推しの飯/絶望の未来から転生した戦士   作:Miurand

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 思ったよりもフリーザ戦が長引いてしまった……。今回は異常にモチベが出たのと、時間ができた関係で、一応3話分できております。残り2話は見直した後に投稿する予定です。要は3日連続投稿ってやつです。(実際にできるかはまだ未確定)
 ということで、フリーザ戦は前中後編でお送りいたします。



第十五話 決戦(前編)

カカロットの掛け声で飛び出したのは、本人とエメのみ。ラディッツとナッパはその場で動くことはない。

 

「……?」

 

何故か全員で向かってこないことに疑問を持ちつつも、フリーザはこの遊びを楽しむことにした。カカロットは下級戦士でありながら、異常な強さを持つ戦士。エメもまた、無名に近い星から突然出てきた強戦士。少しでも戦闘好きの者ならば、興味深い存在であることに変わりはない。

 

「だあッ!!」

「らぁっ!!!」

 

左右に分かれて攻撃を仕掛けるが、フリーザはそれぞれ片手で受け止めた。エメは気弾を敢えて外し、フリーザが立つすぐ近くに着弾させる。

 

フリーザが気という概念を知らないのは共有済みだ。スカウターなしでは、目視でしか自分達の居場所を察知することはできない。これを利用して、視界を遮る為に煙を起こしたのだ。

 

「おらぁ!!!」

 

カカロットはそのまま真っ直ぐ突っ込んできた。どんな状況だろうと、そんなの関係ないと言わんばかりに強気で突っ込むその姿勢は、どこか昔のサイヤ人を思い出す。

 

「……(まさか)」

 

この時、フリーザは思い出した。惑星ベジータを壊そうとしたあの日、たった1人のサイヤ人が自分に向かってきたことを。兵士をけしかけても、それを薙ぎ倒して目の前までやってきたやつのことを。結局、自身のスーパーノヴァに敗れたが、あのサイヤ人だけは印象に残っていた。

 

後で部下から聞いた話では、名はバーダック。下級戦士にして、戦闘力1万という異例の逸材だったらしい。

 

なるほど。道理でカカロットが強くなるわけだ。もう少しカカロットの経歴についても詳しく調べておけばよかったと、フリーザは後悔とまではいかないものの、考えてはいた。

 

ガッ!!!!

 

カカロットの拳を受け止めたフリーザは反撃するために拳を握る。カカロットもまたそれに対応すべく動きを取る。

 

「……!!!!」

 

だが、後ろからエメが迫っていた。剣のような武器を手にして。しかもただの剣ではない。光るエネルギーのような見た目をしている。

 

恐らく、エネルギー弾の応用で、その形を剣のようなものに固定したものだろうとフリーザは推測した。目からビームのようなものを放つと同時に、カカロットを尻尾で叩きつけて引き剥がした。

 

「はっ!!!」

 

エメは剣型の気を振り回し、ビームを分断した。

 

「なに……!!?」

 

フリーザァアアアアッッ!!!!

 

フリーザはエメの覚悟を侮っていた。ベジータやカカロットのように戦いを楽しむ性質は、()()には存在しない。全ては大切なものを守る為。平和な世界を獲得するため。

 

何より、悟飯(エメラルド)は戦いが嫌いだ。それ故に、フリーザを殺す(最速で戦いを終わらせる)ことしか考えていなかった。

 

「チッ……!!」

 

「ごあっ……!!?」

 

フリーザの眼前にまで剣が迫った時、フリーザの腕が光ると同時に強く振るわれた。その威力によって、エメは少し後退した。フリーザが腕を振るった後には、地面を抉る光線のようなものが放出されたようで、後ろにあった高速ビルは縦に一刀両断されていた。

 

ちなみに、悟飯のこの剣型の気の塊は、狭間の世界で悟空に教わった気円斬を応用して作ったもの。カカロット達との修行とはまた別に並行して行っていた自主修行で得たものだ。

 

即ち、どんなものでも切り裂くことのできる最強の剣だった。フリーザが吹き飛ばす選択肢を取ったのは、本能的に危険を感じたからかもしれない。

 

「サイヤ人の仲間だから勝手に勘違いしていたが、君だけは違うようだ。先に君を殺すことにするよ」

 

遊んでいては危ない。その直感に従うことにしたフリーザは、ターゲットをエメに絞ることにした。

 

エメはフリーザの猛攻に備えて構えを取るが、横からスピリッツキャノンと思わしき気弾が飛んできた。

 

「ちっ……!!」

 

フリーザはそれをエメの方向へ弾き飛ばしたが、刀身に切り刻まれたキャノンは両断されて、エメの少し後ろで爆発した。

 

「おいおい。俺のことは無視かよ。まさか、ビビってんじゃねえだろうな?」

 

「猿がデカい口を……、!!!?」

 

直後、フリーザの周りで大爆発が発生した。

 

「やったぜ!!」

 

その爆発は、ナッパの仕業によるもの。元々は広範囲攻撃を目的とする技で、主に雑魚敵の一掃や、建物の破壊を主な目的としていたが、気のコントロールを覚えたことにより、それを凝縮して高出力を叩き出せる技へと変貌したのだ。

 

「ぐあっ……!!!?」

 

流石のフリーザでも痛みを感じたのか、少し反応を見せる。それを見たカカロットは畳み掛けるように気弾を連射する。

 

エメは再度剣に気を補充し、フリーザにトドメを刺す準備が完了した。

 

そこに躊躇は1ミリも存在しない。カカロットやベジータは、前世のことがあるから多少の躊躇が生まれたが、フリーザは寧ろその逆。

 

存在することすら許さないと言った剣幕で、声を発することなく静かに、しかし急速に接近し、背後を取った。

 

「……!!!?」

 

フリーザはその目を見て戦慄する。単純な戦闘力で言えば、自分の方が上。手加減していることを加味しても負けるはずがない。

 

そのはずだが、目の前の子供に対しては命の危機を感じる。それが恐怖によるものなのか、異常性によるものなのか、はたまた自分の正体を気持ち悪いほど知っているからなのかは定かではない。

 

カカロットは復讐を目的としているものの、結局はサイヤ人。やはり戦いが始まると楽しんでしまう。しかしこいつはどうだ?まるで獲物を仕留めることしか考えていないような目だ。サイヤ人達も少なからず自分に対して殺意はあるが。

 

こいつだけは桁違い。並大抵ならぬ殺意を感じる。

 

「はっ!!!!」

 

フリーザは気弾を発射するが、エメはそれを切って対処する。ちょっとやそっとじゃ、動きを止めることはできない。

 

「調子に乗るなよ……!地球人ッ!!」

 

剣で対処するなら、それすらも困難な攻撃をすればいい。そう考えたフリーザは、少しエネルギーを貯めて、エメに放った。

 

「くたばれッ!!!!」

 

「……!!」

 

至近距離巨大なエネルギーを放たれたため、避けることは困難。なら受け止めるか?それも難しいだろう。

 

「はがっ……!!」

 

エメは避けきることを諦め、直撃を避けることに専念した。その結果、片腕に擦り傷を負ったが、フリーザが放った攻撃の威力の高さを考えれば、実質無傷も同然だった。

 

「ちっ。あの距離で避けるか……!」

 

「(今のは危なかった……!!)」

 

エメは多少の傷を負ってでも避けることができてひと安心する。しかし、フリーザを仕留める機会を失ってしまった。フリーザは自分に対しては強い警戒心を持っている。もう隙を見せてくれることはなさそうだ。

 

ならば、こちらから隙を作るまで追い詰めるしかない。

 

「……あれは…!!」

 

少し遠くで浮かび上がったのは、パワーボール。ナッパが生成したもののようだ。今日は満月の日ではないため、月を見て大猿に変身することはできなくても、自身で作れば、多少パワーは落ちてしまうものの、戦闘力の飛躍的な向上が見込める。

 

「弾けて、混ざれッ!!!!」

 

パワーボールが爆せると同時に強い光が発生する。その直前にラディッツは目を瞑った。理性を失っては足を引っ張ってしまうから。

 

フリーザは大猿化する前にナッパを仕留めようとするが、カカロットとエメに妨害される。特に、エメは自分を殺すこと最優先で行動してくるためタチが悪い。結局はナッパに変身を許してしまった。

 

グォォオオオオオッッ!!!!覚悟しろよフリーザッ!!!!

 

ナッパはラディッツに配慮して人工の月を破壊した。パワーボールによって大猿化した場合は、しばらく効果が持続するので問題はない。

 

「ナッパ、背後は任せろ!」

 

そして、ラディッツはナッパの尻尾を護衛する役を担う。これも事前の作戦会議で既に決められたものだった。大猿になれば、弱点である尻尾を狙ってくるのは想像に容易い。だから護衛をつけるべきだという結論に至った。

 

「……?」

 

だが、ここでカカロットは不思議に思う。ベジータも大猿になったのは、この目で確認している。しかし、一向に動こうとしない。

 

「おいおいおい。まさかあいつ……?」

 

もしやフリーザにコテンパにされて、完全に参ってしまったのか?あのベジータが?プライドの高い奴が?いや、高いからこそなのか?カカロットは色々原因を考えるも、この作戦の肝となるベジータが動いてくれなければ意味がないと判断し、急遽ベジータの元へ向かうことにした。

 

「小僧。スピードはそっちに任せた。手筈通り、パワーはナッパに任せろ」

 

「了解っ!!」

 

エメの返事を聞く前にカカロットは飛び去った。それを横目で確認したエメは、その眼光をフリーザに向ける。

 

一方で、フリーザの背後にはナッパが陣取り、その少し後ろに尻尾を守る為に付き添っているラディッツがいる。

 

「なるほど。ラディッツは大猿にせずに護衛に回したか。なかなか賢いじゃないか。これも君が提案したのかい?」

 

エメはフリーザに対する返事をすることなく、その場でフリーザを睨みつけている。

 

「……界王拳、10倍ッ!!」

 

突然、エメの身体に赤い炎のようなオーラが纏われる。その倍率はいきなり10倍だ。以前は気の制御技術の関係で、戦闘力にしてはそこまで倍率を引き上げることはできなかった。

 

しかし、気の精密な制御を要求される気円斬を、更に応用して武器として扱えるようになっている時点で、エメの技術は比較するまでもなく向上していた。これが大人、もしくはサイヤ人の身体ならば、20倍でも大した反動もなく扱えていただろう。

 

「なんだそれは……?地球人特有の変身か……?」

 

気を認識できないフリーザにとっては、謎のオーラを纏ったようにしか見えない。だが、気を認識できる他4名は、その凄さを一瞬にして理解した。

 

「う、嘘だろ……!?」

 

「大猿になったナッパやベジータよりも上かもしれん……!!」

 

ただ、一つのデメリットがあるとすれば、界王拳と気円斬の剣を同時に扱えないことだ。流石にそこまでの境地には辿りついていないようだ。

 

だが、どうせ隙を見せてくれないのならば、一気に畳み掛けるしかない。そう考えた悟飯は、界王拳で一気に追い詰めることを試みる。

 

 

 

 

「う、嘘……。ねえお兄ちゃん。あれって……」

 

「あ、ああ……。大きな猿……だよな?」

 

一方で、少し離れた場所でじっとしていたアクア達は、ナッパとベジータが大猿になるところをしっかり目撃してしまった。

 

「どういうことなの!?大猿ってエメの敵じゃなかったの!?!?なんであの人達が!!?」

 

「俺に聞かれても……」

 

エメは大猿の暴れている場所に突っ込んで怪我した。これが周知の事実だったが、エメは大猿のことを敵だと明言したことはない。大猿が現れたことによって混乱を招いていた。

 

「エメ、すごい……」

 

しかし、一番動じるはずのアイが、エメに釘付けになっていた。自分の子供だと言われても、お腹を痛めて産んだ子だとしても、自分の子供であることが嘘のようだ。

 

当たり前のように空を飛ぶし、ビームのようなものも出す。音速は軽く超えるであろうスピード。そして、剣のようなものを自ら作り出す。どれも人間離れした技だ。

 

何よりも、少しでも間違えれば命を落としそうな過酷な戦いに、恐怖を感じていなさそうなところ。まだ一桁しか生きていないというのに、あまりにも肝が据わっている。

 

「……もしかして、本当の神はエメさん…?」

 

そんな状況だからか、ミヤコはエメのことを本当に神の生まれ変わりなのではないかと勘繰ってしまう。

 

 

 

「おいベジータ。どうしたんだ?何故こっちに来ない?」

 

大猿と化したベジータに声をかけるカカロット。しかし、ベジータの返事はない。ただのしかばね……、なわけがない。死んでいるならそもそも大猿にはならない。気絶していても同様だ。

 

「ベジータ王子ともあろうものが、フリーザにビビっているのか?あそこでラディッツも戦っているのが見えねえのか?」

 

「…………」

 

「あいつは確かに弱虫だった。だが今はどうだ?お前が叩きのめされたのを見ても尚、戦うことを諦めていない」

 

「…………」

 

「逆にお前はどうだ?せっかく変身したってのに、未だにここで腐っている。これじゃどっちが弱虫か分からねえな」

 

カカロットが煽るようにベジータを貶し始めた。よほど参っていない限りはこれで気力を取り戻すはずだと考えていたが、ベジータの反応が悪い。

 

「(ベジータの野朗。さっきのが相当応えたようだな……。チッ)」

 

「まだ力を出し切る前にそんな様になるとはな。お前には失望したぜ。サイヤ人の面汚しが……」

 

カカロットはベジータをライバル視はしていたが、尊敬もしていた。彼の生まれ持った戦闘センスだけでなく、影で自己研鑽していたのも知っている。カカロットは基本的にエリートと呼ばれる部類が嫌いだが、ベジータはそれに当てはまらなかった。

 

いつかはベジータを追い越してやる。そんな心意気で毎日自分を鍛えていた。

 

それなのに、ちょっと痛めつけられた程度で戦意を失ってしまった。フリーザの潜在パワーを知ってしまったのかもしれない。実際に戦った者にしか分からない恐怖があるのかもしれない。

 

だが、それを考慮したとしても、戦闘民族サイヤ人としては、諦めが早すぎるようにも見えた。

 

「……貴様、今なんと言った?」

 

ようやくベジータが口を開いた。してやったりと言わんばかりのニヤッとした表情を浮かべ、カカロットはこう繰り返す。

 

「てめぇには失望したって言ってんだよ。ヘタレ王子が」

 

その言葉によって、戦闘民族サイヤ人の王子、ベジータ4世が再び戦意を取り戻すことになった。

 

「……勘違いしてもらっちゃ困る。少し休憩していただけだ」

 

「ほう?じゃあもう休憩は終わりだ。さっさとするぞ」

 

ベジータの顔を立てるために、敢えてカカロットは納得するような素振りを見せて、戦場に行くように促す。だが……。

 

ドォオオオオオオンッ!!!!

 

「グォ……!!?」

 

「な、ナッパ!?」

 

巨体となったナッパを、フリーザは軽々と投げ飛ばした。そして人差し指を向けて……。

 

「別に尻尾を切る必要はないよ。そのまま殺せばいいんだから」

 

指から、デスビームを放つ。

 

一度や二度ではない。マシンガン、ガトリング。そんな言葉が似合いそうなほど、フリーザはデスビームを連射する。ナッパに当たる度に爆発を起こし、肥大化した戦闘服がボロボロになっていく。

 

しかし、今はナッパを倒すのに夢中になっている。この好機を逃す手はない。ラディッツとエメはフリーザの背後から攻撃を仕掛けようとするが…。

 

「キエッ!!!」

 

「ごほっ……!!」

 

エメはギリギリ避けることができたが、ラディッツは回し蹴りをモロに喰らうことになった。すかさずデスビームで追い打ちをかけた。ラディッツに避ける余裕などなく、直撃してしまう。

 

大猿となってパワーアップしているナッパが喰らう分にはまだいいが、大猿になっていないラディッツが喰らえばただでは済まない。恐らく大ダメージは免れないだろう。

 

「ら、ラディッツ!!!!」

 

「まずは一匹目……」

 

気を確認すれば、死んでいないことは分かるが、死にかけの状態。フリーザはラディッツに興味がないといった様子で、ターゲットをナッパに絞る。

 

「(しまった…!まさかフリーザがこんなに早く本気を出してくるとは…!!)」

 

フリーザの判断の早さは想定外だった。フリーザが遊んでいるうちに一気に決めてしまおうと考えていたのだが、それが逆に仇となっていることに、悟飯は気づいていない。

 

エメがフリーザを仕留めようとするから、命の危機を感じさせるほどに殺すことしか考えていないからこそ、結果的にフリーザに本気を出させることとなってしまった。

 

エメも戦いを楽しむ演技をするべきだったのだが、彼にそんな余裕はなかった。

 

「くそっ!!」

 

界王拳を維持しつつ、半ば突進するかのような姿勢でフリーザに突っ込む。だが、先程にも述べた通り、フリーザは特にエメに対して警戒している。故に、エメの接近に気づかないはずがなかった。

 

「ふんっ!」

 

フリーザは頭を叩き割るつもりで拳を突き出したが、エメには当たらなかった。当てたと思っていたものは残像だった。

 

波ぁああああああッッ!!!!

 

「なっ……!!?」

 

真上に回り込んだエメは、界王拳によって強化されたかめはめ波をフリーザに放つ。蒼白の光に成す術もなく飲み込まれた。

 

ちなみに、かめはめ波を放つ直前、エメは一瞬だけ界王拳の倍率を2()0()()にまで高めた。そのため、いくら最終形態のフリーザであろうと、ただでは済まされないだろう。だが、これでも死なないのは分かりきっている。元気玉を喰らってもなお生き残っていたやつだ。この程度で死んでくれれば、どれほど楽なことだろうか。

 

「おいおいおい!!」

 

だが、そんなとんでもない威力を持ったエネルギーを真上から放つということは、フリーザを通り越せばその先にあるのは地面。

 

「あいつもなかなかぶっ飛んでんな!!?」

 

直後、大爆発が起こった。最早この周囲はベジータとフリーザが戦ったことによって、人が住めるような状態ではなかった。だからだろう。エメは割り切ってフリーザを仕留めることを優先したようだ。

 

「くっ……!あぁッ……」

 

だが、一瞬だけとはいえ、許容以上の倍率で使用してしまうと、身体に凄まじい痛みが襲いかかる。だが、こんな痛みなど今まで何度も経験しているし、一度死んだことだってあるのだ。その程度で戦うことを諦めたりはしない。

 

「……」

 

「しまっ……」

 

だが、いくら気持ちを保とうとも、パフォーマンスは落ちてしまうもの。フリーザの接近に気付くのに一瞬遅れてしまった。この一瞬が命取りとなる。

 

「……!!」

 

「ぐあっ……!!」

 

頭突きをされた。それだけなのだが、界王拳の反動と合わさり、その痛みは尋常ではないものになった。

 

「ちょっと痛かったよ。なかなかやるじゃないか」

 

言葉だけなら褒めているように聞こえるが、その表情は怒りに満ちていた。少し傷もついていることから、そこそこ効いたようだ。

 

ガシッと頭を掴まれ、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「ガァッ……!!」

 

頭を離して、少し浮上したフリーザは両手からエネルギー弾を放つ。1発や2発ではない。何発も八つ当たりするようにエメに向かって放つ。1発目が放たれた瞬間から避けようと試みるも、痛みがそうはさせてくれない。それでも身体を動かすが、1発目の爆風でバランスを崩す。2発目以降は、なす術もなく当たるだけ。

 

「くっ……!!」

 

だが、エメもただ黙って食らっているわけではない。気をバリアのように張り巡らして、ダメージを極力抑えてやり過ごそうとしている。

 

「なかなかしぶとい小僧だ。だがそろそろ終わりだ」

 

苛立ちを見せつつ、フリーザは指を天に向ける。すると、その人差し指の先端に、何やら禍々しい見た目をした球体が現れた。

 

その正体は、デスボールと呼ばれるもの。フリーザの有り余るパワーを凝縮した技だ。この球体には、惑星を簡単に破壊できるほどの力が込められている。それをたった1人の人間に向けて放とうとしているのだから、エメをどれほど危険視しているのかがよく分かる。

 

「結局最期まで名前は聞けなかったね。死ね、地球人」

 

フリーザがデスボールを放とうとした、まさにその時。

 

「ぐぬっ…!!?うぁあああああッッ!!!!?」

 

巨大なビームのようなものに巻き込まれた。そのビームの色は紫色が少し入った白。見た目で言えば、殆どかめはめ波のようなものだった。

 

「俺様はまだ死んでないぜ?フリーザ」

 

そう。フリーザに命中したものは、大猿となったベジータが放ったギャリック砲だった。

 




カカロット「復讐もいいが、やっぱ強えやつと戦うとワクワクするな」
ナッパ「フリーザを倒す絶好のチャンスだぜ!」
ラディッツ「戦わなければ生き残れない……」
エメ「初手気円斬で殺そうとしました」←1人だけ殺意が段違いな件

今回はエメの殺意の強さ……もとい、容赦のなさを表現。いきなり気円斬(の応用技)で切りかかるのは控えめに言ってかなり恐怖を感じる。え?セルの気円斬?アニオリなんて知りませんねぇ。気円斬はなんでも切れるってお爺ちゃんが言ってた。

まあ、大猿になったところで最終形態のフリーザには敵わないんですよねぇ。20倍界王拳でも無理なんだもん。改めてよく悟空は倒せたなと思います。

キャプション(前書き)にも載せた通り、できれば3日連続投稿をしたい。その後の推しの子メインパートでは、ちょっとした戦闘はあっても、ここまで大規模な戦闘はもう起こしたくない()。やるなら番外編やIFでやります。
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