ガッチャマンクラウズ~未来を築く転生者~   作:ハヤナリ

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5:決断

 今朝、テレビをつけると、どの番組を見ても同じような内容を報道していた。

新聞もその記事が一面を飾っており、もちろん学校へ行っても、その話題で溢れかえっていた。

 

 教室のドアを開くと、戸谷(とがや)の目の前に一枚の新聞が広がった。

 

【火災から少年を救った謎の影】

 

 その記事の内容は一瞬にして戸谷の目に焼き付く。

 

「優馬‥‥。前、見えないんだけど」

 

 新聞を折りたたんだ優馬に目もくれず、戸谷は教室の中へと入っていく。

座席に腰をかけると、優馬は再び机の上へと新聞を広げた。

 

「見ろよこれ!!」

 

 優馬はニヤケタ顔で戸谷を見つめる。

 それに対して愛想笑いで返すと、優馬は新聞の一部に指を刺した。

 

「出たんだよ!ガッチャマンがさ!」

 

 記事に写る少年を救う人影。人影なのか?

少年を救う男の人影は無機質に感じられた。

 それを見た戸谷は生唾を飲み込み、大きく咳き込んだ。

 

「そ、そうか?俺には、勇敢な一般市民にしか見えないけど」

 

 戸谷は白々しく答える。

なにせ、そこに写る無機質の男は、自分なのだから。

 ホームルーム開始のチャイムと同時に担任が教室へと入ってきた。

 

「やべ!!」

 

 優馬は、(あわ)ただしく新聞をたたみ、自分の席へと戻っていく。

 

 ホームルーム中、戸谷(とがや)は、昨晩の出来事について考えていた。

 

 体を纏った黒い鎧、奇妙な光、謎の手帳。あの手帳を使えば、もう一度あの姿に‥‥‥。  

しかし、戸谷はある不安に駆られていた。あの力を何に使っていいのかと。

 そして、戸谷はひとつの決断をした。

 

『もう二度と、あの力は使わない』

 

 

 

 

 放課後、座席に座る戸谷の元に優馬(ゆうま)とクラスメートの渋谷琥宵(しぶやこよい)が現れた。

 

「きりしまー」

 

 琥宵は、(おだ)やかな物腰で話かけて来た。

 

「あんた、明日暇でしょ」

 

 琥宵は、戸谷の予定を決めつけると、勝手に話を進めだした。

 

「実は明日、静芽の誕生日なんだ」

 

 戸谷は、真反対の席に座る静芽の事を見た。

 

「まだ、誕生日会を開くこと言ってないだ。そこであんたにそのこと言って来てもらいたいの」

 

「なんで、俺が!」

 

 琥宵の後ろで、優馬が申し訳なさそうに手を合わせていた。

 

「じゃっ!渡したち、この後用事があるから」

 

 二人は、逃げるようにその場を立ち去っていった。

 それを見た戸谷は、あることに気がついた。

 

「あいつらって、あんなに仲良かったっけ?」

 

 立ち去る、二人の背中を見送った戸谷は、再び静芽を見る。

そして、席を立ち上がる。気がつくと周りに人影は無く、夕日が二人を照らしていた。

 

「あの‥‥静芽‥‥」

 

 席に座るりながら本を読む赤草静芽は戸谷の顔を見るなり、(ほほ)を赤く染めた。

 なぜか照れくさく、言葉に詰まった戸谷は一度大きく咳払いをした。

 

「あの‥‥。優馬と琥宵と誕生日会を開きたいんだけど明日行っていいかな?」

 

 静芽は、一度考えた後、小さな声で言った。

 

「いい‥‥よ。けど、明日オフ会があるんだ。それが終わってからでいいかな?」

 

「おう!じゃあ、あいつらにも伝えとくね」

 

 

 

 

 同時刻、廊下から教室をのぞく二人の人影があった。

その一方の女性が話し出す。

 

「うまくいったね」

 

 その片方の男性は、不安な表情でたずね。

 

「勝手なことして、戸谷は怒らないかな?」

 

 女性は軽い口調で返した。

 

「霧島なら大丈夫でしょ!!」

 

「やべ!こっち来た!」

 

 二人は教室を出ようとする戸谷に気がつき、その場を立ち去ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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