FGOのマスターがまつろわぬ神として顕現してしまった話   作:星の王子さま

10 / 28
(2024/08/15)個人的に読みづらいと感じたので、差し替えました。書き方を変えただけなので、話の流れは変わっていません。

第9話です。どうぞ。


9. 第一の従者/アメリカにて

 

「…ここは、どこでしょうか」

「んー、どこだろうねぇ」

 

「人理の防人の少女」が令呪を励起させた時、彼女が2日前にこの世界に顕現したその場所に、2人は顕現していた。

 

1人は「人理の防人の少女」の「最初の従者」であり、主人の少女にとっての人生の後輩であり、あらゆる脅威から主人である少女を護り続けて来た「人理の盾」たる少女。今の彼女のその姿は、まるで騎士のような鎧を纏った姿であった。

 

もう1人は「人理の防人の少女」が所属していた組織の技術顧問であり、万能の天才と呼ばれた人が、いつかに備えて鋳造しておいた、分身にして後継。

 

「とりあえず、吹雪が強過ぎてこのままじゃ何も分からないから、移動しようか」

「そうですね」

 

周りが見渡す限り吹雪ばかりで、周囲の状況がろくに分からないので、とりあえずまずはこの吹雪を抜けていこうと、早速歩き出す2人。

2日前に顕現した、主人である少女と同じく、目の前にある下り坂を降りていき、2人の少女はやがて雪の平原に出る。「人理の防人の少女」の時と同じく、雪原は見渡す限りに広がり、太陽は沈まない。

 

雪原をしばらくザクザクと歩いていて、ふと、後輩の少女が呟いた。

 

「…先輩は、大丈夫でしょうか。こんなことになってしまって」

 

後輩の少女は、自身の今の状態から、主人の少女を取り巻く現状をわりと正確に把握していた。

おそらく、自分や傍にいる技術顧問の少女のように「人理の防人の少女」と友誼を結んだ盟友たちは、みんな何処かに顕現している。主人の傍では無い何処かで。

そして、友誼を結んだ盟友たちは、必ずしも人類に対して友好的な感情を持っているとは限らなかったし、人類に対してその力を振るわないとも限らなかった。

そして、場合によっては、盟友たちの力は、文明を破壊し、星さえ殺してしまうようなものもあった筈だ。

 

人理の防人として、全力を尽くしてきた彼女自身が、今、人類の脅威になってしまっている。

 

その事に主人である少女が気づいた時、彼女はどうなってしまうのだろうか。

その時、自分は、先輩である彼女に何を言ってあげられるだろうか。

 

後輩の少女が考えていた事を察しているのかいないのか、技術顧問の少女は、あえてぼんやりとした応えを返した。

 

「大丈夫…では無いと思うけど、今すぐにどうこうと言う程には、なってはいないんじゃ無いかな」

「そうだと良いのですが…」

 

それでも、後輩の少女の心配の芽は枯れない。

あぁ、自分が傍に居られないことがもどかしい、と感じている後輩の少女も、割と主人の少女を溺愛している勢の1人であったりする。

ともかく、と仕切り直すように、技術顧問の少女は元気に言った。

 

「繋がりもあるし、あの子がいる方向は分かっているんだから、とりあえずはそこに向かって進むだけだよ。まずはあの子との合流を目標にしよう。あの子をひとりにしておくのが1番拙いからね」

 

主人である少女と2人の距離は、少女と同年代の一般的な女性の歩行速度から概算して、200kmと少し。

 

2人の少女の追走が、始まった。

 

─────

 

「さてと、役割分担をして、私がアメリカ大陸一帯の盟友を回収するのは良いのだが」

 

最も有名な大海賊たる彼と一度合流に成功した後に、役割分担ということで再び別行動する事になり、アメリカ大陸の北から南までの何処かに顕現した盟友を回収する役割を負った、海賊紳士たる彼。

さて、回収する役割を負ったは良いものの、何処からどのように手を付けようかと、今回の航海の計画を考え始める。

 

「あぁ、紙と何か書くものを持ってきてくれ」

 

計画を立てるなら、やはり何かに書いた方が色々と整理し易くて良いと、近場にいた船員に声を掛けて紙と書くものを用意させる。

さて…

 

「アメリカ大陸が出身の盟友は誰だったかな…」

 

海賊紳士たる彼は、同郷の船乗りたちと比較して、情報収集や計画の立案等、割としっかりする方ではあったので、主人の少女が属していた組織において、盟友たちのプロフィールについてはとりあえず一通り目を通してはいた。

思い出せと言われて、過不足無く即座に出てくる程では無いが、考える時間があれば、ちゃんと正解を出せる程度には。

 

(まずは、近場に出ているであろう女海賊のコンビ2人)

 

おそらく自分が今いる場所は、あの最も有名な大海賊たる彼が自分のすぐ傍に出てきたことなどを鑑みるに、縁など諸々込みでカリブ海だと思われる。

同じような理屈で顕現する位置が決まっているならば、主人をお宝と見て、よく強奪しようとしていたあの女海賊達も近場に居るはずだ。

 

(北米の方は…銀鍵の少女と、獅子頭と、飛行場の滑走路みたいなヤツ、ガンマン、ホラ話の少女…の5人か?他に誰か居ただろうか)

 

やはり「新」大陸という事なのか、北米大陸出身の盟友は、古い時代の叙事や記録があまり残されていない為か、比較的近代が出身になる様な者たちばかりだった。

また、土着の民族の神話などの伝承に触れる機会もあまり無かった為か、北米大陸の神話出身、みたいな出自の盟友も居なかった。強いて言うならば、ホラ話の少女がそれにあたるか、といった程度。

 

(中南米は、ルチャの女神さま、兵器オタクの神さま、虎のナマモノ、厄ネタの一角、都市の化身の5人だったかな)

 

中南米の方は、有名にして優秀な古代文明の遺跡が多く発見され、文字の解読が進んだこともあり、それらに刻まれていた内容から当時の記録や伝承が色々と出てきている。

南米自体が舞台になったこともあり、かつて所属した組織の一員として、その辺の情報は比較的沢山仕入れていた。

かの「星喰らい」を相手に文字通りの総力戦、なんてこともあったなぁ…と、遠くを見る目をしながら、計画の立案を進める海賊紳士。

 

(女海賊2人はカリブ海のどこか、銀鍵の少女はおそらくセイレム、獅子頭は…霊基名を元にするならオハイオか…滑走路、もとい先住民の戦士は、アメリカとメキシコの国境付近の何処か…ガンマンとホラ話の少女は、何処だ?ガンマンは西部の何処かだろうが…)

 

盟友たちの「彼方」でのプロフィールを参考に、彼ら彼女らの「此方」で顕現すると思われる位置を調整していく。

ただ、やはりと言うべきか、その盟友の特性上どうしても、顕現すると思われる位置を想定出来ない者もいる。

 

(中南米は…範囲自体は広くない。都市の化身はメキシコの首都だったはず。4柱の神さまたちは…アステカが存在した場所の何処かにいるとは思うが…)

 

分からないものはしょうがないので後回しにして、これでひと通り、アメリカ大陸に顕現したと思われる盟友と、顕現したと思われる場所の目処の整理が終わった。

次は、これらの情報をもとに、誰をどの様な順番で回収していくかを考えていく。

 

(まずは近場にいるはずの女海賊の2人を回収して、次に北上してセイレムで銀鍵の少女を回収する。その後更に北上して、セントローレンス川から五大湖に進入し、エリー湖まで行き、オハイオにいるだろう獅子頭を回収)

 

北アメリカ大陸の西海岸に近い位置に顕現したと思われる盟友たちは、これで回収できるだろうが、ここから先が問題だなぁと、さらに計画の立案を進めていく海賊紳士たる彼。

 

(獅子頭を回収した後は、太平洋に出ないといけないな。となると、アラスカを迂回するよりは、南米の先端を回って太平洋に出る方がいいかな。その場合のルートは…南米のホルン岬を通って太平洋に出る。その後は海岸線に沿って北上し、道中の中南米で4柱の神さまを回収、その後メキシコまで行き、メキシコシティで都市の化身を回収…)

 

とりあえずこんなところか、と南北アメリカ大陸の盟友達を回収する旅、ざっくりと計画を立ててみた海賊紳士な彼。で、ざっくりと計画した旅程を、簡易的な南北アメリカ大陸の地図と照らし合わせてみるが…

 

(やれやれ、かなりの長距離航海だなこれは)

 

まず、現在地となるカリブ海のど真ん中から、五大湖を伝いオハイオ州まで行く時点で、既に7000km以上の距離を航海することになる。そして、オハイオ州から南アメリカの先端を回って、メキシコシティに最も近い海岸辺りまで行くとなると、その距離、概算で3万kmになる。一般的な普通の帆船で進もうとした場合、いったいどれだけの時間がかかるのか、空恐ろしいレベルである。

海賊紳士たる彼の帆船自体は、まつろわぬ神である彼の宝具でもあるので、一般的な帆船とは比べ物にならない位には高性能だし、乗組員は普通の人では無いので、補給等の為に時間を使う必要も無い為、そういった点では時間の短縮も可能ではあるが、それでもかなり大変な旅程になる事には違いない。

 

(パナマの方にあるという運河を通ることが出来れば、だいぶ行程を短縮出来るが…どうなるだろうか)

 

─────

 

(さーて、盟友の回収なんて面倒事を上手くあのメカクレスキーに押し付けることに成功したわけだが…)

 

所変わって此方は、先程、海賊紳士たる彼と役割分担をして、まず真っ先に主人である少女との合流を目指すことになった、最も有名な大海賊たる彼である。

 

(南極っつっても広いからなぁ、繋がりを辿るにしても、どう探したもんか)

 

彼が主人である少女との繋がりを辿る限りでは、少女の方も少しずつ移動していることが確認できた。

かつての彼は海賊という名の船乗りであった。彼が海賊として名を馳せていた全盛期に当たる時代において、当時の航海術は、当時の船乗りたちにとって、とても重要な技術であったので、大きな海賊団の頭であった彼も、必要な分だけ修めていた。

現在彼は、カリブ海を真っ直ぐに南下し、南アメリカ大陸の海岸目指して進行中であった。

 

(俺が南極の沿岸に着いた時、主人は真反対の側に居ました、とかだと面倒だ)

 

また、彼は別に頭が悪い訳では無く、むしろキレる方だったので、船の舵取りをしながら、その傍らで、主人である少女との合流に関しても色々と考えていた。

考えていたのだが…

 

(…あー、面倒だ。とりあえず南極に着いてから考えるか)

 

なんか、考えることを、後回しにしたようである。

小説の雰囲気を壊さないように、登場人物達の事を分かりやすくする手段、どれが良さげでしょうか?(これの結果を元に、該当する話は全て編集します)

  • 今のままで良い
  • 登場人物の呼び名の上にルビをふる
  • 注釈を添える
  • その他
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。