリとしない。そもそも、此処は何処だろうか。
『次は■■ド■、次は■■■ス。…乗客の皆様にお知らせです現在、■■■■より先の線路が砂塵により埋まっているとの連絡がありましたので本車は■■■■で停車します。■■■■からの発車は現在、未定です。お客様にはご迷惑をお掛けします』
車内アナウンスが聞こえた。良く聞こえなかったが目的地は…きっとそこだ。立ち上がると降車口へ向かう。すると、少女が声を掛けてきた。
「あれ?あなたは此処でお降りになられるんですか?でしたら、お気を付け下さい。あそこは様々な思惑が交差する土地です。くれぐれも不用意な【契約】など結ばぬようお気を付けて」
電車を降りるとカードを取り出して改札を抜ける。思考が定まらずとも足は目的地へ向かっていった。
『本線は終着駅【破滅】行。終電の各駅停車です。皆様、お荷物のお忘れのないようお願い致します』
「先生、あなたはこの末路を変える事が出来るのでしょうか?例え、あのイレギュラーが居ようともこの運命は既定の線路から外れようが無い。彼女の…連邦生徒会長の計画は最初から破綻しているのです。ですが、待っていますよ…先生、あなたが終着点に到達するその時を」
少女は静かに微笑む。彼女の視線の先には先程の先生の背中が見えていた。
一週間お疲れ様でした。
前書きで書いた通り今後の投稿ペースは落ちると思います。
この一週間でお気に入り登録200人、評価バーに色が付いたり
10件もの感想を頂いてとても嬉しいです。
誤字報告に特殊タグの知識を共有して下さる方も居て
本作を書き続けられるのは皆様のお陰です。
アビドス編の構想や本作の621の過去編
もし621が現実のブルアカに居たらみたいな掲示板ネタなどの
プロットはあるので頑張って続けて行きたいと思います。
再度のお願いになるのですが本作を気に入ったや
続きが気になると応援して下さる方は評価、感想をお願いします。
目に見えて嬉しいので作者が飛んで喜び執筆スピードも上がります。
それでは世に平穏のあらんことを。