お気に入りも増えてて嬉しい限り。
そしてほのぼの進行で頑張っていきたいと思います!
ほのぼのです!
「お、いたいた真依ちゃーん」
呪術高等専門学校京都校にて、上等な和服を着た男が高専の制服に身を包んだ女子に声をかけた。
男は京都校にて教鞭を奮う、時期禪院家当主候補の禪院直哉。 女子は京都校二年の禪院真依である。
二人は禪院と同じ名字であるが、父親が兄弟であるという従兄弟の関係だ。
「直哉先生、どうしたんですか?」
「いや、誠一君からちょいと来い言われたから東京高行くんやけど、一緒にどないやと思うて」
「行きます!久々に誠一さんのご飯食べたいし!それでいつ行くんです?」
「今」
「え」
ひょい、と横抱きにされた真依は顔を一瞬きょとんとさせたが、次の瞬間青ざめさせた。
「ちょっ、直哉兄さん!それもうやめてって言ったよね!?」
「喋ってると舌のうなるで」
きゅ、と口を閉じた真依を確認した直哉はうんうんと頷く。
「素直なのは良いことやわ。ほな行くでー」
「~~~~~!!!」
その瞬間加速を始めた直哉の姿は既にそこから消えていた。
「直哉ー!緊急任務……あれ?」
直哉と同じ京都校の先生である庵歌姫のそんな呆けた声だけが、その場に残っていた。
さて、今日の昼は牛丼だ。
今日から本格的にしばかれる一年生には頑張って貰わんとな。
まあまあ悪くない牛バラ肉を、油を適度に取り除きながら煮込む。
あんまり油が多いと飽きるからなぁ。
玉ねぎはどうするかな、俺はつゆを吸ったとろとろが好きだが、シャキシャキ好きもいる…。
よし、なら、つゆの濃いめ薄めも合わせて、四種類作るか。
そ、れ、と。
今日はそこから更に色んなトッピングを楽しんで貰う!
「うーん、やはり牛丼といえばまずは紅生姜…は山盛り用意して…と。後は事前の空の調査だと…?どれどれ、今の牛丼はどんなのがあるんだ?」
ふむふむ、チーズ、キムチ、食べるラー油?
ねぎ卵、おろしポン酢、高菜明太マヨ?
わさびやまかけ!かつぶしオクラ!
面白いなぁ、おお、トマトとチーズでピザ風!
……牛カレー?
え、カレーかけんのか?てか今の牛丼屋ってカレーもあるのか!
流石に今からカレーは無理だが、それ以外はいけそうだな。
……にんにくファイヤーはギャグだろ。
だがにんにくはいいな、にんにくの芽も美味そうだ、歯ごたえを残して炒める感じで…。
「うん、楽しくなってきたな」
料理を作ってる時がやっぱ最高に楽しいな。
「うーん、いい匂いだね」
すると傑が悟を伴って食堂に入ってきた。
ちら、と時間を確認すれば、午前十時。
うーん、今朝はいなかったから、今帰って来た感じか?
「誠一ぃ、今食える?」
「無理言ってるのはわかるけど、頼めるかな?またすぐ出ないといけないんだ」
疲れた声で言われてしまえば、選択肢に否やはねぇな!
「任せろ!」
ぐっ、と親指をたててやれば、二人は安心したようにテーブルに並んで座る。
きっと移動時間で寝るつもりだろう、特級はやっぱ大変だなぁ。
ま、二人が気持ちよく任務に行く為に、俺みたいなサポート役がいる訳だ。
「玉ねぎはトロトロ?シャキシャキ?つゆの味は濃いめ?薄め?」
「とろとろ濃いめで!」
「シャキシャキ薄めかな」
「薄目なだけに?」
「……」
悟のあまりのくだらなさにか、傑は無言で端末を取り出して、任務の確認を始めたみたいだ。
さてそんじゃ、やりますか!
本当は味を染み込ませる為にまだまだ煮込む所だが、醤油操術を応用すれば、あっという間に完成出来る。
小鍋にそれぞれ一人前ずつ注ぎ、火をつけて、術式展開。
そしてご飯を丼にさっさとよそい、と。
「あ、そうだ、つゆだく?」
「「つゆだくで」」
「あいよー!」
そうこうしているうちに、俺の醤油操術で火の通りと味の染み具合が完璧となる。
いやぁ、我ながらいい匂い、つゆの味のバランスも完璧だな。
小鍋からお玉であつあつのご飯の上に乗せてやれば…!
「うっし、牛丼完成!お待ち!」
完成した牛丼をそれぞれの前に置いてやる。
「きたきた、いただきまーす」
「ありがとう、いただきます」
箸を取り出して早速食べ始める悟と、手を合わせて軽く礼をしてから箸を取り出す傑の対比が面白いな。
まー、これで悟も挨拶するだけマシになったもんだ。
「んぐんぐ、んまーい!玉ねぎ大きめでとろっとろで甘くておいしー!」
丼の縁に口をつけて頬張る、一番美味い食いかただな。
カカカッと口に一気に放り込んで、ご飯、肉、玉ねぎを一度に咀嚼する…やっぱ丼ものはこれだよなぁ。
音をたてて、はぐはぐカカカッと食う悟と対照的に傑は静かだ。
けどペースは同じくらいだな、一度に口にいれる量が多い。
「あぁむ……うん、うん……シャキシャキとした感触が堪らないね。噛むと玉ねぎの繊維から染み出すつゆが最高だ。玉ねぎだけでもご飯いけるよ、これ」
「え、じゃあ傑肉いらねーの?もーらい!あむっ!ん!濃いめとはまた違った風味で美味っ!」
「あっ、悟!そうは言ってないだろう!いい度胸じゃないか……!私から肉を奪うなんて……!」
じゃれあう二人の間に紅生姜を置いて、と。
仲が良くて大変結構だが、やはり疲れてが垣間見えるな。
となると…お疲れのお二人には…食べてほっとする汁物をついでに出すとするかな。
野菜たっぷりの特製豚汁!
豚バラ人参大根ごぼう長ネギこんにゃくに…里芋!
「牛丼の時にサラダってのも悪くはないが…個人的には汁物でいきたいんでね」
牛丼のどんぶりよりかは一回り小さな器になみなみと豚汁を注ぐ。
そうしてじゃれあいを終えて、あと数口で器が空になるであろう二人の前に、その豚汁を置いてやる。
「ほい、豚汁。これ食って頑張れよ」
「お、誠一は気が利くねー…はぐはぐはぐはぐ…」
「豚汁か、最高じゃないか…あぁむ…」
豚汁を見た悟と傑は残りの牛丼を一気に頬張り、咀嚼して飲み込むと、ほぼ同時に豚汁の器を持った。
「「ズ…ズズズズー……」」
二人は具を箸でおさえて、まずは汁だけを啜る。
味は?なんて野暮な事は聞かない。
二人が晴れやかな顔で息を吐くのを見て、俺は小さく笑う。
「「はぁ~~っ…」」
「はぁっ、染みるねぇ…」
そんな爺臭い事を言う傑。
だが、まぁ、同年代なんで、んな事言うとただのブーメランだから俺は黙ってトッピングの調理に移る。
気持ちもわかるしなぁ、疲れてる時の味噌汁は最高なんだ。
……いや、これも既に爺臭いか。
苦笑しながら、俺は調理を進めていくのだった。
「それで何作ってんのそれ?」
「牛丼のトッピングだな、今日は小さめの器の牛丼に、好きなトッピングで楽しんで貰おうと思ってな」
「え、私達は食べられないのかい?」
「えー!いいなー。面白そう。僕も食べたかったよそれ」
「またいつかやるから。それに今回はちゃんとリサーチしてなかったから、割りと手当たり次第だけど、次はしっかりと俺の作る牛丼にあったトッピング作るから、楽しみにしとけよ」
「ちぇー…仕方ない、次を楽しみにして、任務頑張りますかー」
「そういう事なら、仕方ないね。ふう、ご馳走様誠一。今日も美味しかったよ」
「あ、ご馳走さま!」
「おう!お粗末様!お前達も頑張れよ!」
「どーもー、誠一クンおるー?」
「お、直哉か、早かったな」
「いやーあんまりはよう着き過ぎて、可愛い可愛い従兄弟とその友達達よしよししてきたとこや」
「おお、悪いな、もう面倒見て貰ってたのか。どうだった?」
「まだまだやなー。てか真希ちゃんまだ4級なんやて?あんなんが4級におるなんて詐欺もいいとこやろ」
「そうだよなぁ、せめてさっさと3級にはあげてやればいいのにな?やっぱ禪院の頭でっかちどもは頭がかてーよ」
「パパもいつも頭痛そうにしとるわ。あ、でも真依ちゃん2級にあがったんやで?そろそろ真希ちゃんとそのお友達と一緒に来る思うから、後で褒めたってや」
「おぉ、てことはなんかきっかけ掴んだんだな?」
「それはまだ秘密。交流戦までのお楽しみや」
「そりゃ楽しみだ!よし、直哉、お前も食うだろ?今日は牛丼ビュッフェだ!好きなトッピングで好きなだけ食ってくれ!」
「牛丼やて?僕それまだ食うた事ないねん、楽しみやわ」
「最近は色んなトッピングがあってな…ま、いろいろ試してみてくれ!味噌汁も豚汁と豆腐の味噌汁としじみ汁用意してるから、好きなのを食ってくれ。特に豚汁オススメだぞー」
「自分で用意するんやな。おもろいやん。ほんじゃ、いただきますわ」
やがて食堂の前がザワザワと騒がしくなる。
雪崩れ込んでくる東京校の一年と二年、プラス真依。
悠仁が香る匂いに正体に行きあたったのか顔を輝かせ、恵と野薔薇は疲れたように息を吐いた。
続いて二年のパンダと狗巻棘、そして禪院真希が食堂に入ってくる。
最後に京都校二年の禪院真依、直哉が連れてきただろう真希の双子の妹が入ってきた。
例外なく皆顔に疲労が見てとれて、ボロボロなのを見るに…。
「おお、お疲れさん。随分直哉に可愛がられたみたいだな」
「遅いて皆ー。先に食べとったで」
既に食べ終わり、デザートにプリンを頬張る直哉に、真希が眉を吊り上げた。
「てめぇ!私達をあれだけボコボコにして放置してった癖に、第一声がそれかよ!」
「そない大声たてんでも聞こえてるて真希ちゃん。あ、そうそう、買うてきた一個千円のプリン冷蔵庫にあるさかい、皆も後で食べてええで。僕に感謝してよーく味わって食うんやでー」
「禪院先生ありがとう!いただきます!」
「千円!?ありがとうございます!」
「しゃけ!しゃけ!」
目をキラキラさせた悠仁、野薔薇、棘の三人が深々と頭を下げる。
「ええてええて、はよ誠一クンの牛丼ビュッフェ堪能せえ。冷めてまうわ」
「うっす!……ビュッフェ?」
「なんか色んなトッピングあるわね…丼も小さめ…成る程ね、なんかわくわくしてきたわ、自分にあう最高の組み合わせ見つけてみせる!」
「ツナマヨ!」
三人はそう言いながら楽しそうに歩いていく。
野薔薇はなんか変な方向に行ってる気がするが…ま、好きに食えばいいさ。
「はぁ、ったく……まぁいいか、腹拵えだ。お、チーズあるじゃん、しかも何種類か混ざってんな。誠一さん、タバスコある?」
呆れたようにため息を吐いた真希は、俺に聞いてくる。
タバスコか、その発想はなかったな…お、丁度手元にあるな。
「あるぞー。ほれ」
「サンキュー。ほら真依、行くぞ」
真希なら取れないって事もないだろうから、そのまま放り投げてやる。
苦もなくキャッチした真希は、真依の手を引いて炊飯器のほうへと向かっていった。
「はーい。あ、誠一さんお久しぶりです、ご飯いただきます!」
「おう、是非満喫してくれ!」
可愛らしくニコッと笑いかけてくれる真依に、俺も笑顔を見せて応えてやる。
いやぁ、皆楽しそうで何よりだ。
トッピングどれにしようか迷う姿に癒されるねぇ。
悠仁なんて4つくらい作ってんな…。
「あんたそんなに一気に食える訳?」
「こんくらいならよゆーよゆー」
「おかか!」
「ちょ、お姉ちゃんチーズかけ過ぎじゃない?」
「お前だって同じくらい乗せてるじゃねえか?」
さて、そんじゃ俺はどうするかな……皆がよそい終わったら様子見て足りなくなりそうなのを追加調理かねぇ。
そんな風に思って辺りを見回すと、食堂入り口からパンダと恵が動いていない事に気付いた。
まあ、今は混んでるから賢明かもしれんな。
さ、じゃあ今のうちに俺もプリン食っとくかな、流石に1000円は食ったことねえわ。
「誠一と真依、直哉と真希か。アリか?」
「……何言ってんスかパンダ先輩」
「憂太にライバル登場かって話。どう思う?」
「また真希さんにぶっ叩かれますよ」
これからの話
-
このままストーリー継続
-
もっと飯中心にまったり進行
-
そもそも過去に何が?