走る閃光弾と駆けるバヨネット   作:スラバヤサトゥ

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スズミと一緒にジョンウィック見たい


たまに信じられないセンスを持っている人っているよね

現在、私はスズミの部屋にお邪魔している。

 

「ねぇスズミ」

 

「なんでしょうか」

 

私はねっころがった状態でスズミの名前を呼ぶ、そうするとスズミは読んでいた雑誌を机に置き、話に乗ってくれた。

 

「映画って好き?」

 

「映画ですか…まぁ好きではあります、アクション映画とか面白いですし」

 

「そっか…じゃあ映画見に行かない?」

 

そう言って、私はスマホをスズミに見せる、開いているページは先日公開されたばっかりの映画。

 

「ペロロジラ-1.0(マイナスワン)?」

 

「うん、見に行いこうよ!」

 

古くから愛される怪獣映画の新作、今作はかなり評判もよく、予告映像も面白かったので見に行こうと思ったのだが

 

「ペロロってあのなんとかフレンズのあれですよね…怪獣映画って子供向け映画じゃないいんですか?」

 

「モモフレンズね…しかも、これは子供向けの映画じゃないよ、しっかりとした人間ドラマとか社会風刺がきいてるんだから」

 

「それって、なんかモモフレンズと方向性が真逆のような映画じゃないですか」

 

この顔まるで興味がないな…なんとか興味を持ってもらうように即興のプレゼンを披露するが

 

「大体、ヒューさんが『これは見たほうが良い』とか『面白そう』っていた作品はだいたいクソ映画じゃないですか、前に見たサメ映画とかがいい例ですよ」

 

「まさかスズミの口から『クソ映画』いう単語が出てくるとは…」

 

なんでこんなにスズミはヒューがおすすめする映画に疑心暗鬼なのか…それは簡単、今までに一緒にみた映画がものの見事にすべてクソ映画だからである、ヒューはポスターだけで映画の面白さを判断するので、毎回クソ映画を引く、明らかにポスターからクソな感じが出ていてもお構いなし、それに毎回つき合わされるスズミはいつも地獄を見るのだ。

 

「大丈夫だから!今回は評価もしっかり見た!」

 

「私は怖いんですよ…あの映画を見てるときの苦しみもそうですが、見終わった後の時間を無駄にしてしまったという後悔…もう経験したくありません…」

 

もうトラウマレベルなのだろうか、スズミは頭を抱え苦しんでいる

 

「わお、ガチ目に苦しんでるじゃん」

 

「見るなら1人でみたらいいじゃないですか…」

 

「1人で見る映画ってむなしくない?」

 

「あなたは映画をなんだと思ってるんですか…」

 

 

どうにかついて来てくれるように土下座して懇願する。

 

「一生のお願い、それかなんでもいう事聞くから!」

 

「その土下座、もう見飽きましたよ」

 

スズミは冷たい言葉を投げかける、そりゃそうだ、今まで何千回とも土下座されてきた身だ

しかしどうしてもスズミは甘くなったしまう、友人の頼みは断りたくないそう思ってしまうのだ

 

「はぁ…もう分かりました、行きましょう。しかし、またつまらなかったらこれから一生ヒューさんに映画を決める権利はありませんよ」

 

「分かってるって!面白さは保証するから」

 

「どうだか…」

 

 

トリニティシネマズ、略してトリシネ…これは私が考えたんじゃなくて公式がホームページで言っている事だからあしからず。

館内は大勢の人で賑わっており、キャラメルポップコーンの甘い匂いに包まれていた。

 

人が多いなぁ…どうしても怪しい人がいないか警戒してしまう。キョロキョロする癖があるため自分が変な人に間違われるかもしれない。

そんなヒューの姿を見てスズミは

 

「しっかりと周りを見るあたり腐っても自警団ですね、ヒューさんは」

 

「腐ってもってなんだ腐ってもって…」

 

「ふふっ、早くチケットを買いに行きましょう」

 

「聞いてますか、スズミさん」

 

そう言って売り場へ行ってしまった…なんだあの人、あんな反応してた割りにはノリノリじゃないか…

 

ん?あのロボット…動きがおかしい気が…まぁ気にし過ぎかな…よしっ今は映画を楽しむ事だけ考えよう!

 

「スズミー真ん中らへんの席で頼むよー」

 

 

 

チケットを無事購入し、入場する事ができたのだが…

 

「スズミ、めっちゃ食うじゃんか…」

 

「はふぃ?」

 

スズミはホットドッグをほおばりながら返事をする、今にもケチャップがこぼれそうだったのでスズミの膝に置いてあったナプキンで拭いてあげる

 

ゴクン

 

「すみませんヒューさんありがとうございます」

 

「昼飯くったよね?…よく食べられるね」

 

「おやつの時間帯ですし、人が買っているのを見たら食べたくなったもので…」

 

「確かにそーいう時はあるけど…夕飯を食えなくなるよ?」

 

 

 

そんな会話をしつつ上映を待つ、人も結構多い、これはクソ映画じゃないぞ!そう確信した時、照明が消えはじめ、やがて映画の予告映像や映画館内ルールが流れ始めた、これがかなりコミカルで面白い。

うーん見たい映画は…あーあの映画続編でるんだ、見たいな…でも時間がなーパトロールの時間はさけないし…

スズミとは他の事したいし…〈チュタヤ〉で借りれるようになったからでいいか…

 

「はぁ…動悸がします…」

 

「まだ、本編始まってないよ?」

 

「もしダメな映画だったら私は寝ます…終わったら起こしてください」

 

「おいおい…」

 

酷い言われようだ、だが今回は絶対に大丈夫、スズミを見返せるはずだ、いやまぁ私が撮った映画って訳じゃないけども…イヤぁでもクソ映画も味があっていいと思うんだけどなぁ…あ、でもこれは本当にダメだって映画はある、それは認める。

『サメ竜巻』とか面白いと思うけど…私の感性がイかれてるだけなのか…

そんなくだらない事を考えてるとついに上映開始のブザーがなった…

 

まず最初に撮影スタジオや映画会社のロゴがでるのだが…

 

「アルバトロソース?」

 

「なんか見覚えのあるロゴが…これってクソ映画を良く作る会社ですよね…」

 

スズミがそう聞いてくるが、そんなわけない…この映画はモモグループが作ってるはずだ…入る劇場を間違えたか?そう思い、チケットを確認する…がペロロジラ-1.0(マイナスワン)間違ってない…

 

それでも15分くらい見続けるが…面白くない…

 

周りもザワザワしている…やっぱりおかしいんだ、あーあ…最悪だよ…

 

「やっぱりクソ映画じゃないですか…初っ端から意味があるようには思えない日常シーン…しかも例の怪獣もでてくる気配もないですし…はぁ、またですか」

 

「いやいやいや…これ私たちが見ようとしてる映画じゃないよ!」

 

「え?じゃあこの映像は?」

 

「流す映像を間違えたか…誰かに変えられたか…」

 

もし無理やり上映する映画を変えたのなら…そんな強引な事をするとは…トリニティにもワイルドなやつらがいるねぇ…

流石に見過ごす事は出来ないな…

 

「スズミ、映写室に行こう…間違いなら、スタッフさんに言わないと…」

 

「はい、それにこんな酷い映像を撮った人の顔を見てみたいです」

 

「多分、撮った人はそこにいないと思うけど…」

 

なんか手厳しくない?スズミさん…クソ映画に恨みでもあるのか?って…私のせいか…

 

そういって席を立つ、ポップコーンをまだ少ししか食べてないのが悔やまれる…せっかくのワサビ味が…

 

劇場内を飛び出して、廊下を見渡す…向こうのほうに映画館のスタッフ達が集まっているのが見える…っ

 

「あの…映されてる映画が違うみたいなのですが…この状況は?」

 

スズミがスタッフに聞く。辺り一帯には空薬莢が落ちており、壁には弾痕がある…ここで銃撃戦があったのは確実だ。

 

「えぇ⁈申し訳ありません…いまこの中に映画を変えた犯人がいて…」

 

「えっと…知らないロボットが部屋に入ってきたので止めようとしたら…」

 

「言う事を聞かず、中に立て籠もりそのまま銃撃戦に発展したと…」

 

「大体あってます…」

 

さっきの映像を流したのはロボットかい…すごいな最近のロボットのセンスは中々だ

 

「はぁ…ヒューさん行きましょう」

 

「お、おう」

 

いつになくヤバイ雰囲気を醸し出してるよスズミさん…分からん…スズミの沸点がわからん…

 

「まさか、突入するきですか?あのロボットは武装してましたよ!しかもMG42!」

 

MG42か…ゲヘナで製造されてる毎分1200発の弾丸を撃ち出す汎用機関銃だ、生産製も性能も優れておりキヴォトスにはかなり出回っている…その発射音から『ゲヘナの電動ノコギリ』なんて言われるほどなんだが…

 

「我々はトリニティ自警団です、戦闘には慣れていますから」

 

「あぁ…自警団の方々ですか…それでもお客様に迷惑を…」

 

「大丈夫ですよ…今日はたまたまいた、それだけです。すみません少し機器の方に被害が出てしまうかもしれませんが…」

 

「今、館長に聞いてみます…はい、はい…えっと…とにかくやっつけてくれ…との事です」

 

そうとなれば話は早い、早速スズミは手製閃光弾をとりだし、ピンを抜いた。

 

「閃光弾、いきます!」

 

そしてドアの隙間から閃光弾を投げ入れた…少ししてから爆発音が聞こえ、閃光がドアの隙間から見えた。これは確実にやったね、確信できるもん…なぜか

まぁセコイやり方って言えばそれでおわりだけども…相手が部屋にこもってる時に有効な方法だから仕方ないね

 

「よしっ突入しましょう!」

 

「うん!」

 

そう言ってスズミはドアを蹴破る…アクション映画顔負けのの迫力だ。やっぱスズミはカッコいいな…カッコいいだけじゃなくて可愛いもあるんだけど…どっちで褒めたらスズミは喜ぶのかな

 

スズミの後を追って部屋に突入するが…案の定中にいたロボットは完全に伸びていた、やっぱ威力が…っていつも突っ込んでるな私

 

「ねぇスズミどうするのさ…」

 

「どうするって起きるまで待つしかありませんね」

 

「そっか…じゃあ映画でもみて待とう」

 

「この状態で見れるんですか?」

 

「あっ、それなら…えーと、うん!いけます機材も動きますし」

 

 

ロボットが起きるまでペロロジラをみて待つことに、さっきいた人達も戻ってきたようだ…よかった…これで映画を見れる…

 

スズミはと言うと、お詫びとしてもらったポップコーンをむしゃむしゃ食べていた…スズミってこんなに食べる娘だったっけ…多分セリナに『栄養バー以外も食べろ』って言われたからだと思うけど…

セリナは野菜とかで栄養を取れって意味で言ったんじゃないかな…

 

「おおぉ…」 「やったか…はだめですよ…あぁ、ほら…やったかは禁句なんですって…」

 

かなり楽しんでる様子のスズミさん、毎回クソ映画しか見てなかったからこんなに見入ってるスズミは初めてだ、目を輝かせている。スズミって上映中に声をだすタイプなのか…かわいいな

 

映画も終わり、ロボットも起きたので事情聴取をしてみたところ…『この映画のすばらしさを広めるために映した』とのこと…いやぁ中々に酷い理由だ…しかも、センスが酷い…クソ映画の中でも本当のクソ映画だ…『サメ竜巻』とかも色々と酷いけど勢いで笑える…とか『アクママン』みたいな役者の演技がクソだけどCGは良いとか大体のクソ映画でも1つはいいとことがあるはずなのだが今回の奴は良いところが全くない…

 

レビューサイトで見てみても、罵詈雑言の嵐…すごいなここまで低くなることあるんだ…てか評価人数が7人⁈物好きの一部の人が見て☆3はヤバイだろ…普通B級映画ってものは数百件レビューがあって☆3とかなのに…

 

多分この映画を最後まで見たら、スズミだったら倒れるか、吐くでしょ…

幸い、被害者は出てないようなのでよかった…

 

もちろん許されない事なのでいつも通りの処刑(音楽を聴かせる)を執行した…なんか理不尽なきがするがまぁ黙っておこう

 

スズミには悪いけどクソ曲は良くてもクソ映画は無理なんですね…なんか変わったセンスの持ち主でも相性ってのはあるのか…

 

凄い、こんな事いったらスズミにぶたれるかもしれない…

 

「あ、いい事思いついた!」

 

「ん?なんですか?」

 

「スズミは音楽を聴かせる処刑方法を使うなら、私は映画を見せる処刑方法にしようかな!」

 

「死人がでますので絶対にやめてください、それと私の好きな曲とクソ映画を一緒にしないでください!」

 

あちゃーだめか…結構いい案だと思ったんだけどなぁ

 

その後ロボットは正実に連れてかれた…達者でな…

 

 

 

帰り道、興奮冷めやらぬまま雑談をするもちろん話題は映画の事

 

「結構面白かったですね…ヒューさん見直しました」

 

「そりゃどうもって…おい」

 

そんなに言うか…でもスズミったらすっごい見入ってたな…主人公がペロロジラに突入するシーンとか前のめりになってたもん…

ほら、パンフレットとコップも買っちゃって…

まぁ私もぬいぐるみとキーホルダーを買っちゃったんだけど…

 

「あれって明らかに続編を示唆してますよね」

 

「確かに、あれは続編つくる気だろうね」

 

映画で盛り上がるふたり。興奮したヒューは狂気の行動に出る。

 

「よし私の秘蔵の映画コレクションを見せようではないか!」

 

「脈絡がいかれてるんですよ…遠慮しておきます」

 

「遠慮しなくていいからさ、いまなら鍋もついてるからさ!」

 

「豚肉…豚肉をつけてくれたらいいでしょう」

 

「よし来た!」

 

「うぅ…でも見る映画は私が決めますからね!」

 

 

この友人よりかはセンスは終わっていないと信じて映画を選ぶスズミだったが、ヒューのコレクションにクソ映画しかなく、自らが選んだ映画で苦しむ事になったのは別のおはなし

 




ペロロジラ-1.0…我らがファウストが見たらどんな反応をするのやら…てかヒフッさんもいつかだしたいですね…

でてきたクソ映画の元ネタはみんな分かったかな?
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