よっすぅーーー!!!座敷童だぞ!!!エンジンルームを棲家にしてから・・・どれくらい経った?カレンダーとか無いからわからんち。時計っぽいものも見つけたんだが見たことの無い記号が並んでて読めん。まいったね。
「ふーん・・・今日はクッキーか。」
あれからネジ取ったり工具で遊んだりしてたらなんかお供えされるようになった。主にお菓子。どうやら俺の存在が知れ渡ってきたようだな・・・供えられたお菓子はなんとも言えない色をしてたり形をしているが。まぁ味は良いからいいか。流石客船。
「美味い!!!」
推定クッキーを食べる。うめぇ・・・チョコみたいな物も混ざってる。高級な感じがするな。
「あの渋い実を食わなくて済むってだけで幸せだ。」
地球に残ったままだったらどうなってたことやら。誰にも見つからずぼんやり過ごすなんて嫌すぎる。宇宙船乗り込んで良かった。
「一眠りするかぁ・・・」
眠る必要は無いんだが眠るとスッキリする。パイプを枕にしてスヤァ・・・
「船長。セキュリティ部からの報告です。子供はパイプを枕にして眠っている様子。」
「そうか・・・あの子供。居着いてしまってるがいったいなんなんだ・・・」
「ND-34Sホワットイル星の文献に記述があります。妖精の可能性が高いと・・・」
「それはもう聞いた。妖精か・・・ふん。ふざけた存在だ。」
「でもネジは隠すし工具では遊ぶし・・・放っておいたら大変な事故を招きますよ。」
あの子供は大変イタズラ好きだ。エンジンルームでイタズラをされると乗客乗員全ての命に関わる。なんとか他の部屋に移動させようと計画したがどれも失敗だった。くそっ
「与えた菓子はどうなっている?」
「人のいる前では食べないようですね・・・周りから人が消えてから食べているようです。」
「そうか・・・イタズラは?」
「変わりありません。」
「なんてやつだ・・・食うだけ食って・・・」
「でも・・・」
「良いこのまま続けさせろ。子供だから何かおもちゃでも与えればいいのか・・・?」
「検討しましょう。」
「何か用意させろ。」
「・・・わかりました。」
「イタズラを止めさせる事が第一だ。命に関わるからな。」
「ん?なんだこれ。」
何やら装飾のされた箱がいつも寝床にしてる場所に置かれた。金属製で結構デカい。俺にプレゼントか?
「んー・・・」
しばらく様子を見よう。工具箱かもしれないからな。物理的に追い出されはしないだろうが心象を悪くすると何されるかわかんねぇ。まぁエンジンルームで何かしようなんてことはないだろうが。
「・・・。」
遠くで作業員とこの前来た警備員みたいな宇宙人がカメラみたいな物を構えてこちらを見ている。この箱、俺のでいいわけ?良いんだな?だけどどうやって開けるんだこれ。
「叩けば開くか・・・?」
スパナみたいなので叩こうと思ったが絵面が空中浮遊するスパナが箱をガンガン叩くことになるのでいかん。とりあえずペタペタ触ってると警備員の宇宙人がカメラを構えながら近づいてきて、ついついと指を指している。ここ・・・あ、ここ動く。次はここ?ああ、仕掛け箱みたいになってんのね。
「お・・・?おお。」
すげえ箱のいろんなところがスライドしたり引っ込んだり。楽しい。箱の中身よりこの箱の方が楽しい。宇宙人の指示に従って箱を動かすとプシューっと蒸気が吐かれて箱が開いた。中にはなんか小さな宇宙船。俺が地球から乗った流線型の宇宙船とは違ってなんか作業艇みたいな感じ。お、アームが飛び出る。ブースターが光る?コックピットの扉が開く。かっけぇ!!!おもちゃだ!!!これ俺の?俺ので良いんだな?
「ぶいーん!!!」
ブンドドして遊んだら宇宙人が露骨にホッとしたような表情をして俺が集めたネジを回収した。仕方ねぇなおもちゃ貰ったしな。ネジは許してやんよ。
「ドドドドーーー!!!」
アームを伸ばしてパイプを掴む。すごい保持力だ。子供のおもちゃってことで頑丈なのかな?お、コンテナが取り外せる。中にキラキラした石みたいなのが入ってる。
「ふんふん・・・ふーん。」
なかなかギミックが凝ってる。流石宇宙のおもちゃだぜ。
「ふふふ!!!ブイーン!!!」
童心に帰ったみたいだ!!!まぁ座敷童だから子供なんだけど!!!おもちゃは何歳になっても楽しいもんだ!!!
「ブイーン!!!!・・・ん?」
おもちゃが入ってた箱の底にまだ何か入ってる。透けたタブレットみたいな・・・なんだこれ。
「絵か・・・?俺?」
その透けたタブレットには絵が描かれていて俺と思わしきものが描かれている。なんか・・・エンジンルームで遊ぶな!みたいな?
「うーん・・・エンジンルーム居心地がいいんだよな。」
それにエンジンルーム出たらどこに行けばいいんだ。俺は透けたタブレットをぽいっと箱に投げ入れブンドド遊びを再開した。
「ブイーン!!!」
「すげぇ・・・あれ、おもちゃで遊んでるのか?」
「ああ、遊んでる。カメラにはきっちり映ってる。」
「おもちゃが勝手に宙に浮いて動いてるんだが・・・」
「大丈夫だ。ネジも回収出来た。しばらくはおもちゃに夢中でイタズラはしないだろう。」
「そうだといいんだが・・・」
「あの妖精。報告のまんまだな。」
「ああ。イタズラ好きで、お菓子が好き。まさか妖精の本物を見ることになるなんて・・・」
「お前らあの子供が何か知ってるのか?」
「おう。とある惑星で娯楽映像を見てな。妖精って言うんだ。外見は全然違うが。」
「まぁ地球産の妖精だしな。」
「その妖精ってのはなんなんだ?」
「妖精ってのは架空の存在だったんだが・・・本物を見ちまったからわかんねぇ。」
「深い森の奥に棲むっていう伝説があったんだ。だけど・・・」
「あいつエンジンルームに棲みついてるぞ。」
「そうなんだよなぁ・・・」
「とりあえず、子供と同じ対応をすれば対処可能って報告する。」
「お菓子を後で持ってこよう。」
「そうだな。機嫌を損ねたら何されるかわかんねぇ。」
「カメラを通さないと見えないからな・・・監視カメラをよく見ておこう。」
「立ち入り禁止の場所を絵で描いた方が良いか?」
「そうだな。誰か絵が上手いやつに頼め。」
「絵だが子供はホロタブレットに見向きもしなかったぞ。」
「伝わらなかったんだろう・・・もっと絵が上手いやつに頼む。」
「引き続き経過を観察しよう。」
「あ、カメラから消えたぞ!!!」
「どこ行った!?」
「探すんだ!!!」
「くそ!!!おもちゃに夢中になってると思ったのに!!」
「何もしないでくれ・・・!!」
「なんだ・・・何か聞こえるぞ・・・?」
「子供の声・・・?」
「あの子供の声か・・・?」
「ぐいいいーーーん!!!」
キャハハと遊んでいたら大分奥の方まで来てしまった。エンジンルーム広いからなぁ。まぁこれだけデカい宇宙船だ。エンジンもでかくなるだろう。
「お・・・?」
奥の方で見つけたのはなんか小部屋。中はベンチが向かい合って置かれておりデカくて赤いボタンが真ん中に配置されている。・・・ははーん?救命艇だな?俺にはすぐわかる。
「勝手に押したらめっちゃキレられるな・・・」
デカくて赤いボタン。めっちゃ押したくなるデザインだがやめておこう。混乱を起こしたいわけじゃないからな。
「℃♫◇△!!!」
「▱♫△∂%!!!」
「+℃△♫!!!」
宇宙人達が追いついてきた。カメラを向けて手招きしている。仕方ねぇな。やめといてやる。
「ブイイイーーーン!!!」
横を通り過ぎて元の場所に戻った。するとお菓子が置いてある!!!まだ宇宙人達は来ていない。食べちゃお。
「ムシャァ!!」
なんか青いチョコケーキみたいなやつうめぇ。そういや食べ物ってどうなってんだろ。俺の口に入ったら見えなくなるのかな?前世で漫画で死神がリンゴを食うシーンを読んだ気がするがあれは口に入った瞬間見えなくなってた気がする。多分俺もそうだろう。なるべく宇宙人がいないところで食べるようにしてるけど。食べ物が空中に浮いて消えていくシーンは見ていて気持ちの良いもんじゃないだろう。
「ムシャムシャ。」
うめぇ。なんかサクサクしたケーキも美味い。原材料ってなんなんだろうな・・・?宇宙的なものだろうけどあんまり想像するのはやめよう。食べれなくなる気がする。
「♫△℃%◇・・・」
「℃◇▱◯△・・・?」
「♫△℃%◇・・・!!」
宇宙人達が追いついてきた。残りは後で食べよう。はーもっとおもちゃ欲しいな。宇宙人達は俺をカメラで捉えて安心している。仕方ねーな。ネジを拝借するのはやめるよ。イタズラしなかったらもっとおもちゃもらえるかな?もっと大きい箱も欲しいな。