月の少年と新緑のラルゴ   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回は花音ちゃんの☆2エピソードを書いてみました。
少しオリジナル要素が入ってます。
楽しんでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。



第6話 応援しようよ

「あっ、美咲ちゃん! 今帰り?」

「あ、花音さん。はい、今部活が終わったところなので」

 

校門前で、ちょうど部活終わりの美咲に声を掛けた花音。

 

「お疲れ様。……燐子ちゃん、大丈夫かなあ」

「なんだか、燐子先輩らしくない感じでしたよね。運動部まで体験入部して……」

 

話題は今回、体験入部をしに来た燐子について。

 

「そうだね。燐子ちゃんなりに何か考えがあって部活を見に来たんだろうけど……」

 

実は茶道部の体験入部の際に、悠里が『燐子ちゃんの悩み事って、わかりみが深いんだよなぁ……いい意味でも悪い意味でもの両方で』と花音に言っていたのだ。

 

「あ、でもね。茶道のお点前は凄かったんだよ!」

「なんかそれ、想像つくかも」

 

花音の言葉に、文化系の部活は合いそうですよねと頷きながら美咲が言う。

 

「うん。ぜひうちの部に! って勧誘したんだけど、ちょっと強引だったかも……燐子ちゃん、勧誘に驚いちゃって……」

「あはは。勧誘する側も、燐子先輩の気持ちもどっちも分かるな~」

「燐子ちゃんだけじゃなくて、実は……一緒だった悠里くんも、他の部員のみんなの勧誘に驚いちゃって……」

「そうなんですか?」

 

燐子だけでなく、付き添いで一緒だった悠里までも勧誘され緊張してたらしい。

 

「うん。表情をあまり変えない状態で、携帯のマナーモードみたいに震えてたって説明すれば、分かるかな?」

「あー……それだったら、水無月先輩が緊張してる様子が想像つくかも……」

 

その例えに納得する美咲。

 

「テニスをやってる時も思ったんですけど、燐子先輩って、周りの期待とか応援を極端に気にしちゃうタイプなのかもしれませんね」

「そうなのかな?」

 

花音も一緒にテニスの打ち合いの見学してたが、実際に打ち合った美咲はそう感じたと言う。

 

「テニスの時は、紗夜先輩がボールを拾ってくれた事を申し訳なさそうにしてたし……」

「そうだったね。もっと燐子ちゃんの気持ち、考えるべきだったかなあ……」

「テニス部のあと、紗夜先輩と水無月先輩も一緒に連れられて、剣道部に行ったみたいだけど、どうなったかなあ……」

 

確か、あの後、3人は剣道部に行ったが、どうなったのか気になる美咲。

 

「ミサキさーん! カノンさーん!」

 

そんな事を考えていた時、イヴが声を掛けてきた。

 

「イヴちゃん! イヴちゃんも、今部活終わったところ?」

「はいっ! 剣道部は終わったのですが……あの、お二人共、今からリンコさんを応援しに行きませんか?」

「えっ? どういう事?」

 

燐子を応援、というイヴの言葉に首を傾げる美咲。

 

「先程、リンコさんが弓道場で頑張っているのを見かけたんです。サヨさんに弓道を教えてもらっているみたいでした」

 

リンコさん、今まで以上にすごく真剣な表情をしていて……と花音と美咲に話すイヴ。

 

「応援かあ……どうだろうなあ」

「ダメ、ですか……?」

「ううん、ダメじゃないけど。ちょうど花音さんとも話してたんだけど、燐子先輩、応援されたりすると逆に意識しちゃったりしそうだなと思って」

 

ついさっきまで花音と話してた事をイヴにも教える美咲。

 

「それで、燐子先輩の集中力が削がれちゃったら申し訳ないし……」

「そうだね。燐子ちゃんが一生懸命やってるなら尚の事……」

 

応援するのが悪いわけではない。ただ、人によってはそれが不安な状態になってしまう事も無きにしも非ずなのも確かなのだ。

 

「で、では、声を出さずに静かに応援するのはどうでしょうか?」

 

邪魔はしないようにするし、どうしてもリンコさんを応援したいんです!と答えるイヴ。

 

「私も、様子を見に行ってみたいな。燐子ちゃんの事、少しだけ心配だし」

「ミサキさんは……どうですか?」

「まあ、あたしも心配は心配……かな」

 

正直なところ、美咲も花音と同じく燐子が心配だったので、そう答えた。

 

「そういえば、ユーリさんもお一人で弓道の練習をしていましたよ?」

 

するとイヴが気になる事を言い出した。それは悠里についてだった。

 

「え? 水無月先輩が1人で?」

「はい。私も見た事もない練習をしていました」

 

イヴ曰く、燐子が紗夜に弓道を教えてもらっている傍ら、悠里は端っこの方で見た事もない練習をしていたとの事。

 

「うーん……どうなんだろう? テニスの時も水無月先輩、サーブよりレシーブの方が気持ち的に楽みたいな事を言ってたけど」

 

テニスの打ち合いの途中で、美咲が何かコツみたいなのってあるんですか?と興味本位で悠里に訊いてみたところ、『何も考えないで棒立ちの壁打ちを50回』かなと言われたのだ。

 

それを聞いた美咲は地味に難易度が高くないか?と思ったが。

 

「剣道部の顧問の先生も、ユーリさんを誘ってみたけど断られてしまったと残念がっていました。ユーリさんは、あまり剣道はお好きではないのでしょうか?」

「それは多分、()()()()()()()()()()()からだと思うよ」

「「?」」

 

その質問に答えたのは、花音だった。イヴと美咲は首を傾げる。『剣道じゃなくなる』とはどういう意味なんだろうか?

 

「…あんまり言えないけど……悠里くんからの注意事項を了承した人しか、悠里くんはやらないの」

 

なんでも花音曰く、その注意事項は『剣道じゃなくなるけど、いいんですね?』と質問され、次に『戦い方に文句は受け付けません、いいですか?』、最後に『本当にいいんですね?』と言われるとの事。

 

「それじゃあ、そーっと、様子を見に行ってみようよ」

 

そして今の話を逸らし、燐子の様子を見に行こうと言う花音。

 

「弓道場はあっちだよね。行こう!」

「あ、花音さん、そっちじゃなくて、逆~……!」

「カノンさーん、弓道場はこちらの方向ですよー!」

 

何故か弓道場がある方向とは逆に行く花音を美咲とイヴは追いかけるのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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