FGOのマスターがまつろわぬ神として顕現してしまった話 作:星の王子さま
淡白な話になっちゃうけど許して…
第22話です。
では、どうぞ。
「さて、今の御身の姿と、我の横に居るヤツについて、そろそろ説明して欲しいのだが?」
「…はっ、そうだった」
中東地域、イランの某所にて。
「人理の防人の神話」の盟友「創世
現在、彼女の上に乗せてもらっている「英
「えっと、神話の作中、わたし、2種類の出番、あった」
反応的に、此奴忘れておったな、と。
若干呆れながら、傾聴の姿勢に入る。
「1つは、獣として」
「獣」としての「
一部7章にて、当時最高レベルの難敵として、「少女」の前に立ちはだかった時の彼女。
「人理の防人の神話」内における、数ある神話の1つにおいて、彼女は、創世の神の1人として、数々の神々を産み出し、彼ら彼女らを子どもとして愛し、神々の母としての役割を全うしていた。
しかし、彼女が産み出した神々は、世界の支配権を獲得する為に、彼女の夫であった神に、次いで彼女自身に反旗を翻した。
彼女は嘆き、狂い、新しい子供として十一の魔獣を産み出し、神々と対決した。
結果としては、彼女は敗れた。そして、勝利した神々は彼女の死体を二つに裂き、天と地を造り、これを人界創世の儀式とした。
彼女の死体は、生命を産み出す土壌であった。
ランダムに生命をデザインして、世に送り出す、母なる海であった。
彼女は、死してもなお、母であった。
そして、環境が落ち着いてからは、それ以上の生命のデザインは不要なモノであるとして、生命の居ない世界に追放された。
母としての役割を、不要であると断じられた。
創世の母は、母としての役割を、否定された。
現在の生命からは、もう、母としては求められない。
ならば、自分を母として求めてくれる新たな生命を、作ってしまおう。
本能的にそう考えてしまった彼女は、以降、生命の母として返り咲く機会を、虎視眈々と狙い続けた。
そうして機会を待ち続け、ついにそれを得てしまった為に。
そして、その行き過ぎた「母」としての本性故に。
彼女は、人類が打倒すべき「第二の獣」とされた。
「もう1つ、盟友として」
一部7章にて「第二の獣」としての彼女が、人理の防人の「少女」によって、見事打倒され、「獣」から零落した後。
自分を倒し、先に進んだ人類が、同じ「海から来る災厄」によって滅ぼされようとしている事態に我慢できず、幼体としてダウンサイジングして顕現したのが、盟友としての「
「第二の獣」としての彼女とは地続きの存在で、人類に負けた屈辱と痛みはしっかり覚えている為に、いつも不機嫌そうに見えるが、それはそれとして、母として、人類はやっぱり自分の子どもだから愛するし護りたい、というスタンス。
本人曰く「おまえたちが滅びると、わたしの負けが無意味になる。よって力を貸してやる」ということらしい。
「…なるほど。つまり」
「そう、わたし、今、神話内での兵種とは別に、まつろわぬ神として、側面、2種類ある」
今回の顕現にあたっては、彼女は「獣」と「盟友」の、2つの側面を持った神として、顕現する事になった。
草薙護堂の、かつての宿敵であった女神アテナが「メティス」と「メデューサ」の側面を持った、三位一体の女神として顕現していた事例と、ほぼ同じ様な感覚である。
端的に言えば、「獣の『
それが現在の彼女であった。
「…あの愛の神を名乗るポンコツ共と、同じような状態であると。そういう認識で良いか?」
「んー、側面の割合、自分の意志で、変動可能。それだけ違う」
思い浮かべるのは、宇宙規模の炎に焼かれて尚、灰が残った逸話を持つ、依代の関係でTSした愛の神にして「第三の獣」の片割れ。
あれも確か、愛の神としての側面と、魔王としての側面の割合が云々という話があった筈。
…この地母神の様相を見る限り、あの愛の神も「獣」としての相を持ち込んでいそうだ。
「今は、この姿だから、獣と盟友の割合、6対4くらい」
「…獣側に振り切れたら、どうなる」
あの「少女」の盟友には、「
彼ら彼女らが、再び「獣」として返り咲こうとするならば、それは此方の人類にとって、途轍もない脅威となる。
もとより「まつろわぬ神」とは、神話の枠から外れようとしたモノ。神話の中で打ち倒された「獣」としては、少女へのリベンジや、今度こそ悲願の成就を、等を理由に再び暴れ出しそうなものだ。
…その時は、また「少女」が討伐に動くだろう事は、簡単に予想出来るが。
「完全には、振り切れない。最大でも99対1。盟友としての私、一欠片でも必ず残る。あの子の盟友として連鎖顕現したから、今の私、そういう状態」
「…ふむ。獣に返り咲く気は無い、と」
「無い。私は、既に、獣として、あの子に負けてる。見守ると、決めた。だから良い」
「そうか…であれば、直近は問題無かろう」
まぁ、今の「
ただし、誠に残念ながら…
最後に、特大の爆弾が、落とされた。
「…いや、待て。『盟友として』と言ったな?」
「うん?」
「…『獣として』の御身が顕現する可能性は、あるのだな?」
「…それは、否定出来ない。可能性は、ある。」
「そうか…」
─────
考える事が多すぎる、と。
「
彼は唐突に「
「そうだ、言っとく」
「…なんだ」
「貴方に会う前、盟友『天の鎖』と『冥界の女主人』、会ってる」
「…ほう」
「
此方から積極的に会いに行く程では無いが、折を見て様子を伺いに行っても良いかもしれない。
「で、みんな合流する方がいい、から、この世界の、地図が欲しくて、行かせた」
「…何処に行かせたのだ」
「その辺は、任せた。だから、何処行ったかは、知らない」
知らないって、おい…合流するのが最優先じゃ無かったのか貴様、と心の内で愚痴りつつ、話を聞いていく。
まぁ、彼女なら、そこら辺の対策くらいはしっかりしているだろう、という安心感も無いではない。
こんな有様ではあるが、この地母神様は、数多いる盟友たちの中では、割と話を確りと聞いてくれる、常識人寄りの立ち位置なのだ。
「再合流の手筈はどうしている」
「この子と同じのの欠片を、持たせた。この大地に足をつけている限り、私なら、場所、分かる。この大地は、私の身体。自分の身体は、自分がよく分かってるから」
「ふん…なら良い」
そう言って、再び考え事に耽り始める彼。
「
そうして、また、暫くの後。
再び煮詰まった、といったところなのか、「
「で、貴方の考え事、結論、出そう?」
「…手詰まりだな」
彼のその様子を見て「
彼としては、彼女の背中で揺られている現在も、思考は続けており、そして、別に隠す様な事案でも無い。
むしろ、隠すことのほうが拙いかもしれない、と考えてもいる。
「現状の維持による先延ばしは、まぁ、可能ではあるが、匙加減がかなり難しい。ほぼ確実に、何処かしらで失敗するだろう。故に、根本の解決を考えては居るのだが…彼奴と我々、そしてその周囲の現在の状況を考えるに…」
「そう…」
最後の方は不確定故に少々ぼかしたが、それでもあまり宜しくない状況というのは伝わった様子。
「全くもって遺憾だな。凡人ながら、あれだけ心身を張って闘い抜いたというのに、愛されようとも、恐れられようとも、辿る結末がほぼ変わらんとは…」
彼女が、自身の限界を超えて奮闘していた事は、あの組織にいた盟友たちは、一人の例外も無く身に染みて、知っている。
「…それでも、考えてくれてたんだ」
「彼奴の旅の軌跡は、我が彼奴の為に、それだけの労力を掛けるに、相応しい物であったからな…」
そう言って、彼女の為に、再び思考を巡らせ始める彼だった。
話の締め方は何通りか考えてはいるけど…上手く着地させられるかどうか…
メソポタミア回はここまで。
ここまでを一章として、次回は時間を少々飛ばします。
あとストックなくなりました。
また暫く書き貯め期間に入ります。
色々と忙しくなるので、今度の再開は未定になります。
気長に待っていただけると幸い…