笑ってはいけないウルトラ警備隊   作:フシンシャ

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描き溜めしていた第2話です。
ここから本編も思っていただいて大丈夫です()


第2話

 

「じゃ、まずは大隊長にあいさつと行こうか」

「本当にやるのか……」

 

トントン拍子に話を進めるジャグラーにメフィラスはげんなりと肩を落とす。

 

「当たり前だろ。

もう腹括れ」

「えぇ……」

「やめよう……もう何を言っても無駄だと思う……」

 

バルタンが俯き気味にメフィラスの肩をポンっと叩く。

 

「ほら、早く来いよ。

大隊長を待てせんな」

「マジか……」

「帰っていいか?」

「貴様だけ抜け駆けする気か……?

そうは行かんぞ……」

 

本気で嫌そうなマグマ星人。

1人だけで逃げ出そうとするヤプールと、それを阻止するイカルス星人も後に続く。

宇宙人御一行は溜息を吐いて、ジャグラーに連行されていく。

 

【ミッション1:大隊長に挨拶せよ】

 

「大隊長!新人の5人連れてきたぜ!」

 

ジャグラーが意気揚々と入室する。

 

「うむ。

ありがとう、ジャグラー」

 

部屋で待っていたのは、ウルトラマンケン……ウルトラの父と呼ばれる戦士だった。

 

「ど、どうも……」

「こ……こんにちは……」

「は、初めまして……」

「お初にお目にかかります」

「……」

 

流石の5人も固まってしまう。何せ相手はウルトラ一族の伝説の戦士だ。

緊張しないわけがない。

 

「ははは、そう固くならないで

楽にしてくれ」

 

ケンは緊張を解こうと5人の肩を軽く叩いていく。

が……。

 

「うごぉっ!?」

 

最後のヤプールだけ肩パンをもらった。

 

「んっ……w」

「ぶっ……ふw」

「ふふ……w」

「くっ……んふっw」

 

『メフィラス、バルタン、マグマ、イカルス、アウト〜』

 

予期せぬ出来事にヤプール以外の4人が吹き出すと、どこからか『デデ〜ン』というSEとともにジャグラーのナレーションが響き渡る。

 

「えっ!?なんだ今の!?」

 

状況の飲み込めない4人がキョロキョロと辺りを見回す。

すると、黒いマスクを被ったウルトラマンが4人、棒状の物を持って歩いてくる。

 

「え?なんだ?なんなんだ?」

 

メフィラスがお辞儀のような体制をとらされる。

そして……。

 

スパァァァァン‼︎

「痛ったぁ!?」

 

思い切りお尻を叩かれた。

他の3人も同じ体制にさせられ、尻を叩かれる。

 

バ「いっ……たい!!」

マ「うああっ!?」

イ「うおっ!?」

 

笑ってしまったらケツバット……そう、これがこの企画に課せられた、たった1つのルールである。

 

メ「こ……これが地球名物だと……」

バ「地球人たちはこんなのを楽しみにしてるのか……」

マ「信じられん……。

どうかしているぞ……」

 

ケンは4人がケツバットを受けているのをニコニコと見ており、ジャグラーは大笑いで壁をバンバン叩いている。

 

「え〜、じゃあ改めて。

私がウルトラ警備隊の大隊長、ケンだ。

これからよろしく頼むよ」

 

ケンは罰ゲームの事なぞ無かったかのように話を進める。

 

数十秒経った時、再び笑いの刺客は訪れた。

 

メ「(ん……?あれは……?)」

 

ケンの後ろから、彼の妻のウルトラの母……ウルトラウーマンマリーが歩いてきた。

……輪投げで使う輪っかを持ちながら。

 

バ「(まさか……)」

ヤ「(流石にやらないよな……?)」

 

そのまさかだった。

いきなりケンの頭のウルトラホーンで輪投げを始めた。

 

「「「「「(やっぱりかよ……www)」」」」」

 

『全員、アウト〜』

バ「ぐわぁ!?」

ヤ「あだっ!?」

メ「あぐっ!?」

マ「むうっ!?」

イ「うぐぅっ!?」

 

予想通りすぎる流れに笑ってしまい、5人とも思いっきりケツバットをくらう。

ケンはそんな5人に構わず話を続ける。

そしてマリーも輪投げを続ける。

 

「え〜と……大隊長夫人……。

今は流石にどうかと思うぜ……」

「あら、失礼しました」

 

ジャグラーがツッコミを入れると輪投げを止める。

……が、十数秒するとまた輪投げを再開する。

5人は上や下を向いて必死に笑いを堪える。

 

「ですから夫人……。

今、大事な話中なんで……」

 

ジャグラーが再びツッコミを入れる。

 

「あらら、ごめんなさい」

 

すぐに止める。

が、すぐに再開する。

 

「……」

 

ジャグラーはイカルスに『お前から注意してくれ』と目配せする。

 

「(え!?俺がやんの!?)」

 

突然の無茶振りにイカルスは困惑する。

 

「……」

「(わかったよ……)」

 

ジャグラーからの無言の圧力に負けたイカルスはマリーに話しかける。

 

「あの……大隊長夫人……」

「コラッ!!私が話している途中だろうが!!」

「ええ!?」

 

メ「ふふっ……w」

バ「んっ……w」

ヤ「くっ……w」

マ「ふふ……w」

 

突如としてキレたケンにイカルスは混乱し、他の4人はあまりの理不尽さに吹き出す。

 

『メフィラス、バルタン、ヤプール、マグマ、アウト〜』

 

メ「いだぁぁ!」

バ「ああーっ!」

ヤ「ぐぁぁ!!」

マ「ふおぅ!?」

 

4人はまたケツバットを喰らい、尻を押さえながら悶絶する。

 

「全く……人の話は最後まで聞きなさい……」

「すみません……」

 

イカルスは諦めてとりあえず謝る。

 

「では、気を取り直して……」

 

ケンが話終わるまでマリーはずっと輪投げを続けていた……。

 

––––––––––––––––––

 

ヤ「やっと終わった……」

バ「まだ30分しか経ってないぞ……」

メ「尻が……尻が保たない……」

 

ケンの話が終わるまでの間に5人は10回はケツバットをもらった。

輪投げの輪っかがケンの頭に直撃するわ、マリーが輪っかを床にぶち撒けて素で慌てるわで散々だった。

 

「ためになる話だったな。

さて、次はお前らの待機部屋に案内するから付いてきてくれ」

 

ジャグラーの案内に5人は渋々付いていく。

 

警備隊赴任からわずか30分。

既にお尻がボロボロな5人に更なる笑いの刺客たちが待ち受ける……。




ようやくスタート地点です。
ケンの話と輪投げのくだりはX(旧Twitter)にて相互フォロワーさんに提供していただいたネタです。
本当にありがとうございました。
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