まさかの導入だけで3話というバケモノ具合....というより俺の能力のなさが露見してしまったwwwww
でもここから1章が始まります。ここからは展開がゆっくり。でも面白く書いていこうかなと思います。ぜひ、ここから、楽しくなっていきますのでお付き合いお願いします。では本編どうぞ
4話 2度目の目覚めと本題
気づいたら柔らかい感覚に体が包まれていた。知らない天井。そう言うには少し気恥ずかしくて躊躇ってしまう。
だがそんな理由よりもさらに強く、気になっていることがあった。
「あれは.......月歌....だよな。」
包帯が巻かれた腕を見る。そこには赤い血が自分の体に投与されているのが見えた。そのホースの先には袋がある。
「出血なんて.......」
生身では攻撃は受けていなかったはずだ。それなのにも関わらず輸血など意味がわからなかったがそれが必要と判断されたのであれば外す訳にも行かない。
「....あれは貧血で意識が混濁し「お、起きた。」」
最後の月歌も幻だったかもしれない。そう考えかけたその時ドアがガララッと開き、そこから金髪ショートヘアの女の子が入ってくる。
「.......月歌、か。無事だったんだな....」
「この通り、元気ピンピン!」
「病人に対しての声量じゃねぇよ....」
そこには月歌、俺の妹分が立っていた。今まで通りのおちゃらけた雰囲気を出しながらこちらのベットに歩いてくる。その動きが自分の記憶のものと合致するということは偽物では無いだろう。
「月歌....」
思わず口を閉ざしてしまう。今から言おうとしている言葉は言う訓練なんて受けてないし、言ったら呆れた顔で何か言われるかもしれない。でも言わずにはいられない。もはや自分の大切な人は彼女しかいないのだから。
「生きてて.......その、良かった。」
「あはは、何言ってんの!あたしが死ぬわけないじゃん」
どこまでも能天気なその姿に帰ってきたという実感がやっと出てくる。だが違和感があった。
「....そっちにも何かあったんだな。」
「うん、あった。けどまず先に治さないと。ほらハグしてあげようか?」
おちゃらけた雰囲気から一転、一瞬顔を顰めたあとまた元に戻る。。読心術もなければメンタリストでもない。そんな俺が察せれるものと言えばその件に自分も関わっているということだけだった。
「話して。」
「.ぇ...えっと...憶測だけど.......」
それでもいいと話を促す。ありえないようなことを体験してきた俺としてはもうなんの話が来ても驚かないと思っていた。
「多分、兄貴が居たところとここは違う。」
「....は?」
多分。その一言で基地が変わったという線は消えた。基地が変わったのであれば違うと言い切れるからだ。月歌も確信を得ていないからこういう言い方になる。
記憶障害だと思われてる?あのキャンサーのせいか?いや、でもそれだと会いに来た時にこちらが月歌を知っている前提の会話にならないだろう。
世界を歪める程の力を持ったキャンサーも過去にはいた。となれば歪みが正常になる様な力が?....もしそうだとしたら真偽を確かめる手段がない。
ああ、思考が複雑になっていく。なんだ、何が起こっている?状況を整理しようにも常識が通じないとか詰み以外の何物でもない。
「多分、兄貴は何らかの影響でこっちに来たんだと思う。司令官に確認したけど『最上 深』なんてセラフ部隊員は居なかった。」
「.......」
それはどうなんだ?俺がいない?つまり存在しないということ。あのキャンサーに存在を消された?
そういえばさっきから窓の外を歩く隊員は女性以外居ない。
違和感。
それが体にまとわりついて気持ち悪い。
「じゃぁ、なんで月歌は俺のこと覚えてるんだ?」
名前も伝えてないはずだという考えで言ったのだが当の本人はこうのたまった。
「それはあたしを想う心だよ。愛は偉大!」
「そうか....」
「.......否定しなよ...」
否定すれば月歌の思いどおりだ。愛があるのは嘘では無いので否定する要素がない。元凶の月歌は口を尖らせながら拗ねてしまった。
それはそれとして空気が軽くなったのはいいものの、これが月歌の軽口とは思えない。真剣な顔をした月歌はそんなことを冗談でも言うはずがないと知っている。親しい人は記憶が戻る?
とすればどうだろう?これは本当ということになる。俺がいたところとは違ってここは知らない土地で、しかも月歌だけが俺のことを覚えているというご都合主義。
「そりゃないだろ....どうなってんだ俺の運。」
いいのか悪いのか分からないこの運は別のところで使いたかった。ツキが回ってくるのが遅すぎる。
「まぁ考えててもしょうがないよ。今わかっているのが兄貴はこの世界の住人じゃない。そしてそれを知ってるのは兄貴とあたし。あと多分蒼井も.......」
「は?いや、待て。今なんて言った?」
ニタァと口角を釣り上げて月歌は意地の悪い笑顔を浮かべる。
「冗談か?」
「いんや?紛れも無く事実!現実!アメージング!」
「スパイダーマンなんて居ねぇよ。じゃねぇよ!は?いや、待て....今、時系列的にはどこだ?」
「31Bとチーミングしろって言う運営も真っ青な指示を受けたとこ?」
「うっそだろ....ってかギリギリじゃねぇか。」
この作戦で蒼井が死ぬ。この世界で今も生きているのならなんとしてでも阻止しないといけない。例え彼女が俺のことを覚えていなくても。
「月歌、行くぞ。」
「ん?どこに?」
「司令官室だよ。事情を説明して作戦に参加する。」
勝算は薄いがやるしかない。ここで踏ん張らなくてはもうこの命に使い道はない。せっかく助かった命、ここで使う。
「もうなりふり構ってはられない。」
そう呟き、自信につながっている管を強引に引き抜く。
「ちょっ!ちょ、あに....痛い痛い!しんにぃ!痛いって!」
呼び方などどうでもいいが.......いいが....しんにぃか。少しいいな。
状況を忘れそうになるがすんでのところで踏みとどまる。手首を掴む力を少し弱めて引っ張る。きっとこの世界では俺と咲の面識はない。となると月歌を連れていくのが1番の近道だ。
そう考えていると既に出口に辿りついていた。
「.......ほんとに女しかいない....」
「天国?ねぇ天国でしょ?」
「んなわけねぇだろ。地獄だよ。知らない顔の方が多いな.......」
こちらを見る怪訝な顔、こんなにも男であるこの身を恨んだことは無いだろう。視線が痛い。基地に来れた感動よりも不快感と居心地の悪さの方が勝つなど誰が思ったか。
「....こっちでは男のセラフ部隊は全滅したからね。少しの我慢だよ。ほら、女性の冷たい視線は男のロマンっていう?」
「.....男全員そうだと思うなよ?少なくともそれで喜ぶ趣味はない。」
月歌のニヤニヤ顔は止まらない。そろそろほんとにイライラしてきた。
「またまたぁ....」
「何がだよ.......」
「あたしも蔑んだ方がいい?」
「.......はぁ.......」
「何?!その残念そうな顔!なんで?!」
「....はぁ」
「2回目!2回もされた!」
「....何やってんだ。」
いつも作戦の時のように真面目であれ。そう願うばかりだ。でも現実は違う。
ふざけて突っ込まれてまたふざけて。
走行しているうちに騒ぎを聞き付けたのであろうユキがそこに立っていた。
「事情は月歌から聞いたよ。にわかには信じられないことだが.......一応初めましてでは無いんだよな?」
「あぁ....まぁ月歌が世話になってる。こいつを制御できるのは天才芸人のお前しかいない....ほんとに頼んだ!いや、まじで。結構本気で」
「お、おう.......ん?」
責任転換が出来たところで少し早口になりながらこれからの説明をする。
「これから司令官に会いに行くんだがユキも来るか?」
「いや、それよりも今なんて....」
「わかった。じゃあ急ごう。人類の命運がかかっている。」
「え?今あたし承諾したか?」
「かかってる!」
「いや、だから.......」
「ユッキー、人類と自分どっちが大事なの?」
「これ、あたしが悪いのか?!」
多少騒がしくなりユキの不憫さがさらに増した。いや、ほんとに不憫だ。強く生きろ。和泉ユキ....
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「初めまして。私はここの司令官をしている者よ。色々聞きたいことがあるのだけれど.......」
こちらを伺うその目は疑いと警戒が滲んでいた。やっぱり咲は俺のことを覚えていないようだ。本当に違う世界に来てしまったらしい。
原因を考えるとすればあのキャンサーしかいないが創作物であったはずの平行世界という物が本当に存在していたとは思ってもみなかった。しかもそれに俺が巻き込まれるという珍事件が起きている。全くもって理解ができない。
「......ゴホンっ.......」
「え?ああ、すまん。俺は最上深。男性セラフソロ部隊だ。今回は保護と治療、感謝する。」
「....いえ、それは問題ないわ。それよりもまだ男のセラフ部隊が生き残っていた方が驚きよ。全滅したと聞いたのだけれど?」
こっちの世界ではそうなっているのか。あるいはそうセラフ部隊を騙しているか。世界が違うのだからこっちの常識は通じないとみて間違いないだろう。
「.......俺はこの世界の人間では無いらしい。確証は持てないがレベル6相当のキャンサーによる攻撃でこちらに飛ばされたと考えている。」
「....」
警戒の色が強くなる。それもそうだろう。頭がおかしいと思われてもおかしくない。今、咲の頭の中では数通りの仮説が浮かんでいることだろう。しかしこちらにも違う世界だという判断材料が少なすぎる。ここで信頼にたるカードは無いに等しいのだ。
「こちらの世界でも用心した方がいいだろう。水性のキャンサーだった。俺の世界では八土平地が湖になっているのに衛星写真ではそのまま緑の大地だという不可解な現象が起きていた。間違いなく近いうちに人類の驚異となる敵だ。」
「ッ.......」
咲の顔色が悪くなる。眉間にはシワが寄って片手を顎につけて考え込む。狙った訳では無いが警告と違う意味があったのなら一石二鳥だ。
「司令官....」
「えぇ....あなたを信じましょう。現在、こちらでも逆のことが起きているわ。衛星写真では湖。実際は緑が広がっていた。」
「あぁ.......なるほど。」
これで繋がった。衛生か大地が入れ替わっている。俺をこちらに飛ばしたのがその力の片鱗だとすれば強大過ぎる。人類は勝てるのか?ひとつの地方全てをほかの世界と入れ替えれるようなそんな存在に太刀打ちできるのか?そんな考えはもはや稚拙と言っていいほど状況は悪化していた。
横を見ると月歌とユキは静かに顔を青ざめさせていた。
「...それって大丈夫なのか?」
「.......俺でも太刀打ちできなかった。今のセラフ部隊は一瞬で全滅だろうな。」
「兄貴が無理なら私たちなんて1秒も持たないと思う。」
「そんなになのかよ....」
まず、飛び出してくる小型キャンサーの攻撃は目で追うのがやっとだ。だが、これだけなら盾型のセラフがあればなんとかなるだろう。しかし最後のあの攻撃。あれだけは防げない。防げるビジョンが見えないのだ。
「現状、未来を知っているのは俺と月歌だけだ。蒼井はこの作戦で死ぬ。」
「なッ......ッ」
「詳しく言ってもイメージ湧かないだろうから分かりやすく言うが....赤い光レーザーのようなものが31Aを苦しめる。正直、31Aだけなら確実に負ける。今の時系列よりも力を持っている月歌がここに居るとはいえだ。周りのレベルが圧倒的に足りない。」
「ッ....て.......」
残酷な事実だ。この世界においては虚実だが。俺自身においても辛い過去であるため無表情を意識して話していた。作戦と言うような合理的な判断が必要な場合は感情など邪魔だからだ。
「待てよ....嘘だよな?もっかい、もう1回言ってくれ。」
顔を歪めてこちらを見てくるユキ。こんな彼女はあの時ぶりか....いや、もうそのユキは居ないのか。
「蒼井が死ぬ。」
「ユッキー!!」
「止めるな月歌。我慢ならない。仲間が....友達が死ぬって言われて冷静でいられるかよッ!」
ドゴッという音と共に衝撃を感じた。胸ぐらを掴んでくるユキ。その激情はもっともでデリカシーがなかったのはこちらだろう。しかしこれは避けようのない事実で伝えなきゃ先に進まない。汚れ役を買うのはユキの親友である月歌か今ではもう他人の俺の2人以外に居ない。こんなもの選ぶまでもないだろう。
「事実だ。俺は陽動のために1人で動いていた。殲滅して合流した直前に目の前で月歌を守って死んだんだ。」
「お前.......月歌まで....どこまで侮辱すれば満足なんだッ!てめぇ「ユッキー!!」ッ....」
「ユッキー.......事実だよ。」
「ッ....」
胸ぐらから手を離しよろよろと顔を伏せながらユキは後ろに下がった。
「もう....、良いかしら。」
「ああ。」
司令官が少し優しめな声で話しかけてくる。
「私の前でその話をしたということは貴方が31Aと同じ配置で戦えば蒼井さんを助けられるということでいいのよね?」
「その通りだ。」
「.......」
後ろからか細い息が聞こえる。視線をやると月歌はユキの背中を撫でており、それと同時に何かを喋っていた。
「さぁ、作戦を詰めよう。前の世界で兵士時代は咲、お前と同じ部隊だったこともある。すぐまとまるさ。」
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「ユッキー.......事実だよ。」
その言葉は聞きたくない。せめておまえの口からは聞きたくなかった。
ああ、あたしは月歌、お前を一応は信用してるんだ。この男は知らないけどお前は信用してるんだよ。そのお前が事実だって言ったら....いや、待て
なんでだ。
いや、おかしい。確かに蒼井は友達だ。でもあたしの性格上そこまで入れ込むタイプだったか?確かに31Aの皆、誰かが居なくなったとしたら落ち込むし、立ち直れないかもしれない。けれど
なんでこんなにも怖いんだ?
なんでこんなに月歌の顔が見れない。
かろうじて背中をさする月歌の手を感じる。
お前、そんなタイプじゃなかっただろ。なぁ、何があったんだ。なんでそんなに優しく撫でる?
「俺は陽動のために1人で動いていた。殲滅して合流した直前に目の前で月歌を守って死んだんだ。」
なんだ、それは。月歌が原因みたいじゃねぇかよ。月歌は何もやってないのに....なんでっ!なんでなんでッ.......
事実なんかじゃない。そんなわけない。その言葉がなんであたしの口から出てこない?
出会ってから数日の蒼井にここまで入れ込む理由はなんだ。
数日....?
数日か?本当に.......
分からない。思考がまとまらない。
「兄貴はね....他の世界で1番強いんだ。蒼井がいなくなるまではもっと性格も優しかったんだけど.......だから大丈夫。信頼できるよ。」
「.......」
驚きはなかった。なぜかは自分でも分からない。
「私の前でその話をしたということは貴方が31Aと同じ配置で戦えば蒼井さんを助けられるということでいいのよね?」
「その通りだ。」
「........」
思わず息を思いっきり吸い込んでしまった。変な音が出てしまう。
「さぁ、作戦を詰めよう。前の世界で兵士時代は咲、お前と同じ部隊だったこともある。すぐまとまるさ。」
その言葉は何故か懐かしく思えた。
はい。いかがだったでしょうか。
やっと月歌と主人公が出会うというね。俺の推しは蒼井と月歌なので主にこのふたりと絡ませられればなと思っております。しかしながらあくまでメインはオリ主×蒼井です。
さて、始まった第1章。何話続くのかは自分でもわかっていません!正直に言います。書いててメチャ楽しい()
当分は失踪などとは考えておりません。安心して見ていただけるよう。
尚、俺の他の作品については超超超亀更新なだけで凍結はされていませんので....基本気が向いたら書くをモットーに頑張ります。