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「まずな、強なるにはまず自分を知らなアカンねん。自分はどうやったら強うなるかな、というビジョンが必要や。例えば僕の術式はパパ相伝で歴史の浅い【投射呪法】いうねんけど……1秒を24分割して、その通りに動く事で……。……まぁ簡単に言うと条件を満たせば物理法則とか無視して加速出来る術式やねんけど、その条件満たせないと動きが1秒フリーズすんねん。そんでこの術式、僕が触れる事で他人にも付与出来てな?本来は特定の動きを強制させる事で、それが出来へんやつのアホ面拝む使い方するねんけど、今僕とお手て繋いでる真希ちゃんには『動かない動き』を強制させ続けとんねん。そうする事で真希ちゃんは動けない言う訳やな。解釈次第でこないな事も出来るでー、っちゅう一例や。言うて僕がほとんどずっと触ってなアカンから、精々二人しか止められんし、この時間使って加速したら亜音速くらいにはなれるから、あんま使い道ないねんけどな。しっかしまあ、六人もいて術式持ちは三人だけかい。二人パンダとゴリラやし」
「誰がゴリラだ!」
「自覚あるねんなー。まぁ兎に角、呪術は言ったもんやったもん勝ちや。術式の、呪いの、呪力を深く理解していき。そんで解釈広げてな、やれる事を、手札を増やしていくんや。誠一クンなんて、どうやってあないなカス術式であんなバケモンになったかわからへんわ」
「ば、バケモンっすか?」
「せやでー。醤油操術とか言ってあんな飄々としつつ、このゴリラに腕相撲勝つくらい膂力ある時点でやばいんやけど」
「ゴリラ言うんじゃねえ!殺すぞ!」
「なぁんやの真希ちゃんキャンキャン鳴いて。久し振りにお兄に会えて嬉しいん?」
「昔の呼び名出すな!」
「ほんで知っとるやろ?誠一クンの拡張術式。醤油に変えるやつ。あれ、自分らまだ少し嘗めとると思てな。あれ、とんでもない事出来るんやで?」
「え、人には効きづらいって聞きましたけど……」
「あー、間違うてはないな…ただ、人に効かないなんてどうでもええねん。ほら自分等、よう考えてみ?自分等の立ってる所はなんや?」
「……もしかして、地面とかも醤油に出来る訳…?」
「せやで、誠一クンゆうてなかった?『世界は醤油』って。ただ、変換するには呪力が必要やから、規模は限定される……そう思ったやろ、伏黒クン」
「それはそうですよ。そこまで無茶苦茶な事すれば、すぐに呪力が枯渇してしまう筈です」
「それがそうはならないねんなー。誠一クン術式反転も使えるんよ。そうするとな、醤油がな、誠一クンの呪力になんねん」
「ツナマヨ……」
「おいおいそれって……」
「そう、誠一クンが本気になったら、この世は醤油になんで。正に世界は醤油やわ……醤油になって滅ぶ星とか笑えんて。…醤油に溺れる苦しさえぐいで?二度と体験したないわ……。なんであの人まだ一級やねん」
「こっわ……」
「まぁー、誠一クンの真似は無理やな、あないまともそうな顔して、裏でこの世は全て醤油や思てんから。気ぃつけや……油断したら、自分等も……醤油にされてまうかもな!」
「皆お疲れさん、3時のおやつ持ってきたぞー」
「「「ギャァア!(ビクンッ)」」」
「めっちゃビビるやん、おもろ」
なーんかおやつ持ってった時妙に皆驚いてたな……直哉の奴、なんか変な事でも言ったか?
妙に笑顔だったもんな。
……でもなんで直哉と真希はずっと手を繋いでたんだか。
ま、仲良い事は悪い事じゃねえから、いいけどな。
「さって、知った時のインパクトあったから、晩飯は急遽カレーだ。牛丼の残りも少しあるから、牛カレー試してみるとするかな」
とはいえ、材料は切ってもう放り込んだし、後は煮込むだけだからなー。
何するかな…っと?
誰か来たな。
「失礼しまーす……」
そう声をかけて恐る恐る入ってきたのは真依だ。
直哉に連れられてきて、夜蛾先生に許可貰って東京校を見学してた筈だが……見終わったのか?
「おう、どうした?」
「あっ、えっと……実は今反転術式覚えようとしてまして…誠一さんも使えるって聞いて……」
「ああ、まあ使えるが……硝子には聞いたのか?あいつのほうが反転術式は上手いぞ?なんせ他人に使えるからな」
上手いって言い方が正しいのかは知らんが。
そう言うと真依は何か言いたげに口元をもにょもにょさせ始める。
「えーっと、一応聞いたんですけど…」
『ひゅーってやってひょいっ、だよ。ひゅー、ひょい。わかんないかな?えー?じゃあすいーっ、ぴょっ、って感じ。え、これもわかんないの?センスないね』
「って感じで…」
「あー……あいつ天才肌の感覚型だからなぁ」
真依は目元を押さえて疲れたように俯いた。
俺はそんな真依に、カレー用に用意していたラッシーを渡してやる事にする。
「んー、こういう感覚の言語化は何気に悟が上手いんだが、いないもんは仕方ないか。そーだな…俺なりの解釈でいいか?」
コト
真依の前にラッシーを置いて、俺はその場で腕を組み、自分の中でそれを言語化しようと少し悩む。
「はい……せめてとっかかりだけでも知りたいです。こくっ……美味しい…」
さて、反転術式か…俺が会得したのは空が帰って来て……まだ脳ミソの支配下にいた空に殺されかけた時か。
悟もあんちゃんに殺されかけて覚えたっていうし、死に際に研ぎ澄まされた精神が、限界状態で無意識に絞り出すのが反転術式……か?
うーん、いやそれはあくまでも死に際の体が防衛本能で体を生かす最善手を模索した結果が反転術式なだけで、反転術式自体は技術のひとつでしかないか。
うーん、なんて言えばいいか……。
「夢の中で…見ている内容を…ひっくり返す……?本来は自分でコントロール出来ない流れを、見ないで作り出すみたいな感じかな……?」
「……?」
わからんよな、俺もこんなん言われてもわからんよ!
「硝子さんよりは具体的だけど、よりわからなくなったような気がします……」
ラッシーをしょんぼりしながら飲む真依に、申し訳なさが募る。
うーん、なんとかしてやりたいんだが……仕方ないな。
死にかけるのと同時に反転術式直接味わえばなんかわかるかもしれん。
それじゃ、真依ちゃん、ちょっとの間醤油に……。
「真依ちゃんおる?」
と、あれ?直哉?
「どうした直哉、授業中じゃなかったか?」
「いや、京都のほうでちょっとトラブルみたいやねん。僕宛の任務やったけど、緊急やったらしく、歌姫ちゃんが仕方なく東堂連れて行ったねんて。そこでちと苦戦しとるらしいから、行ってくるわ」
直哉はそう言うと真依に近づく。
「て訳で堪忍な真依ちゃん、ちょいと置いていくわ。明日迎えにくるさかい、皆と仲良うしててな?」
「わかりました。先生も気を付けて」
真依はすく、と立ち上がると、そう言って力強く頷いた。
それを見て直哉は和服の袖に手を突っ込むと、そこから黒いカードを取り出す。
「なんか必要なもんあったらこれ好きに使うて」
「うぇっ!?ぶ、ブラック……」
手の中に雑に放り投げられたそれに、真依の体が震えだした。
「ん?あ、そやね、現金も持っとかんとな。ほれ、100万くらいあれば足りるやろ」
更にはぽん、と白い帯で束ねられている諭吉さんをその手に乗せた。
「ひゃっ!?」
直哉は悲鳴をあげる真依の横をすり抜け、食堂の窓を開ける。
縁に足をかけ、身を乗り出した。
「てな訳でほな誠一クン、真依ちゃんの事頼むわー。中途半端で堪忍な」
パン、と手を合わせ申し訳なさそうな顔をする直哉。
そんな直哉に、俺はちょっとしたお菓子を投げ渡す事にした。
「直哉!ほれ」
「ん?」
パシッ
「ナイスキャッチ。かるめ焼きだ、今日もう大分術式回してるだろ、それで糖分補充しとけ」
朝の早いうちから術式使って走ってきて、既にかなり頭に負担がかかってる筈だ。
そういう時は悟じゃねえが、甘いのが一番だ。
醤油風味で、サクサクとした軽い食感にして作ったから、食べやすい筈。
直哉はそれを掲げ、にっ、と笑うとそのまま背中から窓の外へと倒れこんでいく。
「おおきに!」
そして完全に窓から体が出たその時、壁を蹴ったようなトッという音がして、直哉の姿はブレ、木々の上を加速しながら飛ぶように移動する黒い影と化していった。
窓に駆け寄ってそれを見送った真依は、ひらひらと手を振って……その直哉の影が視界に映らなくなってから、肩を落として俯いた。
「……多すぎよ、兄さんたら……もう」
そう呟く真依だったが、何処か嬉しそうに俺は感じた。
「ははは、ま、明日真希とショッピングでも行ったりしたらいいんじゃないか?たまには姉妹でさ」
「……そうですね、そうします。とりあえずまずは…ちょっと色々買ってきます、日用品とか、いろいろ……」
「そうか、気を付けてな?今日は和風カレーだぞー」
「はーい」
そう言って去っていく真依を見送る。
「んじゃ、カレーの仕上げに入るかな」
なんだかんだといい時間になってきたので、そう呟いて作業に入るのだった。
あ!……真依を醤油にすんの忘れてたな。
まぁいいか、いつかで。
「うっ……」
「どうした真依、顔青いぞ」
「な、なんか、物凄い寒気が……」
「うまぁあ!すごい、カレーなのに和風!あ、あれだ、カレーうどん!とりあえず美味い!牛丼の頭とも合うー!」
「ん、すごい、後味がさっぱりしてるから手が止まらないわこれ」
「……んまい」
三人とも美味そうに食ってくれて嬉しいねぇー。
作り甲斐があるよ本当に。
「具材にしっかり出汁が染みてて美味い!流石誠一だ」
「しゃけしゃけ……はぐ」
「直哉の奴いきなり帰りやがって、一発あのにやけ面にぶちかましてやりたかったのに……がつがつがつ」
「もぐもぐ……美味しい!本当、毎日誠一さんのご飯食べれるの羨ましいー!」
こっちでも好評みたいで良かった良かった。
昼間の残り物かよー、みたいに言われるかと思ってたけど、皆良い子でありがたいな。
「まだまだおかわりあるからなー?」
そうカレー鍋をおたまで回しながら言えば、からになった皿を掲げ、全員が声を合わせた。
「「「「おかわり!!!」」」」
「はははっ!あいよ!」
落として思わず笑いながら、俺はそのカレー鍋を抱えて腹ペコ共の方へと向かうのだった。
拡張術式【醤融言】(しょうゆうこと)
呪力の許す限りなんでも醤油に出来る。
術式反転【追醤有】(おいしょうゆう)
醤油を呪力に還元する事が出来る。
ただし、それで得た呪力は縛りによって戦闘に用いる事は出来ない。
【投射呪法】
まず自分の視界に、1秒を24分割させた動きをイメージする。
その通りの動きを成功させるとある程度物理法則を無視し、身体能力的に出来ない動きも可能になる。
それを重ねていく事でその速度は段階的に増していき、呪術界では五条悟を除いて最速となれるポテンシャルを秘めている。
ただし、動きを失敗した場合1秒間強制的にフリーズする。
また、触れた相手に【投射呪法】の使用を強制させる事が出来る。
ただし直哉は【投射呪法】を使用させてその動きまでを強制する事が出来る。
これからの話
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このままストーリー継続
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もっと飯中心にまったり進行
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そもそも過去に何が?