平凡転生系お姉さんと中二病な夏油君   作:SUN'S

6 / 7
暗黒武術会『予選会』第1回戦

最○チームVS執行部F組

次鋒戦

庵歌姫VS五十鈴絵美




暗黒武術会『予選会』第1回-次鋒戦-

〈コホン。えーっ、只今より次鋒戦を開始します。どちらも美少女なので、とても素晴らしい試合となることでしょう。〉

 

禪院直哉と穹徹仙の時と同じく機械じみたアナウンスに庵歌姫は嫌そうな顔を隠すことなくリングに上がり、自分の目の前に立つ赤い髪をドリルにした女の子と向かい合う。

 

「初めまして、庵歌姫さん」

 

「はあ、どうも…」

 

「お互いに頑張りましょうね」

 

「…………これ武器ありなの?」

 

歌姫はそう言って手のひらに刺さり掛けたクナイを見せつける。だが、さっきの禪院直哉に放たれたダーツの弾や水の弾を考えてみれば暗器など然程問題なく思えてしまう。

 

そもそも歌姫は五条悟と会ったのは御三家の会合でたまたま擦れ違った程度の関係だ。こんな謎めいた大会に参加するほど親しい訳ではない。むしろ歌姫にとって五条悟とちう少年は極力関わりたくないヤツなのだ。

 

「行きますわよ!!」

 

「はあ、良いわ。来なさい」

 

絵美の宣言に対して、歌姫は面倒臭そうに答える。癪に触った。ムカついた。色んな言い方は出来るが絵美は余裕で澄ました歌姫に向かって十数本のクナイを変則的に投擲する。

 

歌姫はクナイを弾き、往なし、払う。

 

単純な作業に見えるが自分の身体を傷つけることなく武具を回避するのは至難の技と云える。何故、五条悟は彼女を選んだのかと聞けば「ほら、歌姫って真面目だから」と直ぐに答えるだろう。

 

「チッ…忌々しいですわね!」

 

いきなり接近戦を仕掛けてきた絵美は八極拳に似た動きを披露する。重圧な踏み込み。いわゆる震脚と共に放たれる女の筋力では絶対に有り得ない剛拳を歌姫は平然と受け流す。

 

「な、ぜ…」

 

「悪いわね。私の術式はバフなの」

 

歌姫はそう呟き、絵美の顔を殴った。

 

五十鈴絵美に教えた通り───。

 

庵歌姫の術式『単独禁区(ソロソロキンク)』は任意の術師にバフを施す能力だ。彼女は自分自身にバフを施し、過剰分の呪力をじ薄く拡げた。知らず知らず彼女は擬似的とはいえ「纏」と「練」の応用技「円」を使っていたのだ。

 

「はあ、面倒臭いわね」

 

そう言って歌姫は失神した絵美を無視してリングを降りていく。何故、五条悟は彼女を選んだのかと再び聞けば「シンプルにパワーアップするヤツは強いじゃん?」と楽しそうに答えるだろう。

 

「歌姫、いぇ~い!」

 

「ちょっ、この鬱陶しい!!」

 

五条悟は無限を挟んで歌姫に近付く。擬似的なフィジカルゴリラに変貌する歌姫に生身で近付くのは彼にとっても危険なのだ。

 

「歌姫ちゃん、すごいなあ」

 

「ああ、ほんとだね」

 

禪院直哉と夏油傑は無限を突き破りそうな勢いで五条悟に掴み掛かっている歌姫に恐れ戦きつつ副将戦に備えて作戦を話し合う。

 

 

 




〈五十鈴絵美〉

出典・天上天下

統道学園生徒会執行部。クナイなど暗器を使用する武術家の少女。庵歌姫の事を小さな女の子と侮ってしまったために敗北した。最初から本気になっていればあるいは……。

〈「纏」と「練」の高等応用技「円」〉

出典・HUNTER×HUNTER

念の四大行の応用技の一つ。オーラを薄く拡げて自分自身のみ覆う小型の結界(間合い)を作り出す。庵歌姫はバフで得た過剰分の呪力を放出する瞬間、擬似的に「円」を再現していた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。