ダークギャザリングに問題児2人 ただし、最強。 作:すぱーくしーど
「悟くん、ここは大丈夫そう?」
「あ〜、パンピーにはヤバイ気配がビンビン。けいたろう死なないようにね〜」
「ちょっと、悟くん!?そんなヒドいこと言わずに守ってよ〜!」
「ハイハイ、分かったよ。けいたろう1人だしフツーに守りきれるから……」
五条と螢多朗は、卒業生を安置している部屋を散策している。卒業生の生得領域内にいる為、部屋の広さは通常の数十倍の広さとなっていた。螢多朗一人なんて呆気なく死んでしまいそうな罠が大量にあるが、五条の六眼によって、そのトラップを回避していた。
「いや~、広すぎだろ。意味が分かんねぇ……そんなに夜宵に捕まりたくねぇのか?」
「卒業生がいる場所はどこもかしこも霊障がとんでも無い状態になるんだ。僕たちが別の卒業生を回収した時も、群がる霊にやられるかもって所だったんだよ」
「へぇ〜。卒業生ってのはただそこに在るってだけで、周囲に悪影響を撒き散らすもんなのかぁ。そう考えると、傑の呪霊操術ってすげぇ術式なんだなぁ……」
「へ、へぇ……傑くんもスゴいんだね〜」
「あぁ、もちろん。俺の相棒だからな」
「それは……す……」
螢多朗の様子が突然おかしくなった。五条との会話もままならず、何を話しているのか独り言をぶつぶつと呟き始めた。
「……」
「おい、どした……、ふ〜ん。けいたろうだけを狙って幻覚を見せてんな?けど、俺のが一枚上手。生憎、術師の中でも目が良いんだよね」
サングラスを少し外して、六眼から螢多朗の状況を即死するような状態ではないと読み取った五条。そして、先ほどまでは無かった螢多朗に繋がっている呪力の細い糸を見逃さなかった。
「そのまま案内してくれよ、お前ん所までさ」
虚ろな様子の螢多朗を先頭に、部屋内を進んでいく五条。しばらく歩いていると、螢多朗はある一室の部屋の扉を開けて中へと入っていった。
螢多朗が入った部屋は、一見すると他の部屋と違いはないが、扉を開けると先程までとは一変、禍々しい呪力に溢れていた。
「ふーん、ここにいるんだ、卒業生は……。あー、そこね」
五条は部屋の中で最も呪力が濃く、淀んでいる箇所をみつけた。そこは風呂場であった。また、螢多朗も一直線に風呂場に向かったので、目的の物があるのは間違いないだろう。
風呂場には、鎖に雁字搦めにされた袋が置いてある。ブツブツと呟きながら螢多朗は鎖を外し、袋からしめ縄で巻かれたぬいぐるみを取り出した。螢多朗がしめ縄に触れた瞬間、ぬいぐるみから呪力が溢れたので、その手を止める五条。
「はい、そこまで。それ以上はダメだよ〜」
「邪魔するなぁァァア!!!」
「おー、すごいすごい笑。だけど、そんなに付き合ってる暇ないかな」
五条は、暴れる螢多朗を片手で軽く抑えながら、額を人差し指で軽く叩く。すると、糸が切れた操り人形のように螢多朗は意識を失った。地面に倒れるより先に螢多朗を抱える五条。そのまま、もう片方の手でぬいぐるみを掴んだ。
卒業生は五条にも幻覚を見せて操ろうとするが、人間とは思えない圧倒的な呪力量と、幻覚を見せようと力を込めるが、すぐ近くにいるはずの相手がまるで遥か遠くにいるようで、呪いの効果が全く現れなかった。
[なんだお前……]
「ん〜、そうだなァ……。最強なの俺たち♪」
[……]
卒業生はそのまま沈黙した。
五条悟と幻燈河螢多朗の2名、卒業生回収完了。