ダークギャザリングに問題児2人 ただし、最強。 作:すぱーくしーど
片割れの目醒め
反転術式によって傷を回復させ、立ち上がる夏油。
「さぁ、ROUND2といこうか」
しかし目の前には例の悪霊はおらず、周りを見渡すと、そこはトンネルでもなかった。声を聞いたのか、五条が様子を見にやってくる。
「起きたか、傑!いやー、卒業生ってすごいね。領域を四次元ではなく二次元で展開してたよ。発想がないよね、そんなさ。それに能力もえげつなかった……。領域内に存在する生物を段階ごとに衰弱させるんだ。けいたろうなんて、足が入ってただけでガリッガリになっちゃってさ、笑えたよ〜。もうちょいで死んでたみたいだけど!」
初めて卒業生を見たからか、少し興奮しているように話す五条。夏油は困惑しつつも薄々気づいていた事を問う。
「悟。もしかして、あれから時間大分たってる?」
「おう、もう3時間ぐれーかな。結構えげつない傷だったからさ、最初は焦ったよ。それに、あの悪霊も傑のこと殺す気満々だったしね。夜宵や傑が捕獲するっての忘れて祓いそうになったよ〜。でも、顔色が徐々に良くなっていくのを見て落ち着いた。お前が無事で良かったよ」
五条はあっけらかんと、だが少し寂しそうに伝えた。夏油は頭を少し搔き、照れ臭そうに答える。
「そうかい……。反転術式が使えて嬉しいよ。だけど正直あの悪霊は私の手で取り込みたかったね。夜宵ちゃんに頼んで取り込んでこようかな。それから渡せばいいし」
「え!?渡すとか出来んの!?」
「多分だけどできると思う。私の術式で一度霊を取り込み、それから取り込んだ霊を夜宵ちゃんに捕獲してもらえばいけると思うんだ。私の術式から上書きされるという訳でも無いだろうしね。夜宵ちゃんの捕縛は圧倒的に優勢な状態から契約する。けれど、私の術式と違う所は、そこから思い通りに出来るかどうかだ。捕縛された霊が夜宵ちゃんに反逆する可能性は……恐らくある。呪術の縛りみたいなものが無いから、いつ裏切られてもおかしくない状況なんじゃないかな。ただ、裏切れないような工夫はされてるだうけど、絶対裏切らないって訳じゃない。後で話をしておかないとかな」
夏油の話を聞きながら、五条は小学生女児がとんでもなく危険な行為をしているのだと改めて認識する。
「そうなると、ほんっとにクレイジーオカルトロリだな。それでも母親の為に……か。少し分かる気もするな」
「そうなのか?何かあったのかい?」
「いや、別の話。俺の時もそうだったけど、初めて反転術式使ったときは色々と疲れるだろ。もう寝とけ。また明日、夜宵達と話をしようぜ」
「わかった、そうするよ。おやすみ、悟」
「あぁ、傑。おやすみ」
五条が自分の部屋へと戻っていく。夏油はそれを見送ると、ソファーから立ち上がった。
「よし、私も自分の部屋で寝よう」
夏油は自分の部屋に入り、ベッドに入る。横になりながら、夏油は考えていた。反転術式を使えるようになり、親友との距離が少し近づいたかもしれない、と。しかしまだまだ距離は遠く、本当の意味で横に立つのは非常に難しいであろうとも思っていた。
ふぃ〜