正直最初は不安だった、今日というかほぼ、さっきあったばっかりの大人に従うのだもの。けどそんな不安ももう過去の物。
すごいぞ…なんか言葉に表せないけどいつもよりか戦闘がやりやすい気がする…的確な指示と敵の情報が途切れずに入ってくるおかげで一方的な戦闘をすることができる。
「ハスミ!あの大破している車の後ろにいるコ!ロケットランチャーを持っているから早めに排除して!」
「一発でしとめます」
「ユウカはバリアを発動して前にでて!ヘイト役にしてゴメンね」
「大丈夫です、耐久力には自信があります」
まぁもともと実力がある人が集まってるから苦戦はしないと思ったけど、ここまでスムーズにいくとはね…
「ヒューさん伏せてください!」
「えっ?了解っ」
突然のスズミからの指示に驚きつつも咄嗟に伏せる。その瞬間私の頭上には閃光弾が舞っていた、そのあとすぐ後で閃光が走った。
どうやら後ろに敵さんがいたらしい…コッチが優勢だったから油断してたよホント。
「ひぇーありがとスズミ」
「流石に油断しすぎですよヒューさん…」
「いやーなんか敵なしだったし先生の指示もすごかったしで慢心しずぎたよ…」
「確かに先生の指示はすごいですが…現場で戦うの私たちですから、しっかりしてくださいね」
「き、肝に銘じます」
スズミさんのガチトーンの説教をうける。確かにここで私がダウンしててたら完全に戦犯だよな…
「よし、ここら辺りの敵は殲滅したね、前進!」
先生テンション高いな…あの人一発でも被弾したら終わりなのにすごいよ、肝すわりすぎでしょ。
護衛対象である先生が我先と走っていくので私たちは焦りながらついていった。
そしてついに例の建物前に来たわけだが…
「うわぁ…これまた強固な防衛ラインのこと…」
「まぁここを突破できたら私たちの勝ちよ、ひるんでいる暇はないわ!」
「ユウカさんの言う通りです、先生、準備は万端です指示お願いします」
「うん!よし、戦闘かいs…ってなにこの音⁈」
地面が揺れてる…この音聞いたことあるなって…まさかアイツじゃないよな…
「この音ってもしかして…」
「はい、巡行戦車です」
「またお前か…もう見たくないんだけど…」
「うちの正式採用戦車ですよ…」
そういえばそうでしたね…
「違法に流通したのをアイツらが買い入れたのね」
「えっと…ヒューさんまた…と言うのは?」
「あぁ、チナツさん…いやぁ前にうちの自治区でも違法流通したクルセイダーが暴れてね…その時なんの対戦車兵器もなかったから苦戦してさ…」
「なるほど…トリニティではそのような事はないと思っていましたが…」
「そんな、平和じゃないよトリニティも」
「正直、羨ましいですよ…トリニティの治安は…」
「あっ…なんかすみませんでした…」
「いえ、大丈夫ですそれがゲヘナの日常ですから」
クルセイダーか…いや、正直クルセイダー自体が怖いんじゃなくてその後のけがの治療が怖いんですよ…セリナさんの説教が長いわ長いわで…救護騎士団は団長のミネさんが怖いってみんな言ってるけど絶対セリナの方が怖いって…
「あの、ハスミさん今回は…」
「安心してくださいスズミさん、しっかりと徹甲弾を持ってきていますから」
よしっ!とガッツポーズを決める。ありがたや、ありがたや。
「ならいけるわね、どうせアレは違法流通品、思いっきり壊してもだれも怒らないわ!」
「そうと決まれば、さっそく行こう!総員出撃!」
「「了解!」」
「ハスミはとにかく戦車を優先して、ユウカは戦車正面の敵を排除して」
「分かりました、弾薬庫誘爆を狙います」 「了解です、カンペキに排除します」
「チナツはユウカの支援、スズミとヒューちゃんは左右の敵に対応して」
「了解です、ユウカさんの支援を開始します」
先生に対して無言でうなずく私とスズミ…ってまたちゃんずけかいな…もう慣れたからいいけども。
「じゃあ私は右を担当するから、左側お願いね」
「了解しました、ヒューさん、ご武運を!」
「おうよ!」
しっかしまぁ最終防衛ラインなのか敵がおおいな…こんな時だとアサルトライフルや機関銃を羨ましく思うよ…
一人づつ狙いをあわせて射撃する、大口径なおかげで3発ほど命中させれば相手は気絶するからなんとかなっていたが…
こんな大人数を一人で相手するのはいつぶりだろうか…おかげで弾の消費が激しい、比較的他の銃より弾薬の消費を抑えることができる半自動小銃を使っていてもこれだ…
「クッソ…敵が多すぎるんだよって…痛っ!」
リロードをするためにクリップを押し込んだ時、指に痛みが走る。
ウッ…まただコッキングハンドルを持っている手が滑って指を挟んじゃったよ…この銃を使っている者の宿命みたいなもんだが…痛い…焦ってリロードすると毎回こうなるんだよなぁ…うぅ…
血が出た親指をなめ、痛みをこらえつつ、不良に7.62ミリ弾をぶち込む。
「もうこれで最後のクリップか…早いな…」
その最後のクリップも早急に撃ち尽くしてしまった…
「まずいな…5人ものこってるじゃん…」
絶望しかけていたその時だった…
「ほらヒューちゃん!着剣!」
「えっ!」
あぁ…そういえばそうだったじゃん、私の魂を忘れていたよ…
「了解…「「「着☆剣!!」」
着剣してからの私の行動は単純だし早い。この瞬間から私はバカになる
全力で敵に向かって突撃を敢行する、その勢いのまま敵の脇腹に銃剣をねじ込む、その衝撃に一発で不良は気絶してしまったようだ。
すぐさま愛銃を構えなおして残りの4人を睨みつけながら叫んだ。
「こうなりたくなかったら、今すぐ武器を捨てて降伏しろボケカスども!」
我ながら口が悪い、トリニティでは絶対にこんなこと言えない。少し熱くなりすぎたかな…頭を冷やさないと。
ガチャッ
「こ、降伏します…」
どうやら私の脅しが聞いたらしい、不良たちは武器をすてて手を上にしてくれた…お構いなしに反撃してくるかと思ったら案外すんなりいった。
そしていつのまにか周りの戦闘も沈静化していた、倒れている不良たち、真ん中には多分ハスミ先輩に貫徹されたクルセイダーが黒煙と炎を上げて停止していた。
その後ニコニコで先生が近づいてきた。
「いやーヒューちゃんすごかったね~ドーンって見てるコッチも痛かったよ…そのコたちは降伏した感じかな?」
「あぁ…先生、はい降伏した人達です…って聞きたいのですが、銃剣の事、よく知ってましたね?」
「ふっふーんそれはね…車の中で気づいちゃってたんだよね、他のみんなは腰に銃剣をさしてないのにこのコだけさしてるから使うのかなー?って」
「な、なるほど…」
すごいな、先生ってのは名ばかりじゃないのか…しっかりと生徒の事を見てるって事か…
「すごいでしょって…通信だ…うんうん…了解、地下に行けばいいんだね、うん…あと降伏したコとか倒れてるコとかは…あ、そっち側で対応してくれるのね、ありがとう!じゃあまた後でね!」
「リン行政官からでかすかね?」
「うん、リンちゃんからだよ」
「リンちゃんって…流石に怒られますよ先生…」
リン行政官…そっか今回の件連邦生徒会も絡んでるんだっけ…っていうか連邦生徒会から奪還しろって言われたんだっけか。
「じゃあみんないってくるね!」
「いってらっしゃいませ…気を付けてくださいね」
「わかってるって~!」
いや普通に心配だよ…なんか頭のネジが5本以上吹っ飛んでる気がするよ先生…
先生が建物に入っていったあと、外で待っている私たちだがやることもないので雑談をしていたのだが…話題もないのでとりあえず思いついた〈先生に対してどう思うか〉という質問をぶつけてみるこことにした。
「ねぇ…みんなは先生に対してどう思う?私はなんかぶっ飛んでるけど、頼れる大人だな~って感じだけど…」
「えぇ⁈先生⁈…いやまぁ…うーん…まぁ…け結構指揮してるときとかカッコイイとは少し思ったけども…」
ユウカさん分かりやすっすね…
「先生ですか…初めてあったときは不安でしたが…信頼はできる方だとは思いますね」
「私も同感ですね、ぜひ先生とゆっくり話をしたいです」
ハスミ先輩とチナツさんはそんな感じか…
「スズミはどう思う?」
「うーん…戦闘の際に指揮がとても適格でした、それに戦闘に害が出ない量の指示で素晴らしかったです…なんだかいつもより戦闘がやりやすかったです。」
うーむ真面目!でもやっぱり戦闘はやりやすかったのはわかる…ゲームでたとえちゃうけど…戦略ゲームで指揮官とか将軍をつけると部隊にバフがかかるみたいな…そんな感じかな?
「先生かぁ…なんだかキヴォトスが変わりそうだね…ってユウカ?どうしたのさそんなスマホに見入っちゃって…」
「え?あぁもうネットでは先生の話が上がっていて、モモッターではもう先生の話題で持ちきりよ、ほらトレンド一位が先生で、二位がシャーレになってる」
「本当ですね…情報が出回るのは早い物です…というかユウカ?〈モモッター〉ではなく〈Ⅿ〉では?」
「いや…そこ?この前に結局買い戻されてモモッターに戻ったのよ」
そんな他愛もない会話をしていると先生が建物からでてきた。
「いやーゴメンゴメン待たせちゃったかな?」
「いえ、大丈夫です、サンクトゥムタワーの制御権が戻ったのを確認できましたし。」
「結局、ワカモを捕まえるどころか確認すらできませんでしたが…いずれ捕まるでしょうし…気にしなくてもいいでしょう、ここからは私たちの仕事ではありませんからね」
「先生おつかれさまでした。すごいですねもうすでにSNSで話題になってましたよ」
「え?本当なんか照れるな~あ、みんなお疲れ様!」
先生ってエゴサとかするのかね…あんま分からんな。
「先生とはここでお別れですが…近いうちにぜひトリニティ総合学園にお越しください」
ハスミ先輩が話終えた後、先生に向かって親指を立てる。スズミは綺麗なお辞儀をしていた。
その後は各々が学園の紹介と挨拶をして解散となったが…
「もしかして…ここから車まで戻らないといけないのか…」
「そうでしたね、というかそもそも車が残っているかどうか…」
「え?」
その後ダッシュで車に戻った。車は無事だった。