アルティメット惑星封鎖機構によるコーラル焼却RTA 作:サンドフード
いよいよChapter4。
ここからラストまで、一気に行きます。
企業連合軍迎撃
『企業勢力は完全なる同盟を組み、残存するすべての戦力をかき集めてウォッチポイント・アルファに突入し、制圧することを試みようとしています。
我々は強制執行システムによるレーザー障壁を最終防衛ラインとし、その手前での防衛をあなた方にお願いしたい。
複合エネルギー砲台『ネペンテス』、執行部隊、各種無人兵器などで多層的な防衛を行いますが、エース級AC部隊はこれを突破してくる可能性があります。1対多のAC戦闘が予想されますので備えてください。
このために、特別な機体を用意しました。かつて技研から回収したC兵器の一種、アイビスシリーズ『IB-C03:HAL 825』。これを、あなたに預けます。ハンドラー・ウォルターの支援があれば、この機体に秘められた性能を十全に発揮できるでしょう。
確実な任務の遂行を、期待しております』
「621、お前がこの機体に乗ることになるとはな。アイビスシリーズは、コーラルに関わる危機を未然に防ぐためのルビコンの安全装置。その中でもIB-C03 HALは、唯一の有人機であり、最後の安全弁だ。
表向きの目的は、コーラルを防衛すること。そして裏の目的は、コーラルの暴走が制御不能となったときに、それを焼き払うことにあった。
それらの目的のため、高濃度コーラル環境において、その真価を発揮するように設計されている。集積コーラルに近いこの場所であれば、条件を満たすだろう。
……プロジェクトが暴走する前の強化人間は、この機体の性能をフルに発揮できるパイロットを養成するために始まったものだった。あまりにも、因果なものだな。
最後の仕事は近い、気合を入れていけ、621」
『間もなく強制執行システムが見えてくるはずだ! 炉心を破壊し、レーザー障壁を消失させる! その先にある、コーラルと技研の遺産を確保しろ!』
企業連合突入部隊で、生き残った者は6名。
突入時にはそれなりの数だったMT部隊は封鎖機構の防衛兵器で損耗し、ついには全滅していた。ただし、AC部隊がここまで来られたのも彼らの犠牲の上でのことではあった。
『見えたぞ! レーザー障壁だ!』
『! 何か来ます!』
赤いブースターの光を散らしながら、その機体は現れた。
『コイツは……技研のコーラル兵器ですか』
『封鎖機構が鹵獲して使っているのだろうね』
『無人機の動きではない……となれば、乗っているのは奴でしょうか』
621のHALが、企業連合軍部隊と相対する。
『やはり現れたな! 総員、連携して掛かれ! 奴さえ落とせば、あとは有象無象だ!』
ミシガンが号令をかけると、部隊が散開して包囲をかける。
『ここまで来られたことは僥倖です。ですが、最後の敵はあまりに強大。はたして吉兆となるか、凶兆となるか』
『貴様が現れてから、多くの者がこの世を去った! 死神め! ここで落ちろ!』
『よくもまあ、かき回してくれたものだ。もっと早くに出会えていれば、勧誘したのだがね』
『スネイル閣下の仇、取らせてもらう! コーラルは我々の手に!』
『よくも先輩方を殺したな! こいつさえ落とせば、どこまで昇進できることか!』
彼らが、一斉に襲い掛かった。
『奴は、球状のシールドに守られています。パルスシールドでは……ない、赤いシールド? コーラルシールドか!』
『エネルギー兵器は効果が薄い! 実弾兵器に切り替えてシールドを削れ!』
銃弾の雨が、縦横無尽に飛び回る621を襲う。
コーラルライフルが、コーラルエネルギーのビームを放ち、メーテルリンクが被弾する。
『APが一気に持っていかれました! リペアキット使用!』
『動きを止めるなよ! 的になるぞ!』
『これならばどうだね、ふん!』
ホーキンスがレーザーブレードで切りかかるが、コーラルオシレータの放つブレードに止められ、逆に切りかかられる。
『接近戦もいけるか、厄介な!』
『攻撃を切らすな! 常に手を封じていけ! 自由に動かれれば一瞬で危うくなるぞ!』
『ミサイル来ます!』
『回避しろ!』
コーラルミサイルの爆風が容赦なく削ってくるが、全員直撃は回避している。
『6対1でこうも苦戦するとは、やはり怪物ですね』
『当たり前だG3! これは怪物退治と思え! こちらの数が多いからと油断すれば死ぬぞ!』
各員が相応に消耗しつつも、コーラルシールドを徐々に削っていく。
そして、もう少しで破れるかと思われた時。
『まずい、離れろ!』
シールドが大きく広がり、多数の機体を巻き込んだ。
『アサルトアーマーか!』
『いけない、かわしなさいペイター君!』
コーラルミサイルがペイターの機体に殺到し、直撃する。
『おかしいな、空いたV.IIの席をもらえるはずなのに……』
それだけでは止まらず、ブーストで急接近し、ブレードを振り抜く。
『やはり、凶兆でしたか……』
『おのれ、よくも!』
レッドがバズーカを放つが、当たらない。逆にその硬直を、狙われる。
『この、死神め……!』
『スネイル閣下、力をお貸しください!』
メーテルリンクがパルスガンを乱射する。
そして、コーラルのビームが放たれるのを、回避した。
だが、ビームは追尾するように曲がり、メーテルリンクの機体を捉える。
『なっ、ああ、スネイル……!』
『やってくれるね……!』
プラズマライフルを構えるホーキンスに、621はアサルトブーストで突進し、蹴りを叩き込んだ。
『すまない、皆……』
『貴様の正体がようやく分かったぞ! 貴様、ハンドラーの猟犬だったのか! 奴の猟犬には前から煮え湯を飲まされてきたが、これほどとは!』
最後に残ったミシガンと撃ち合いになるが、復元したコーラルシールドが攻撃を通さない。消耗戦では、結果は見えていた。
『脱出した生き残りがいれば聞け! ミシガンは石につまずいて死んだと、そう伝記には書いておけ!』
そうして、動くものは621以外いなくなった。
「……企業連合軍の全滅を確認。621、任務は終わりだ、よくやった」
レーザー障壁の光が、あたりを照らしていた。
ゲーム中で自機として再現できる都合上そこまで強くない、というのは悲しいので、設定を盛って超兵器の格に戻す試み。