ダークギャザリングに問題児2人 ただし、最強。 作:すぱーくしーど
[皆すごいね。霊達がこんなにもあっさり……]
「!?悟ッ!」
「観てたッ!起こりも何も無かったはず!!」
夏油は呪力反応が無かった場所に、1人の少年が現れたことに驚いていた。時間、場所、この状況で子どもが現れるのは不自然以外の何物でもなかったからだ。
五条は夏油に言われる前から六眼で周りを警戒していた。自分たちが攻略したランク不明よりレベルが低い?ランクSで親友は(わざとでも)重傷を負ったのだ。油断なんてありえなかった。
「2人ですら、予測出来ていなかった。しかもこのオーラ。私達が今まで遭遇した霊の中でも別格。注意して」
「ん〜。そうなの?私も見えてるけど普通の子供じゃないのかなって」
「違うよ、詠子。普通じゃない、普通じゃないんだ……。霊も大量にいるこの心霊スポットで、傑くんが使役した海の畏れだって現れたここに、平然といるってのがもう、普通じゃないんだ!!」
[そんなに拒絶しないで……コレ]
霊の力が分かる呪術師組と夜宵、そしてこの霊はマズいと直感的に理解した螢多朗。そんな雰囲気を嫌がったのか、少年は螢多朗にナニカを手渡した。
「これは……ヒッ……!!」
螢多朗はナニカを受け取ったがすぐに地面に落としてしまった。そのナニカとは、少年が虫かごの中に入れていた肉団子であった。手渡しだったので、素手で受け取ったのだが、ソースの触感が妙に生々しいので、螢多朗は思わず悲鳴をあげたのだった。
「この肉団子は……」
「呪力反応がある……!どんなモノか分かるかい?悟」
「ソレ、絶対に食うんじゃねぇぞ。……呪力反応がガキと一致してる。簡潔に言えば、その肉団子はソイツ自身ってことだ」
恐ろしい事に、少しグロテスクなこの肉団子は、この少年自身であることが発覚した……。
[そう……。結局、一緒なんだ……]
少年は、夜宵一行を何かと一緒と判断したのだろう。段々と様子がおかしくなり、雰囲気が一変していく。
[死んじゃえ]
少年は地面に落ちているスケッチブックの土を払い、一心不乱に何か描きはじめた。
「嫌な感じ……。警戒して、恐らく攻撃される」
「正解だぜ、呪力が高まってる。……来るぞ!」
「詠子さん!けいたろうさん!これを!!」
夏油は呪具を投げ渡す。2人はなんとかそれをキャッチした。
「傑くん!これは!?」
「自衛用の武器です!攻撃が来たらそれで自衛してください!」
詠子は、(これお坊さんが肩にパチーンと叩くあの棒みたいだ)と思ったが、それを口にする雰囲気ではないので神妙な様子で頷くだけだった。
少年がスケッチブックをこちらに向ける。スケッチブックに描かれているのは、夜宵一行と思われる人間達がバラバラにされたものだった。
その瞬間、周りに半透明の腕が複数現れ、夜宵一行達に襲い掛かる。しかも夜宵と問題児2人には詠子達の2〜10倍程の物量で、波が押し寄せるようにやって来ていた。
夜宵と夏油はそれぞれ己の武器、詠子と螢多朗は借りた呪具で交戦していたが、1人だけ迎撃せず、手印を結んで立っている男がいた。
「……あー、はいはい。そのスケッチブックに絵を描くと、現実に影響して再現させる術式ってところかな?うーん、再現までの過程が概念無視ならちょっと危なかったけど、物理はなぁ……。それに、使い方なんか勿体なくない?俺なら違う使い方するけどなぁ。ま、敵に塩を送る訳にもいかないし……おっと、夜宵やる気だね〜?」
「五条が余裕そうなのは別にいいとして、この物量は埒が明かない。ので、一掃させてもらう。」
夜宵は背負ったナップザックからキツネのぬいぐるみ、卒業生を取り出し、厳重に閉じられていた封印を解き、言霊を紡ぐ。
「 煌めいて 」
「
呪具説明です〜
呪警策(じゅきょうさく)
使い方は普通の警策と同じ。座禅中に叩いて目を覚まさせる、魔(睡魔)を払うためのもの。
3級ではあるが、それぞれ夏油と五条の呪力が込められているため、一時的に1級から特級下位の呪具相当と化している。
さらに問題児2人の呪力が込められているため、手に持っているだけで、低級の呪霊や幽霊は近づけず逃げていく効果もある。