原作確認したのですが、萩原って漫画に出てないんですね、、、アニメ304話で出てたんです。
☆
その後、約5年。
もう高校3年生になっていた。
中学生の間にあった出来事といえば、原作の泉新一君みたいに色々あったわけですが。割愛。ちなみに原作のようにヒギーが眠りついているわけではない。とある事件でヒギーと混ざったりしたし、そのせいか身体能力が抜群に上がった。
ヒギーは私をも超える知能や動きを身に着けていた。
あれからヒギーとはさらに親しくなり、私がこの世界の知識を持っていることや、その他いろいろを話した。頼もしい相棒でもあるからだ。ちなみにヒギーの一人称は「僕」だ。
「…ろ!!--古三起きろ!!」
「…ヒギー、おはよー」
「おはよう、古三。それよりも大変だ!!」
今更ながら、私の名前は泉古三である。
いずみふるみ。泉新一君と苗字は同じで、名前は古くなった。
「何ってやたら外が静かじゃん」
五感が鋭いからわかる。
「どうやらこのマンションに爆弾が仕掛けられているらしい。もう避難誘導も完了して爆弾の解体作業をしているみたいだ」
「気付かなかった…。今解体作業しているなら…今から避難しておくか」
「すまない、僕が寝ている短時間の間に色々あったらしい。外はヘリが飛んでいる。窓からではなく、中から逃げよう」
「りょーかい、支度終わった!行こう!」
最低限の荷物は持った。
普段は超人的な身体能力を用いて、窓から飛び出して外出することが多い。
今日は上空を飛ぶ警察ヘリに見られたら厄介なので、ドアを開けて外に出てる。
案の定マンションでは住民の姿はないし、別の階では警察官が忙しなく動いているようだ。
適当に逃げ遅れたとでも警官に言って避難しよう。
エレベーターがある方向へ向かう。
丁度曲がり角から誰かが来る気配がする。無線機の音がするから、警察関係者だろう。
「えっ」
「あ、こんにちは」
何故かタバコを吸った警察官がいた。
「ちょっと、君!!まだ避難していなかったの?」
「えっと、はい!部屋で寝てて。すみませ~ん」
「避難誘導した奴らは何やってんだ全く…とりあえずマンションの一番下まで下りれば、他の警察官がいるから。そいつらの指示に従って避難。できるか?」
「あっはい。でもお兄さん、その目の前にあるの、爆弾ですよね。どうしてそんな無防備な状態でいるのですか?」
そうだ、この人多分萩原さんだ!
防護服着ないで爆弾にやられたの。
「あー、暑いんだよ。これ着ていると集中できないっつうか」
「え、そんなんで良いんですか」
「ほらほら、行った行った。これを屋上に持っていかないと…」
萩原さん、助けたいけど。
爆発するであろう爆弾を、今この場で窓の外に向かって投げ飛ばすのもなぁ。
ピッ
「ッ!爆弾が動きやがった!!なんで!!」
「えっ」
「おい逃げるぞ!こっち来い!!」
「ぎゃっ」
萩原さんは爆弾を地面に置き、私を担ぐ。
画面に表示される時間は30秒。
萩原さんに抱えられて急いで階段を下りる。
他の隊員も大慌てで移動する。
「うおおおおお、間に合えええ」
「…(ここで自分で歩けますって言っても聞いてもらえなさそう)」
「ここで死んでたまるかッ!!」
このシチュエーション、熱心的なファンにとっては滅茶苦茶良いんだろうなぁ。
凡そ30秒が経過した頃、私たちは未だに非常階段を下っていた。
ドガアアアアン!!!
「ぎゃっ」
「しっかり頭守れ!!!!」
「はいぃ」
瓦礫が降ってくる。これはヤバい。
「…」
「…」
「嬢ちゃん、大丈夫か!!!」
「あ、はい」
「…奇跡的に瓦礫が上手い事被さって隙間ができたみたいだな。とりあえず助かったぁ。応援呼ばねえと」
そう、私と萩原さんは奇跡的に瓦礫の隙間にいる。
という風に見えるが、実際は
(ヒギー、ありがとうね)
ヒギーが上手い事瓦礫を裁いていってくれていたのである。
萩原さんが目をつぶっていたのを確認した瞬間にやってくれた。
その後、救助の人が駆けつけてくれて、目立った外傷はないけど一応病院に行こうという流れになった。
しかし、私は病院に行きたくないので救急車に乗るタイミングでとんずらさせてもらった。
逃げ足だけは他の人間には負けないよ!
☆
自分が住むマンションが倒壊してしまった。新たな住居を探さねば。現在私は一人暮らしであるが、お金は全くないというわけではない。ちょっと裏稼業で稼いではいるが、新居をすぐに用意できるか…しばらくホテル暮らしになるだろうが。
することがなくなってしまったので、適当に路地裏を散策することにした。
黒いフードを深く被り、ゴーグルとネックウォーマーもつけてキッチリ顔が隠れるようにした、不審者スタイルだ。
あ、路地裏で喧嘩してる。
ガラの悪そうなおじさんが若いサラリーマンに突っかかっているような。
東都で暮らすのに命が惜しいなら、こういう揉め事はスルーするのが最善だけれども。
ただの喧嘩で終わればいいのに。
サラリーマンの頭が割れた。
「あーまって!!」
思わず叫んでしまった。
突然のことに驚くおじさん。
サラリーマンの頭は、変形して触手になった。
その触手で、おじさんの心臓を鋭く一突き。
成すすべもなく、倒れるおじさん。
「…派手にやってるなぁ」
「…どうやら迷い込んだ鼠に見られてしまったようだ。始末しないと」
傍観していた私に気が付いたサラリーマン。
「始末、って殺すんですか?」
「目撃者は抹殺。我々のために」
「…あれれ、おかしいな。これから人間と共存していくよーって。聞いたのに」
「何の話かは知らないが、ここを通った事が貴様の運の尽きだな」
そう言って触手をこちらに伸ばしながら言うサラリーマン。
でも、
「それはこっちのセリフだよ。ヒギー、いける?」
「ああ」
私の左手が変形する。とっても鋭利な刃になった。
「なッ??!?ーーー貴様、気配が?!人間ではないのか!?」
「一応人間ですけど…貴方たちが出てくる場面はもう終わったの。大人しく共存を選んで平和に暮らしていればいいのに」
色々試行錯誤して、寄生生物同士が発する信号も消せるようになった。能力をオフにしている時だけ完全に信号を消せる。
ヒギーの刃がサラリーマンの胸に刺さる。
「ぐっ!き、貴様!!!我々に、歯向かうのか!!」
「そっちが大人しくしてれば何もしないって。貴方はそうじゃないから。この世界のために消えて」
ヒギーが刃を引き抜く。
「グ…ガハッこん、な…」
「ありがとうね、ヒギー」
「ああ。僕はもう寝る」
「うん」
よし、一仕事完了。
路地裏を選んで歩いた甲斐があった。
「今日もゆっくり寝よーっと」
「ーーーオイ」
「ッ?!」
全く気配がしなかった。
反射的にその場から飛ぶ。
「…まずいな、僕達と同様に気配を消す能力を得たパラサイトか」
ヒギーが相手に聞こえない声量で囁く。
「たしかこの世界の住民、簡単に気配消すことができる人間だっているんだよ。さて、どうしよう」
目撃者がいた場合。
こういう時は真っ先に気絶させる。
次に所持品の確認、それから得られる情報をもとに相手を適切な場所に放置する。
その後、相手へ張り込んで様子見。
予め決めていたことだ。
少しでも早く気絶させるために、素早くヒギーを伸ばし、首裏を狙う。
ーーーバァン!!!
「なっ??!」
男は手に拳銃を持っていた。
銃弾が放たれ、なんと真後ろから高速に迫ったヒギーの攻撃を相殺した。
「ッチ」
思わず舌打ちしてしまった。
今度こそ、安全に奴を仕留める。普通の拳銃じゃ相殺できないはず。なぜ特殊な銃を持っているかはその時知れれば良い。
「----田村 玲子」
「?!」
「お前たちはパラサイトを仕留める側だという事は知っている。パラサイトに関して情報提供を含め交渉がしたいとボスが言っている」
「…」
「今、お前達の攻撃を避けられたのもそういう情報があったからだ、悪いようにはしない。お前にメリットのある交渉になるはずだ」
お前達って、私とヒギーのことを指しているのか?こちら側の脳が完全に寄生されていないのも把握済みなのか。
「既に組織内ではパラサイトの存在を知っている人間は多い。お前は人間を殺さないのはボスも知っている。交渉したければ来い」
「…危険だ、相手は普通の人間じゃない、何人も人を殺した気配がする」
ヒギーがそう囁く。私と混ざったせいで多少人間らしい表現をするようになったなぁ。
しかし、私にとってみればこの話に喰らいつきたい。この世界が少しでも平穏なものになるために。
ヒギーも私の思いは知っているはず。
「…乗った」
「そォかよ。ったく、ボスは何で俺を交渉役にしたんだ」
私は付いていくことにした。
それに、この男には見覚えがあった。
(ジン…!)
銀髪長身男でポエマーの、ジンである。
個人的に防護服着ても着なくても、アニメ通りのあの爆発なら助からないと思いました、、、。