月の少年と新緑のラルゴ   作:ゆるポメラ

1 / 8
ゆるポメラです。
また息抜きに書いてみました。
時系列は懐かしめですが、楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。


第0話 このままでいいのかな

スタジオ併設型ライブハウス『CiRCLE(サークル)』にて。

 

「ねえりんりん、ゆうりん、今度始まるゲームの話聞いた?」

「あの……来月開始予定の……?」

「…僕も一応、評判はネットニュースとかで……まぁ……」

 

ある日の練習終わり。宇田川(うだがわ)あこの言葉に、白金燐子(しろかねりんこ)水無月悠里(みなづきゆうり)が答える。

 

「そうそう! あこのフレンドさんも結構やる人が多いみたいなんだけど、りんりんとゆうりん的にはどうなのかなーって思って」

 

ちなみに現在進行形で話してるのはネットゲームの事で、今度始まる新しいゲームについてだ。

 

「わ……わたしは……あんまり……」

「僕も……正直ちょっと……」

「そっかー。そういえばりんりんとゆうりん、今やってるゲームが、ずっとメインだーって言ってたよね」

 

2人が今やってるゲームがメインだと言ってたのを思い出したあこ。

 

「う……うん……新しく始めると……フレンドとか……大変だし……ソロプレイメインなら……多分、大丈夫……なんだけど……」

「…僕もソロプレイで気楽にやりたい方だからさ」

 

前者はフレンド、後者は気楽にという意見だった。

 

「……わたし……このままでいいのかな……?」

「「?」」

 

すると燐子がポツリと呟いた。彼女が言う『このままで』というのは、どういう意味なのだろうか?

 

「わたしね……小さい時から……何か……始めたり……新しい事って……苦手……で……ピアノのコンクールも……本当は、出たくなかったんだ」

 

人も多く、どうすればいいのか分からず、怖くなり……ずっと避けてたと2人に話す燐子。

 

「うーん……りんりんは自分が思ってるよりカッコイイんだし、もっとドーン!といってもいいと思うんだけどな~」

「ど……ドーン……?」

「…燐子ちゃんはもっと自信をもっていいって言いたいんじゃない?」

「そうそう♪」

 

あこの言いたい事を燐子に通訳する悠里。

 

「えーっと。……そうだっ! アルバイトは?」

 

燐子にアルバイトを提案するあこ。自分の姉もバイトをしていると、新しい発見があると言ってたと付け足しながら。

 

「え……その……い、いきなりアルバイトは……ちょっと……接客とかも、しなくちゃいけないから……」

「…燐子ちゃんが接客をやるとしたら……前に海に行った時みたいに、キッチン担当かな。いきなりホールとかの接客は……」

「あっ、そっか。確かに、いきなり接客はハードルが高いかも」

 

一応、海に行った時に海の家の手伝いをした事があるのだが、その時も燐子は緊張していたのを今でも憶えてる。

 

「んー、じゃあ部活はどうかな?」

「…あー、それだったら確かにお客とかもいないし、体験入部って事にすれば、別に無理に入部しなくても平気かもね」

「体験入部……でも……わたしには……」

 

それならば部活はどうか?と提案するあこ。それを聞いた悠里もありかもね?といった感じで返す。

 

「3人とも、出る準備は出来ましたか? そろそろ次のバンドの入り時間ですので、すぐ出られるようにしておきましょう」

 

その時、声を掛けてくれたのは、同じバンドメンバーの氷川紗夜(ひかわさよ)。ちなみに悠里は彼女達が組んでるバンドの手伝い的立場である。一緒に練習する時もあるが。

 

「はいっ。りんりん、ゆうりん、続きは帰ってからチャットでしよ」

「…そうしよっか」

「うん……ありがとう、あこちゃん、ゆうりくん(……部活、かぁ……)」

 

あこと悠里にお礼を言いながら、燐子は2人が言ってた部活かぁ……と考えるのであった。

 

 

 

 

翌日の放課後。花咲川女子学園(はなさきがわじょしがくえん)の部室棟前にて。

 

「ここが、部室棟……つい、様子を見に来ちゃったけど……」

 

昨日話してた事が気になってしまった燐子は、部室棟に来てしまった。しかし、来たのはいいがどうすればいいのか迷ってると……

 

「白金さん」

「ひゃあっ!?」

「そ、そんなに驚く事ですか?」

「す、すみません……」

「…燐子ちゃん、人見知りなところがあるから、驚く気持ちは僕も分かるよ……」

 

急に声を掛けられしまい驚きの声を上げながら振りかえる燐子。そこには紗夜と悠里が居た。

 

「いえ。こちらこそ、急に声を掛けてごめんなさい。ところで、白金さんはどうしてこんなところに?」

「あの……それは……」

「サヨさん! リンコさん! ユーリさん!」

 

紗夜に理由を話そうと思った時、1年生で後輩の若宮(わかみや)イヴに声を掛けられた。

 

「キグーですねっ。これから部活ですか? あれ? 確か、リンコさんは部活に入っていなかったような……?」

「私は、弓道部がお休みになったので、このまま帰ろうかと。悠里さんと白金さんとは偶然会ったんです」

「…僕は理事長先生からの書類を届けに頼まれて、渡し終えたらそのまま直帰していいって連絡があって、その途中で紗夜ちゃんと燐子ちゃんに偶然会ったんだよ」

 

イヴに説明する紗夜と悠里。

ちなみに悠里は藍音学院(あいねがくいん)という、一部しか知らない学校に通っており、理事長同士が知り合いな事もあって、花咲川女子学園に書類等を届けによく出入りする。ここの生徒とも顔馴染みだ。

 

そして時間さえ合えば、紗夜と燐子と一緒にお昼ご飯を食べる時もある。

 

……ちなみに紗夜と燐子はそれが密かな楽しみだったりするのだが。

 

「わたしは、その……部活って、どんな感じだろうと思って……昨日、あこちゃんとゆうりくんと……少し、話したので……それで……」

「……(燐子ちゃん、それで部室棟の前で困ってたのか)」

 

燐子の理由を聞いて、納得する悠里。確かに昨日チャットした時に、部室棟の様子を見に行こうかなとか言ってたが。

 

「……そう言えば、若宮さんは部活を掛け持ちしていましたよね。今日は何部の活動なんですか?」

「茶道部ですっ。これから、先生にオテマエを見ていただく予定なんですが、部室にフクサを忘れてしまって」

 

紗夜が訊くと、イヴは今日は茶道部で使う帛紗(ふくさ)を取りに部室棟に来たようだ。

 

「帛紗ですか。確か、お茶の席で使うハンカチのようなものでしたよね」

「…そうだね。茶道部の人からしたら、必需品に近いやつだね」

「はい! さすがサヨさんとユーリさんですっ」

 

このフクサで、使った茶器や茶杓(ちゃしゃく)を拭うんですよと3人に説明するイヴ。

 

「……! すごく、上品で……キレイ……」

「ええ、本当に」

「そうだね」

「ありがとうございます♪ ……そうだ! 良ければ今日、茶道部の見学に来ませんか?」

 

なんとイヴが茶道部の見学に来ないか?と誘ってきた。

 

「え……? け、見学……?」

「不慣れな私達では、お邪魔になってしまうのではないですか?」

「いくら出入りしてるとはいえ、僕に至っては部外者だし……」

「大丈夫ですっ! 茶道の精神を広めるためにも、見学はいつでも大歓迎だと。それに他校の生徒の意見も貴重な事だと顧問の先生が言っていましたから!」

 

不安な表情の3人にイヴは大丈夫だと話す。

 

「で……でも……その、わたしは……」

「わかりました」

「ひ……氷川さん……?」

「紗夜ちゃん……?」

 

なんと紗夜が誘いに乗ったのだ。意外な事に彼女を見る燐子と悠里。

 

「せっかくのお誘いですし、行ってみませんか?」

 

今日はちょうど、バンドの練習もありませんしと燐子と悠里に言う紗夜。音楽以外に興味を示すなんて少し意外だなと2人は思ったが。

 

「……は……はい……わかりました……」

「そうだね。せっかく誘ってもらったし……」

「決まりですね。では、行きましょうか」

 

そんなこんなで、イヴの案内の元、茶道部に向かう3人なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。

※主人公の簡単なプロフィールです。


水無月悠里(みなづきゆうり)


容姿イメージ:『らき☆すた』の岩崎みなみ

誕生日:12月12日、いて座

血液型:A型

一人称:僕
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。