呪術高専さしすせそ!   作:如月SQ

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アニメ……虎杖……。
漫画でもアレでしたけど、本当に……もう。

まぁこの作品はほのぼのなので!
大丈夫です!

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天津飯

「はぁーあ……つっかれたぁー」

 

「お、お疲れだな」

 

「とーぜんでしょ、任務やーっと終わったと思ったらいきなり上層部説得するハメになったんだし……誠一がやっといてよ、そんくらい」

 

「あー?無理だろ俺じゃ。禪院の落ちこぼれ、ただの一級術師だぞ。」

 

「僕の無下限突破出来る一級なんていないっての。さっさとこっちに上がってきて欲しいもんだね」

 

「禪院の老害がうるせーのもあるだろうが、加茂とかも結構気にしてるらしいからなー……ま、メインは食堂でやって行きたいし、一級でも俺は構わないんだけどな」

 

「特級案件もっと割り振りたいからさっさと特級なってよ」

 

「お前が楽したいだけじゃねーか」

 

軽口の応酬をしたが、悟が疲れてるのは確かみたいだな。

ま、お疲れの最強サマにはこれでもやるか。

 

「ま、これでも食えよ」

 

包装された円柱のお菓子、ロールケーキを手渡してやる。

スポンジもクリームも黒めのロールケーキだ。

 

「お、ロールケーキ。なんか黒くない?」

 

「黒糖ロールケーキだ。クリームも特別製だぞ?」

 

「ふーん、じゃあ早速。いただきまー」

 

悟はその場で包装を剥がし、30センチはあるロールケーキにそのままかぶりついた。

 

「んむ……んぐんぐ……んっ!」

 

試作品で、個人的にはなかなか美味いと思ったんだが、悟はどうかな?

 

「これ、なに?なんか黒糖の風味が凄い……甘さが際立ってて……美味っ!あーんむっ!」

 

再度ロールケーキにかぶりついた悟を見て、上手く作れたようで胸を撫で下ろした。

 

「いやぁ、上手くいって良かった。これ直哉に借りた漫画で見て美味そうだったから作ってみたんだよ。醤油クリームの黒糖ロールケーキ」

 

「……へえー、これ醤油入ってるのか。塩キャラメルみたいな感じかな、あむ……」

 

さっきまでの何処かギスギスした雰囲気を消し、悟はぽやぽやした雰囲気でロールケーキを頬張る。

良かった良かった、お菓子は繊細で難しいからな。

 

「美味しそうなのを食べてるじゃないか、悟」

 

「あー……!やんねぇぞ!これは俺のだ!もぐもぐもぐもぐ」

 

「悟、また素が出てるよ。取らないからゆっくり食べなよ」

 

傑は呆れ顔で、そっぽ向いてロールケーキを食べだす悟頭に手を置いた。

 

「お疲れ傑。任務終わりか?」

 

「いや、仮眠取ったらまたすぐに出発だよ。面倒な事に、上層部は私達を忙殺する方に舵を切ったらしい」

 

冗談めかして肩を竦めた傑に、俺は悟と同じものを取り出してやる。

まぁこの時期はどうしても呪霊は多くなるからな……。

 

「大変だな……まあ、悟みたいに丸かじりしろとは言わんが、疲れには甘いもんだ、お前にもやるよ」

 

「ありがとう。移動中に頂くよ」

 

傑は受けとると、ニコリと目を細めて礼を言ってくれる。

 

「んぐ……傑任務どこ?」

 

ぺろりと口の回りについたクリームを舐めとり、悟は問いかける。

顎に手をあて暫し悩む傑は、直ぐに口を開いた。

 

「確か青森だったかな。新幹線で行く予定だよ」

 

「お、僕岩手なんだよね、折角だから途中まで一緒に行ってさ、仙台に寄って牛タン食いにいかね?」

 

「いいね」

 

肩を組んで楽しそうにそんなやり取りをする二人。

本場の牛タンか、美味いだろうな。

ま、楽しみがあるのは良いことだ。

 

「それじゃ、シャワー浴びて少しだけ寝るよ。悟、また後でね」

 

傑はロールケーキを抱えながら、ひらひらと手を振って去っていく。

それを見送った悟は、一口ぶんだけ残ったロールケーキをばくんと口に放り込んだ。

無駄に無下限でロールケーキに直接触れないで食うとかいう事をしてたからか、手にはクリームは一切ついてなかった。

 

「高等技術の無駄遣いだな……」

 

「誠一にだけは言われたくないかな。さて、噂の順平君と悠仁の様子でも見ておこうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順平の起こした事件、里桜高校でほとんどの先生と生徒が昏倒する事になった事件。

本来ならば呪術規定により云々と小難しい事を言ってたが、母親が害され、呪霊に唆された事を理由に、秘匿死刑候補くらいで保護観察を兼ねて、正式に高専に入学する事となった。

 

実際この事件、かなりキナ臭い話だ。

 

建人と空の二人がかり相手で逃げ仰せる実力があり、会話の出来る、自我のある呪霊……火山と植物との繋がりを感じられずにはいられない。

更には戦いで急成長し、術式は決まれば必殺、領域展開まで会得……面倒すぎる。

更には人と穏やかに接して、行動を誘導……しかも特に深い理由なく弄ぶ為と来た。

基本出来れば任務なんてせずに料理してたいと思ってる俺だが、流石に同行して始末仕切るべきだったと後悔したね。

 

そして極めつけは宿儺の指だ。

順平の母親を襲った呪霊は、何者かが仕込んだ宿儺の指に誘われていたらしい。

指自体は空が回収し、母親も空が助けたから良かったが……。

明らかに何かが起こっている、そう思わざるをえない。

 

「やー。やってる?」

 

「え、誰で」

 

ボゴォッ!

 

「ぶふっ」

 

「うぉー。良いの入ったな」

 

悟が声をかけると集中が途切れたのか、順平が抱えているぬいぐるみに頬をぶん殴られていた。

気の抜けた声で感心し、悠仁はコーラを啜った。

その腕の中で同じようなぬいぐるみを抱えて。

 

ふむ、悠仁はほぼ完璧だな。

呪力が乱れると襲い掛かってくる、ぬいぐるみを抱える修行……まぁでも順平もそこまでボコボコにされてる感じでもないか。

将来有望、優秀優秀。

 

「順平、この目隠ししてる人が皆が話してた五条先生。滅茶苦茶強い人なんだってさ」

 

「あぁ……あの」

 

順平は怪訝な顔をして悟を見つめる。

……随分と恵や野薔薇と仲良くなったみたいだな。

かなり悟の話を聞かされたと見た。

 

「あの……?まぁいいや。君の保護と高専の正式入学が決まったのは僕のお陰なんだから、感謝しなよ?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ありがとうございます!五条先生!」

 

「うんうん、きちんと敬ってね」

 

やってる事は立派なんだが、そういう発言がダメなんだよなぁ……。

ほら、順平も悠仁もなんとも言えない顔してる。

 

「センセーそういう事わざわざ言うから、クズって家入先生に言われんじゃねーの?」

 

「ちょっと、悠仁、先生に失礼だよ……!わざわざ言うんだってちょっと思ったけど……!」

 

二人の容赦のない言葉に、悟のニヤけた頬がひきつった。

 

「…………ま、いいや。僕これからまた任務だから、ちゃんと修行しててね」

 

気を取り直した悟は手をひらひらさせて、部屋を後にする。

牛タン牛タンーと歌いながら……。

あーあー。

二人がすっげえ怪訝な表情になってる。

二人からの評価暴落してるの気付いてんのかなあいつ……。

 

「まぁまぁ、あの不審者と会話して呪力乱れなかったのは、二人とも見事だったぞ。さ、気を取り直して修行再開してくれ。今日の飯は天津飯だぞ?」

 

「え、本当!」

 

おお、喜色満面の笑顔。

かなり大人ぶった子だと思ってたが、いい笑顔だ。

本当に好物なんだなぁ。

……だが、乱れたな。

 

ボゴォッ

 

「おぶふぅっ」

 

「順平ーっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は順平のリクエストで天津飯だ!中華スープもおかわり自由だぞー」

 

丸く盛ったご飯の上に蟹玉を乗せて、甘酢餡掛けをたっぷりかけた料理。

それが天津飯。

ふわふわと卵と蟹の旨味、たっぷりと味わうがいい!

 

……っつって、あんま作った事ないからそこまで自信ないけど。

けどまあ、香りは及第点、後はこれを好物だという順平が美味しく食べれるか、だな。

 

「わぁ……美味しそう……」

 

順平は天津飯を前にして、目をキラキラさせている。

 

「なっ!禪院さんなんでも作れるし、なんでもうめぇんだよ!んじゃ、いただきまーす!」

 

パン、と手を鳴らして手を合わせた悠仁は、早速とばかりにレンゲを手に取った。

そのまま蟹玉を豪快に崩し、餡掛けと一緒にパクリ。

 

「んんー!美味い!禪院さん、今日も最高っすよ!」

 

「そりゃ良かった!さ、順平、遠慮しないで食ってくれ」

 

悠仁が美味しそうに食べるのを眺めていた順平は、ゴクリと生唾を飲み込む。

その様子に見かねて声をかけると、ハッとしたように一度こっちを見た後、レンゲを手に取った。

 

「いただきます!」

 

順平は、形を崩さないようにふわふわの卵とご飯をれんげで丁寧に掬う。

 

悠仁と比べて性格が出るなぁ……。

既に悠仁の天津飯はぐちゃぐちゃ……いや、別にどっちが悪いとかじゃないけどな?

好きに食ってもらって、美味しく思って貰えれば、それでいいんだ。

 

そうして一口分をそのまま口に入れて、咀嚼。

ゴクリと嚥下した順平の口元は弧を描いていた。

 

「……美味しいっ!」

 

そう言って笑顔を浮かべた順平は、俺のほうを見て、口を開いた。

 

「禪院さん!これとっても美味しいです!卵がふわっふわで、蟹の旨味が噛むとじゅわっときて!甘酢餡掛けも今まで食べたことないくらい奥深くて!本当に美味しい……!」

 

「そっかそっか、良かった良かった。腹一杯、好きなだけ食ってくれ!」

 

「……はい!」

 

そのまま二口目も美味しそうに頬張る順平を、悠仁が嬉しそうに眺めていた。

これからの話

  • このままストーリー継続
  • もっと飯中心にまったり進行
  • そもそも過去に何が?
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