呪術高専さしすせそ!   作:如月SQ

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鬼滅の二次が完全に完結しましたので、これからは此方に主に力を入れていきたいと思います。
ネタも少なくなってきてますので、最後までお付き合い頂ければ、と。


ハンバーガーセット

 呪術高専京都校2年、準1級術師、究極メカ丸。

 傀儡を操作する傀儡操術の使い手であり、天与呪縛により広大な術式範囲と呪力出力を得ている代償に、まともに外を歩けないような体を持って産まれた。

 

 京都校に通うのは当然傀儡。

 明らかに人間ではない、素顔を見せることもない、本名も告げない。

 更には人と関わる事の少なかった自分は、つれない態度で接してしまう。

 それでも努めて普通に接してくる京都校の面々に、絆されていくのを感じていた。

 故に京都校のクラスメイト達に、同輩達に、罪悪感を抱くのは当然であった。

 そして、メカ丸こと本名与幸吉はそんな最中、強く思った。

 皆と、太陽の下、二本の足で立って、面と向かって会いたい、と。

 

『それを叶える事が出来る術式を持つ存在がいる』

 

 明らかに怪しい、信用にまったく値しない、本来なら、呪術師なら受ける筈もない取引。

 

『私達に協力するなら、その術式で貴様のその体を望むままに変えてやろう』

 

 白く、一部が赤く染まったおかっぱ頭の人物のそんな誘いに、与幸吉は藁にもすがる思いでしがみついた。

 その術式を持っているというツギハギの呪霊の、ニンマリとしたいやらしい笑顔が幸吉の目に焼き付いていた。

 

 そして、高専の情報を流すスパイとして動き、代わりに京都校の面々には手を出さない……そういう縛りを結んだのだ。

 

 ……しかし、その縛りは破られた。

 厳密に言えば破られた訳ではなく、縛りの内容の一部が抽象的だったせいでその抜け目を突かれたような形だが。

 交流会にて襲撃してきた特級呪霊は対象を選ぶ事なく、無差別に襲い掛かってきたのだ。

 結果的に被害はなかったが、幸吉にとってそれは許せる事ではなかった。

 故に、契約の精算と破棄を求め、幸吉はそいつら、呪霊と呪詛師の徒党を、呼び出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァアアアアアアン!

 

 轟音と共に無数の木が、まるで小枝のように吹き飛んでいく。

 パラパラと跳ねあげられ、降り注ぐ土の破片を眺めながら、白髪の人物……幸吉と縛りを結んだ呪詛師は、小さく言葉を紡いだ。

 

「……そろそろ終わるか」

 

 視線の先には、巨大なロボット……幸吉の操る大型傀儡が姿勢を戻し、此方へと矛先を向けようとしているようだった。

 先刻までツギハギ呪霊、真人と激しい戦闘を繰り広げていたのだが、一際強大な一撃を見舞われた真人の姿は確認出来ない。

 幸吉は仕留めたと確信し、次なる獲物として此方を狙っているようだが……。

 

「奴がこんなに容易く死ぬ筈もない」

 

 産まれたばかりの呪いだが、成長の幅が広く、術式も応用が効いて、本人の機転も利く。

 術式によってほぼダメージを受けず、直接触ればほぼ即死。

 態度が軽薄で軽々しく接してくるのが鬱陶しいが、実力は評価していた。

 それこそ、このまま成長すれば自身の主の()()のスパイス程度にはなるかもしれない、と思うくらいには。

 

 まぁ、今は何処にいるかわからない協力者の目的に必要な駒だ、最低限目はかけねばとも思うが……それも杞憂に終わるだろう。

 真人の反応が巨大傀儡の中からし始めたのを感じて、目を伏せた。

 

「終わりか……」

 

 これでほぼ決着だ。

 事を起こす前の駒の整理。

 そんな最中起きた、然程重要でもない駒の反逆。

 勝てる筈もないのに、真人に向かっていった蛮勇。

 どれも理解に苦しむが……。

 どうでも良いことに時間を使いすぎたと、ため息を吐いた。

 

「さっさと終わらせて、仕上げに入ろう」

 

 そう呟き、動きを止めた巨大傀儡を、何の感情も感じられない瞳で眺めていた。

 目的は変わらない。

 全ては敬愛する主の為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ばくん

 

「もぐ……んぐ……じゅぞぞぞ」

 

 それと同じ頃、すぐ近くで、巨大傀儡を眺める人影があった。

 左腕に紙袋を抱え、右手には包み紙から半分露出されているハンバーガー。

 紙袋からはストローが飛び出し、そのストローを咥えた男は音をたててそこからジュースを啜っていた。

 

ごくん

 

 咀嚼し飲み込み、パカリと開いた口でハンバーガーを頬張る金髪の男は、その雑多な味に笑みを浮かべた。

 美食では決してない、自分の兄貴分が作った料理と比べるべくもない。

 だが、たまに食べるこのジャンキーな味が、悪くない気分にさせてくれる。

 実家が基本的に和食ばかりだったから、という反動もあるだろうか。

 

「んぐ……もうそろ限界ってとこやね」

 

 視線の先には、動きの止まった巨大な傀儡。

 その内部で二つの呪力がせめぎあい……教え子の呪力が競り負けそうになっているのを感じる。

 

「ほな、助けよか。ついでに、あの厄介な特級、祓ったろ」

 

 何の気負いもなく、何てことないかのように呟いた金髪の男、禪院直哉は残ったハンバーガーを口に放り込んだ。

 

ばくん

 

 咀嚼し、ぺろりと唇を舐めた直哉が膝を曲げたその瞬間、その姿は既にその場になかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 おかしいな、今確かにちょんまげに触れたと思ったんだけど……。

 俺はさっきまで確かにちょんまげが座ってた筈の椅子の前で、手を伸ばして首を傾げていた。

 本当に直前までいたのに、触れる寸前だったのに。

 何かおかしいと、そう思った瞬間、俺の体は衝撃と共に宙に放り出された。

 

「!?」

 

 腹に強い衝撃?

 術式でダメージはないけど、普通の人間だったら内臓破裂して死んでるような衝撃だ。

 そんな攻撃なのにも関わらず、とてつもなく速い何かが動いた事しか認識出来なか――

 

「可愛い可愛い僕の生徒、ぎょうさん可愛がってくれたみたいやね。たっぷりお礼したるわ」

 

「せん……せい……」

 

 吹き飛び、宙に浮かぶ俺の真上に突然現れた金髪の男。

 その腕の中にはさっきまで戦っていたちょんまげ。

 軽い口調とは裏腹に、その瞳に浮かぶのは、今まで何度が見たことのある、怒り。

 

「は、何おま――」

 

 へらりと笑い、俺が言葉を紡ぎきるより先に、男の体がブレ、首の後ろに衝撃が走った。

 

ズガンッ!

 

 景色が急に動いたと思った時には、地面に叩き付けられていた。

 むくりと体を起こせば首が前に折れ曲がっていて、途方もない衝撃が走ったことがわかる。

 人間なら何回死んでたかわからない、体が俺達の中でも一際丈夫な花御でも、危ないかもしれない。

 すたりと目の前に舞い降りた男の腕の中には既にちょんまげはいなくて、少し離れた木の根元辺りに座らさられているようだった。

 

「初めましてぇ。君がツギハギ呪霊の真人やね。

 僕は禪院直哉。君がさっきまでイジメてた子の先生やってます。

 ……それだけ聞けたらもうええやろ?さっさと死んどけ」

 

 ごきりと音を鳴らして首を元に戻して、俺はその言葉を笑い飛ばす。

 

「ははっ、滅茶苦茶速いし、随分強いみたいだけどさ、俺には通じないよ。

 魂の輪郭を捉えられないお前じゃ、どれだけ攻撃しても無駄さ」

 

 そうだ、こいつの動きは見切れない。

 速すぎて反応も出来ない。

 けど、それがただの物理攻撃なら、俺には一切効かない。

 俺の事知ってる割には、不意打ちで決定打を叩き込まないって事は……あのチョンマゲとは違って有効打がないと見て……。

 

 その時、目の前の禪院直哉と名乗った術師が、ニヤッと笑った。

 

「……!」

 

 瞬間、罠に思い至る。

 が、それはそいつの前じゃ、遅すぎた。

 

パキン……

 

 気付けば俺はそいつの掌に触れられて、俺の体はまるでテレビ画面みたいに平べったく、そして身動きがまったく取れなくなっていた。

 

「なんっ……だ、これっ……!」

 

 体が、思考以外の全てがその場に固定されたように動かず、術式で体を変化させる事すら出来ない。

 

「僕の術式、【投射呪法】は1秒間に24の動きを作り、その通りに動く事で際限なく加速出来る術式。ただし、その通りに動けなかった場合、術式の使用者はフリーズすんねん。

 更には触れた相手にも僕の術式の使用を強制させるんやけどな、その動きを作るのはなーぜーか、触られた相手なんよ」

 

 術式の開示……!

 既にまったく動けないってのに、周到だなおい!

 俺は内心舌を巻くが、少しでも打開の可能性を模索する為にその言葉に耳を傾ける。

 

「それおかしない?て思てな。その動きを作るのを僕にして、触れた相手に指定した動きを強制させれるように拡張させたんよ。

 名前はつけとらんけど……まぁ、【監督】とか【プロデューサー】とかでもつけとこか?

 そんでまぁ、今君は、僕によって『動かない動き』を強制されてる。

 だからまぁ、動こうとすればフリーズしてまう。

 つまり、君は僕に触られた時点で、詰みって訳や」

 

 おわかり?そう言って首を傾げる男を見て、俺は流石に冷や汗が止まらなかった。

 まさか、ここまで完全に拘束する術があるとは……この術師をなめすぎたか。

 

「はは……こりゃ困ったな」

 

「ほな、僕の生徒に手を出した事を後悔して……死に晒せやカスが」

 

 禪院は俺に左手で触れながら、右手を掲げ、手首を前に折り曲げた。

 掌印……!

 内心の驚きすら形に出来ず、俺はただそれを見ることしか出来ない。

 そして、禪院はニヤッと笑みを作り、口を開いた。

 

「領域……」

これからの話

  • このままストーリー継続
  • もっと飯中心にまったり進行
  • そもそも過去に何が?
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