皇帝陛下の弟   作:桜好き

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地味に書いてみたかった作品。

世界観しっかり反映してみたいからメカ設定資料集を購入


1945年〜1965年

 

1945年、7月8日。

 

この日、当時の皇帝陛下と皇后陛下の間に、第二子となる男児が誕生した。病気がちの父と違い、兄と同じ元気な男児であった。

 

そして一つだけ、この世界の人間とは違う物を持っていた。

 

これはそんな彼の生涯の話。

ーーー

 

1955年、7月6日。

 

この世に生まれて早10年。私が御所ですくすくと過ごしている間に、人類は宇宙に手を伸ばし、未知なる星々の探索に乗り出していた。

 

………あるぇ?なんでもう人類宇宙に行っているんだろうか?

 

「殿下?どうかなされましたか?」

 

「いえ、なんでもないです」

 

本当はなんでもあるのだが、その事を聞くことはしない。私が前世持ちの人間だなんて、誰も信じる訳が無いのだから。まぁそれに私自身、そこまで興味が無かったのもあるが。

 

「そうですか。それでは殿下、講義を再開致しましょう」

 

「はい」

 

そうして今日も、半ば退屈な歴史の講義を聴いていた。

 

ーーー

 

それから10年後の1965年。

 

私は20歳になった。そして半ば当然みたいに分家の創設と婚約者が三人出来た。

 

「いつひさしく、ごあいがんくだしゃ…くださいませ」

 

「でんかのおそばにはべること、おゆるしください」

 

「でんかにみもこころも、ささげます」

 

今私の目の前で三つ指ついて跪く三人がそうらしい。しかもこの中から1人を選ぶとかではなく、全員だ。しかもしかも五摂家の斑鳩に斉御司に九条の娘達、この話を持ってきた仲人は阿呆なのではなかろうか?

 

「どうだ、宗仁。良き女子であろう?」

 

…まぁ、その張本人たる仲人は兄帝なので、文句など言えようないけども。だがどの娘も5歳を下回るのはどうかと思う。もっとこう、近い年齢の娘はいなかったのか…。確かに可愛いしこの歳から刷り込ませた方が良いんだろうけど、前世で培った良心の呵責が…。

 

「む?どうした宗仁。気に入らぬか?」

 

「いえ、兄上。誠私には勿体無い婚約者達で御座います」

 

「ならば良い。お主には今後の日本帝国を支えて貰わなければならぬからな」

 

「兄上の為ならば、喜んで」

 

「うむ、期待しておるぞ。しからば、私はこれで失礼するとしよう」

 

そう言って兄上は部屋から護衛を伴って去っていった。

 

…あ、待って兄上!幼女三人置いてかないで!!

 

ーーー

 

そうしてなんやかんやあって三日後、実家の皇居にて正式に私は笠宮の宮号を賜り、同時に大勲位を叙された。

特に何もしていないのに、一気に偉くなってしまった気分だ。まぁ実際は、皇族にほぼ無条件でくっ付いてくる付属品みたいなもので、要は権威づけなんだけども。貰える物は貰っておこう精神だ。

 

それと、正式に分家の創設として私が初代笠宮となった事で、私の方にも予算やら武家の護衛やらが付くようになったらしい。内心ムキムキのおじさんやにいちゃんが沢山付くのかと思っていたが、渡された書類には、護衛の殆どが女性となっていた。後は私の護衛としてムキムキのおじさんが数人付く程度。後で聞いてみれば、どうやらあの幼女様達の侍女も兼ねるみたいで、この多さなのだとか。にしては五摂家の血縁者や譜代の武家ばかりな気もするが、まぁ気にしても仕方ない。

 

結構良い屋敷も貰えたし、後はもう慎ましく兄上の邪魔にならない程度に生を謳歌出来れば、何も文句はない。それに国家予算に比べれば雀の涙ですら無い程度の額ではあるが、収入源として予算も付く。これなら安泰だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな風に、思っていたんだけどなぁ…。

 

 





尚BETAが出る迄は早足。
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