ダークギャザリングに問題児2人 ただし、最強。 作:すぱーくしーど
五条と夏油はこれから住む予定の平屋に来ていた。しかし、その家は五条の六眼でなくても呪いで満ち満ちているのが分かった。
「ここだろ?夜宵が言ってたの。にしても、ボロボロじゃねぇか?なんか呪力も感じるしよ」
「まぁまぁ、私達なんてこの世界で家が買えるかどうか分からないんだから。住める家があるだけでひとまずは安泰だよ」
2人は、夜宵から言われたことを思い出していた。
「2人に住んでもらう家は、卒業生と呼んでいる特別強い力を持つ子達を置く場所候補だった。郊外で、利便性も悪くない。2人が住む家が無いというから、そこを詠子に購入してもらった。2万円で買えたみたい」
ここは、24区から少し離れた市内で利便性も悪くないのだが、この家とその周りで、不可解な現象が起こるため、買い手が全く存在しなかったのだ。
夜宵はそこに目をつけた。霊をゲットすると同時に、卒業生を置くのも有りかと思ったが、ふらりと現れた高校生二人組の家にしてしまおうと考えたのである。
「まぁ、いっか。とりあえず中入ろうぜ傑。呪霊がいたらお前が取り込めばいいだろ」
「そんなホイホイと……分かったよ。行こうか、悟。問題はないと思うけど念の為、油断しないようにしよう」
「へーへー」
2人が中に入る。長い間放置されていたのか、歩くだけでホコリが舞う程だ。また、玄関にはボロボロに黒ずんだ盛り塩の成れの果ても見える。
2人は気にせずに呪力が満ちている居間へと進んでいった。
「いたぞ、数は……4だな。あんまり家は壊したくない、祓うときは素手で行くか」
「肉弾戦は呪術師の十八番だね。階級は大体2級って感じかな。なら、別にダメージを与えなくても取り込めるよ」
夏油は幽霊の方に進んでいくと、手を向ける。霊は徐々に形を歪め、夏油の手に球体としてすっぽり収まった。
「まずは1体……。はぁ、この取り込む味が本当に苦手なんだ。吐瀉物を拭いたぼろ雑巾みたいな……あれ?不味くない!?美味くもないけど……複雑な味わいだ……苦味の中に少し酸味が混じっているね」
「お?なんだグルレポか?ゲロ雑巾じゃないなら良かったな。傑」
「あぁ、良かった。恐らく心霊と呪霊の違いだろう。負の感情から生まれる呪力が集まった呪霊と、個人の魂が核となる心霊……。なるほど、魂によって味に差異があるのかもしれない」
「ほーん……そんなもんか。あれか、どんな思いで亡くなったかとかで変わるんかな、後悔とか絶望、満足感や充実感。後者は良い味なんじゃないか?」
「なら、私の味は……、いや何でもない」
夏油は話をしながら、2、3、4体と取り込んでいく。その味はどんどんと呪霊の味に近づいてるように感じていた。
「悟、まだどこかに本丸がいるかもしれない」
「俺も言おうとしていた所だ。この家、地下があるみてぇだ。そこに薄っすらだが残穢が見える。そして、地下の中心には……。1級、もしくは特級レベルがいる」
心霊現象を引き起こしている、地下の主はただ俯いている。何のためにどの期間、そんなことは誰にも分からない。しかし地上からこちらにやってくる、非常に強いプレッシャーを感じ、地下の主はゆっくりと顔を上げた。その顔は目玉が存在せず、眼窩からは暗闇が広がっている。だが、こちらを覗き込むような視線を感じることだろう。暗闇の中に潜むモノは……。
次回、特級レベルとの対決!