――1つの時代に2人の王は要らず――

鬼と呪い、二つの王が激突する。

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場面:死滅回遊中的な?

基本的に無惨を呪術世界に合わせてる感じです。
多分オリ設定になってる所多数。

一応設定としては

宿儺は指15本+虎杖ボディ

無惨は縁壱戦後即契約→受肉で見た目最終決戦モードです。

理由は十影vs無惨をどうやって書けばいいか分からなかったから…



鬼の王vs呪いの王

 

 

羂索との会話で知った、自分を差し置き王を名乗る不遜な存在――鬼の王に――宿儺は相対していた。

 

「お前が鬼舞辻無惨か?」

 

宿儺は目の前の男を見る。

たなびく白い長髪に、大量の口が付いた赤黒い血肉に覆われた身体。

煮えたぎるような生命力に満ち溢れた男――羂索はそのように表現していた。

確かに、その片鱗は感じ取れる、が。

 

「…王と呼ばれているにしては些か期待外れであるな」

 

宿儺の目には、更に深くまで見えている。

過去、目の前の男には何かがあった。

自信と生命力に満ち溢れている様で、中で何かが引き裂かれている――そう感じていた。

 

「そういう貴様は…宿儺か」

 

無惨は目の前の男を見る。

同じ時代の生まれであり、呪いの王の伝説は良く知っているものではあった。

しかし、無惨の誕生は宿儺が呪物と成った後。実物を見るのは初めての事。

短い茶髪の、一見現代風な青年…しかし、内の邪悪かつ強大な呪力は無惨にも感じ取れる程であった。

 

底知れなさが、無惨の中で重なる。

 

かつて自分を切り刻んだ、植物の様な静かな気配を持つ男と重なる。

 

警戒し、動かない無惨を前に、呪いの王が動く。

 

「見ているだけか?鬼の王」

 

「――――!!」

 

何かが来る、それを察知し回避行動を取った無惨だが間に合わず

ビシリ、と音を立てて斬撃が無惨の体に刻まれる。

 

「おや?思ったより硬かったか。すまんすまん見縊っていたな」

 

宿儺は軽快な調子で呟く。

 

「次はちゃんと三枚卸しにしてやる――、?」

 

宿儺は今まで鬼の王と思い上がっていた者がどのような怯え様をしているのか確認しようとする

しかし、無惨は宿儺の予想とは逆に、安堵の表情を浮かべていた。

 

「……当然か。あのような怪物に二度も邂逅して成るものか。」

 

「――――貴様、誰と誰を比較しようとしている?」

 

何かと比較され、自分が下げられた。不快感を感じた宿儺はその鬱憤を晴らすように無惨へと斬撃をぶつける

今度は避ける試みも無く、斬撃は無惨の体へと吸い込まれ――そのまま無惨の体を通り抜けた。

 

「!?」

 

「もうお前に興味は無い。死ね」

 

無惨が腕を打ち振るう。一見何の意味も無い仕草だが、宿儺の目には変形した腕が高速で迫る事が映る。

 

「中々の速度だな。――だが、無意味だ」

 

「(速度に対して技巧が足りない…。おそらく研鑽もほぼ積んでおらず、同格以上との戦闘経験も不足しているのだろう。生まれ持った才のみでここまで来たか。)」

 

変形する腕、更に生やされた管。

宿儺はその全てを躱し、切り捨てる。

速度、威力は宿儺にとっても脅威と成り得るものであったが、その動きは基本的に単調であり、力任せの域を出ない。

 

「(同じく単純な打ち払いか、次は躱して懐に、…!)おっと。惜しかったな」

 

躱したはずの触腕に、宿儺の体が引き寄せられる。

触腕に生やされた口による吸引。不意打ちの一撃となったが宿儺は冷静に対処する。

笑う宿儺に、無惨が小さく舌打ちを返す。

 

一方、躱しながら叩き込まれた宿儺の斬撃は、ほぼその全てが無惨へと直撃していた。

強者を尊重する宿儺と違い、無惨にとって力とはあくまで手段に過ぎず、追求するものでは無い。その差が現在の状況を生んでいた――しかし

 

「無意味だ」

 

何度も斬撃が直撃しながら、無惨には全く傷が付く様子が無い。

 

「(手応えはある。弾かれている訳でもすり抜けている訳でもない)……成程、切られた傍から再生しているか」

 

強力な術師には反転術式使いも珍しくはない。呪霊であれば元々再生するのが基本である。しかしこれほどまでに強力な再生能力を持つ者は宿儺にも初めての相手であった。

 

「だが、タネが解ればどうと言う事は無い」

 

反転術式の要は脳である。宿儺は無惨の頭部へと集中して斬撃を叩き込み、ダメ押しに頭を蹴り砕く。

――が、蹴り砕いた頭が、首から伸びてくる。

もう一度、今度は頭と呪力の根源である丹田も破壊…そしてまた間を置かない再生。

しかし、大きく体を削られた為、無惨の驚異的な再生速度で隠されていた体の構造が宿儺にも理解される。

 

「脳、心臓、丹田すらも増殖させるか…ははっ、面白いな、貴様!」

 

「しつこいぞ!蠅が!」

 

怒りのままに振るわれる触腕を躱しながら、宿儺は思案する。

 

「(おそらく奴は重要臓器を複数体に持ち、常にそれら相互で反転術式を強力に回す事であの再生をしている…。なら全てを同時に斬れば…と言いたい所だが、全てを同時に破壊しても既に回されている反転術式が作動するのは止められない。ならば…)」

 

 

「面白い再生能力だが、さて、塵芥となっても貴様は再生出来るのか?」

 

 

「何だと…?」

 

 

鬼の王の表情が変わる。

呪いの王、両面宿儺――――確かに呼ばれるだけの底知れぬ力はあった。しかし現在の無惨にとって弱点とは実質的に日の光のみ。

 

宿儺の能力が如何に高くとも

 

その技巧がどれ程洗練されていたとしても

 

現在まで、無惨は彼に傷一つ付けれなかったとしても

 

それらが無惨に敗北を感じさせる事は無かった。

鬼では無い以上、いずれ疲労は蓄積し無惨の攻撃が当たるのは時間の問題…と考えていた。

しかし。

 

 

「領域展開」

 

 

 

――伏魔御廚子――

 

 

 

景色が変化する。

 

 

様々な種類の頭骨が象られた、巨大な口のように開かれた御廚子が無惨の目の前に出現した。

 

視認した無惨が訝しむ同時に、斬撃が叩き込まれる。

 

「何かと思えば…同じく斬撃か。芸が無い……!?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ぐッ……オオオォォォォ!?」

 

斬撃が、終わらない。

再生すれど、すれど、叩き込まれる斬撃は、無惨の体を削り、塵へと変えて行く。

体を破裂させ逃亡をした経験は確かにあったが、ここまでの細かさではなかった。

果たして、この様な塵から自分は再生出来るのか?

 

 

――鬼の王鬼舞辻無惨に、400年ぶりの緊張が走る。

 

 

「舐めるなァァッ!!!!」

 

ならば、消滅する前に敵を殺すのみ。

触腕が更に増大し、外敵を打ち砕こうと振るわれる。

しかし

 

「まだ足りないようだぞ?どうした頑張れ。頑張れ!」

 

増大した触腕も、宿儺に届く前に塵と化す。

空気の渦や衝撃波も、領域に支援された宿儺の体には届かない。

 

「グ、ガァァァァッ!!!!」

 

「ほれ、もうひと踏ん張りだぞ?クックック」

 

斬撃に抵抗するように無惨は体を増大させ、肉の鎧を形成しようと試みる。

その様子を嘲る宿儺が、より斬撃の圧を強める。

一時巨大な赤子のように形成された外側の肉は、数秒後には圧を強める斬撃に削り取られていた。

振るわれる触腕は、宿儺に届く前に切り刻まれ、消滅する。

体の表面も削り取られ、筋肉の断面がむき出しになっていた。

 

「(このままでは……何か状況を覆すに足る情報を!)」

 

無惨は切り刻まれた体で宿儺を、領域を観察し、僅かな可能性を探し攻撃を振るい――――

 

「まあ、よい玩具であった。死んで良いぞ。虫。」

 

「――ッツ!!!!」

 

嚙み締められた奥歯が砕ける音がすると同時に、無惨の体が破裂し飛び散った。

 

「自分から切り分けやすくなるとは、食材として自覚が芽生えた様だな!」

 

しかし、飛び散った肉片全てに伏魔御廚子は自動で斬撃を浴びせる。

細かく分裂する事でターゲットを分散しようとも、全てが平等に塵となる…筈であった。

 

「私を侮辱するなァァァァッッ!!!!」

 

「!」

 

()()()宿()()()()()()()()()()()()()()()

確かに伏魔御廚子はターゲットへと自動で斬撃を浴びせる、しかし領域の斬撃――「(ハチ)」が参照にするのは対象の呪力と強度のみ。強力な再生能力を持つ無惨を消滅させるには宿儺の手による調節と追加の攻撃が必要であった。

――宿儺が意識していない場所の斬撃は薄い――無惨は切り刻まれる自分の攻撃によってその情報を確認、分裂、破裂の後宿儺に攻撃し易い破片から再生する事で攻撃を可能とした。

皮肉にも、一度耳飾りの剣士に切り刻まれ、破裂し逃走した経験がこの手段を可能としていた。

 

至近距離で振るわれた触腕が、宿儺の頬に傷を付ける――――だが、それだけだった。

 

「ハハハッ!この俺に傷を付けたか、褒めてやろう!」

 

「黙れッツ!!」

 

今度は有効打を当てようと無惨の触腕が振るわれる。しかし既に不意を打つ効果を失った攻撃は容易く躱される。

返す刀で宿儺が反撃する。無惨が肉片になっても全て消滅させれるよう、宿儺は領域を狭めて斬撃を集中させる。

無惨の肉は刻々と削られていく。

逃げ道を探すかのように攻撃が振るわれるが、今度は寄せ付けもせず斬撃で消失させられる。

 

「グオオオオオッッ!!!!」

 

無惨の体は既に皮膚を全て削り取られ、骨が露出し、内臓も零れ落ちようとしていた。

最早有効な攻撃を放てる状態ではない。

 

「終わりだ、鬼の王」

 

無惨が勝ち誇り、宣言する。

第一印象よりは楽しめた、そんな褒めの言葉を遣わそうとした時、予想外の返答が来る。

 

「そうだな。終わりだ」

 

「――――!?、グッ……!」

 

突如、宿儺が吐血する。

弱まった斬撃の前に、無惨が再生していた。

 

「これは……毒か!」

 

「私全ての攻撃に混ぜられている私の血は他の生物にとって全て猛毒。掠り傷でも致命傷だ。……しかし流石呪いの王か。少々時間がかかったな。しかしこれで積みだ。」

 

毒は反転術式でも容易に分解出来ない。ましてや鬼の王の血は相応の猛毒。そして毒で動きが鈍る宿儺に対し凄まじい攻撃を叩きこまれ一時死の淵まで追い込まれながら疲労の色を全く見せない鬼舞辻無惨。

 

 

――呪いの王両面宿儺に、1000年ぶりの緊張が走る。

 

 

「ならば死ぬまでにお前を殺し、毒に適応するまでだ」

 

それでも、呪いの王は笑う

 

「出来るものならばやってみろ!」

 

無惨が攻撃を振るう。

致死毒を与えれば、後は戦う必要などない……そんな無惨の普段の思考を放棄するほど、宿儺の凄みは真に迫るものであった。

 

 

「(毒を与えたからと言って安心出来ぬ!もし放置し適応されれば次は無い!今ここで宿儺の息の根を止める!)」

 

 

「(鬼の王…予想以上であった。だが、全て飲み込む!)」

 

 

双方、奥の手の使用を決意する。

 

 

 

「――血気術!」

 

 

「 (フーガ) 」

 

 

 

 

夜明けは近い。




来てくれ!五条!

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