平凡転生系お姉さんと中二病な夏油君   作:SUN'S

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平凡転生系お姉さんは「どうにかならない?」とお友だちに相談する。ちなみに霊界探偵になったつもりの夏油傑はライバルができた

夏油君の中二病を治したい。

 

こんな平凡なクセに前世の知識で中二病の精神を擽ってしまう事ばかり教えて、貴方の人生をめちゃくちゃにしちゃった私を許して欲しい。けど、最近の夏油君はいつもより楽しそうだ。

 

どうしたんだろう?そう電話越しにお友だちに聞けば「同じ趣味を分かち合える親友を作って中二病の痛ましい設定を話し合っている」と教えてくれた。あ、ああ、あああ、ごめん、ごめんなさい、ほんとうにごめんなさい。

 

きっと私の懺悔など関係無く夏油君は中二病という不治の病を悪化させていくんだ。それもこれも全部私のせいだ。うぅ、なんで私は彼と会ったときに〈幽☆遊☆白書〉の話をしてしまったんだ。

 

「こんにちは、お姉さん」

 

「こんにちは、夏油傑」

 

夏油君はいつものようにやって来る。

 

ほとんど毎日のように私の話す前世の創作物の話を真剣に聞きつつ、彼は自分に宿っている不思議な力(という設定)について私に相談したり、私の助力(ただのマンガの話)を願う。

 

最近は陰陽師じゃなくて霊界探偵のつもりで活動しているのは知っている。やっぱり年頃の男の子はバトル漫画のカッコいいか主人公に憧れるのは常識なんだなあ…。

 

「暗黒武術会に参加したいんです」

 

おそらく私の罪は詐欺罪だ。

 

こんな輝かしい未来を持っている青少年の人生をめちゃくちゃにしてしまったんだ。絶対に私は地獄行きだ。そうじゃなかったら無限地獄に落ちるべき最低最悪の人間だ。

 

ああ、真剣な眼差しだ。私の前世の話を信じている彼に「全部ウソなんだよ」って言えるはずない。いったい、どうすればいいの。…………こうなったらお友だちに相談するしかない。

 

夏油君にちょっとだけ待ってね?と私は伝えて。こっそりと部屋の奥でケータイを使ってお友だちに「どうしよう、夏油君に暗黒武術会やりたいって言われた」とメールを送った。

 

すると。私のお友だちは「おーけー」とだけ送り返してきた。ウ~ン。ほんの少しだけ不安はあるけど。お友だちならきっとなんとかやり過ごしてくれるはずだ。

 

…………変なことしないよね?

 

私はそんな不安を抱きつつ夏油君に「なんとか許可は貰えたけど。一人で出場するのは無理よ?」と言えば「それなら大丈夫ですよ」と言ってきた。

 

ほんとに、どうしよう。

 

彼の夢を壊すしたくないけど。少なくともお友だちに任せておけば解決するはずだ。やはり私も付き添ったりするべきなのだろうか。

 

そうなると夏油君は妄想し難いかと考える。…………ああ、どうしようないくらい不安で夏油君をまともに見ることが出来ない。

 

 

 




〈お友だち〉

チート持ち転生系お姉さん。

いわゆる「なんでもあり」を体現するチート能力持ちだけど。基本的に平凡お姉さんと遊ぶときに悪ふざけで使うくらいである。ちなみに本気になったら普通に世界最強だったりする。

〈暗黒武術会〉

出典・幽☆遊☆白書

この世の強い奴らを集めて戦う大会。お友だちによって平行世界や異世界の住人の参加する異種格闘技になっているけど。そういうのは中二病にとって当たり前の妄想だよね!

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