ダークギャザリングに問題児2人 ただし、最強。 作:すぱーくしーど
「やっばい……、途中から夢か現実かあやふやだ……しかも、あんな夢をみてしまうなんて……」
「なんかけーたろーは謎にショック受けてるけど、無事に回収出来たよ〜、その、卒業生ってのさ」
「悟〜、キミ面倒だからってけいたろう君が卒業生の攻撃を受けてもあえて解決しなかっただろ?まぁ、けいたろう君が無事だから何も問題はないんだけどさぁ……」
螢多朗の様子を見た夏油は、ギリギリまで様子見をしていた五条を非難するが、当の本人は何とも思っていない様子なので、注意しても何の意味もないと悟る。しかし、夏油の意見に反発するように五条は言葉を返した。
「いやいや、そこは大元の居場所を探るため、あえて放置した作戦だったんだからさぁ、そこまでピーチクパーチク言わないで欲しいなぁ……これだから勝手に病んで闇堕ちすんだよ……」
五条は冗談のつもりであったが、この世界に来てから自分の過ちをずっと悔やんでいる夏油にはその言葉はあまりにもダメージが大きかった。
「ふ〜ん、そうかい悟、君はそう思ってたのか……。いいよ、悟がその気ならさ。私の術式が進化した今、実戦訓練をしても良いと思ってるんだ……。君が日和らなきゃこの場でやったっていいんだよ?」
冗談のつもりだった五条は、真に受けた夏油に少し驚きながらも、コイツはこういう奴だったと思い返して、謝るどころか燃え上がった火に油をぶち込もうとする。
「いやいや、冗談じゃんか傑〜。お前こういうのすぐマジに捉えるの止めたほうがいいよ?それって真面目じゃなくて生真面目って言ってさ、欠点だから。まぁ、今回ボクは多めに見てあげるからさぁ、早めに撤回しなよ。それで許したげる」
夏油はその発言を聞き、堪忍袋の緒が切れてしまった。正直な所、彼は軽くても謝罪や改心の言葉があるだろうと思っていたのだが、ここまでの利己的な発言に対して、高専の時の様な怒りが思わず込み上げて来てしまった。
「分かったよ、悟。この領域内で決着をつけようか。この卒業生が生得領域を展開してくれてる今なら、外界を気にせず術式をフル発動出来る」
「い〜よ。傑がその気ならオレは全然歓迎。術式の解釈が広がったからって、実力は大きく変わらないってのを分からせてあげる♪」
「術式使えよ、悟」
「見てわかんない?もう使ってるけど?」
2人が、いつでもガチバトルを始めそうなタイミングで、夜宵達がストップをかける。
「落ち着いて2人とも。今は仲間同士で争ってる場合ではない。ひとまず、次のスポットに向かうほうが優先される。賢明な2人なら分かってくれると嬉しい」
「そう!!2人とも落ち着いて!!」
「そうだよ!悟くんは確かにちょっと様子見してたかもしれないけど、それは確実に卒業生を回収するための作戦だったんだから!傑くんもおちついて!!」
夜宵達の必死な制止に、問題児2人も興奮が冷めたのだろう、臨戦状態を解いた。
「ん〜。ごめん傑。俺もこの領域内で血の気が多くなっちゃったみたい。確かにお前の言い分も分かるよ。ごめん傑」
「あぁ、こちらこそだよ悟。君の戦略が実際こうして刺さってるわけだし、そこを必要に攻めるのはおかしい話だ。すまないね、悟」
2人は納得したのか、固い握手を交わして臨戦状態を解除する。その様子をみた夜宵は目的地を全員に改めて告げた。
「2人が納得したなら良かった。今回は旧I水門が目的地。今まで以上の悪霊がいる可能性がある。全員の意識を統一しておいて損はない」
夜宵の言葉に対して、新たな心霊スポットに全員が意識を改めた。
「分かった、俺らに匹敵する奴がいるなら会ってみたいね。あの神以外にはいそうにないけどさ」
「まぁ、油断は禁物だよ悟。こちらの世界の縛りなとで、こちらが危なくなる可能性もあるんだから」
冷静になった問題児2人は、この場において最も頼もしくなっていた。そして、夜宵一行は卒業生を回収したその足で、旧I水門へ向かった。