銀河戦士タッくんが征く貞操逆転異世界おねショタファンタジー   作:アニッキーブラッザー

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第25話 限界

「ちょ、な、なにを!?」

 

 突然のことで、タックたちは誰も反応できなかった。

 捕虜の頭をいきなり掴んで窓の外へと放り投げるフタナリーナ。

 こんな場所から外へと放り投げられたら、どう考えても助からない。

 その出来事に、当初は「殺すなら殺せ」という覚悟が出来ていたと思われる他の者たちも表情を強張らせていた。

 すると、フタナリーナは溜息を吐いた。

 

「残念だが……絶対に口の割らなそうな者を、あらゆる拷問をしたり、恥辱を与えたり、精神を崩壊させたりして吐かせる……などの遊びにはもう飽きているのでな」

 

 遊び。隠密たちの覚悟に対して、フタナリーナはそう告げた。

 

「知っておるか? 人の意志など関係ない。人は相手が質問したことに対して、口に出さなくとも、脳はその質問に対する回答を反射的に脳内で告げているのだ。よって、頭蓋を開けて脳の一部に刺激を送って口を動かすように仕向ければ、人はどのような質問もアッサリと答えることを」

 

 ニタリと笑みを浮かべながら、ゆっくりと捕虜たちへと手を伸ばすフタナリーナ。

 隠密の女たちは、フタナリーナの言葉を聞きながら、全員が大量の汗を吹き出し、カタカタと震えている。

 それは、どれだけ隠密たちが口を割らないと覚悟を決めようとも、そんな覚悟など関係なく口を割らせることは容易だと告げているからだ。

 そして……

 

 

「う~む……しかし、そのやり方を『教えてもらった』ときには喜んだが、口を割らせたときの達成感がないからのう……だから……」

 

「「「「ッ!!??」」」」

 

「目玉と臓器を一部抉り取ってみるか」

 

 

 またもや、一瞬の出来事であった。

 今度は誰もがすぐに動けるように身構えていたはずだが、気付いた時には鮮血に塗れた四人の女たちが床に転がり絶叫していた。

 

「ぐぎゃがああああ!」

「う、お、がああああああああ!」

 

 言葉にならぬ悲鳴を上げる隠密たち。

 真っ赤に染まった床の上には、女たちの体の一部だったものがボトリと落ちていた。

 

「ギャーギャー、女のくせにみっともなく叫ぶでない。ちょっと片目と臓器を抉り取っただけであろう? 知っておるか? 人は、一定の量の血、心臓と脳、そこを順守すればある程度臓器を抉り取ってもそう簡単に死なぬということを。むしろ、片目と臓器の一部を残してやった、儂の寛大さに感謝するところであろう?」

 

 その時、恐怖で縮こまっていたタックの中で、何かがブチッと切れた。

 

「ふふふ……さあ、話してみよ。ウヌらは誰に唆された? もう片方の目を潰されたくなくば、答えよ」

 

 これが最終通告だとばかりに、一人の隠密の肩に手を置いて、顔を覗き込みながら尋ねるフタナリーナ。

 たとえ、口を閉ざしたところで、フタナリーナは別の手段で容易に口を割らせることが出来る。

 ならば……

 

「ああ、舌を噛み切って自殺しようとしても無駄じゃぞ? 舌を噛み切っても人は一瞬では死なん。ワシが手厚く回復させてやるからのう」

「ッッ!!??」

 

 ビクリと隠密の肩が大きく震えた。それすらも読まれていたのだと、絶望に染まった表情を浮かべた。

 もはや、逃げることはできない。

 口を閉ざしても無駄。

 そんな空気が押し寄せる中、しかしそれでも隠密は意地を見せて叫んだ。

 

 

「ば……バカにするな、このくされ女帝がぁ! この命も痛みも恐怖もあらゆる全てを覚悟したのが私たちだ! 仲間や主を売るぐらいなら、全てを飲み込んで死んでくれるわぁ! 脳を弄る? やってみるがいい! この脳は私の脳だ! 絶対に口など割るものか! 断固たる決意と強靭な我らの意志を持って、脳の命令にも抗ってくれる! そして、我らの誇りをその瞳に刻み、いつか我らの仲間が貴様の首を討ち取るその日を覚悟するがいい!」

 

 

 意地の叫び。己の命より、隠密は誇りを選んだ。

 その覚悟の叫びに、他の仲間たちも覚悟を決めたのか、唇を噛みしめながら、余った片方の目でフタナリーナを殺意の籠った瞳で睨むが……

 

 

「ほ~う……三年前に滅ぼした、メチャヒサーン国の残党か……何とか生き残った若き王子を中心に、反逆の機会を伺っていたか……ご苦労なことだ」

 

「「「「「ッッッ!!!????」」」」」

 

「アジトは……ふははははは、そう遠くはないようじゃな!」

 

 

 フタナリーナの口にした言葉に、隠密たちは呆気にとられた表情で固まった。

 

 

「ん? あ~、すまぬな。ついウッカリしてしまった。儂、相手に触れるだけで、相手の心を読むことができるのじゃ♪」

 

 

 最初から、フタナリーナはからかって遊んでいただけ。そう告げるかのように、残虐な笑みを浮かべた。

 

「おい、そこの」

「ははっ!」

「アヘイクに伝えよ。今すぐ、兵を連れてカクレーガマウンテンに向かい、馬鹿どもを粛正しろと」

 

 そして、フタナリーナは隠密たちを連れて来た兵を指さして、命じる。

 

 

「王子だけは生け捕りにして儂の下へ連れて来い。儂が直々に犯して、王子の子でも孕んでやる。ついでに、王子のケツも犯してやるか! ぐわははははははははははははは!」

 

「う、う、この、地獄に落ちろこのクソ外道があああああああああああああああ!」

 

「ぐわははははは、あ~、つまらん。こういう展開で、そういう呪い殺すような叫びも、もう何度も見飽きた聞き飽きた。今日も新しい発見は無しか」

 

 

 つまらないと言いながら、狂ったように笑うフタナリーナ。

 血の涙を流しながら叫ぶ隠密たち。

 そしてもはや、恐怖を超えて、我慢の限界だった。

 

 

「もう……いい。反吐が出るよ……恐怖も吹き飛んだ」

 

「ほう……」

 

「いろんな世界を見渡しても、これほど笑って人を弄ぶ人は初めてだ! 今この場で―――」

 

 

 拳を握りしめ、怒り狂って飛び出しそうな様子でタックがそう呟いた。

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