走る閃光弾と駆けるバヨネット   作:スラバヤサトゥ

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飯ぐらい静かに食わせろ

トリニティ自治区、中央街。トリニティでもいわゆる都会といわれる場所、今日は休日と言う事実も重なって人が多い。

そんな場所にヘッドホンした少女が一人、友人の到着をまっていた。

 

そんな彼女の肩に気配がせまっていた…が、警戒心が強い彼女にとってはバレバレであり、すぐさま愛銃のARである〈セーフティ〉を後方へ向けた。

 

「何やつ!」

 

「うわーお…なにやつって、時代劇かなにかかな?…いきなり銃を向けないでほしいなぁスズミさんや」

 

気配の正体、それは約束の時間をはるかに超過して到着した友人であった。

友人の顔をみて慌てて銃口をしたに向ける。しかし少し呆れた顔をして話し始める。

「ヒューさんが怪しい行動するからですよ…なんでわざわざ後ろから…」

 

「それは君が音楽に夢中になっているからですよ。これでもしないと気が付かないでしょ」

 

「後ろからきたことに対しての回答になってないのですが…時間に遅れてきたのにいいご身分ですね…まぁいいです。」

 

スズミの経験上、ヒューが後方から来たのは初めてだったので少し困惑していたが、彼女が遅刻してくるのはほぼいつもの事。

それでもスズミは彼女の事を信頼しているので理由を問うことはない。もしくはもう諦めているのか…それはスズミ本人にしかわからない事だ。

 

「ででで、今日は何用で私の事を呼んだの?」

 

「そういえば、言ってなかったですね、今日は閃光弾の材料を購入するのでそれに付き合ってほしいので、それに今日は休日で人が多いです2人行動の方がいいと思いまして。自警団活動とも併用できますし」

 

「ショッピングって事ね、了解了解…前から気になってたんだけどなんで一から閃光弾を作るのさ?市販のほうが手っ取り早くない?」

 

スズミの謎のこだわりに今で言っていなかった疑問をせっかくなのでぶつけてみる。

 

「ィㇼョㇰ…」

 

「えーと…すまん聞こえなかった、もう一度頼むよ…」

 

少し黙るスズミ。そんな姿をみて地雷を踏んだかと、冷や汗をかくヒュー。周りは賑やかだが、二人の間には謎の沈黙が流れていた。

そんな沈黙を破ったのはスズミだった。彼女は冷静な声で

 

「市販だと威力が足りないので」

 

「ふぇ?」

 

「威力がたりないので」

 

「聞こえてる、聞こえてるから!少し困惑しただけ、威力を求めるなら、フラッシュバンじゃなくて普通の手榴弾でいいんじゃないかな」

 

「それだと相手を傷つけてしまうので…」

 

「…」

 

ヒューは知っていたスズミがオーダーメイドする閃光弾はほ手榴弾並みの威力があることを。市販の閃光弾でも人を気絶させる威力はある、しかしスズミ製の閃光弾は明らかに火力がバグっている。

そんなブツをポイポイ投げるものだから掲示板やらモモチューブに投稿されてしまった動画を見た人間からは〈走る閃光弾〉なんてカッコいいようなダサいような異名を勝手につけられていることをスズミ本人は知らない。

それなのに人を傷つけたくないとはどう言うことなんだ…と突っ込みがすぐそこまで出かけていたが飲み込んだ。これで友人が傷ついてしまうのを見るは苦しい。

どうにか他の言葉を探す。

 

「な、なるほどねぇなんとなく理解した」

 

もちろん理解などしていない。

 

「まぁここで話しているのは時間の無駄です、早くショッピンモールへ行きましょう」

 

「あ、あぁ行こう行こう」

 

 

 

少し移動してここは大型ショッピングモールー〈ライオン〉庶民である私にとっては最高の味方である。噂に聞いただけだけどもトリニティのお金もちのお嬢様たちはこのようなところには来ないらしい。庶民が行くような所は嫌うのだろうか(偏見)そもそもお嬢様の友達がいないから分からないなぁ…ヒフミは…彼女はお嬢様って感じじゃないしなぁ…

そんな事を考えながらスズミについていった。

しばらく歩いてスズミの足が止まった、どうやら目的地に着いたらしい。

まぁキヴォトスではよくあるガンショップだ。

 

「じゃあここからは別行動で、あとで落ち合いましょう」

 

「了解。じゃ後で」

 

スズミと別れて店内を見て回る。流石大型ショッピングモールだ重火器だけで食品コーナーぐらいの広さがある。車を売るみたいなノリで戦車が売ってあるもんだから、そりゃあ治安が悪くなるわなと最悪な納得をしてしまったのは秘密だ。まぁ案の定、銃は高いのと愛銃を変える気はないので銃コーナーは適当にながす。いったい誰が買うのか分からないバカでかい重機関銃やほぼマニア向けの前装式のマスケット銃まで売っている。銃コーナーを抜けて投擲物、爆発物のコーナーまできた。ここも適当に流すつもりだったがある物が彼女の目に留まった。

 

「閃光弾…か…」

 

いつも友人が持っているもの…ではなく市販品の物。多く出回っているM84型の閃光弾。何の変哲もないし、思いれもないがなにか感じる物があり気が付いたら手に取っていた。

数分間脳の機能が停止したのち冷静になったが

 

「まぁあんま高くないし記念的な意味で買ってみようかねぇ…例の威力とやらも知りたいし…」

 

「そろそろ時間もいいしレジにいこっと」

 

会計を済ませてスズミの姿をさがす。人が多いのですぐ見つかるか不安ではあったが案外簡単に見つかった。

でかい袋を持っていたので結構な量を買ったのだろう。

 

「ゴメンゴメン、スズミ。まったかな?」

 

「大丈夫です。さっき会計をすませたばかりですので」

 

「いやぁそれにしても買ったね~大丈夫?重くない?」

 

「大丈夫ですよ、いつもこれより重いライフルをもって走り回っていますので」

 

スズミからはいつものクールな感じがしたので大丈夫なのだろう。

考えてみればどこから出したのか分からない閃光弾を何発も携行してるのでこれぐらい何ともないか。

そんなことを考えつつスズミと雑談していると。

誰かさんのかわいらしい腹の虫が鳴った。自分のではないので消去法的にスズミさんのっことになるが…

 

「…すみません、こればかりは抑えられなくて…」

 

スズミが頬赤らめて告白してくれた。かわいい。

そんな煩悩を頭から駆逐してスズミに案をだす。

 

「お昼時だからね、しかたないよ。まぁせっかくここに来たんだしフードコートでなにか食ってこうよ私おごるからさ」

 

「ごはんを食べる事は賛成ですが、おごって貰うのは…」

 

「安心せい!金はある!それにいつも迷惑かけてるからね」

 

「で、ではお言葉に甘えて」

 

「それでいいのよそれで」

 

そのまま2階のフードコートに移動するが時間が時間なのでいが多いのなんの。なんとか席を見つけて確保したけれどもここからどう注文するかが肝だ。

私物を席に置いて確保するのがポピュラーだが通用しないことも多い。というかほぼマナー違反な気がするので悪用厳禁だ。さてどうしようか…なんて考えているとスズミが

 

「私はいったんここで待機しておくので、ヒューさんが先に注文してきてください」

 

「あっうん」

 

普通にその方法がありましたわ。わたしゃバカです。まぁ引きずることもないのでとりあえず食べたいものを考える。数分間テキトーに考えた結果この前に読んだ漫画にでてきたカニチャーハンが食べたくなったのでそれにすることにした。いや本当にうまそうだったんだよ、古びた食堂で出てきてさ…まぁ…

最新のフードコートはすごいものだなと感心したよ。ボットくんが注文の品を席まで届けてくれるんだからさ、まぁ1つ意味が分からないことがあってどのボットも機関砲クラスの武装は施してある事、流石にオーバー火力でしょ…ってロゴみたらミレニアム製じゃん…なんだか納得してしまった。

 

注文を終えてスズミのところに戻る。腹を空かせてるのに待たせてしまってなんだか申し訳ない…

 

「もっどたよ。私が待ってるからいといで、はいこれ2000円。こんぐらいあれば足りるでしょ?」

 

「すみません本当に…なんか…」

 

「今日は私がおごるって言ってるから!なにも気にせず選んでよ。さぁさぁ」

 

スズミに2000円を渡して背中を押す。そして注文をしに行くスズミの後ろ姿を眺めてにやにやするのであった。

本当にスズミは真面目過ぎるんだよんぁ…それがスズミのいいことなんだけれども…まっ人の生き方に対してガヤを入れるのはあんまよくないからねぇ。

 

数分してスズミも戻ってきた。彼女は蕎麦にしたらしい、いいな蕎麦も食いたいな…なんて

待ってる間の雑談は楽しかった。まぁ自警団どうしなんでパトロールに関しての話題で盛り上がるので女子高生とはとうていとは思えないっていうね…

 

『ゴチュウモンノオシナガトウチャクシマシタ」

 

「あっ到着したみたいですね、おいしそうです」

 

スズミの笑顔が見れた。これで満足だ…なーんて

 

「さぁさぁ食べよ食べよ、いただきm…

 

 

 

ズガガガガガガガ!

 

 

平和だったフードコートの空気が銃声によって壊される。一瞬で混乱状態に陥るフードコート。

その混沌を作った主犯が大声で叫ぶ。

 

「この定食、この画像ちげぇぞ!!!クソ対応をする店だってネットに書き込むぞ!」

 

「それが嫌なら新しく作りなおして、代金を返してもらおうか⁈」

 

「そっそんな無茶苦茶な…画像に関してはイメージと書いてありますし…」

 

「小さくてよめねぇんだよぉ!」

 

ズガガガ

 

「ひぃっ!」

 

犯人は二人組、内容はくだらないが重火器を持っているためかなり危険ださらに相手が理性を保っていない場合は危険度は上がる。特に12.7ミリの重機関銃、頑丈なキヴォトス人でもあたれば痛いしあざはできる。

まぁ言い分が幼稚なため周りからは…

 

『そんなバカなことのために滅茶苦茶にしたの⁈』

 

『あんたらのせいでうどんをこぼしたんだけど、本当サイテイなんだけど!』

 

などなどまぁフルボッコである。しかしこんな事を聞き流すことはできないため事態は悪化するいっぽうだが。

このような事態の中、例の二人は…

 

「・・・ヒューさん」

 

「言わないでわかってるから」

 

まだ食べきっていないがスプーンと箸をおき、それぞれの愛銃を構える。自警団の仕事の始まりである。

 

「ねぇスズミ…」

 

「?なんでしょうか」

 

「ここは狭いし人が多いから閃光弾はなしだからね」

 

「流石にわかってますよ…ヒューさん…あなたは私をなんだと思っているんですか?」

 

スズミがジト目で聞き返してくる。流石に失礼だったか…すまんスズミお許しくだせぇ。

 

「とりあえず近づいて、それから行動しつつ考えよう、早く止めないと」

 

「了解です行きましょう」

 

「飯テロは飯テロでも今回のはちょっと意味がちがうね」

 

さんざん周りからバカにされたクレーマーは暴走寸前だった。これ以上暴れられたら本当にケガ人が出る。

その前に無力化する。これが今の二人の目標だ。

まずは警告射撃として一発命中させるところからだ。

 

ダァン!

 

スズミの愛銃〈セーフティ〉が火を噴く。そしてヒューがも一発を発砲。

もちろんクレーマーたちはそれ反応する。周りにいる者たちからも視線があつまる。

 

「いてぇなお前ら、関係ない奴らが入ってくるんじゃねぇよ。なんだ?正義の味方のつもりか?」

 

「まぁ名乗ればわかってもらえるかな?ねっスズミ」

 

「そうですね、そちらの方がいいかと」

 

タイミングを合せて、名乗る

 

「「私たちはトリニティ自警団です(だ)」」

 

二人の声はフードコート全体に響いたのであった。

 




本格的にやりあうのは次だ (先延ばしの達人)
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