今日は10月3日、エルリック兄弟が、家を焼いた日………

今回、ウィンリィとホーエンハイムの会話をメインに書いてみました。

義父と義娘の会話…みてみたかったなあ…

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ウィンリィの忘れられない日

ふと、ウィンリィはリオールでの出来事を思い出した。リオールを出発する前、エドとアルの父であるホーエンハイムと話をした時だ。

 

ホーエンハイム「街に出る前に聴いておきたいんだけど……君はもしかして……」

 

ウィンリィ「はい!!ウィンリィ。ウィンリィ・ロックベルです!!」

 

ホーエンハイム「そうか……やっぱり、ピナコの孫娘だったあの子か……

 

昔、俺が研究に没頭する前に赤子だった頃の君を見たことがあった。

 

……すっかり大きくなったね。

 

………ユーリくんの奥さんだったサラさんを思い出す。もう少し大きくなったら、俺が出会った頃のピナコとそっくりになるかな?」

 

ウィンリィ「…覚えててくれたんですね、お母さんのこと。」

 

ホーエンハイム「あいつが自慢の義娘とよく言ってたよ……

 

そういう君も、よくわかったな…エドワードとアルフォンスの父だって。」

 

ウィンリィ「昔、あいつらの家に遊びに行った時に写真を見ていたので……まさか、こんなところで会えるなんてびっくりしましたよ。」

 

ウィンリィ(それと、鎧をコレクションにしていたって聞いた時はなんだかんだでエドのお父さんだなって思ったなぁ…)

 

ホーエンハイム「家……そうか。君も遊びに来てくれていたんだな………」

 

ウィンリィ「………はい。」

 

ホーエンハイム「………アルのことを知ってるってことは……エドとアルがその……」

 

ウィンリィ「……知ってます。あいつらが、トリシャおばさまを生き返らせようとしたことも……

 

そして、エドが機械鎧の手術を受けて…国家錬金術師になって…元の体に戻るために旅に出たことも………」

 

ホーエンハイム「………そうか。」

 

ウィンリィ「………あいつら、自分の帰る場所を捨てて、二度と後戻りできない道を選んで、元の体を取り戻す旅をしていたんです。

 

いつも………いつも機械鎧を壊すし、最近は特に大怪我もひどいですし……しかも、行方不明になったうえに前に話してた拒絶反応が起きて…………

 

 

 

 

……どんだけ心配かけたら気が済むのやら………」

 

ホーエンハイム「………ウィンリィちゃん、すまない。」

 

ウィンリィ「え?」

 

ホーエンハイム「あいつらのこと、いつも見守ってくれていたんだな……

 

本来なら、俺のするべきことなのに……本当に申し訳ない。」

 

ウィンリィ「おじさん………」

 

ホーエンハイム「…………アルフォンスから聞いたよ。あいつらが帰ってくるのを何度も笑って迎えてくれたんだね…?

 

あいつらが無茶をしたら叱ってくれたのも、支えてくれたのも……それに、エドワードの機械鎧も君がつけてくれたんだってね?

 

本当は、父親の俺があいつらを側で支えてやらなければならなかったのに、君にも…ピナコにも、世話になりぱなしだ。」

 

ウィンリィ「……私も、アルから少しだけ聴きました。

 

おじさんも、約束の日のために今日まで頑張ってきたんですよね?よくわからないけど、色々なところへ行って準備をしていたって。

 

………なのに、大事なことはちゃんと話してくれないんですから。ちゃんと話さないとわからないことだってあるんですよ?

 

エドは今どこにいるかわかりませんが、必ず戻ります。その時に、エドとも話してみてください。あいつも、話をちゃんとしてくれたらすぐに仲直りと行かなくても一緒に戦ってくれるはずですから。」

 

ホーエンハイム「……そうだよなぁ………」

 

ウィンリィ「?」

 

ホーエンハイム「…………俺はエドワード達に何も話さないまま家を出たんだ。

 

だから、あいつらやトリシャを捨てたと思われて当然だ……

 

前にあいつと再会した時も、どうやって話をすれば良いかもわからずに余計悪い雰囲気にしちまったし………」

 

ホーエンハイムは、頭を掻いてエドワードと再会した時のことを振り返った。

 

あの時、久々に最愛の息子と出会えてとても嬉しかったはずなのに、親らしい言葉をうまく伝えられなかった。

 

そして、家を焼いたことに関する言葉も、せめて親らしい言葉をかけようとして失敗した。

 

つくづく、自分はボンクラ親父だと思ってしまう……

 

だけど、自己嫌悪するホーエンハイムを見て、ウィンリィはクスクスと笑っていた。

 

ウィンリィ「あはは………やっぱり、ホーエンハイムさんはエドやアルのお父さんですよ。」

 

ホーエンハイム「え?」

 

ウィンリィ「あいつらも、沢山のものを抱えて、辛いことに何度も向き合ってるのに大事なことは何にも言わなかったんですよ。

 

最近は、漸く少しは何が起きてるかを話したり、一緒に命を賭けさせてくれたりもしたんですけど、前は何も大事なことを言わないのがたたって喧嘩になったこともありました。

 

………それに、家を燃やした時も、本当は辛かったはずなのに、全く泣かないんですから……本当、少しは一緒に苦しみを背負わせてほしいのに困った奴らです………」

 

ホーエンハイム「……………」

 

ウィンリィ「ですからね、おじさん!!

 

エドは必ず戻ってきますから、また会った時はしっかり何のために家を出ていたのか話してください!!

 

言うべきことはしっかり話さないと喧嘩はいつまで経っても終わりませんよ!」

 

ホーエンハイム「………。

 

はは………ありがとう、ウィンリィちゃん。

 

ピナコと言い、君と言い、ロックベルの人達には世話になりっぱなしだ。

 

そして、君も強いな。あいつらも、君に助けられてきたんだと、よくわかるよ。」

 

ウィンリィ「ロックベル家の女は肝っ玉が売りですから!!

 

でも……あいつらの支えになれてるんだったら嬉しいな……」

 

ホーエンハイム「なれてるとも………

 

その…………俺が言うのもなんだが……これからもあいつらのこと、よろしく頼むよ……」

 

ウィンリィ「…!勿論です!」

 

ホーエンハイム「……………それと………失礼ついでに聞きたいのだが……

 

エドワードとはどういう関係だい?」

 

ウィンリィ「ふぇ!!!?」

 

ホーエンハイム「アルフォンスからはあいつの機械鎧の専属整備士で、青春真っ只中な関係だと聞いたんだけど………」

 

ウィンリィ「アルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィンリィ「なんてこと、話したわね〜…」

 

エド「………ほんっとーにすまん。

 

つーかあのクソ親父………久々に会った時に宇宙人みたいなこと言ってたと思ったらんなこと考えてたのかよ……わかるわけねえだろ…」

 

ウィンリィ「変なところばかり似ちゃったわよね〜。

 

アルはお義母さん似だから、エドは間違いなくお義父さん似ね。」

 

エド「俺はあんなにコミュ障じゃねえっつーの!!!」

 

ウィンリィ「そぉ〜?でも、歳を取ったら案外お義父さんに似るかもしれないじゃない。」

 

エド「嫌な未来予想だな………」

 

ウィンリィ「そんで、髪の毛が薄くなって、少しでも髪を増やそうと旅に出て、最終的にはばっちゃんみたいに背が縮むかも…」

 

エド「や〜め〜ろ〜!!!!

 

そんな未来想像したくねぇぇぇぇ!!!!」

 

ウィンリィ「あはは!!別にいいじゃない。どうせなら、こんなおバカなことで悩む方が後で笑い話に繋がるんだから。」

 

エド「………たく…………で……あのクソ親父……結局母さんとどんな約束したのかも教えなかった………

 

…………泣くくらい大事な約束をしてたって知ってたら多分家焼くのだけは勘弁してやったのに………

 

代わりに殴る回数増やしたけど。」

 

ウィンリィ「も〜〜〜〜………

 

………それも、だいぶ懐かしい思い出よね。

 

あの日………エドが家を焼いた時、二度とエドやアルは帰って来ないんじゃないかって不安だったし、泣かないあんた達を見てとても辛かった。

 

だけど、色々なことがあったからこそ、今の私達があるんだとしたら、今は前向きに受け止められる……かな?」

 

エド「……………」

 

ウィンリィ「過去は変えられない。だけど、だからと言って忘れちゃいけない。

 

あの日の戒めであると同時に、大事な今があるから、それを噛み締める為に心に刻んでいく……

 

そうでしょ?エド。」

 

エド「………ああ、そうだな。」

 

オギャー…オギャー…!!

 

エド「おっと!!どうした坊主!お腹すいたか?」

 

ウィンリィ「大分ここにいたから疲れちゃったのかも。

 

それじゃ、今日はそろそろ帰りましょうか。」

 

エド「ああ、そうだな。

 

……またな、母さん。親父。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月3日。この日、エドの家族は必ず燃えたエルリック家と、エルリック家の墓を訪れる。

 

兄弟達の罪を忘れないように。愛する者達を忘れないように。

 

かけがえのない今を、噛み締めるように。

 

 

 

 

 

FIN


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