笑ってはいけないウルトラ警備隊   作:フシンシャ

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チマチマ書いてきた第3話です。
提供されたネタへの導入も兼ねております。


第3話

「ほら、ここがお前らの部屋だ」

「はぁ……」

 

ジャグラーに通された部屋を見てメフィラスはため息混じりに頷いた。

その部屋は事務室とかによく置いてある机とキャスター付きの椅子、壁には大きめのモニターだけが設置してあるだけの簡素な部屋だった。

 

「お前らにはここで過ごしてもらう。

ただし、笑ったらケツバットのルールはここでも適応してるから気を付けろよ」

「分かったよ……」

 

バルタンもガックリと肩を落としてため息混じりに頷いた。

 

マ「とりあえず……座ろう……」

ヤ「だな……」

 

それぞれ、自分の名前が記されたプレートが貼られている席に座る。

 

メ「椅子に仕掛けはないみたいだな……」

 

どこに笑いの仕掛けがしてあるのか警戒しながら座るメフィラスとバルタン。

しかし、何も仕掛けはないようだ。

 

「じゃ、次の指示があるまでここで待機だ。

……あ、飲み物とかはそこの冷蔵庫にあるから好きに飲んでいいぞ」

 

ジャグラーはそう言い残すと部屋を出ていった。

 

バ「はぁ……」

イ「少しは休める……のか……?」

メ「まぁ、何も仕掛けがないなら……な」

マ「しかし……笑ってはいけないか……」

ヤ「……だりぃな……」

 

それぞれに愚痴をこぼしている。

やることもなく、ただ部屋で待機するだけなのにこんなにも苦痛なのは、やはり『笑ってはいけない』というルールが精神的なストレスになっているからだろう。

そのせいもあり、部屋には重い空気が漂っていた。

 

イ「そういえば……」

 

イカルスが何かを思い出したように話し出す。

 

イ「こういうのってだいたい引き出しの中になんかあるよな……」

メ「私もそれは思ってた……。 

でも……開けるのか……?わざわざ?」

イ「多分、開けないと進まないぞ、これ……」

バ「確かに……。

笑わせるための仕掛けだとしたら開けない限り先には進まないだろうな……」

イ「じゃあ、開けるか?」

「「「「……」」」」

 

イカルス以外の4人は黙り込む。

ここで引き出しを開けるなんて自殺行為だが、恐らく開けない限り次の指示は来ないだろう。

 

メ「しょうがない……開けてさっさと次に行くぞ……」

ヤ「だな……」

メ「じゃあ……私から行くぞ……」

 

【ミッション2:引き出しの中を調査せよ】

 

渋々といった様子でメフィラスは引き出しを開けた。

 

「うわっ……なんか入ってる……。

えっと……これだけか……」

 

一番上の引き出しには1枚のDVDが入っていた。

 

バ「これって……。

絶対ロクなことにならないやつだな……」

イ「うっわ……だるいなぁ……」

メ「でも……見るしかないんだよな……」

 

笑わせるために作られたのだから、どうせくだらないと分かっていても見ないことには先には進めない。

  

メ「とりあえず、これは全員引き出しの中を確認したら観ることにしよう……」

 

謎のDVDは一先ず置いておいて、引き出しの中を全て確認することにした。

だが、彼らはまだ知らなかった。

このDVDが自分たちを地獄の底に叩き落とすほどの代物であることを……。

 

 

バ「次は私だ……。

えっと……何が……うぉっ!?」

 

バルタンが一番上の引き出しを開けると、中から炭酸ガスが勢い良く噴射され、バルタンは思わず叫んでしまった。

 

メ「うわっ……w」

ヤ「んふっ……w」

マ「んっははははw」

イ「ぶっ……ふぅ……w」

 

『メフィラス、ヤプール、マグマ、イカルス、アウト〜』

 

その慌てようにバルタン以外の4人は思わず吹き出してしまう。

 

メ「あぁ……もう……いったぁ!!」

ヤ「いだぁっ!?」

マ「んっふふ……w

いったぁ……!w」

イ「あんなのずるいって……w

……ってぇ……!」

 

4人はまたケツバットを受けてしまった。

 

イ「そんなパターンもあるのか……」

メ「今のはずる過ぎるだろ……」

マ「ホントにな……。

もう嫌だ……」

ヤ「なら、さっさと全部終わらせよう……。

次は私が開ける……」

 

ヤプールは恐る恐る引き出しを開ける。

 

「……あれ?これは……」

 

一番下の段に指輪が入っていた。

 

ヤ「着けろってことか……?」

バ「……お前のところに入ってたんだからそうじゃないのか?」

ヤ「じゃあ……」

 

ヤプールはその指輪を薬指に嵌めてみせた。

 

ヤ「どうだ?」

メ「おぉ、中々似合うじゃないか」

 

その指輪は結構様になっていた。

が……後にこの指輪がヤプールを恐怖のどん底に叩き落とすことになる。

そのことはまだ誰も知る由もない……。

 

マ「次は私か……。

えっと……無い……。

ここは……無しか……。

……ここも無し」

 

マグマの引き出しの中は全て空っぽだった。

 

イ「トリは俺か……。

一番上は……何も無し……。

次は……。

うわ……あったよ……。

ここは……こっちにもあった……」

 

イカルスの引き出しからは赤と青、2つのスイッチが出てきた。

 

メ「さて……これで全員終わったが……。

どれから行く?」

 

全員の机の中身を確認し終わったが、まだ終わりではない。

これからその内容を確認しなくてはならなかった。

 

イ「じゃあ……このスイッチから確認しよう」

メ「DVDは後回しか。分かった」

イ「じゃあ……押すぞ……」

 

ポチッ

 

『イカルス、アウト〜』

イ「は?」

 

赤いスイッチを押すと同時に室内に響き渡る音声。

 

イ「え?なんだなんだ?

ちょっ……笑ってないって!?ねぇ!?

……いだぁぁぁ!?」

 

笑ってないのにケツバットを喰らうイカルス。

赤いボタンの正体は押すと強制的にアウトになり、ケツバットされるという罠だった。

 

メ「おいおいおい、そんなのありか……」

バ「理不尽がすぎる……」

 

怒りと恐怖が半々で入り混じったような声を漏らす。

 

イ「なんだよこれ……。

流石に卑怯すぎるだろ……」

 

赤いボタンを恨めしそうに睨み付ける。

しかし、まだ次があった。

 

バ「青い方はどうする……?

押すのか……?」

 

そう、セットになっていた青いボタンが残っている。

 

イ「どうせ押さないと進まないんだろ……?」

 

これを押すと、何をされるか分からない。でも、押さない限りいつまで経っても終わらない。

 

バ「……言い出しっぺの私が押そう……」

 

提案したバルタンが押すことになった。

 

バ「じゃあ……行くぞ……」

 

意を決し、青いボタンをゆっくり押した。

 

『イカルス、アウト〜』

イ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

ちょっ……待て……!!

あぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

また、笑ってないのにケツバットを喰らうイカルス。

 

イ「おい!!待て!!おい!!

なんだこれ!?なぁ!?」

 

赤青2つのボタン、どちらを押してもイカルスが罰を受けるという、理不尽の極みみたいな罠だった。

 

イ「おいジャグラー!!聞こえてるんだろ!?

お前今絶対笑ってるだろ!?

なんで俺がこんな目に遭わないといけないんだ!!なぁ!?」

 

怒りのあまり叫んでしまう。

 

ヤ「くっ……ふふふ……w」

『ヤプール、アウト〜』

イ「あ?」

マ「んふっ……w」

バ「ふはははっw」

『バルタン、マグマ、アウト〜』

ヤ「くふふ……wああっ!?」

マ「ははははwいっ!だぃぃ……w」

バ「頼む……w一回落ち着いてくれ……w

うああっ!?」

 

イカルスの狂乱ぶりに、思わず笑ってしまいアウトになるヤプール、バルタン、マグマ。

 

メ「……このボタンはどっかにしまっておくか……」

 

メフィラスがボタンを部屋の隅っこの棚にしまっておくことで、理不尽すぎる罠を封じた。

 

メ「……やっぱり最後にもう一回だけ押していいか?」

イ「ふざけるな!さっさと片付けろ!」

メ「分かったから……冗談だって……」

 

誰も得しない冗談にガチのトーンでツッコまれたので、メフィラスも流石に空気を読んで押したいという気持ちを押し殺した。

 

イ「……ったく……終わったら企画者に文句言ってやる……」

 

愚痴をこぼしながらも、気を取り直す。

そして……。

 

メ「……ついにこれか……」

 

メフィラスの机から出てきた謎のDVD……。

いよいよ内容を確認する時が来てしまった。

 

バ「どうせロクでもないのに決まってるんだ。

早く見て終わらせよう……」

メ「そうだな……じゃあ……」

 

メフィラスはモニターの下に設置されているDVDプレイヤーをジッ……と見据える。

 

メ「行くぞ……?」

「「「「……」」」」

 

DVDを入れるだけでこんな緊張感を発せるのは今の彼らぐらいだろう。

 

メ「……」

 

メフィラスは無言で再生ボタンを押した……。

 

この時の彼らはとてつもない笑いの刺客と戦うことになるとは、夢にも思わなかったであろう……。

 




以上、第3話でした。
次回はいよいよDVDネタになります。
いつ更新出来るかは未定ですが、お楽しみに。
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