ヨハネスブルクの寄生獣   作:miyata

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「ここで待機するようにとボスからのお達しだ」

 

 

路地裏の、薄汚く誰も通らなさそうな道にある建物の中に入る。

部屋には大きなモニターがある。

 

さて、どんな人やら。

 

ちなみに、変声術で声を中性的にしている。

 

ほんの少しすれば、目の前のモニターが点いた。

 

 

 

「こんにちは、パラサイトを狩る英雄様。私はラムです。今日はボスに代わってこの場である情報をお持ちいたしました」

 

 

「…対価は」

 

 

 

「ああ、対価ですか。情報を聞く前にその話を持ち出すとは、大丈夫ですよ、実は私たちもパラサイトの被害に遭って困っています。貴方に駆除を任せたいのです」

 

 

ついさっきマンションが爆破されたせいで、対価の話をしてしまった…。

交渉下手に思われていないか不安になる。

変声の能力は身に着けているので、相手には私の声が男っぽいような中性的に聞こえているだろう。

 

 

「…」

 

 

 

「貴方方はが正体がバレずにパラサイトを殲滅したい、そうですよね」

 

 

 

「…」

 

 

ごもっともで。

捕まったら人体実験されてしまうかもね。

 

 

 

「貴方方もわかっているとは思いますが、パラサイトの情報は裏社会の方が手に入りやすい。表は情報規制されていますからね。ああ、ちゃんと給料も出します。組織に入るにあたり、個人情報は必要となりますが、傘下にある企業に入ってもらう形でも、あなたという人物が存在しない形でも構いません」

 

 

 

「…こちら側は、パラサイトの殺害ができるなら良い。但し、それ以外は一切関わらない。密輸だろうが人間の殺人だろうがだ」

 

 

 

「良いでしょう、そちらの条件につきましては了承しました。こちらは裏社会を牛耳るのに、奴らの存在が邪魔でしたからね」

 

 

これまでにある程度残滅させてきたが、未だに裏社会ではパラサイトの組織があるとは。人間に認知される形で猛威を振るっているのはよくないな。

 

 

「田村玲子についてどこまで知っている」

 

 

田村玲子は死んでいる。かつて、この目で見届けた。

 

 

「彼女が表社会で生きるパラサイトを仕切っていたことぐらいですがね。君を誘う文言が特に思い浮かばなかったのですが、ある程度のパラサイトのボスを知っていますよ」

 

 

その後の話し合いでは、基本的に連絡がいってから現場で私が暴れまわったり、または組織から人員を制限はあるが借りても良いという事になった。連絡してもらった分を始末できれば報酬、出来高制かつ固定給も貰えるとか。嬉しい。

 

 

 

「貴方方のコードネームはブラッドノック。コードネームとは組織内で幹部のみが持つ呼び名です。幹部達は対等であり、根本的なに指示できるのは私かボスだけです」

 

 

 

「…わかった」

 

 

「では、よろしくお願いしますよ、ブラッドノック」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから月日は流れ、事件に巻き込まれるは、爆弾を見るは、人質にされるは、散々な東都ライフを送ったが、それと同時にパラサイトも駆除していった。とはいっても、大半の寄生生物はこれまでの事件から人間と共存する道を選んでいるし、そう滅多に駆除の依頼が来るわけではない。

 

 

最近分かったことは、東都自体にはあまりパラサイトはいない。地方に多く、馴染んでいるのも多い。依頼くらいでしかそもそも地方に行かないし、都会のは私が粗方駆逐しつくしている。

 

 

 

一応高校も卒業して、大学生になったわけだか一人暮らしでたまに暴れるパラサイト狩りをしている。

 

そして組織には当り屋こと赤井秀一が入ってきた。

 

入ってきて直ぐに目覚ましい成果を上げ、あっという間にネームドになったし、それに続くようにいつの間にかバーボンやスコッチも入ってきた。

 

基本的に彼らに関わることはなかった。連絡係の人間がペラペラと近状を話してくるもので、否が応でも組織の情報は手に入る。私が重火器を借りに組織に来た時くらいか、直接彼らを目にしたのは。

 

 

 

前に組織に対して現場を偵察するのに人員が欲しいと言ったら、裏社会の仕事見学という事でウイスキートリオを寄こされたこともあった。

 

 

 

「こんにちは、ブラッドノック」

 

 

 

「…」

 

 

 

「そんな怖い顔しなくても…今日はよろしくお願いしますね」

 

 

 

リアル安室さん、眩しいです!!

 

基本的に終始無言な私だが、必要事項を話す時は書面に起こすか、声を変えて話す。

 

多少変声したからって、完全に身バレ防止にはなってないけど。一応フードを深く被り、ゴーグルとネックウォーマーもつけてキッチリ顔が隠れるようにはしているが。変声もそんなに長時間できないし。

 

 

これまでに食人死体、、ミンチ殺人の話をよく聞いてきた。

 

ミンチ殺人現場で今までこっそり見えた警察の中に、安室さんや風見さんといった刑事さんはいなかった。

 

違う部署なのか。

 

 

「貴方の事、もっと知りたいです」

 

 

…ウイスキートリオと仕事すると疲れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また別の日。

 

たまたま組織のアジトを訪れたら、慌ただしい様子。

 

もしかして、ノックが出たとか。

組織から提供された携帯に何かしらの連絡が入っているか、確認する。

…携帯にGPSでもつけられていたら怖いので、最近まではロックをかけた状態で公園の土の中に埋めていた。ヒギーが起きているときに聞いたら、携帯にそんなの付いてないって判って安心したけど。

 

 

[スコッチはNOC 如何なる状態でも差し出せ]

 

 

 

これはマズイ。

 

個人的に警察学校組はお気に入りなので何とかしようとは思っていたが、同期でもないし、警察関係者に知り合いもいなかったので対処できないかと思っていた。それが組織には入れて情報を得られれば良いな~とは思っていた。

今動けば何とかなるかもしれない。

 

 

単純な手は赤井秀一を止めてしまうことだ。諸伏の場所に向かわなければ、諸伏は自殺しない。しかし、私は赤井秀一の連絡先を知らない。必要以上に組織に関わるつもりはないスタンスなので、こちら側からも連絡先を一切教えていない。…なんてこった。

 

 

 

でも、私は赤井秀一が今どこにいるか、大体は想像つく。

 

一か月前にライに張り込みの仕事が頼まれていたのを偶然耳にした。

 

まずは赤井秀一を見つけて、張り込もう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早速赤井秀一を見つけたので、追いかける。運が良かった~。車に乗っているので、車で追跡したいが、恐らくつけていることがバレるので、屋根伝いにジャンプして追いかける。

 

 

街中を進んでいくと、いくつかパラサイトの信号を受信することがある。

東都自体にパラサイトは少ないし、共存を選んでる個体ばかりなので、信号をキャッチしただけでいきなり追いかけられたり戦闘になったりはしない。

 

 

こちらは信号を発しなくとも、向こうの信号をキャッチできる。

原作の泉新一よりも進化した能力を得られているので、今は自身の信号をオフにすることができる。

身体能力を存分に生かして、赤井秀一を追いかけていく。

 

 

 

 

赤井秀一の車が止まる。

 

車から降り、ビルの階段を駆け上がっていく。

 

 

 

「---めるんだスコッチ!!」

 

 

 

隣のビルの屋上から眺めているが、何やら話し込んでいるようだ。

 

既にスコッチも赤井秀一もいる。スコッチは銃を取り出している。このまま待てばバーボンがやってきてスコッチは自殺の道を選んでしまうだろう。

 

そっと隣のビルからジャンプし、屋根に乗る。

 

 

 

スコッチが銃口を安全な方向に向けた途端に、素早くヒギーを伸ばして銃を手から弾く。

 

 

 

「なッ!!?!」

 

 

 

「?!?!誰だ!」

 

 

 

よし、銃は弾けた。成功だ。

 

 

 

「ブラッドノック?!」

 

 

 

「…スコッチ」

 

 

 

「どうやってここに来たんだ…いや、それよりも最初からいたのか?」

 

 

 

ライとスコッチが互いの古巣の話をする前に来れたのは良かった。

二人は警戒しながらこちらを見ている。

 

 

 

「ライを追って今来た…」

 

 

 

「そうか」

 

 

 

「…」

 

 

 

赤井秀一がこちらを睨んでいる気がする。なぜ邪魔をしに来たんだと言っているような視線。

 

怖いので早く退散しよう。

 

 

 

「私はNOCなんぞに興味はない、ライ、お前に任せた」

 

 

 

そう言って、階段の外側に跳躍して、手すりをうまく使って滑って下りていく。

 

途中、バーボンが階段を駆け上がっていたが。

 

上手い行っただろうか。

 

 

 

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