推しの飯/絶望の未来から転生した戦士   作:Miurand

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 今回は10秒で泣け…ゲフンゲフン!重曹を舐める天才子役初登場だよ!



第三話 悟飯は三つ子の理性担当

あのミニライブから約1年。3人は立ったり喋ったりしても違和感がない程度には成長した。その為、変に取り繕う必要がなくなった。ルビーは子供というアドバンテージを活かして全力でアイに甘え、それを呆れるようにアクアが見ている。一方で、悟飯は微笑んで見守っている。

 

「はぁ…!極楽浄土〜…!!」

 

「……そんな難しい言葉、どこで覚えたの…?もしかして……」

 

「あーっ!ほらあれだよ!最近You⚪︎ubeでそういう動画見たからさ!」

 

「へー!今の時代って動画サイトでも勉強できるんだね〜」

 

時々怪しまれることはあったが、悟飯のフォローや、アイの楽観的な思考も相まって、3人が転生者であることは今日までバレずに済んでいる。

 

あのミニライブで本心から出た笑顔を見せたことにより、アイは何かコツを掴んだようで、モデルにラジオアシスタントと着実に仕事を増やし、今日はドラマのちょい役に出演するとのこと。当然のように3人も同行していた。

 

「いいですか2()()とも。どうしてもと言うから連れて行きますが、アイさんのこと、ママなんて絶対に呼ばないでくださいね…!私の子供という設定をお忘れなく…!」

 

「はいはいママママなでなでして〜」

 

「私もしてママ〜!」

 

「ママ〜お小遣いちょうだい」

 

アクアとルビーは明らかにテンション低めで、アイは悪ノリで若干テンション高めで返事をする。

 

「……というか、なんで2人だけなの?エメだってママの子供だよ?」

 

「エメさんは信頼してるので」

 

悟飯は日頃の行いが良かったのか、圧倒的な信頼を勝ち得ている。ちなみに本人は狙って行動したわけではない。あくまで前世からの普段通り行動したに過ぎない。

 

「なあエメ。お前ミヤコさんにいくら渡したんだ?」

 

「イケメン俳優でも紹介したの?」

 

「多分そういうところだと思うよ…?」

 

「エメはいい子だね〜、よしよし」

 

「あっ、エメずるーい!ママ!私も私も!!」

 

今日も星野家は騒がしい。

 

 

 

そんな騒がしいドライブは終わり現場に到着。今日の撮影は学校の教室を借りて行うもののようだ。

 

「苺プロのアイです。よろしくお願いします!」

 

挨拶するなり、監督と思われる男性が近づき、アイを観察するようにジッと見つめる。すると今度はアクア達3人の子供の存在に気がついた。

 

「……ん?なんだこの子供…?」

 

「あっ、私の子供達なんです!」

 

子供達がボロを出す前にミヤコが先手を打った。

 

「マネージャーが子連れで現場にねぇ……」

 

少し怪訝な素振りを見せながらそう呟いた。その様子を見て、悟飯は子供が現場に迷惑をかけることを危惧しているのではないか?という考えに至った。

 

「あっ、ご安心ください。僕達はまだ幼い身ですけど、場はちゃんと弁えるので」

 

「……はっ?」

 

あれ?なんかおかしいことを言ったかな?悟飯はそう考える。子供が流暢にここまで、しかもちゃんと敬語で話せることは中々ないのだが、悟飯は前世のうちから4,5歳の時点でしっかり敬語を扱えていた。これはピッコロによる地獄の特訓の副産物でもある。

 

ただ、それが影響し、子供が丁寧な口調で話してもおかしくないと、悟飯の認識ではそうなっていたのだ。

 

「……お前、いくつだ?」

 

「1歳ですけど……」

 

1歳!?まだ喋り出したくらいだろ!?なんでそんな流暢に喋れる!?

 

「ミヤ……お母さんの教育の賜物です!」

 

すげぇな苺プロのマネージャー!!

 

さりげなく苺プロのスタッフの株も上げておいた。ちなみにこれも意識しての発言ではない。自然と出た言葉だった。こんなことをするものだから、三つ子の中でもミヤコからの好感度は群を抜いて高かった。

 

 

 

3人は控え室で大人達に可愛がられていた。ルビーとアクアはまだそんなに喋ってないので普通の子供として認識されているが、エメに関しては先程の件があり、少々奇異的な目で見られていた。だが、それもほんの少しの間。

 

「エメ君、これも食べてみる?」

 

「えっ?いいんですか?いただきます!」

 

腹の虫が鳴ったことにより急に可愛く見え、絶賛餌付けされているところである。

 

小さな口で一生懸命食べるその仕草だけでも得られる栄養でもあるらしく、もらう時の笑顔の効果もあり、出演者やスタッフ達は次々と食べ物を渡す。

 

「よく食べるね〜。将来はきっと大きくなれるよ!」

 

「アクア君も食べる?」

 

「いや、()は……」

 

「ルビーちゃんも食べる?」

 

「ばぶ〜♪」

 

なお、ルビーだけは可愛こぶっていた。エメとアクアは喋れるのに、ルビーだけ喋れないのはそれはそれで違和感がある。

 

なお、アクアはトイレに行くと嘘をついてこの場を抜け出した。エメは相変わらずお菓子を食べている。ルビーは普通に可愛がられている。その間にアクアも早熟であることを見破られ、監督に興味を持たれるのは別のお話。

 

 

 

「しまった〜……。つい食べ過ぎちゃったぁ……」

 

少し満腹感を感じる。どうやら食べすぎてしまったらしい。前世の時ほど胃に入らないことを偶に忘れてしまうことがあるが、サイヤ人の胃を今更ながら不思議に思った。胃の大きさ自体は大差ないはずだが、何故あんなに入ったのだろうか?

 

「あれ?アクア?こんなところで何してるの?」

 

「ああ、ちょっと監督と話してて」

 

「おっ、早熟真面目ボーイじゃねえか」

 

「なんですかその名前……」

 

エメはいつの間にか変な渾名を名付けられていた。

 

「どうだ?お前は芸能界に興味はないか?」

 

「……えっ?芸能界?どうして…?」

 

エメは名刺を渡された理由が分からなかった。自分にとっては、幼少期から丁寧に話せるのは普通のこと。保育園や幼稚園に行ってないから、他の同年代の子供を見ることはなかった。大人になってから子供は沢山見てきたものの、皆人造人間に怯えていて、パニックになれば大人も子供も大差なかった。故に、子供に対する認識が微妙にズレていた。

 

「お前、自分が早熟だってことを自覚してないのか。こいつは面白い」

 

「そうじゅく…?早いうちに熟しているっていうことですよね?いや、この場合は大人びているってことか…?」

 

「ああ。つか、その年で理解してる時点で早熟としては合格点だろ」

 

「別にみんなこんな感じだと思いますけど……」

 

「それは絶対にない」

 

アクアもマジかこいつ、という目で悟飯を見ている。

 

「で、話を戻すが、早熟(アクア)やお前みたいにこんな幼いうちからしっかりしてるやつは中々いない。お前らは画面に新鮮さを引き出してくれる。それだけでも価値があるってもんだ。どうだ?」

 

「いや、()は、演技とかそういうのは苦手でして…。仕事を振るならそれこそアイさんに……」

 

「お前ら兄弟揃って同じことを言うのな。早熟には既に説明したが、アイは顔が抜群にいいが、運が良くなきゃ生き残れないだろうな」

 

「ああ、確かに顔だけ良くても、演技ができなきゃ意味ないですもんね」

 

「お前やっぱり赤ん坊じゃねえだろ。今流行りの人生2周目ってやつか?」

 

「……!」

 

五反田監督は適当に言っただけだ。しかし悟飯にとっては図星だった。普通に流せばいいのだが……。

 

「そ、そそ、そんなわけないじゃないですか〜?転生?生まれ変わり?そんなの非現実的ですよ!科学的根拠がどこにもありません!」

 

「(それ逆にバレるだろ!?)」

 

「なに動揺してんだ?」

 

ここに来てふざけているのか?もしやここで動揺するふりを見せれば自分が騙されると思っているのか?子供なのか子供じゃないのかよく分からないな、と五反田監督は内心呟いた。

 

「まあ、確かに演技もできなきゃダメだが、それだけじゃダメだ。スタッフ達にコイツは使えるって思わせなきゃいけねえし、実力は伴っていても現場から嫌われればあっという間に仕事は減る。そう単純な世界じゃないんだよ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

まだ断片的な情報しか聞いていないが、やはり自分は芸能界にはとことん向いてないなと率直に思った。

 

「この世界で生き残るのは何かしらの一流だけだ」

 

「ならアイは大丈夫だよ。アイドル(噓つき)として一流だから」

 

「いや、アイドルとして一流でも意味ないだろ」

 

そこで雑談は一度途絶える。撮影が始まったのだ。アイは主人公の友人役として出演している。脇役とはいえ、そこそこ出番のある役と言っていいだろう。

 

悟飯は前世も含めてテレビ自体を見ることが殆どなかった。それ故に、アイが役者としてどれほどのレベルなのかは測ることはできない。しかし、アイドルとしてステージの上に立つ時同様、目に惹かれるものが確実にあった。

 

監督も似たようなことを感じたようで、感想を溢していた。それにアクアが反応し、アイがMV感覚でやれば問題ないと発言していたことを伝える。

 

アイはアイドルとしての経歴はそこそこだが、役者としてはまだまだひよっこ。とはいえ、"良く魅せる"のはステージの上でも毎回やることなので、得意分野だった。演技は並でも、良く魅せれば何も問題ない。

 

「MV感覚かよ……。時代だな……」

 

あっ…!めっちゃ出来いいから絶対見た方がいいよ!!なんならDVD貸すから!!

 

「アクア、声が大きいよ。撮影に支障が出ちゃうって」

 

「なんだこいつ。やけに熱が入ってるな」

 

「アクアは筋金入りのファンですからね、はは……。ちなみにルビーはもっと凄いですよ、ええ……」

 

「1歳児でドルオタかよ。これは……環境のせいか?」

 

 

 

 

 

数日後。アイが出演するドラマが放送するということで、家族4人でテレビ前で待機していた。

 

「ママの演技楽しみだね!」

 

「結構撮ったからね〜」

 

悟飯も顔には出さなかったが、身内がテレビに出るのは新鮮な気分だった。現場で実際に演技しているところを見たが、映像としてはどう映るのか、少し興味があった。

 

「あっ、ママだ!」

 

アイが主人公役の女優に挨拶をしたところで、アイの出番は終わっていた。

 

「ええ!!?なんであれだけしか出てないの〜!!?」

 

「おかしいだろ!!なんであのシーンを使ってないんだよ!!」

 

ルビーとアクアは無茶苦茶荒れていた。推しの出番が不自然なほどに少ないのだから当然と言えば当然かもしれない。一方で、悟飯は冷静に分析していた。

 

「私の演技、ダメだったのかなぁ…」

 

「そんなことないよ!ママの演技すっごく良かったもん!!」

 

「ありがと、ルビー」

 

アイは、ルビーが自分を励ましてくれていると思い頭を撫でてあげる。しかしあの言葉はルビーの本心から出た言葉である。実際、アイの演技は監督も評価するほどだった。

 

……そっか。目立ち過ぎたんだ

 

「えっ?何エメ!?どういうこと!?」

 

悟飯の呟きにルビーが過剰に反応する。目立ち過ぎて何が悪い?寧ろもっと目立ってもいいんだぞと言いたげだ。

 

「監督から聞いたんだけど、この主人公役の人は可愛すぎる演技派女優として売りに出されているらしいんだ。そんな人が主役を努めているのに、脇役でそれよりも可愛い人が出てきたら……売りに出している事務所はどう思うかな…?」

 

「なるほど〜。悪いどころか寧ろ良過ぎたってこと?」

 

「そういうことになる……と思う」

 

「はっきりしないわね!?というか別に目立っても良くない?最近は主人公より人気が出ていて、活躍もしているキャラが出る漫画やアニメも沢山あるんだし!」

 

悟飯は芸能界に精通しているわけではないから、あくまで監督から聞いた情報を元にした推測だ。

 

「いや、B小町に当て嵌めて考えてみようよ。センターがもしも別の子だったとして、脇でお母さんが目立っていたら、どう思う…?」

 

「あっ……」

 

アイは不動のセンターだったが、逆に言えば、脇役をやったことが一度もないのだ。いくら良く魅せるのが得意だとしても、経験が全くない状態では適切な対応ができないのも仕方ないことだ。

 

これが、アイが主役のドラマだったならあの演技は最適解だった。しかし、今回は脇役。主役の人を引き立てる演技をした方が良かったのだ。

 

「それは盲点だったな〜。そんなことに気づいちゃうなんて、エメは着眼点がすごいね。流石私の子!」

 

そう言ってアイはエメの頭を撫でる。アイは何かと子供が良くできたと少しでも感じれば、こうして頭を撫でる。赤ん坊を一年もやってきたためか、はたまた精神が肉体に引っ張られているからかは不明だが、嫌な気分ではなかった。寧ろ心地よかった。

 

「あっ、エメまたずるい!!ママ!!私も!!」

 

「ルビーもさっきはありがとね〜!よしよし!」

 

「えへへ〜」

 

ルビーは推しに撫でられてすっかり上機嫌になった。良くも悪くも単純である。一方で、アクアがいなくなったことに気づいた悟飯は彼を探そうとした時、寝室からアクアが出てくるのを見た。

 

「アクア、何してたの?」

 

「ちょっと監督に抗議をしてた」

 

「アクア………」

 

「仕方ないだろ!アイの演技はすごかったのに、あれだけしか使われなかったんだから!」

 

悟飯はこの1年間でアイを母親として見るようになり、家族として一定の信頼を置いていた。だが推しでもなければファンでもない。あくまで家族だ。故に、ファンの2人とは違って冷静にアイに関する物事を分析できるのだ。

 

何が言いたいかと言うと、悟飯に限ってはアイのことで過剰に反応するようなことはないということだ。()()()()()()()()()()は。

 

「あまり監督に迷惑かけちゃダメだよ〜」

 

「それは分かってるけど………、アイを出演させてくれることになったんだから結果オーライだろ」

 

「……えっ?」

 

空耳か?いや、確かに聞いた。アイが出演できると。五反田監督に電話した後にそう言うのだから、間違いなく監督のツテだろう。

 

「一体どんな手を使ったのさ…?」

 

「取引だよ」

 

「取引…?もしかしてお金?うちにはまだそんなお金ないよ〜…」

 

アイはお金の心配をしているが、そうではないことがアクアの口から告げられた。

 

「いや、俺が交渉材料。つまり、俺が出る代わりにアイを出すって話だよ」

 

「えっ?アクアが…?普通はそうならないんじゃ…?」

 

「現になってるだろ」

 

「アクアすごーい!よしよし!」

 

「あ、アイ!」

 

「あ、お兄ちゃんずるい!ママ〜!」

 

今日も星野家は賑やかだ。

 

 

 

ということで、数日後。アクアは撮影地に赴いていた。ちなみにアイは別日に撮影なのでこちらには不在。悟飯とルビーも、子供だけで留守番させるわけにはいかないというミヤコの考えでこちらに来ていた。

 

「監督。本日はアクアがお世話になります…」

 

「いやいや。例の件、話は通ってるんだよな?」

 

「一応、アクアは今月から苺プロの所属になっております」

 

「……演技なら、うちの妹の方が上手いですよ?」

 

確かに、ルビーの方が演技自体は上手かった。悟飯もそれには同意する。

 

「いや、お前じゃなきゃダメだ。お前の出演と引き換えにアイを使う。これをこの業界ではバーターと呼ぶんだ。基本だから覚えておけ。早熟真面目ボーイもな」

 

「いや、だから僕は演技が苦手で……」

 

「食わず嫌いは早いうちに直した方がいいぜ?んじゃまた後で」

 

やったことあるからこその発言なんだけどなぁと呟いたが、監督の耳には届かなかった。ミヤコはアクアがバーターとなっていることに驚きを隠せない様子だったが、少しすると納得していた。

 

「アクアさん、随分気に入られているみたいですけど、一体何をしたんです?」

 

「別に大したことはしてないよ。ジジイは若者に砕けた態度を取られるのを何故か喜ぶ傾向にあるから、敢えて仰々しく接してないだけ」

 

「(すげぇ嫌な赤ん坊……)」

 

「アクア、ジジイなんて失礼でしょ。監督はまだまだ若いんだから。それに仮に歳を取ってたとしても、せめてお爺さんって言わないと…」

 

「最早エメさんがお兄さんでは…?」

 

 

 

 

場所は移って休憩室。起きたルビーが母親不在だということに気づき、ギャン泣きしている真っ最中。

 

「ママ〜!どこ〜!!ママのとこ帰りたい〜!!」

 

「ルビー、もうちょっとだから!夜になれば会えるから!」

 

「そんなに待てないよ〜!!!早く帰ってバブりたい!ママの胸でおぎゃりたいよぉ!!」

 

「やべぇなこの赤ん坊」

 

「ルビー…!頼むからもうちょっと大人しくして〜!」

 

最早厄介オタの片鱗を隠しきれてないどころか、隠す気もない我儘だ。

 

ダンッ!

 

突然何かを叩く音がした。振り返ってみると、そこには自分達と同じくらいであろう背丈の女の子がいた。ここにいるということは、恐らくは子役だろう。

 

「ここはプロの現場なんだけど!遊びに来てるんなら帰りなさい!」

 

「あっ、ご、ごめんなさい…!」

 

「えっと…?」

 

「有馬かな。この映画の女優よ」

 

「あっ、この子確かあれだよ。えっと、確か、……重曹を舐める天才子役?」

 

いつの間にか泣き止んだルビーが有馬を見るなり、そう発言する。この子はナチュラルにサイコが入ってるのではないかと思い始めた。悟飯がこんなことを考えるのかと言われれば、普段はそんなことはないのだが、肝臓発言を始めとした過去の発言を考えれば、仕方ないと言える。

 

「重曹って舐められるものなの…?確か10秒で泣ける天才子役ってテレビで紹介されていた子……だよね?」

 

「そうよ!ドラマでの泣きっぷりが凄いってみんな言ってるの!すごいんだから!」

 

自分のことを知っている子がいると知るなり、有馬は自信満々に自分のことについて話し始めた。

 

「私この子あんま好きじゃないのよね〜。なんか作り物っぽくて生理的に無理」

 

「なんでそんなに辛辣なの?」

 

「たまにいるんだよ。こいつみたいに子役に対して異様に厳しいやつ」

 

悟飯も今世ではテレビを見るようになった。そのお陰が、この世間のことは多少把握している。今どの俳優が活発に活動しているか、今の流行りは何か、世界の情勢はどうなっているか、などなど……。特に、世界の情勢に関しては目を光らせている。その理由は前世にあると言えば、説明は不要だろう。

 

つまり、悟飯は有馬のことも知っている。そしてすぐに涙を出せるのは素直に感心した。自分はそんな器用に涙を出すことなどできないから。

 

「というか、あなたコネの子でしょ?本の読みの段階じゃ、あなたやアイドルの子の出番もなかったのに、監督のゴリ押しだってママも言ってた。そういうのっていけないことなんだから!」

 

「いや、そう言われても監督が…」

 

この現場においては、五反田監督にキャスティング権がある。基本的には実力で役が決められるものだろうが、アクアとアイは今回に限っては特例と言えるだろう。有馬の言い分も分からなくはない。

 

「この間監督が撮ったドラマ見たけど、あのアイドル全然出番なかったじゃん」

 

「「はっ…?」」

 

「あっ……」

 

「どうせカットしなきゃいけないほど、下手(へった)くそな「わーっ!!」

 

「ちょ、何よ…!?」

 

有馬が言い切る前に悟飯が大声を出した。これ以上言わせると、後ろの2人が何をしでかすか分かったものではない。現にそれぞれ黒星を輝かせて妙な笑顔を見せている。

 

「取り敢えず、カットされたってことは、とてもじゃないけど人に見せらr「オレ、有馬さんの大ファンなんだよね〜!!オレって演技が苦手だからさ!すぐに涙を流せる君ってすごいなぁってずっと思ってたんだよ!!いやその演技が今日生で見られると思うと興奮するなぁ!!!!」

 

悟飯は最早ヤケクソになっていた。有馬がアイにダメ出しをする原因の8割は機嫌が悪いからに違いないと判断した悟飯は、とにかく機嫌が良くなりそうなことを言うことにした。

 

と言っても、悟飯の発言は別に嘘でもない。子役の演技を生で見てみたいと思っていたし、実際に子供でありながら既に一流の演技をしている有馬に感心していたのも事実だ。

 

「へ〜?ふーん?そう?なら目に焼き付けておくことね!特別に付いてきてもきてもいいわよ!ただし、撮影の邪魔はしないようにね!」

 

「や、やった〜!!」

 

何故だか間近で見ることも許可されてしまった。と言っても、監督の許可無しに勝手にそんなことをしてもいいのかどうかは微妙なところではあるが、取り敢えず2人と有馬を引き離すことが最優先事項だと判断した悟飯は、その話に乗ることにした。

 

「あっ、よければオレがカバン持とうか?」

 

「……ならお願いしようかしら?」

 

 

 

「「はっ…?」」

 

しかし、悟飯の行動は寧ろ逆効果となっていた。

 

「えっ?エメのやつ、何あのガキに媚び売ってんの?」

 

「落ち着けルビー。アイツはまだガキだ。それに、エメはガキが演技しているところに新鮮味を感じているだけだ」

 

「そうだよね〜。それはそれとして、どうする?殺る?」

 

「相手はガキだからな…。殺しはしない。それはそれとして、エメは後で尋問だな」

 

「賛成。誰が一番かってこと、分からせてあげないとね?

 

どうやら布教(教育)が足りなかったみたいだなぁ……

 

悲報。孫悟飯氏、今世で最大のピンチを迎える(かもしれない)。

 

 

 

「ところで、あんた名前は?」

 

「……星野(エメラルド)

 

「何そのキラキラした名前。外国人か何か?まあそんなことはどうでもいいわ。私のどこがいいの?やっぱり演技?それとも容姿もいいかしら?最近は服装にもちゃんと気を使ってるのよ?」

 

「あはは……」

 

ベタ褒めし過ぎたせいで、どうやら有馬に気に入られたようである。

 




『あれ?これひょっとしてエメかなルート突入した?』
 いいえ、そんなことはありません。ただ真正面から褒めてくれたから、惚れたというよりは懐いただけでやんす。いくらチョロインのイメージが先行しているかなちゃんでも、これくらいじゃあ攻略できませんがな。……ところで、お互いに付き合ってないし付き合う気もないけど、勘違いされるような関係ってよくないですか?(唐突)

 ちなみにですが、今作は戦闘は入るかどうかについてですが、まあ、残酷な描写タグを見て頂ければ…。とりあえず5話まではほぼ出来上がっているので、編集完了し次第投稿していく予定。

 またアンケート作った。今回はあかね。前回と同じ要領です。

黒川あかねはどうしたいかね?

  • アクあかだってのいい加減にしろ!
  • エメ(飯)あか…やってみっか?
  • 心配すんな。どっちでもなんとかなるさ!
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