呪術高専さしすせそ!   作:如月SQ

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さっさと皆でワイワイバーベキューする様子をかきたい。


バーベキュー・仕込み

 さて……今日は京都姉妹校交流会の日だ。

 生徒の奴等には昨日はカツ丼、朝は納豆を振舞い、健闘を祈った。

 

「納豆……?」

 

「粘り強く諦めるな、っていう験担ぎだな」

 

「成る程!じゃあしっかり混ぜて粘り出さないとな!」

 

ねりねりねりねり

 

「お、気合い入ってんじゃねぇか!私も負けてられないな!」

 

ねりねりねりねりねりねり

 

「しゃけ!」

 

ねりねり

 

 競ってかき混ぜる悠仁、真希、棘。

 個人的にかき混ぜ過ぎると逆に美味しくないと思ってるが、まぁ、人それぞれか。

 それに、こっちは三年の金次と綺羅羅、二年の憂太と美々子と菜々子がいねぇからなぁ。

 一年ズは基本格上との戦いになるだろうし、是非粘り強く頑張って貰いたいもんだ。

 流石に順平は見学だけどな。

 意外とセンスはあるっぽいが……。

 

「頑張ってね、悠仁」

 

「おぅ!」

 

 うん、まあいきなり格上にボコられてもなあ。

 ……ん?逆に出て貰ったほうが良かったか?

 死ぬ危険のない死線なんて、何回経験してもいいしな。

 まぁ、決め終わってるからな、今言っても仕方ない。

 来年には活躍して貰おう。

 

 さて、そんで今回の交流会は前回憂太が滅茶苦茶したからウチで開催する訳だが……俺は夜のバーベキューの為の仕込みだ。

 去年は京都校でやってたからあんまり手の込んだ事が出来なかったが、今回はこっちでやるからな、好き勝手やってやるぜ。

 

「頑張れよー。もし負けたらグラウンド100週するまでは、飯食わせねぇからな」

 

「……ねぇ、あれって本気?」

 

「禪院さんはこういう時冗談言わねえ……」

 

「おぉ、なんかそれっぽいな!燃えてきた!おかわり!」

 

「んぐ、私もおかわり!」

 

「しゃ……おかか……」

 

「棘、腹いっぱいなら無理すんな……」

 

「はっはっはっ!好きなだけ食って、全力出し切って来い!

 夜は交流バーベキューだからな!楽しみにしとけ!」

 

「「おぉおおーっ!」」

 

 俺のその言葉に悠仁と真希が歓声をあげ、山盛りのご飯を頬張る。

 はは、まぁ、頑張ってきてくれよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、粗方仕込みは終わったし……俺も観戦に行くとするかな。

 予定通りなら今頃は団体戦始まってる筈だ。

 確か冥さんがカラスで映像を投影してるんだったかな?

 歌姫先輩にも挨拶したいし、早速……ん?

 

 ふと、窓の外の光景が目にはいった。

 突然帳の下ろされていく光景……こんな予定はなかった筈だ。

 

「……なんだぁ?何が起きてる?」

 

 怪訝に思いつつもその帳の下ろされてる所が今回の会場の予定地である森な事を確認して、俺は一先ず他の奴等と合流を目指す事にした。

 まずは情報だ、何が起きてるのか確認する必要がある。

 仮に襲撃だとして……高専に直接なんてとても信じられん。

 悟と傑がいるんだぞ?

 何かがなければ、間違いなく自殺行為だ。

 

「……急ぐか」

 

 そう呟いて、俺は足を早め、廊下の曲がり角を曲がった。

 その時、その先に目の前に人間大の存在が立っているのが見えた。

 ツギハギの、人間大のそれは、驚いたように俺を見て、何かを見つけたかのように、顔に笑みを浮かべた。

 

「お、黒髪に地味顔、もしかしてアンタが漏瑚を醤油にした奴?

 ラッキー、少し話してみたかったんだよねー!」

 

 その瞬間に俺は既に掌印を組んでいた。

 両手の指を柔らかく重ね、指先だけを交差する。

 十一面観音印。

 

「領域展開」

 

「ッ……!問答無用かよっ!」

 

 焦燥を顔に張り付けた、ツギハギの呪霊、真人。

 なんでここにいるか、何をしにきたか。

 気になることはいくらでもあるが、どうでもいい。

 こいつの危険性はわかってる……ここで、祓う。

 

「【黒天天ヶ原】」

 

 闇より黒い黒が、俺と真人を飲み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!ボクは硝子チャンの所行ってくる!生徒達の事はお願いっ!」

 

 正体不明の帳が下りた時、まず空が立ち上がり、駆け出した。

 理由は硝子が心配だから……だが、それも当然と言える。

 家入硝子は反転術式をアウトプット出来る、人を即座に癒す事が出来る稀有な存在。

 存在は秘匿されているが、もしもバレれば、欲する者は後を絶たないだろう。

 

「空!アンタ一人じゃ……もういないし!」

 

「空君も一級なんやで?歌姫ちゃんなんかよりよっぽど強いんやから、放っときや……それよりこっちが問題や」

 

 京都校引率の二人、庵歌姫と、禪院直哉は目の前の下ろされた帳を見ながら言葉を交わす。

 帳が下りた範囲は、生徒達が鎬を削っていただろう森がすっぽりと入ってしまう範囲だった。

 一先ず空の判断も間違いではないとそれぞれの学長は判断し、残った面子で下ろされてしまった帳の様子を見る事になった。

 

「ま、こんなもんは下りた所で壊せばそれまでで……」

 

 そう言って悟が帳に触れた時。

 

バチイッ!

 

 音をたてて悟の手が弾かれた。

 俄には信じられない光景に、歌姫は思わず帳へと手を伸ばし……。

 

スカッ

 

「え?」

 

 そのまま素通りしてしまった事に更に目を見開いた。

 すかすかと何度も行き来する歌姫の手、それを見た悟が納得したように頷き、腕を組み顎に手を当てた。

 

「……成る程ね。僕は通さない代わりに、他全ての侵入を許す帳、か。

 こりゃ傑が今いない事もバレてるね?しかもかなり結界術に精通してる奴がいるか……」

 

 現在傑は不在だ。

 だが、ここには五条悟がいるし、敷地内には一級術師が四人もいる。

 不測の事態があろうと対応出来る筈だったが、悟の侵入を阻むような手を打たれるのは予想していなかった。

 こちらの戦力を正しく把握しているかもしれな襲撃者……悟の眉間に皺が寄った。

 難しい顔で唸る、そんな悟の言葉に、直哉はピク、と眉を動かす。

 

「なんや、それ。僕ら嘗められとんな。悟君、僕は先中に入らせて貰うわ」

 

「私も行くわよ!生徒を守るのは先生の役目だもの!」

 

「当然やろ。歌姫ちゃんは学長と一緒に生徒の保護頼むわ」

 

「アンタはどうすんのよ?」

 

「とりあえず変なのおらんか探し回る。この僕をコケにしたんや……ただじゃおかんわ」

 

 その瞬間、直哉の姿がかき消えた。

 少し遅れてぶわり、と風が吹き、歌姫が目を細める。

 はためく着物の裾を押さえ、歌姫は苦笑を浮かべた

 

「……キレてるわね、あいつ。やりすぎないといいけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこのお兄さん。ちょいとお話聞かせて貰てもええか?」

 

 高速で移動した直哉が最初に出会ったのは、まったく見覚えのない人物だった。

 スキンヘッドで目と鼻の辺りが黒く、何故か上半身が裸で、エプロンをしている男。

 直哉は立ち止まると、その男に愛想良く話し掛けた。

 

「あ?なんだよ、五条悟が来るって話じゃなかったのか?」

 

 男は、憮然とした態度で直哉を一瞬だけ見ると、肩を落としてため息を吐いた。

 ビキリ、と直哉の額に青筋が浮かんだ。

 

「……この帳下ろしたんお兄さん?なんでこないな事したん?」

 

 それでも冷静に問い掛ける直哉。

 

「折角五条でハンガーラック作ろうと思ったのによ」

 

 そんな直哉が視界にすら入っていないのか、男は残念そうに首を振った。

 ビキビキと浮かぶ青筋が増えていく。

 

「…………答えて貰えると、手荒な真似せんで済むんやけど」

 

 そこまで話して漸く、男は直哉を認識したようで、値踏みするように上から下までじっくりと眺め始める。

 舐め回すような視線に、気持ち悪さを感じる直哉は、表情が抜け落ちていった。

 

「お、てめぇも中々いいタッパしてんじゃねぇか

 そうだな……ハンガーラックは二つあってもいいかもなぁ!」

 

 そう叫んで斧を手に、気味の悪い笑みを浮かべた男を見て……直哉は限界を迎えた。

 顔に手を当てて天を仰ぎ、はぁー、と疲れたように大きく息を吐く。

 

「……アカンわ。話が通じん……こないな奴が主犯な訳ないけど、まあ、見逃す理由もないな」

 

「ハンガー!ラック!」

 

 変な言葉を叫んで駆け寄ってくる男に対して、直哉は自然体で構える。

 だが、心の内は燃え上がっていた。

 心の奥から涌き出る苛立ちに、直哉は苛立ち紛れに吐き捨てる。

 

「黙ってろやハゲ。てかなんで裸エプロンやねん。目も耳も腐るわ」

 

「活きがいいなぁ!」

 

 そう叫んで、男は斧を片手に、直哉へと襲いかかってきたのだった。

これからの話

  • このままストーリー継続
  • もっと飯中心にまったり進行
  • そもそも過去に何が?
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