ウマ娘忍たまダービー   作:223系新快速

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デジタルが四年生と仲良くなる話です。


第12話 デジタルは人気者の段

乱太郎「今日の授業終わり~!」

しんべヱ「何して遊ぶ?」

きり丸「かくれんぼ?それとも鬼ごっこ?」

滝夜叉丸「戦輪ごっこだ。」

「「「ゲゲッ!?滝夜叉丸先輩!?」

 

乱きりしんの前に現れたのは、学園一のナルシスト、四年生の平滝夜叉丸だ。

 

滝夜叉丸「ゲゲッとは何だ、実技の成績も教科の成績も学年一のこの平滝夜叉丸が、遊んであげるというのだぞ。」

乱太郎「滝夜叉丸先輩に遊ばれるくらいなら、勉強した方がマシです。」

しんべヱ「すぐ自慢話ばかりするんだもの。」

滝夜叉丸「成程、私の話を聞きたいのだな。では始めよう。」

きり丸「人の話聞かないんだから。大体、滝夜叉丸先輩の自慢話を好んで聞きたがる人なんて、いるわけないじゃん。」

デジタル「そのお話、聞かせてください。」

滝夜叉丸「おおっ、デジタルじゃないか、それでは、戦輪の素晴らしさから話そうではないか。」

デジタル「ええ、お願いします。」

滝夜叉丸「グダグダ~、グダグダ~。」

 

滝夜叉丸の自慢と薀蓄が始まる。

 

乱太郎「始まっちゃった…。」

きり丸「けど、滝夜叉丸先輩はデジタルに掛かりきりで俺達の事が疎かになっている。」

しんべヱ「逃げだすなら今のうちだよ。」

 

乱きりしんは逃げ出す。

 

 

滝夜叉丸「と、いう訳だ。」

デジタル「おおっ、つまり普段から戦輪を回しているのは、格好をつけるだけではなくて、手になじませて命中率を上げる為でもあるのですね。」

滝夜叉丸「その通りだ。」

デジタル「でしたら、頭の上や後ろで回せば、隙が消えるのではないでしょうか。試す価値はあると思います。」

滝夜叉丸「そうしてもいいが、もう夕方だ。これ以上続けると体が冷えるし、晩御飯の時間だ。食堂へ行こう。」

デジタル「はい、喜んで。」

 

~食堂~

乱きりしんが晩御飯を食べている。

 

乱太郎「いやー、気付かれずに済んで良かったね。」

しんべヱ「上手く逃げられたのって、初めてじゃない?」

きり丸「というか、滝夜叉丸先輩の自慢話を自分から聞きに行く人なんて初めて見たよ。」

 

そこに滝夜叉丸とデジタルがやってくる。

 

滝夜叉丸「いやー、今日は実に有意義な時間だった。私の考えを最初から最後までまともに聞いてくれるなんて初めてだ。」

乱太郎「てことは、デジタルはあれからずっと話を聞いてたの!?」

きり丸「滝夜叉丸先輩の自慢話をずっと聞き続けられるなんて、普通じゃない!」

滝夜叉丸「おおっと、ただ聞いているだけではないぞ。デジタルは、私の話す内容を全部理解している。流石、編入大会で我々四年生と互角に遣り合っただけの事はあるな。どこぞの補習組にも見習ってほしいものだ。」

きり丸「ムカーッ!」

乱太郎「悔しいーっ!」

 

 

忍たま長屋の自室で、滝夜叉丸が今日の出来事を喜八郎に話している。

 

滝夜叉丸「という訳で、デジタルとの会話は実に有意義だったわけだ。」

喜八郎「フーン。」

滝夜叉丸「喜八郎、その『フーン』は何だ。聞いているのか。」

喜八郎「聞いてるよ。それで決めた。」

滝夜叉丸「何を決めたんだ?」

喜八郎「デジタルがそんなに戦輪に対しての見識が深いなら、落とし穴についてもじっくり語れるはずだね。明日は僕が語るよ。」

滝夜叉丸「なっ、何だと!?」

喜八郎「滝夜叉丸だけ独占するなんて、狡いに決まってるじゃん。」

滝夜叉丸「喜八郎、横取りする気か!」

喜八郎「デジタルが滝夜叉丸のだって、誰が決めたのさ。」

 

 

翌日、デジタルは四年生長屋へ向かう。

 

デジタル「平滝夜叉丸先輩、今日もお話してくれるでしょうか。」

喜八郎「おーい、デジタル。」

デジタル「あ、綾部喜八郎先輩。平滝夜叉丸先輩はいらっしゃいますか?」

喜八郎「滝夜叉丸なら、さっき落とし穴に落ちて暫く出てこれなさそうだよ。」

デジタル「そ、そうですか。うーん残念です、今日も楽しいお話を聞けると思ったのですが…。」

喜八郎「だから、代わりに僕と話をしようよ。」

デジタル「い、いいんですか?」

喜八郎「君となら、落とし穴について深く語れそうだしね。」

デジタル「是、是非、喜んで!」

 

という訳で、今度は喜八郎が落とし穴について語り出す。

 

喜八郎「という訳さ。」

デジタル「成程。あ、あの、僭越ながら、その場合はここに仕掛けた方が簡単なのではないでしょうか。」

喜八郎「ああ、それは確かに一見するとそうなんだけど、罠に嵌める相手の力量を考えると、見破られやすいんだよ。」

デジタル「そ、それは盲点でした。」

喜八郎「ま、これは初心者が良く嵌るミスだね。僕も落とし穴を掘り始めたときにやったことがあるし。」

デジタル「しかし、彼我の力量を考えて動く必要があるのは、どこも変わらないですね。」

喜八郎「そうだね。それにしても、落とし穴に随分詳しいね。」

デジタル「編入大会の時にも言いましたが、穴掘り好きな子が前の学園にいたので…。」

喜八郎「成程。それはそうと、滝夜叉丸の相手を、良く喜々としてやっていたよね。うんざりするのが関の山なのに。」

デジタル「この手のナルシストも、前の学園にいたものですから…。」

喜八郎「滝夜叉丸みたいのが他にもいるのか…。」

デジタル「あーでも、その人は只のナルシストじゃありません。演劇を組み上げ、上手く演じる事を第一に考えるので、無駄にでしゃばったりしませんし、周りの人の良し悪しもちゃんと考えられますよ。」

喜八郎「フーン、滝夜叉丸も委員会では良い先輩だし、案外似ているのかもね。」

デジタル「そうかもしれませんね。」

 

一方、校庭の隅では…。

 

タカ丸「滝夜叉丸、こんなところで何しているの。」

滝夜叉丸「タカ丸さん、助けてください。喜八郎の奴に埋められたんです。」

タカ丸「それは大変だ、直ぐに掘り起こしてあげるね。」

 

タカ丸に救出され、一息つく滝夜叉丸。

 

滝夜叉丸「やれやれ、酷い目に遭った…。喜八郎の奴、自分がデジタルと語りたいからって、ここまでするか。」

タカ丸「デジタルがどうかしたの?」

滝夜叉丸「私が戦輪について熱く語るのを、熱心に聞いてくれたのだ。それを自慢したら、自分も落とし穴についてやると言い出した挙句、邪魔しないようにと私を埋めたのだ!」

タカ丸「…、なら、僕の髪結いについてもそうかな。」

滝夜叉丸「し、しまった、言うんじゃなかった。」

 

さしもの滝夜叉丸も、学年は同じでも年齢は上のタカ丸の行動に口を挟む事は出来ない。

 

 

更に翌日。

 

タカ丸「デジタル、ちょっといいかな?」

デジタル「さ、さささ斎藤タカ丸先輩!?ななななんの御用でしょうか!?」

タカ丸「別に大したことじゃないんだけどさ、髪結いに興味ある?」

デジタル「ももも勿論ですっ!」

タカ丸「じゃあ、ゆっくり話そうか。」

 

今度はタカ丸が話を始める。

 

タカ丸「それで、父が忍者であることをすっかり忘れてて、僕が忍術学園に入ってからも、一悶着あったんだ。」

デジタル「よく御無事でしたね。」

タカ丸「学園の皆が一致団結して守ってくれたからね。」

 

 

その晩。

 

守一郎「タカ丸さん、デジタルと何を話していたんです?」

タカ丸「髪結いについてだよ。いやー、あんなに見識が深いなら、忍者じゃなくて髪結いでもやっていけそうだよ。」

守一郎「それは駄目です。デジタルのあの才能は、忍者をしてこそ輝きます!という事で、明日はオレが話をしますね。」

 

 

守一郎「おーい、デジタル―!」

デジタル「あ、浜守一郎先輩!どうかしましたか?」

守一郎「他の四年生同様、俺の話も聞いてくれ!」

デジタル「良いですよ。」

 

デジタルと守一郎が話し込む。

 

デジタル「いやー、実際に忍者している人の弟子の話は、実感が籠もっていますね~。」

守一郎「俺の曾爺さんが現役の頃は、まだ火薬がなかったからその辺の知識は薄いけどな。だから忍術学園で、火薬の知識を鍛えているんだ。」

 

その様子を陰から見守る田村三木ヱ門。

 

三木ヱ門「次は私の番だ。四年生で一番は誰か、見せてやる。」




という訳で、3組目は滝夜叉丸とテイエムオペラオーでした。
三木ヱ門は次の話までお待ちください。
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