織斑日記   作:青いカンテラ

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『セッシーのドキドキお料理教室☆』

【5月◆日/晴れ】

 

 テッテレテーテッテレテーテッテレテッテッテッ♪

 

 さあ始まりましたセッシーのドキドキお料理教室。今日の生徒さんはセッシーことセシリアさんです。料理を教えるのはモッピーこと箒。アシスタントは私、オリムーこと織斑一夏とのほほんさんこと布仏本音さんです。

 

 審査員(毒見役)は鈴ちゃん。

 

 今日は前にもセシリアさんがチャレンジしていたサンドウィッチを作ってみよう。チップ&フィッシュ・・・じゃないフィッシュ&チップスでもいいのだけど、一度作ったことのある料理の方がいいよねーということでサンドウィッチ。タマゴサンドを作ってみようそうしよう。

 

「おいセシリア、なんでマヨネーズを大量投入しているのだ!?」

「黄色分が足りないからですわ」

「セッシー、マスタードは必要ないと思うよー?」

「黄色分が足りませんわ!」

「おいまて英国淑女。その手に持っているのはなんだ?」

「ですから黄色分がry」

 

 

 

 一部地域では音声が非常に乱れる場合がございます。予めご了承ください。

 

 

 

「バ―――! こんなの食べ―――!!」

「ぐいっといけ! ぐいっと!」

「鈴さん、味見をお願いしますわ!」

「ア―――か! アンタが味見しな―――!」

「ほーれつっこめー」

「!? くぁwせdrftgyふじこlp !? !? !?」

「鈴!? 大丈夫かリーン!」

「白目剥いてるぞ!?」

「えいせいへー、えいせいへー」

「黄色分が強すぎましたわね」

「だ、誰か止めなさいよ……がくっ」

 

 しばらくお待ちください。

 

 

 

 セ、セッシーのドキドキお料理教室! また次回!!

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

【5月◆日/曇り】

 

 アイリス先輩の飯がマズイ。

 

 セッシーの悲劇再来。

 

 ただ、まだ食べ物としての見た目をしているだけセッシーの方がマシといえる。味付けは最悪だけど。調味料全部ぶっこむのだけはやめてください。死んでしまいます。いいんだよ見た目なんて。料理本の写真とまったく同じ料理作る人なんてそういないから。というかまったく同じでなければならないって決まりはないわけだし。見栄え? そんなもの捨てろ。味がよければ見た目は後からついてくるものなんだよぅ! まともな料理作れるようになってから 言 い や が れ !

 

 えーと、何の話だっけ。そうそう、アイリス先輩の料理がアレすぎるって話。最初何の冗談かと思ったよ。なんか真っ黒なうねうねした変なのがぎっしり詰まってるんだもの。こんなの絶対おかしいよ。宇宙的恐怖を幻視してSAN値がマッハになりかけたわ。

 

 オリムー知ってるよ。アイリス先輩の料理は決戦兵器(カタストロフィー)だって。オリムー知ってるよ。

 

 セシリアさんの料理がミサイルならアイリス先輩の料理(?)はデイビー・クロケット。アーチェでもここまで酷くなかろうよ。あいつはどちらかというとセシリアさんに近そうだけど。

 

 もうあれ食べ物じゃなかった。あれを食べ物だとは認識できなかった。五反田妹の消し炭玉子焼きも可愛く見えるレベルとか怖すぎる。どういうことだおい。わけがわからないよ。

 いったいなにがどうなってどうなればあんな物体が出来上がるというのか。アイリス先輩の料理風景とか見てみたいな。SAN値が減りそうだけど。まず食材からしてヤバイの混ざってそうだもの。

 

 その食べ物ですらない食べ物が詰め込まれた弁当箱を差し出されて「喰エ」と言われた時は死を覚悟した。前髪の隙間からチラ見えする赤い瞳が「喰わないとどうなるかかわってるよな?」と圧を掛けてきていたので、食べないという選択肢はなかった。さらば俺の胃袋。

 

 ええい、アイリス先輩貴様もか。貴様も料理スキルがあれなのか! そんなやつ修正してやる! セッシーのドキドキお料理教室にもう一つ追加してくれるわ!! 題して『這い寄るアイリスちゃんのSAN値が下がるお料理教室』だ。うん、最近某ラノベにはまってるんだ。結構面白いからお勧めだぞモッピー。モッピーは見た目がいいんだから窓際で静かに本を読んでたりすれば絵になると思います。文学書とか読んでみれば?

 

 セシリアさんは味覚崩壊の危機だが、アイリス先輩に関してはガチで命の危機。

 

 放課後の特訓? 知るかバカ! そんなことよりお料理教室だ!! もっさんも納得のスパルタで料理とはなんたるかを叩き込んでくれるわぁぁぁ!!

 

 

 

 その日、料理部の部室がIS学園から消失した。

 

 次の週くらいには何事も無かったように復活してると思う。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

【5月◆◆日/曇り】

 

 最近織斑一夏がIS学園で噂になっているらしい。

 

 マジかよどんな噂よそれどこ情報よー。

 なんかクラスの女子が話しているのが漏れ聞こえてきた。なんでもタッグトーナメントで優勝すると織斑一夏に関係する何かがあるらしい。なに、なんなの。

 

 優勝者は俺の一日メイドにでもなるというの? それならマジウェルカムなんだが。一夏さんマジハッピー。逆に織斑一夏に命令できるとかだったら一夏さんマジアンハッピー。あ、いや女の子に命令されるのはハッピーなことだな。どっちにしろ俺一人勝ちやん。一夏さんギガハッピーだぜ。

 

 

 

 なぜか箒さんの機嫌が悪い。いつも仏頂面だが三割り増しで不機嫌そうにしているのがマジ怖い。なんだなんだ、どこかに討ち入りでもする気か。覚悟完了か。箒さんの機嫌が悪いと大体俺に矛先が向くので一夏さんギガアンハッピー。なにがあったのかしらないが、そうそうに機嫌を直していただきたい。

 

 何か献上すれば機嫌も直るだろうか。何がいいだろうな、新しい竹刀とか?

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

【5月◆◆日/晴れ】

 

 今日も今日とて授業である。

 

 よく晴れた日は実にIS日和だよねーそうだよねー。

 

 まあ、アリーナは全天候仕様だから晴れも雨も関係ないんだけど。せっかくの実習なんだから晴れてる方が気持ちいいのは当然であろう。

 

 やることなんてそれほど変わらないのだけどね。IS訓練機に乗って動してみる。最近は飛行訓練も行っているけど、みんな水平飛行するだけでも四苦八苦している。俺が飛べてるのは白式の性能によるところが大きいのだと姉さんに言われた。

 そう考えると白式って凄いな、トーシロの俺でも高速飛行とかできるんだから。のほほんによると白式に搭載されているOSは猿が乗っても大丈夫なように組まれている・・・らしい。世界で始めてISに乗れる猿・・・新発見じゃん。きっと足も手みたいに使えるぜ。何その猿の衛星。

 

 誰だか知らないけど、それなら射撃武器の一つでもつけてくれればよかったのにと思うよ。雪片弐型と白式の特殊攻撃『零落白夜』で拡張領域雀の涙。せいぜいハンドガン一つ追加できるかどうかくらい。白式は打鉄・雅をベースに第三世代型としてバージョンアップされてるから元々そんなに容量がなかったらしいけど。間接的に姉さんの暮桜に繋がってるのは胸熱だ。

 

 前にのほほんさんにも言われたけど、俺は白式の性能に甘えすぎてるんだよなあ。PIC制御もオートだし。細かな調整とかも勝手にしてくれてるし。至れり尽くせり感がパない。もっと俺に弄られてもイイノヨ。むしろ弄り倒したい。・・・勉強しよ。せめて自分でステ弄れるくらいにはならんとなあ。コンピュータ言語? なにそれ怖い。

 

 

 

 放課後にはいつもの特訓の時間。箒、アイリス先輩、セシリアさんに鈴ちゃんというコーチ陣をお迎えしております。箒はいつの間にかコーチになってた。なんでだよ。

 

 ちなみに四人の説明能力はお世辞にも高いとは言えない。感覚派で説明が擬音祭りな箒とアイリス先輩と鈴ちゃんに、理路整然としているがこっちのレベルに合わせてくれないので結果的に意☆味☆不☆明になってるセシリアさん。誰か翻訳を頼む。

 

 しかしまあ、四人の美少女のISスーツ姿は実に目の保養である。日々の疲れも吹っ飛ぶというものだ・・・などと不埒なことを考えていたせいか、四対一での模擬戦をすることになった。じょ、冗談じゃ・・・お、おいウソだろ・・・悪夢なら覚めry

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

【5月◆◆日/曇り】

 

 ドイツ人と遭遇した。

 

 クラリッサ・ハルフォースって名前だったかな。確かそんな感じだった。ドイツ軍の特殊部隊で副隊長を任されてる人で、今回は来月転入予定のドイツ軍特殊部隊隊長の転入手続きをしにやってきたらしい。

 

 姉さんに名指しで呼び出されたから何事かと思ったけど・・・一体何事? 俺、ドイツの人の知り合いいないよ? 中華娘なら一人いるけど。もしかして交換留学とかって俺をドイツに連れ帰る気なのか? 風の噂で第二のIS学園を作ろうって計画が持ち上がっているとかいないとか聞いたけど・・・残念ながら俺はまだ学生の身なので教員の真似事はとてもとてもえ、違う? デスヨネー。

 

 いやいや、あわよくばドイツの女の子とお近付きになろうとか考えてないっすよ。うん。ホントウダヨ。

 

 

 

 で、俺が呼び出された理由なのだが、せっかく日本まで来たのだから日本の文化に触れてみたいというクラリッサさんのために誰か暇そうな奴を一人つけよう、ということになったらしい。そこでなんで俺なのか小一時間。

 

 日本文化なら四十院さんとか詳しいでしょ。後は『委員長』の愛称で親しまれている鷹月さんとか。え、明日は特別授業扱いにするから行って来いって? 姉さんあんたそんな勝手していいのか? 私が規則だ? あんたすげーよ。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

【5月◆◆日/晴れ】

 

 ドイツ人のお姉さんとデート日和だぞ!!

 

 やっべ、友人たちに簀巻きにされるわー。怖いわー。ハハハ、笑えない。

 ちなみに俺がドイツ人のお姉さんとおデートすると知ったモッピーとセッシー以下略の目が怖かった。俺、生きて明日を迎えられるだろうか。心配になってきた。

 

「クラリッサさん、どこか行きたいところとかあります?」

「呼び捨てで結構ですよ、イチカ。そうですね。まずはゲームショップに行きたいですね」

「ゲームショップ・・・中古店でも?」

「はい、かまいません。むしろそういった店の方が掘り出し物を見つけられたりしますので」

「は、はあ(ドイツの特殊部隊副隊長が欲しがる掘り出し物が中古ゲーム屋に?)」

 

 いや、なんかね。なんとなくわかってはいたんだよ。でも見た目デキる女! って感じのクラリッサさんがまさか、ね? うん。人は見かけで判断しちゃいけないね。

 

「おお、ここが彼の聖地『キャ○プ』!」

「(聖地?)」

「さっそくいきましょうイチカ。十八禁ゲーコーナーは向こうですね」

「ぶっ!?」

「どうしました?」

「俺15歳。まだ15歳」

「失念していました。イチカは適当に時間を潰していてください。私はいいものがないか見てきますので」

「りょ、了解」

 

 びしっと黒スーツを着こなしたドイツ人女性が桃色空間に突入していく様は、その、とてもシュールでした。

 

 20分後、数本の大人向けゲームを購入したクラリッサさんはほくほく顔で店を出てきた。めっさいい笑顔やん。惚れてまうやろー!!

 

・ワ・) ところで何のゲーム買ったです?

 

 ほう、妹系。同志よ! 同志クラリッサと固い握手を交わす俺。今日は実にいい日だ。ええ、とても。

 

「そういえば、イチカには幼なじみがいると聞きましたが」

「ああ、うん。箒のことね。それがどうかした?」

「幼なじみといえば朝起こしてもらったり朝ごはんを用意してもらったりといったイベントが豊富ですが・・・回収率はどれくらいですか?」

 

 回収率ってなんぞ。あれか、イベントCGのことか。もしくは回想シーンか。残念ながら俺の幼なじみは朝に優しく起こしてくれたりも朝ごはんを用意してくれたりもしない。家もそんなに近くなかったし。

 

「なるほど、イチカはロリコンと」

 

 おい待てドイツ軍人。何がどうなってどうなればその結論に行き着くのか教えてくれ。あと俺はロリコンじゃない。小さいものが好きなだけなんだ。

 

「ロリコンイチカになら安心して隊長を任せられますね」

「お願いだからその呼び方やめて。みなさんの目が痛い」

 

 俺のメンタルはボドボドだ!!

 

「隊長はちっちゃくてとてもかわいらしいそれこそ目に入れてもまったく痛くないどころか目薬にすらなってしまうほどのミラクルキュートな妖精さんなのですが」

「その発言本人に聞かせたら怒られるだろうなあ」

「少々協調性に欠けるためか隊の者たちと仲が悪く、いつも一人なのです」

「IS学園に来てもうまく周囲と馴染めるか心配?」

「はい。いつでもお傍についていたいくらいには」

 

 それ過保護っていうんですよ。

 

「あ、ちなみにこれが隊長です」

 

 と渡されたのはムキムキマッチョマンの写真だった。ねえこれ男・・・いや漢だよね。というか兄貴だよね完全に。残念ながら俺はノーマルであってアーッ! な趣味はないからね? ノンケでも襲われそうで毎晩ガクブルとか嫌だぞ。

 

「すいません、間違えました」

「おい」

「これは私の彼氏の写真でした」

「なん・・・だと・・・」

 

 守備範囲広すぎでしょあんた。

 マッチョと入れ替えに見せられた写真に写っていたのは、銀髪の少女。左目に黒い眼帯を付け、ドイツ軍の軍服を着ている。ほほう、中々の美少女。

 

「名前はラウラ・ボーデヴィッヒといいます」

 

 ラウラちゃんね。おk把握。

 

「絡まれたりするかもしれませんが・・・できれば仲良くしてあげてください」

「同志のいうことにゃ。頭の隅にでも引っ掛けておくさ」

 

 

 

 あの後『俺妹』や『終わクロ』などを大人買いした同志クラリッサはとても満足した様子で本国へ帰ったのだった。何しに来たんだあの人。

 

 

 

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