FGOのマスターがまつろわぬ神として顕現してしまった話 作:星の王子さま
第7話です。どうぞ。
「ふふ。だって、みんな、出来るだけ早く集まれた方が良いでしょう?わたくしの●●●、この辺り一帯何処からでも見える位には大きいですから、ちょうど良いのではないかと思って、ね?」
かの珍光景を見て即座にその方面に向かうも、機動力が高くない為に、しばらくの時間が掛かってしまった「英雄
彼が現地の砂浜の海岸に到着した時には、既に幾人かの盟友達が「神妃さま」の下に集まっていた。そして、やっとこさ到着した彼が、その珍光景の原因を作り出した犯人であると思われる「神妃さま」に問いただした結果、返ってきた返答がこれであった。
いつも通り、白い牡牛に乗りながら、眠そうにムニャムニャしていた「神妃さま」改め「主神の妃に
細かい事を、気にしてくれない、性格であった。
「…いや、それはそうなんだけどね!?」
剣兵の彼も、神妃さまの言い分は理解出来るし、なんなら彼も神妃さまの作り出した珍光景のお陰でここに居る盟友達と合流出来たので、強くは言えない。
「理由も目的もはっきりしてるのはいいんですよ!?リターンもデカいし!」
神妃さまの言う通り、今の時点で彼らがするべき事は、当人単体では全くの無力である主人の少女か、又は盟友同士での合流であり、手っ取り早くそれを行うには目立つシンボルがあった方が良い。なので「集合する」という目的を果たす事「だけ」を考えるなら、神妃さまの行動は実に理に適っている。
適っては、いるのだが…
「でもさぁ!コイツをこのサイズで出す事で発生する諸々のリスクを、もうちょっと考えて欲しかったなぁ神妃さま!」
ここは別に無人の世界というわけでは無いのだから、現地の人達がこの有様を見てどんな反応するのかを、考えてから行動して欲しかった、というのが彼の言い分であった。
だってこんなの、そこらのランドマークよりもデカい。ギリシャ北部の山岳地帯の山々よりもデカいのだ。多分、バルカン半島南部かアナトリア半島西部あたりのどこかに居れば、絶対に目に入ってしまう程である。
山よりデカい青銅巨人とか、神秘が絡まない表の現代世界においてはオーパーツ以外の何物でもないし、神秘が絡む裏の世界でも、そうそうお目にかかる代物ではない。周囲の現地民たちがどんな反応をするのかが怖すぎる、と剣兵の彼は震える。
考えた上で行動した結果なら何も言えないが、たぶん神妃さまはそこまで考えてないだろう、と思う剣兵の彼だった。
この珍光景に関して、神妃さまとこれ以上話し続けるのはあまり意味が無いと、剣兵の彼が次に視界に収めるのは、此処に集まってきた他の盟友達。
集まっている面々は「太古の双
剣兵の彼は、コイツ等が居ながら「神妃さま」が青銅巨人を出すことを止められなかったのか、と疑問を持った。
「ていうか、止めに入るヤツは居なかったの?」
これに対して、代表して返答した「剣兵の2人」の
「…我らも、あの巨大青銅巨人を見てから集まったからな…」
また、「騎兵の彼」には及ばずとも、かなりの俊足を誇る「弓兵の彼女」曰く…
「私も彼女の●●●を見て合流したが、彼女の元に1番早く合流したのが私だった。つまりは、そういうことだな」
「そうかよチクショウ…」
そもそも止められる人が皆無であったらしい。
─────
いつまでも「神妃さま」のやらかしを追求するのも時間の無駄なので、この珍光景の後始末も含めて、これからどう動いていくか、を考える一同。
色々と話し込んでいる途中で、更に「
新参の二人は、最初は青銅巨人を見てその方角に向かい、近くにお互いの気配を感じて、それを頼りに合流したという。その後二人で青銅巨人の下に向かっていたが、目的地の方角から段々と漂ってくる「
案の定「狂兵の彼女」が脇目も振らずに「騎兵の彼」に突貫していき、話し合いどころではなくなったので、その場の全員で鎮圧した。
彼女は今、砂浜に頭だけ出した状態で埋められている。
彼女の周囲の地面は「術兵の彼女」によってダイヤモンドの如き硬さになっており、簡単には抜け出せなくなっている。また、視覚と嗅覚に「騎兵の彼」を感じないように、「術兵の彼女」の術で視界を塞ぎ、彼女の周囲から「匂い」の概念自体を無くした結果、漸く少し落ち着いてくれている。完全に落ち着いていないのは、どうやら「駿足にして無双の英雄たる騎兵の彼」の気配を感じ取っているから、らしい。
あまりの執着に「さすが狂戦士」と「術兵の彼女」は肩をすくめていた。
で、残念ながら「英雄
どういうことかというと…
「ちょっと遠くからビンビルに感じては居たけど、わぁお、神さまがこんなに沢山!」
「ほら来たよぉ!しかもリスクの中で1番ダメなヤツぅ!」
ということであった。
青銅巨人の出現は、盟友達の集合の目印に成ると共に、南欧に君臨する「剣の魔王」を呼び寄せてしまった。
─────
「うーん、近くで見ると尚更デカいねぇ、これは斬り甲斐がありそうだ」
間近で「神妃さま」の青銅巨人を見て、現れた「剣の魔王」こと「サルバトーレ・ドニ」が宣った第一声がこれである。うわコイツ戦闘狂の類いかよめんどくさ、と「英雄
こういう手合いは即座にお引き取り願うに限ると、彼はつっけんどんに言い放つ。
「…悪いけど、こっちにはいまアンタの相手する暇も余裕も無いの。さっさとどっか行ってくれ」
「えー?こんなに居るんだからさ、1人くらいは、僕の相手出来るでしょ?」
しかし、お相手の剣の魔王さまも、複数人の神さまを相手に戦える、今回のような2度と無いであろう好機は逃したく無いようで、しつこく粘着してくる。
こちらが「相手する気は無いから帰れ」と言っても「嫌だ相手して」と返してくる、そんなやり取りが幾らか続いた後、魔王さまがこんな事を宣った。
「だからそんな事してる余裕はこっちには…」
「最近満足出来る戦いしてないからなぁ。相手してくれないと、この巨人を衝動的に斬っちゃいそうだなぁ」
魔王さまは、まさかの青銅巨人を人質(?)にして、神さまに相手しろと脅してきた。
「剣兵の彼」は、というか、この地域一帯に顕現した面々は、文字通り「大陸の祖」である、青銅巨人の持ち主の「主神の妃に
「…(スゴイ表情で『騎兵の彼女』の方を見る)」
「わたくしの●●●、斬られてしまうの?(とても哀しそうな様子)」
「んぁぁあチクショウ!!」
というわけで、かの主神からの贈り物にして「騎兵の彼女」の持ち物である青銅巨人を、魔王さまの凶刃から守るために、魔王さまのお相手を誰かがする事となってしまった。