銀河戦士タッくんが征く貞操逆転異世界おねショタファンタジー   作:アニッキーブラッザー

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第1話 男らしくなりたい

 男らしく、女らしく、という言葉は性差別でしかない。

 

 しかし、その言葉にこだわる者は確かに存在する。

 

 彼もまたその一人であり、そして彼は「男らしく強く逞しくなりたい」と思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんにいつまでも頼っていられないんだ! いくぞ、テロ組織! 俺の銀河剛球ピッチングだぁ!」

 

 広大な宇宙の平和を守る銀河警備隊の若き戦士である、タック・ヲネショーターは一見したらどこにでも居る少年だった。

 背が低く、特に整っているわけではない両親譲りの黒髪は、長すぎず短すぎず。

 しかし……

 

「ひゅう、すげーなタックのやつ」

「ああ。あの『投鉄球術』だけで、あの悪名高い革命軍の一部隊を壊滅させやがった」

「銀河最高頭脳のエローナ女史が手を加えた百万馬力の改造人間であり、磨き上げたあの投鉄球術……最年少ながら銀河警備隊トップクラスの実力者だ」

 

 一度戦えばその力は一騎当千。

 銀河最先端超科学技術によって改造を施された改造人間。

 そのパワーは常人を遥かに超越し、そのパワーで物を投げればあらゆるものを粉砕する。

 

「えへへ、やったぞ! これで、討伐数がまた増えた! これでお姉ちゃんたちも少しは僕を男って認めて―――」

 

 ほとんど一人でテロ組織を壊滅させながら、まるで子供が初めてのお使いをして親に褒められて喜んでいるような表情で笑うタック。

 最強に近い力を持ちながらも、彼には望みがあったからだ。

 それは、『家族に自分の力を認められたい』というものであった。

 しかし、それがなかなかうまくいかないのである。

 それは……

 

 

「タッく~~~~~ん♥」

 

「「「「あっ、来た……」」」」

 

「あっ、おねえちゃ――――わぶっ!?」

 

 

 タックに甘い声を出しながら向こうから走ってくる一人の女。

 栗色に染まった柔らかそうなふわふわとした髪。

 肉付きの良い体とおっとりとした表情の美女。

 そして何よりも……

 

「タッくんお疲れ様~、はい、ご褒美~オッパイぱふぱふハグゥ~~♥」

「わうぷっ、お、おねえちゃ、あうう」

 

 身長差のため、タックの顔の位置にそびえ立つ、タックの頭を挟み込んで埋め尽くせるほどの爆乳。

 その谷間にタックを押さえつけギューッと力いっぱいに抱きしめる。

 やがて窒息寸前になってタックが逃げようとジタバタするが、簡単に抜け出せない。

 そして、数秒力を込めて抱きしめた後、女はタックを離し、そしてそのポーっとした顔に……

 

「はい、そして~、お姉ちゃんのベロチュー♥ んちゅうるちゅぶっちゅぶうちゅうるう♥♥♥」

「んぶっ、はっ、あんう、うぐぅ、おねえ、あ、あうっ、ぶじゅ」

 

 人前、同僚の前、外だというのに「そんなの見えない」と言わんばかりに一切周囲を気にせず、ただ愛する男の唇を奪い、ねちっこく舌を搦めて唾液をサキュバスのように、女は吸う。

 

「う~~ぷはっ、も、もお、ミルクお姉ちゃん、人前で、え、えっちなことはダメだって言ってるじゃないかぁ! お、俺、恥ずかしいよぉ!」

 

 顔を真っ赤にしてようやく女から離れて声を上げるタック。

 だが、言われた張本人はいやらしく笑みを浮かべながら舌で口元をペロリ。

 

「もぉ~、タッくんったら、これは家族のスキンシップだよぉ~? エッチっていうのは~、お●●ポをオ●●●にハメハメして、タッくんの精●をお姉ちゃんの●●●コにドピュドピュする行為のことで、ハグとキスはただのスキンシップだよぉ~? もちろん、エッチは後でね? お風呂に入って、このパンパンのお肩をマッサージしてあげるね? う~、……私の可愛いタッくんが今日も働いて……あ~ん、ほんと銀河警備隊なんて給料がいいだけでブラック職場だよ~」

 

 と、なんの悪びれもなく、当然のように、そしていやらしく、そして最後は甘い過保護な顔までコロコロと表情を変えるミルク。

 その姿にタックは頬を膨らませる。

 

 

「んもぉ、俺はもう一人前だよぉ! 男なんだから今日みたいにお姉ちゃんいなくても大丈夫だったんだから! いつもいつも違う現場を放棄して飛んでこないでよぉ~」

 

「何言ってるの、タッくん! タッくんは、弟なんだからぁ! タッくんにはお姉ちゃん『たち』が居ないとダメなのぉ! タッくんはお姉ちゃんたちが守るんだから、無理はしちゃダメ! 危ないこともしちゃダメ! 男だから? ナニソレ! ジェンダー認識足りないよぉ?」

 

 

 と、タックの非難を逆ギレして強く押し返そうとするミルク。

 この女こそ、タックの家族であり、姉であった。

 そんな二人のやり取りを、タックの隊の仲間たちは「いつもの光景」とため息。

 

「また来たぜ、ミルク戦士長」

「ああ、銀河警備隊が誇る『銀河最強姉妹』の片割れ。エリートにして天才で最強。一時は銀河警備隊のスーパーアイドルみたいな方だったのに……」

「タックを引き取ってからすっかり人格変わっちまったよな……」

「だな。戦災孤児で死にかけのタックを保護し、延命のために姉であるエローナ女史の手で改造手術し、その後はエローナ女史とミルク戦士長が養子として引き取って……な?」

「最初はタックをスゲー羨ましいと思ってたけど……」

 

 そう、姉と弟と言ってもタックとミルクは血が繋がっているわけではない。

 しかし、それでも優しいミルクはタックを本当の家族以上の愛情を持って接した。

 だが、それがやがて過剰になり、タックがミルクに心を開いていくうちに、ミルクはタックを母性本能を超越して性的に愛してしまったのだった。

 それ以来、弟とのイチャラブ大好き超重度なブラコン変態エロ姉という残念な称号持ちとなったミルクだが、そんな周囲の評価などどうでもよかった。

 

「さぁ~、タッくん、帰りまちょーねえ~、あっ、オッパイ吸う?」

「吸わないよぉ!」

「んふふ~、でも今日はいっぱい飲むんでちゅよぉ? 今日はエローナ姉さまも早く帰って来れるみたいだから」

「え!? エローナお姉ちゃんも!?」

「うん。今夜はもう朝までお姉ちゃんたちとラブラブイチャイチャしよーね~」

 

 一方でタックも自分を愛してくれる姉たちを当然愛していた。

 だが、それでも過剰で行きすぎだという認識もあり、しかしそれでも逆らえず、さらにミルクももう一人の姉のエローナも銀河警備隊最強クラスのタック以上の強さを持っているため、抵抗しようとしても無理やり力ずくで食べられてしまうのである。

 

「はぁ~、タッく~ん。もう、離したくないよぉ~。タッくんを戦士隊から除名する嘆願書はいつになったら受理されるのかなぁ~?」

「ちょ、ミルクお姉ちゃん、何でそんなことするの?! 俺、そんなのやだ! 俺はもう強い―――」

「ぶぶーっ! だーめ! タッくんにいつまでも危ないことさせません! タッくんが怪我でもしたら、お姉ちゃんたち……その組織も星もミナゴロシニシチャウカラ♥」

「う、うう……」

「今、お姉ちゃんをムッとさせた発言はエローナ姉さまが帰ったら報告だからね?」

「え、だ、だめ、やめてよ、そんなの……」

 

 姉には強く言われたら逆らえない。

 さらに……

 

 

「私、既に帰った。ブイ(--)v」

 

 

 と、そのとき、いつの間にか二人の背後に一人の女が現れた。

 空間の歪みを利用したワープで現れたその女は、そのままミルクからタックを取り上げて抱きしめた。

 

「仕事は秒で片づけた。タック。お姉ちゃん頑張った。ご褒美ほしい。チュウ」

 

 桃色の長い髪。その目はどこかどんよりとしたダウナー……なのは見た目だけで、その行為と言葉自体は生き生きとした女。

 白衣を纏って、服の上からでも分かるほど、ミルクに負けない豊満な爆裂銀河級のボディ。

 

「んちゅっ、あ、あう、エローナお姉ちゃ、ひゃん!? んちゅう!?」

「はぁ、タックの唇は何那由多回吸ってもプニプニ柔らかくて甘くて美味しい。萌える。濡れる。交尾不可避」

 

 その女こそ、タックのもう一人の姉であるエローナだった。

 

 

「んもう、エローナ姉さま、今は私がタッくん成分補給中なのに」

 

「ダメ。仕事を早く終わらせるために頭を使った。タック糖分補給が急務。なにより今朝はミルクがタックとお風呂に入ってイチャイチャした。なので、夜は私が先。はい論破」

 

 

 二人の爆裂姉妹に抱っこされてキスされて好き好きされるタックは身体をくねらせて逃げようとするが、二人の姉からは逃げられない。

 

「それよりタック。さっきの発言看過できない。お前に危険なことをさせたくないのはミルクに同意。それを拒否するいけないタックにはお仕置きもする」

「そ、そんな、エローナおねえちゃ……」

 

 そんなタックを周囲は……

 

「あーあ、エローナ女史まで来られたよ……」

「やっぱ羨ましい……」

「だけどよぉ、けっ、情けねーよなぁ、タックも」

 

 若干羨ましそうに、しかし大半は呆れたようにタックを冷めた目で見ていた。

 もはや日常的なその光景に隊の仲間たちも辟易としていたのだ。

 そんな目にタックは……

 

(うう、まただ……またこの視線……ダメだよ、このままじゃ……)

 

 姉たちの意向に対して、自分の意見を貫くこともできない。

 そんな自分を情けなく感じて、周囲からもどこか残念がられているという認識があった。

 姉と違い、タックは周囲の視線も気にしていた。

 だからこそ、やがてある野望が芽生えた。

 

(やっぱりこのままじゃダメだ……もっと強い敵を倒してお姉ちゃんたちに認められないと……)

 

 もっと、「可愛い弟」ではなく「強くてたくましい男」だと思われたい。認められたいと。

 

(そのためには……あの大物犯罪者を捕まえるんだ……)

 

 そしてその野望は……

 

(お姉ちゃんたちに内緒で調べていた、あの犯罪者……未開の惑星に逃げ込んだのは既に調べがついたんだ……アレを誰の力も借りずに俺だけの力で捕まえて……お姉ちゃんたちに、そしてみんなに俺を認めさせるんだ!)

 

 とある未開の異世界を巻き込んで、むしろ遠のくことになる。

 

 

(行こう! 惑星ジョソーンダンヒに!)

 

 

 

――あとがき――

 

気分転換に上品な新連載始めました。とりま10万字書きました。

 

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