インフィニット・ストラトス 希望の無い希望を贈る少年   作:古明地こいしさん

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一夏の吸収力、そしてISとは

「ただいま」

 

「...おかえり」

 

緊張でもなくただただ哀愁感で簪は黙っている

この沈黙を破るのも彼女だ

 

「さっきは...ごめん」

 

「ん、それで話せる?無理そうなら話さなくてもいいんだぞ」

 

「ううん。話しておきたい...私が今してる事、なぜ織斑一夏をあんなに睨んだかを」

 

睨んだ理由は知ってるが今してる事?

 

「姉と同じ、いや以上でなければならない...かぁ」

 

聞けば更識楯無さんとやらはISを1人で組み立てたそうだ。そんな完璧超人俺以外にいるとは、俺だって完璧超人なわけじゃない。出来ないことはやらないし

失敗もする

それを自分もしてみせると、誰かさんのせいでそうせざる得ない状況になったし

 

「なぁ、簪は根本的に間違ってるぞ?」

 

「やっぱり...私じゃ」

 

「違う違う、簪は簪で楯無さん?は楯無さんだろ?人が同じになるなんてクローンとか改造手術じゃないんだから無理だって。冗談じゃなくてな。だから言わせてくれ、無茶する必要はない、頼ってくれ」

 

「...ありがと。でもどうしてここまでしてくれるの?私が日本代表だから?」

 

「へ?簪って日本代表だったの?」

 

「え?」

 

ここで俺たちのすれ違いが初めて起きた。しまった。代表候補生全員チェックしとくべきだった

 

「ふふ...努もミスとか失敗するんだ」

 

「そりゃ人間だからな...で、俺もそのIS製作に携わっていいか?残念ながら俺には専用機なんて高価なもの貰えてないんでね」

 

「うん。それじゃ本音に連絡するね」

 

なぜそこで本音が出るんだろうか

 

「本音、技術部だから」

 

なるほどと把握できた。しかし俺忙しいぞ。一夏の勉強手伝って、簪のIS製作手伝う...体壊れませんように

 

「クラス代表を決めようと思う。今からだと力は弱いかもしれないが鍛えていき、身につけるべきものがあるだろう。推薦、するものはいるか?」

 

「織斑くんを推薦します!」

 

「なっ、俺は」

 

「試威くんを」

 

「試威は認められん」

 

あー...俺を認めたら確かにバランス崩壊待ったナシだもんな

 

「えー!どうしてですか?」

 

「私と対等にやり合うやつだ。むしろ2対1を制した男だぞ?元々コイツは強い、それにISを装着一日目の直ぐで私もSEを削り切るのがギリギリだった」

 

「それは...」

 

クラスの中から畏怖や恐れの感情が伝わってくる。それを破って変えてくれたのは

 

「努、すげぇ強ぇんだな!俺たちに教えてくれよ!そしたら一組のみんな強くなれるだろ?みんなもそう思わないか?」

 

一夏...お前すげぇよ。男でも嫌うのが普通だぞ。

怖がって化け物と殴るのが...

 

「何より千冬姉と対等にやったその強さ、俺に教えてほしい!」

 

「織斑先生だバカもの」

 

また教簿で叩かれてるよ。学ばんのかコイツは

しかし教えるのは決めてたからな

 

「ああ、男の俺でよければ教えるよ」

 

「納得いきませんわ!」

 

「ん?」

 

声のするほうを見るとセシリア・オルコットが怒ってこちらを...俺を見ていた

どうにも女尊男卑はここでもあるらしい

 

「それで俺は何をすれば貴女様が満足するんですか?」

 

「~~~~~~~~バカにしてますの!?」

 

「バカにしてんのはそっちだろ?努はみんなのために力貸すって言ってんのにそれに納得いかないって...」

 

「大体日本という辺境の地に来てまでわたくしは学びに...光栄に思った方が良いのはそちらですわ」

 

「日本日本って、万年まず」

 

そこで一夏の口を塞ぐ、まぁ言いたいことは分からんでもない。俺も親の関連でイギリス料理を食べたことがあるがお世辞にも美味すぎるとは言えなかった。美味いと思えたのは極わずか

 

「オルコット、周りを見てみろ」

 

「周り?周りがどうかして?」

 

「ここにいる日本人の数は?お前はその言葉で何人敵に回すつもりだ?あとで授業終わってからでいい。謝っとけ...織斑先生、邪魔をしてすみませんでした」

 

「いやいい。私が言いたいことを言ってのけたのだ。とりあえず織斑共々座れ」

 

一夏にあまり感情的になるなとメモのようなのを渡した。

スマンと俺の方向を向いて手を上げてるが...また叩かれてるよ

 

「どこを向いている...」

 

「....すみません」

 

「さて、オルコットも納得がいかんだろう。そして織斑も。そこで模擬戦を行う。実施は5日後、織斑には専用機が与えられるが...あらかたの感覚は訓練機を借りて試威からしごかれろ!」

 

「は、はい!」

 

珍しく強い返事。強くなりたいという志から出てるのだろう。それよりさっきから箒が一夏を見てるのだが...好きなのか?

 

「ほい、俺は訓練機を何故か貰った。というかそうじゃないとデータが取れないって政府からの通達らしくてな。んで、織斑先生からお前の専用機の武器を聞いたからコイツだ」

 

「打鉄...」

 

「お、ISの名前ぐらいは覚えられたか?」

 

「昨日散々教えられたからな....乗ったらハイパーセンサーとかとにかく五感が研ぎ澄まされていくんだよな?」

 

「まぁそう受け取ってもらっても構わん。今日は撃ち合いはしない代わりに動きだ。歩けませんじゃ話にならないからな」

 

歩くどころか空を飛んでしっかりと動けていた。ふむ...これなら

 

「一夏、ISじゃできない、本来人間がする荒業、今日学んでみるか?」

 

「...死ぬとかないよな?」

 

「それはない。ISが守ってくれるからこそ勉強できるんだ。んで?あのお嬢様に勝つためにやるか?やらないか?」

 

「やるさ!やってやる!それでその方法は?」

 

「空気の足場を蹴って本来イグニッションブーストと呼ばれる瞬間的な加速をシールドエネルギー無しで行う」

 

一夏は黙って、しかも俺の顔をジト目で見ていた。うん、普通の人間はそういう反応だよな

 

「見本見せるから直ぐに真似しろとは言わん。コツを教えてどんどん学べ。俺はそうやってお前を強くしてやる。行くぞ?」

 

空を飛びながら足場を2度蹴る。空間圧縮と呼ばれるものだが、足の捻りを行う事でその空間圧縮ができる

 

「ーーー」

 

「これでもバカにするか?俺のシールドエネルギー見てみろ」

 

「確かに減ってない...でも、今の...できそうだ」

 

ほう...なら見せてもらおう。その大口叩いた一夏よ

 

打鉄が飛び上がり...なんと成功していた

 

これには拍手するしかない、本来の人間なら俺が教えても2日はかかる。遅くて4日5日だ。それを直ぐにできるとは

これは一夏の吸収力半端ないな

 

「鍛えがいがあるな...」

 

「これ、名前とかあるのか?」

 

「いや?俺は戦いに使わずに逃げる時に使ってたから特には」

 

「じゃあ俺がつけてもいいか?」

 

どうぞと言う。すると付けた名前は足空砲(あっくうほう)と、空歩とかでも付けんのかと思ったが確かに威力は空砲だ。人に向けてやれば吹き飛ぶ

 

「まだあるっちゃあるが今、移動系はこれぐらいにしといた方がいい。流石に沢山覚えすぎたらどれ使ったらいいか悩んで、悩んでる間にやられる。沢山覚えるのは戦闘に慣れてからだ」

 

「分かったよ。先生」

 

「織斑先生にそれつけてやれ」

 

「千冬姉は千冬姉なんだよなぁ...」

 

そこでアラームが鳴る。簪と約束の時間だ。早く行かねば、本音と待ち合わせしてるから場所が分からないけど連れてってくれる

 

「時間か、サンキューな。俺も自分で勉強してみるよ」

 

「そうしてくれると助かる。んじゃまた明日」

 

 

 

本音が見えてきた。待ち人来たらずならぬ待ち人ようやくと言ったところか、俺を見るとはしゃいでそのブカブカな袖で手を振る

 

「こころん!こっちこっち!」

 

「悪い、遅れたか?」

 

「そんなことないよ〜さぁ!レッツゴー!」

 

この子はなんというか、人生楽しそうだな

 

「よっ、簪。非力ながら手伝いにきたぞ」

 

簪に挨拶する。簪は汚れてるからか顔が赤い、拭いてもまた汚れるしまた後でだな

 

「さて...これか。コア、露出してんのな。こんな状態で放置してきたって企業は何考えてんだか...ん?」

 

よく見るとこのコア...いや、このコアだけじゃないな...俺の貰った打鉄もだな...

 

「あれ?こころんいつの間にカラーコンタクトしたの?」

 

「...悪い、これはカラコンじゃない。それとこの事はここにいる3人の秘密で頼む」

 

「「え?」」

 

魔力を込める。そのままコアの大部分を抜き取り代わりに簪の想いを詰め込んだ

2人は何が何だか分からないと言った状況だ。そりゃそうだ、いきなり魔法を使われて、それが簪にとっては大切な専用機に何かされたのだから...

 

「簪...いや、多分他のISもだろう、全部操られるよう仕掛けられてたぞ」

 

「「え!?」」

 

「今のは...魔法でその大部分を抜き取りISの基本機能と操るという誤作動を簪の気持ち、想いで動くようにした...あー、疲れた...」

 

寝っ転がって、呼吸が乱れる。こう言った事は魔法を限界まで使った時ぐらいだけだ。肩で息をしながらってのはいつぶりだろうか

 

「もしかして...一歩間違えたら危なかった?」

 

「知らなかったししょうがないだろ...とはいえ他のISにも仕掛けてあるだろうしこれまだする必要あるのかぁ...」

 

「こころんお疲れ様...かんちゃんも気にしたらダメだよ。せっかくこころんが治してくれたんだから...これからはこころんのためにも頑張ろ?」

 

ここからは物凄く早く出来上がって行ったと言われた。みんなでするのと1人でするのじゃ全然違うって、簪は笑顔で言ってくれて、それに俺は嬉しくなった

 

「それにしてもこころん、見本見たからって似たもの作れないよ?普通?」

 

「いやでも溶接とかには時間かかるしその辺は無理があるしな」

 

「もしかして努なら1から作るのも...」

 

「マジでそれは無理。機械系に強いとは言ったけどそれは治す事ができるだけであって工業系ではない。俺は戦闘専門で後は覚えた勉強を教えることぐらい」

 

それでも凄いんじゃと言われたが戦闘なんてただの暴力だ。酷いことに変わりはない

 

「後は俺が手を出したらダメだな。簪が始めたことだ。仕上げに入るからそこは簪がやんなきゃ」

 

「う、うん」

 

「しかし追加でなんかつけるとしたら何がいいと思う?本音?」

 

「うーん...パイルバンカーはあるからねぇ...やっぱりまだ貫通力?」

 

「じゃあ男ならドリルだろ」

 

「私男じゃない」

 

そうしてできあがったのが打鉄弐式である... 打鉄弐式!?

 

「え!?打鉄なの!?」

 

「そうだけど?」

 

「俺の貸し出されてるのも打鉄...」

 

「かんちゃん...これはラブラブ...」

 

「本音、今度ご飯抜きって言っとくね」

 

「ごめん!?」

 

食堂の時から思ってたが本音となんか...あぁ、多分更識の家のなんか近しい人か、俺の家にもいたけど俺の事で逃げてったな。悪いことしたなぁ

 

「アリーナ、俺と...その、織斑一夏に貸し出しが出てるんだが...どうする?打鉄弎式確認のために行くか?」

 

「ボコリに行く」

 

こんな女の子だったかなぁ...まぁいいや。明日は一夏の剣技見るためにボコられてもらうか

 

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